藤本正人の発言 (環境委員会)

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○藤本参考人 おはようございます。埼玉県所沢市の市長の藤本と申します。
 本日は、環境委員会で意見を述べる機会をいただきましたこと、光栄で、本当に感謝申し上げます。
 それでは、本市の取組について御説明した後、改正案について意見を述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料に沿って御説明をいたします。
 まず、一ページ目を御覧ください。
 所沢市は、都心から三十キロの首都圏に位置する埼玉県南西部の中心的な都市でありながら、となりのトトロの舞台となった狭山丘陵や武蔵野の雑木林、茶畑や三富新田という農地など、豊かな緑に恵まれた、都市機能と自然を併せ持つ都市であります。
 農地で生産されるものは、お茶やホウレンソウ、里芋、様々でありますけれども、葉物野菜が中心で、都市農業の強みを生かせると思いますが、しかし、どうしても、道路や倉庫を呼び込んで、そこに売ったり土地を貸したりすることで安定した収入を得たいと望まれる傾向があり、農地も減少しつつあります。
 二ページ目を御覧ください。
 私が市長となったそのきっかけは、東日本大震災と原発事故でありました。あのとき誰もが感じたことだと思うのですが、人間は万能ではない、人間は所詮自然の一部でしかないのかもしれないということを痛感し、その思いを決して忘れず市政に当たってまいりました。
 福島の原発は、東京の人々の電力のためでありました。何かの犠牲の上に成り立つ便利さ、快適さだけを求める、そんな生き方は反省し、知恵を絞って、時には我慢をしながら、エネルギー、資源を貪る形で成り立っている今のライフスタイルを転換し、子供たちに持続可能な社会を継承するため、今の大人が本気にならなければいけないと感じています。
 市長になるまで埼玉県議をさせていただきましたが、埼玉県議を務めさせていただいているときには二十四時間営業の是非を問うたりもしました。そして、二〇一一年の市長就任後も、小中学校二校へエアコンを導入することについて問題を提起するなど、便利さや快適さの追求やエネルギー使用の在り方について人々に訴えてまいりましたが、それが市民の合意になったかというと、必ずしもそうとは言えない現状であります。
 いずれにしても、そのような考えの下、人と人のきずな、人と自然との共生をしていくために、マチごとエコタウン所沢構想という構想を策定し、エコタウン所沢の実現をこの十一年間目指してまいりました。
 そして、現在、環境基本計画と所沢のマチごとエコタウン構想を一緒にした所沢市マチごとエコタウン推進計画というものを作り、ゼロカーボンシティー宣言をした上で、脱炭素社会の構築、みどり・生物多様性の保全、循環型社会の形成などを実現すべく、各種施策に邁進しているところであります。
 本日は、主に所沢市の脱炭素化や再生エネルギーの普及について御紹介をさせていただきます。
 三ページ目を御覧ください。
 まずは、再生可能エネルギー政策について申し上げます。
 所沢市は、二〇一四年に一般廃棄物最終処分場へメガソーラーを、また、二〇一八年には調整池にフロートソーラーを整備し、今まで市の遊休地であったところを活用するという形で再生エネルギーの普及を推進してきました。この二つの施設については、固定価格買取り制度、FITを活用し、その電気を売った収入を市の基金に積み立てて、市の施設の省エネ改修に充ててみたり、市民がエコリフォームをしたり太陽光発電や蓄電池又は電気自動車などを購入するときの補助金として還元させていただいております。
 その他、ごみ焼却発電や浄水場の小水力発電、小中学校の屋根を貸して太陽光を発電していくという太陽光発電事業など、再生エネルギーの積極的な普及に努めてまいりました。
 四ページ目を御覧ください。
 昨年度には、民間主導によるソーラーシェアリング事業も開始されました。長年遊休農地であった約一・七ヘクタールの農地でブルーベリーやブドウの栽培と約一メガワットの太陽光発電事業が開始され、年間見込み発電量である約百十二万キロワットアワー全量が地域新電力を通じて市の施設で今使用されております。
 まさに、この取組は、再生エネルギーの普及、遊休農地の活用のみならず、再生エネルギーと農産物の地産地消、さらには、障害を持った方々にも働いていただくということで、農福の連携による農業活性化など、地域循環共生圏の推進につながるものだと考えています。
 五ページ目を御覧ください。
 二〇一八年には、再生エネルギーを市民全体へ普及するため、民間事業者、市内金融機関、そして商工会議所とともに地域新電力会社ところざわ未来電力を設立いたしました。先ほど御紹介いたしました市のごみ焼却発電、そしてメガソーラーやソーラーシェアリングが生み出す電力などを電源とし、市の施設や市民に環境に優しい電力として供給をしているところです。
 六ページ目を御覧ください。
 所沢市では緑も大切にしております。二酸化炭素を吸収し、ヒートアイランド現象を緩和してくれるからであります。具体的に申し上げますと、条例に基づいて里山保全地域という保全地を指定し、市民による保全活動とセットで買取りによる公有地化を進めております。また、まちなかみどり保全地区、みどりのエコスポットといった、市街化区域に残っている貴重な緑を、固定資産税、都市計画税は十年間いただきません、ですから十年間保存をお願いしますという形で市独自の取組を進めているところです。
 七ページ目を御覧ください。
 最後に、今後のまちづくりの方針について説明をさせていただきます。
 所沢市は、脱炭素を目指すことはもちろんのこと、人と人のきずな、自然との調和、共生、そして、それらを大きく包含する、人を中心にしたまちづくりというふうに表現しているんですけれども、人を中心にしたまちづくりを併せて進めているところです。
 脱炭素社会の実現に向けては、再生可能エネルギーの更なる普及、利用を推し進めるとともに、市の施設の省エネ化を推進していきます。また、地域脱炭素ロードマップで示される公共施設への太陽光発電導入目標の達成を目指すとともに、助成制度を用意して市民、事業者の再エネの導入を促進したり、市の施設のLED化を進めています。
 人を中心にしたまちづくりの具体的施策としては、車のための道づくりから人のための道づくりへと発想を転換し、街路樹の樹冠を広げ木陰をしっかりとつくっていったり、川沿いの散策路を整備して人々と川と緑が一緒に感じられるようにしたり、道にベンチを百か所設置したりといった、歩きたくなるまちづくりを進めるとともに、シェアサイクルの拡充、地域公共交通の拡充によって、自動車を使わなくてもいいように、交通分野の低炭素化、ゼロカーボンに取り組んでいくつもりでもあります。
 以上が、所沢市の現状の取組であります。
 それでは、本改正案の地方公共団体に対する財政上の措置について意見を申し上げます。
 二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロを表明するゼロカーボンシティー宣言、所沢市も二〇二〇年の十一月に宣言いたしました。宣言した以上は本気で取り組んでいかねばなりません。
 昨年度よりゼロカーボンシティ推進室を設置し、各所属が温暖化対策を自分のこととして捉え、庁内一丸となって施策を進めておりますが、少子高齢化と人口減少が進む中、財政はこれからもずっと厳しく、限りある財源の中で新しい取組を進めていくことは非常に大きな課題となっております。二月末現在、埼玉県内六十四の市町村のうち、既に二十六市町がゼロカーボンシティー宣言をしておりますが、皆同じような財政状況であり、このままでは新たなことについては手が出せず、目標の達成は難しいものであります。
 今般の改正案については、国の財政支援が法的に位置づけられるものであり、かつ複数年度の継続的な支援が担保されることから、新規事業を自治体が実施し、それを続けていく上で確かな追い風になると考えています。
 また、民間事業者との連携も欠かせません。法改正によって継続的な支援の方向性が示されることから、より幅広いチャレンジングな取組が促されるものと考えます。
 以上のことから、ゼロカーボンシティーを表明する、また、これから表明しようとしている全国の自治体においてとても有用なものと考え、本改正案に賛同するものです。
 一方で、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の脱炭素先行地域づくり事業におかれては、各自治体の実情、特色を踏まえた評価を是非しっかりと行っていただきたいと存じます。例えば、当市も今後、先行地域の応募へ向け準備、検討を進めておりますが、先ほど御説明申し上げました人と人とのきずなが紡がれていくような、人を中心にしたまちづくり、そしてみどりの保全など、所沢市らしさをしっかりと出していきたいと考えています。
 また、脱炭素ドミノを起こすためには先行地域以外の地域を脱炭素化する仕掛けが必要であり、引き続き国、県、市町村が一体となって進めていくような施策の検討を行っていただければと存じます。
 最後になりますが、二〇五〇年までのカーボンニュートラル達成は非常に高い目標です。自然と調和するように、エネルギーはなるべく使わないように、使うエネルギーは再生可能エネルギーで賄うなど、地球を痛めつけないようにライフスタイルを変えていかねばならず、足し算だけでなく引き算でも考えていく覚悟が私たち一人一人に必要と考えます。
 また、本改正案に加え、今後は、地球温暖化対策にも資する都市公園とか生産緑地といった都市部の緑をどのように確保していくかという観点についても課題があり、政府全体で検討していただければと思うものであります。
 地球温暖化対策を進めるためにはどうすればよいのか。
 世界が、国が、自治体が、未来の子供たちから預かるこの地球を引き継いでいくために、今、脱炭素の声を上げてはおります。が、残念ながらそれはまだまだ浸透していません、胃の腑に落ちておりません。
 気候危機を共通認識とすることこそ必要であります。環境を担当する職員だけでなく、市職員みんなが、事業者が、そして市民みんなが本当にそうなんだと思って行動していく、そんな環境をつくっていけるよう、所沢市もゼロカーボンを達成することを前面に打ち出して、今後も市政を運営していく所存です。
 衆議院環境委員の皆様の一層のお力添えをお願い申し上げまして、説明を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 120804006X00520220401_008

発言者: 藤本正人

speaker_id: 9499

日付: 2022-04-01

院: 衆議院

会議名: 環境委員会