赤嶺政賢の発言 (憲法審査会)
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○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
私たちは、憲法の原則に反する現実を正す議論こそ必要だと指摘してまいりました。この点でいえば、現政権の運営に責任を持っている新藤筆頭を始め与党の皆さんから、憲法の原則に反する現実があたかもないかのように、私たちの問題提起に応えていないのは極めて残念であります。
これまでも繰り返し述べてきたように、今、最も重大なのは、憲法がじゅうりんされている沖縄の実態です。この五月十五日で、沖縄が本土に復帰して五十年を迎えます。さきの大戦で熾烈な地上戦を経験し、米軍統治下で人権がじゅうりんされ、虫けらのように扱われた県民が五十年前に願ったことは、日本国憲法の下に帰ることでした。
復帰に際し、沖縄県がまとめた復帰措置に関する建議書、いわゆる屋良建議書は、米軍統治下の軍事優先政策の下で、県民の政治的権利が著しく制限され、基本的人権が侵害されてきたとして、県民が復帰を願った心情には、結局は国の平和憲法の下で基本的人権の保障を願望していたからにほかなりません、復帰に当たっては、やはり従来どおりの、基地のない平和な島としての復帰を強く望んでおります、このように述べております。
しかし、県民の願いに反し、復帰後も、沖縄は広大な米軍基地がほとんどそのまま温存されました。憲法の上に日米地位協定が置かれる下で、米軍機の墜落や部品落下、米軍関係者による殺人やひき逃げ、レイプや暴行、基地からの昼夜を分かたぬ爆音や異臭、有機フッ素化合物、PFASを始めとする有害物質の流出、コロナの感染拡大などにより、県民の人権は脅かされ続けています。
さらに、政府は、幾多の選挙や県民投票で示された辺野古新基地建設反対の民意を無視し、地方自治も法律も踏みにじって、辺野古への新基地建設を強行しています。沖縄では、憲法の原理原則が踏みにじられております。
復帰五十年に当たり、玉城デニー知事は、平和で豊かな沖縄県の実現に向けた新たな建議書をまとめ、政府に提出しました。そこでは、沖縄を平和の島とする目標は、五十年経過した現在においてもいまだ達成されていないとして、次のように要望しています。
第一に、基地のない平和な島の実現に一層取り組むこと。第二に、在沖米軍基地の更なる整理縮小、日米地位協定の抜本的見直し、普天間飛行場の速やかな運用停止、辺野古新基地建設の断念等、沖縄の基地問題の早期解決を図ること。第三に、日本国憲法が保障する民主主義や地方自治については、正当な手続で示された民意を尊重すること。第四に、アジア太平洋地域において、平和的な外交、対話により緊張緩和と信頼醸成を図り、平和の構築に寄与すること。
このように強調しています。この沖縄県の願いに正面から向き合い応えることこそ、私たち政治家に求められております。
ところが、今、県民が復帰を望んだ平和憲法そのものが壊されようとしております。岸田政権は、抑止力の強化を理由に、沖縄を含む南西諸島での自衛隊の強化を進め、敵基地攻撃能力保有の検討を進めています。軍事に軍事で対抗するやり方は、際限のない軍拡競争を引き起こし、戦争の危険性を高めるものです。
一たび武力衝突が起これば、真っ先に犠牲になるのは沖縄県民です。国会では、台湾有事を想定し、沖縄本島、先島諸島などの住民の退避計画を早急に整備すべきだという主張がされておりますが、百四十万人もの県民を避難させるなど、到底不可能です。
沖縄県は、新たな建議書で、沖縄の軍事的機能を強化しようとする動きや核兵器の共有、敵基地攻撃能力保有等の考えは、悲惨な沖縄戦を体験した県民の平和を希求する思いと全く相入れるものではないと強調しています。
さらに、軍事力の増強による抑止力の強化がかえって地域の緊張を高め、意図しない形で発生した武力衝突がエスカレートすることにより本格的な軍事紛争につながる事態となることを懸念しており、米軍基地が集中しているがゆえに沖縄が攻撃目標とされるような事態は決してあってはならないとして、政府に対し、平和、経済、交流などの武力によらない手法によって、アジア太平洋地域の現在及び将来にわたる安定した発展を図るため、国及び地域間の協調を基本とする外交に取り組んでいただきたいと求めております。
これが、当事者である沖縄県民の強い思いです。
今必要なのは、憲法を変えることではなく、憲法九条に基づく外交を粘り強く行うことだと強調して、発言を終わります。