楊井人文の発言 (憲法審査会)
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○楊井参考人 御質問ありがとうございます。
憲法改正国民投票において、冷静な、事実に基づいた議論をするということが非常に重要であるということは、論をまたないかと思います。そうはいっても、やはり賛成派、反対派というのは当然出てくるのが国民投票という場ですので、そこは激しく議論も行われるということが想像されます。その中において相手側を批判をしたり攻撃をしたりということは、言論の中ですので、これが全くないかというと、それは当然出てくることが想定されるという前提で、そしてまた、事実に基づかない、あるいはミスリードな指摘をするということも、これは様々な議論の中では出てくるものだという前提で対応していかなければならないと思います。
そういうものが初めからない、きれいな、冷静な議論ができますということは、まずあり得ない。必ず、白熱した、そして様々な情報も飛び交う。先ほど申し上げたように、場合によっては、海外から何らかの介入と言ったらいいのか分かりませんけれども、国民投票に影響を与えるような情報が海外から流れてくるということもあり得るということの想定に立って対策等を考えていかなければならないと思います。
その際に、まず大事なのは、モニタリングといいますか、そういった誤った情報が流れていないかどうかをきちんと監視をする、その体制をつくるということです。我々ファクトチェック・イニシアティブでもその活動の一端を担っておりますけれども、ここはもっと充実をさせていかなければならないと思います。
また、時間がかかります、ファクトチェックというのは。検証するというのは、どうしてもタイムラグが発生してしまうんですね。特に、公職選挙法の選挙なんかは二週間足らずの極めて短い選挙ですから、非常に我々ファクトチェックする側も時間に追われて大変なんですけれども、国民投票はもう少しゆとりがあるとはいえ、やはりタイムラグが生じます。その中において、できるだけ、人員も含めて充実したファクトチェックの組織づくり、これを民間レベルでもっともっとしていかなければならないということと、それに対する何らかの社会的な、あるいは公的なバックアップというものが必要ではないかなというふうに考えております。
ファクトチェックといいますと、最後に一言だけですけれども、何が誤りなのかどうかということも、実はファクトチェッカーの間でも意見が分かれることがあります。そんな簡単なものではありません。ですので、多様なファクトチェックが行われて、また、これは事実なのか、あるいは意見の問題なのか、これは議論のある問題なのか、きちんと、立場を超えて、賛成派、反対派にかかわらず、これは確認できる、共有できる事実なのか、そこを何度も何度も、これは一回の議論ではなくて、繰り返し公開討論会を通じて理解を深めていくということを、時間をかける必要があると思っています。短期間では到底、こういった問題の理解が深まる、誤情報というものをきちんと皆さんが惑わされないように理解するには一定の時間が必要だということも御理解いただければと思います。