鈴木達治郎の発言 (原子力問題調査特別委員会)
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○鈴木参考人 ありがとうございます。
福島原発事故の教訓として私がよく挙げるのは想定外のことを想定するということなんですけれども、これがまだちょっと十分ではないんじゃないか。例えば避難訓練を見ますと、相変わらずシナリオどおりの避難訓練をやっています。やはり、避難訓練を見ても、シナリオのない避難訓練のようなことを導入する必要があるのではないか。これは全般的に、想定外のことを想定するという体制がまだできていないのではないかなというのが一点。
もう一つは、私、工学的リスク評価だけではなかなか安全性の確信が得られないということも福島事故の教訓なんですけれども、先ほど佐藤委員からもありましたが、やはり、工学的リスク評価以外にも、もちろん経済リスクもありますし、福島の被災者の方を考えますと、文化面とか、モラルとか、基本的人権とか、そういういろいろないわゆる人文社会学的な評価というのも大事だというふうに思います。その辺の評価体制をどう考えていくのか。これは原子力規制委員会だけではないんですけれども、原子力の安全を考える場合、そういう分野も考えていかなきゃいけない。これはコミュニケーションの問題にもつながると思います。
最後にもう一点、実は規制業界だけではないんですけれども、原子力産業界自身が果たして福島事故の教訓をちゃんと踏まえているのかという点も、十年見ますと、どうしても、ハード面は大変設備が整って確かに安全性は高くなっていると思うんですが、やはり先ほど申しましたようなソフト面での、先ほど申しました文化の面、これがまだ十分ではないんじゃないかというのが私の不安です。
以上です。