山井和則の発言 (厚生労働委員会)
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○山井委員 よろしくお願いいたします。二十八分間、質問をさせていただきます。
今日は私もちょっと沈痛な思いでこの場に立っておりますけれども、理由は、あさってから民法改正になるということで、私は民法改正、今回賛成であります。いい面も多々あると思うんです。酒、たばこ、ギャンブルは解禁されず、二十歳のままでした。しかし、私、今日、後藤大臣を始めとして政府の皆様、林局長を始めとする皆様、そして与野党の議員の皆様とともに、何としてもこの問題を解決せねばと思って質問をさせていただきたいと思っております。
それは、あさってから十八歳に成人年齢を引き下げることによって、ぱっぷすさんという性暴力被害の相談に乗っておられる団体の方々からも御要望いただいておりますが、高校生アダルトビデオ出演解禁を止めてください、十八歳、十九歳、高校生の取消権維持存続立法化のお願いという集会が先日ございまして、齋藤筆頭理事も御出席いただき、公明党からは佐々木先生も来てくださり、各党から御出席をいただきました。そういう超党派での議員立法の協議というのも、参議院の内閣委員会を中心に今行われております。
それで、一昨日は塩村議員が質問されて、岸田総理からも、もし政府の対応で不十分な点があれば、与野党の議員立法などを見守るという答弁もございました。
これ、あさってなんですね。今頃何を言っているんだとお叱りを受けるかもしれませんが、私も民法改正に多少は携わってきた人間として、土壇場になってこういうことを言うのは、私自身、反省して、申し訳なく思っておりますが、ただ、それでも深刻な問題なので、是非一緒に考えさせていただきたいと思います。
今日は、配付資料、二十二ページございます。
まず、どういうことかといいますと、今までは、十八歳、十九歳の方というのは、未成年の取消権がありました。ですから、契約では、嫌々というか、渋々というか、口車に乗ってというか、契約したけれども、アダルトビデオの撮影をした後、やっぱりこんなの公開されたら困る、自分の人生でということで、取り消してというケースが多々あるわけですね、出るときは合意していたにしても。十八歳、十九歳だったら、これはもう立証責任なく、未成年だったということで取り消すことができました。ですから、多くのアダルトビデオというのは二十歳以上だったんですね。
ところが、あさってからはその取消権がなくなるわけですから、あさってから、十八歳、現役の高校三年生が契約をし、そのビデオが出回る可能性が高いということなんです。
ここに書いてありますように、何が起こるかというと、今までは、十八歳、十九歳でスカウトをして、取消権がある十八歳、十九歳はAVの出演はさせないけれども、二十歳の誕生日と同時に出演してもらうということになっていたわけですから、今回、それが十八歳の誕生日で、現役高校生も、理論上、実質的にアダルトビデオに出演できるとなると、ここに書いてありますように、まさに私たち厚生労働委員会が所管します児童福祉法にも関連する高校生や子供たちが、そういう、性暴力、痴漢、レイプなどなどで襲われるリスクも、これは残念ながら高まってくるのではないかと思います。
それで、配付資料を次、見ていただければと思いますが、二ページ目、三ページ目は、日本大学の末冨教授、内閣府の審議会の委員もされている方でありますけれども、この末冨教授も、「緊急事態! 女子高生がAV搾取され放題? 十八歳十九歳は酒タバコ禁止でAV解禁? #こども家庭庁」ということも書いてあります。
私も深刻だと思いますのは、一度アダルトビデオが出回ってしまったら、本当に取り返しのつかないことになりかねません。
田村先生も本当に子ども貧困議連の会長で御尽力くださっていますけれども、実はこのアダルトビデオ問題というのは、残念ながら、貧困問題が関係していまして、コロナ禍でアルバイトができなくなった学生さんや高校生も、単発の高いアルバイトということで、こういうものに、巧妙に出演を、引っ張られてしまっているという、これは残念ながら、コロナ、貧困問題も関係しているんですね。
その中で末冨教授がおっしゃっていますのは、三ページにありますように、赤線を引きました、事態の深刻さを認識した国会議員なら与野党問わずオール国会でこの高校生世代の緊急事態に対処してくださるはずだと私は信じておりますと。そして、三ページ目、全ての国会議員、関わる官僚の皆さん、一刻も早くアダルトビデオ搾取から高校生世代を守ってくださいということですが、もうあさってから、事実上、取消権がなくなるわけなんですね。
それで、今までの、相談に乗っておられる、ぱっぷすさんの資料によりますと、例えば昨年度は八十一人、こういうアダルトビデオ関係の被害の相談があったけれども、六十一人は二十歳以上、二十人が二十歳未満なんですけれども、少なかったわけですね。でも、残念ながら、取消権がなくなると、これが非常に増えていくということが容易に想像がつくわけです。
それで、次のページも見ていただけますでしょうか。配付資料で、このページは、ぱっぷすさんの資料であります。
ぱっぷすさんは、今日は、公明党さんと自民党さんにも要望書を渡されたと聞いております。
その資料の中で、深刻な問題は、十七ページにございます。よく、岸田総理も一昨日、意に反するアダルトビデオ出演は取り消せるんですとおっしゃるんですね。ところが、ここは巧妙な形になっておりまして、意に反する形には、物証的には、ならないようにされているんです、それは。
例えば十七ページの、ぱっぷすさんの相談になられたケースでも、最初にスカウトされたときにも、アダルトビデオは嫌ですよと言っているわけですね。しかし、ほかの仕事を紹介しながら、結局、知らないうちに話がどんどん進められ、仕事が決まったように言われたと。契約書に署名押印時、ビデオカメラの前で契約内容を朗読させられ、自由意思で出ると言わされたと。つまり、ここまで完璧に、意に反していないという証拠を、逆にもうプロダクション側が固めてしまっているんです。
このことは、今までから、公明党の議員の方々が数年前からアダルトビデオ強要問題を取り組んでおられて、こういう深刻な話があるんだというのを私も公明党の議員の方々からもよく聞かされておりました。それで、二十歳以上でも、巧妙に、こういう事態になっていたのに、あさってからは高校三年生がこうなっちゃうわけですね。
それで、もう少しだけ説明させてください。このことについて一番詳しい本が、今日の配付資料に入れさせていただきましたが、ちょっと見ていただきたいんですね、九ページ。私もこういう本を読むのはちょっとつらかったんですけれども、勉強させていただきました。「AV出演を強要された彼女たち」という宮本節子先生の本であります。
この中に多くの事例があるんですけれども、一つの特徴があるんです。赤線を引かせていただきました。
当時Cさんは、十八歳以上ではあったが二十歳未満の未成年で、この年齢では親の承認なしに契約はできない。取消権ですね。右下九ページ。その結果、八月一日、本採用、契約書を交わす。その月、Bさんは二十歳になっていたという。
つまり、十八、十九歳はセーフなビデオを撮影して、二十歳の誕生日と同時にアダルトビデオの撮影に入る、こういう流れになっているわけです。
それで、次のページも、第二次契約を交わした、アダルトビデオの九本の出演が決まる。二十歳になると、プロダクションと第二次の営業委託契約書を交わした。この契約書の内容は、最初に取り交わした契約書の内容はほとんど変わらず、アダルトビデオという文言が入ったものだけだった。アダルトビデオ九本に出演したと。
次のページを御覧ください。十ページですね。だからアダルトビデオの関係者は年齢には敏感で、十八歳や十九歳ぐらいでスカウトした人については、二十歳の誕生日が来るまでいろいろな理由をつけてキープしておき、そして二十歳を迎えた途端にアダルトビデオの撮影に入る場合がある。さきに挙げたCさんがその典型例であると。
次のページも、契約が結べるのは二十歳になってからということで。
だから、十八、十九歳はそもそも被害が少なかったんですね。だから、ぱっぷすさんの相談でも二十歳以上が多かった。
しかし、あさってからは、アダルトビデオの会社からしますと、実際撮影したところで、やっぱり嫌だとおっしゃる方は多いんですよね、女性の方は。そのとき取消権があったら無条件に取り消せるから、やはりビデオ制作が、プロダクション側としたら大損害を被るから、それだったら元々十八歳、十九歳は取消権があるから声をかけないでおこうと、今まで抑止力になっていた。その最大の、十八歳、十九歳、高校生を、これは男性も被害が出ておりますけれども、守ってきた取消権が、あしたで切れるんです。
そこで、お伺いしたいと思います。法務省さん。今まで、質問通告しておりますけれども、強迫とか虚偽の説明、錯誤、意に反する契約、不当な勧誘行為、そういうのがなかった場合ね、なく契約を結んじゃったと。それでも、撮影した後、やっぱり嫌だ、自分のこんなビデオが拡散して生涯ずっと残るのは嫌だということで、十八歳、十九歳の方が取消権を行使した場合は、その契約と作品の公開自体、取り消せますか、現時点では。十八歳、十九歳は。