高田かおりの発言 (厚生労働委員会)

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○高田参考人 コロナ自宅放置死遺族会共同代表の高田かおりと申します。よろしくお願いいたします。
 昨年の八月、第五波のさなか、単身で沖縄で在住していた私の弟が新型コロナに罹患し、必要な医療を受けられず、他界しました。
 弟は、十年前に沖縄に移住し、飲食店を経営しておりました。当時、感染状況が悪化してお店は休業しておりましたが、地元の人や観光客の人がたくさん来店していただけるお店でありました。
 弟は、八月五日、陽性が判明し、その後二日間、保健所からの連絡は取られず、八月八日、保健所の方が自宅を訪問したところ、ベッドに横たわった状態で、死亡し、発見されました。自宅には八月六日が賞味期限の総菜が腐敗して残っておりました。
 誰にもみとってもらうこともなく、大丈夫ですかという声もかけられず、本人もどうしたらいいのかも分からず、亡くなっていったのだと思います。また、本人は体調が悪く、本当にしんどくて、電話すら、どこにかけてもいいかも分からず、亡くなっていったのかもしれません。コロナに感染したという怖さと孤独の中で息を引き取ったんだなと思うと、本当に胸が締めつけられます。
 私は、保健所が訪問するまでの丸二日間何もしてもらえなかったことは、療養死ではなく放置死だと思っています。
 弟が死亡した当時、コロナが国内で感染確認されてから既に五百日以上が経過していました。第五波にまでなってなぜ必要な医療とアクセスできなかったのかという、やり場のない悲しみと憤りがありました。
 まだコロナ感染症の薬もなく、治療法が確立されていない中、弟の死を無駄にしたくありませんでした。去年九月に、さいたま市で自宅療養中に必要な医療を受けられず父親の西里昌徳さんを亡くされた西里優子さんと出会い、遺族会を立ち上げました。
 会には、保健所と連絡が取れず、家族が療養先に見に行くと亡くなっていた事案、目の前で容体が急変し、何もできないまま呼吸が止まり、冷たくなっていく様子を目の当たりにした事案、連絡を取っていた遠く離れた独り暮らしの家族に何もできないまま死亡した状態で見つかった事案の遺族が数組所属しております。また、第六波で自宅療養中に亡くされたお子さんの遺族もいらっしゃいます。
 自宅放置死遺族会という名前を一見、見て、放置という強い言葉を使っていることに違和感を覚えられる方もいらっしゃると思います。しかし、家族を亡くした側からすれば、自宅で必要な医療を受けられず、アクセスできない状態で亡くなった状況は放置です。
 会では、主にオンラインで遺族同士が交流し、悲しみを分かち合うほか、自治体ごとに対応や遺族への対応が異なっていることも分かり、情報交換の有用性を感じています。また、現在、医師や弁護士にも手伝っていただきながら、個別事案の検証を行い、改善点についても今後発信できていければなと考えております。
 ワクチン接種も進み、一度はコロナが収束したかのようでしたが、年初からの第六波では、オミクロン株が猛威を振るいました。
 第六波では、私の友人が感染し、その友人も独り暮らしで、持病が原因でワクチンが未接種でした。症状が出た日は休日で、検査もなかなか受けられず、陽性の結果が出てからも、自宅で独り、保健所と医師の電話を待ちました。保健所からの連絡では、ワクチン未接種だと重症化するおそれがありますね、十日間は外に出ないでください、具合が悪くなったら自分で病院を予約して行ってくださいとだけ伝えられました。全身の状態がとても悪かったのですが、陽性が判明してから三日後にようやく、電話し、医師とつながることができ、病院に行けたそうです。
 第六波では、自宅療養者がたくさんいらっしゃいました。今もなお、いらっしゃると思います。この友人のように、ほかにも、なかなか医療にたどり着けず、不安の中で療養された方がいらっしゃるのではと思っております。また、発症後一か月近くたちますが、非常に、起き上がれないぐらいの後遺症に苦しまれております。
 保健所や医師、医療関係者の方々、最前線の方々を責める気持ちはありません。逆に、昼夜問わず精いっぱい御対応いただいており、感謝しております。特に保健所には、波が来るたびに負担が集中し、職員の方も疲弊されているのではないかと思います。
 会に関わっていただいている医師の方に、先生みたいなクリニックの先生が近くにいてたらということを伝えると、いや、それだけでは解決しないと。例えが正しいかどうか分からないですが、水害に例えると、小雨であれば、傘を持って、かっぱを持って助けに行けるし、何かの手だてはある、ただ、災害級になると、僕一人の力ではできることは本当に限られているということをおっしゃっていました。
 第六波でも、自宅で多くの方が亡くなられたという報道も目にしております。第五波までの検証がされていないことで同じことが繰り返され、第六波になっても改善はまだ行われていないのだと感じています。
 私は、今まで、体調が悪くなったり具合が悪くなったら医療とつながれるのが当然だと思って生きてきました。制度や仕組みをつくるのがどれだけ難しいのか、私には分かりません。なかなか医療につながれないだけでなく、PCR検査から医療と、継続的な治療が全て分断されているように感じています。このようなことを言うと、コロナ禍だから仕方ない、遺族だからと言われるかもしれませんが、ただ、適切な医療に簡単につながれない状況がある今、起こり得る状況を想定していただいて、速やかに必要な人が医療とつながれる準備はできなかったのかと思っています。
 医師とつながらなければ、インターネット等の情報で自己判断となります。当然、基礎疾患、体質などで感染後の状態は個々によって違うと思います。専門家の判断ではなく、真偽不明の情報による個人の判断に頼るのは、とても危険なことだと思っております。
 第六波では、感染者数や死者数がこれまでになく多い日が続きました。その状況に社会が慣れてしまっているのではないかなとも感じています。コロナだから仕方がない、そういう言葉さえ聞こえてきます。これでは、早期に医療とつながれれば助かったかもしれない命が報われません。第六波では、お亡くなりになられる方が百人を超える日も珍しくありませんでした。人は物や数ではなく、当然、その百人お一人お一人に人生があり、悲しむ家族、友人がいます。
 私は、昨年五月、第四波のときに母をがんで亡くしました。母は、コロナで医療が逼迫している中、運よく県をまたいで入院できましたが、なかなか医療にたどり着けませんでした。ほかの疾患の方も、コロナで医療が逼迫し大変な状況なのは、身をもって重々理解しております。
 一部自治体ではもう第七波に入ったという報道も目にしております。今後、全国的に感染者が増えたときに、感染したら早い段階で、そして緊急時に医師につながれ、適切な医療を受けられる状況への改善を願っております。
 コロナ自宅放置死遺族会、高田かおり。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 高田かおり

speaker_id: 30985

日付: 2022-04-12

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会