金尻カズナの発言 (厚生労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○金尻参考人 皆様、おはようございます。NPO法人ぱっぷすの金尻です。
児童福祉法と高校生AV出演問題の関係性について御説明いたします。
ぱっぷすは、デジタル性暴力や性的搾取の相談支援やアウトリーチ活動を行っている団体です。
高校生AV出演問題から見えてきた児童福祉法に関する要望事項としまして、まず一、家出をするなど行き場のない子供、若者がAV等の性的搾取の被害者とならないよう、一時保護所の充実を含む子供、若者の居場所支援を強化すべきです。
二、児童養護施設等を退所したケアリーバーが孤立、経済的困窮等を理由にAV等の性的搾取の被害者とならないよう、ケアリーバーに対する相談支援や財政的支援も充実すべきです。
三、児童虐待の被害者がAV等の性的搾取の被害者になるケースが多くあることから、児童虐待を防止するだけではなく、虐待被害者の心のケアも強化すべきであると考えます。
四番目、子供、若者がAV等の性的搾取の被害者とならないよう、子供、若者に向けた教育、広報、啓発を強化すべきです。
子供、若者がAV等の性的搾取の被害者になることと貧困問題は大きな関わりがあります。児童手当の高校三年生までの延長、児童扶養手当の充実など、子供の貧困対策を強化すべきです。
次の資料は、四月一日の成人年齢引下げに伴い、高校生AV出演の増加が、高校生や子供への性犯罪、性暴力の増加を助長する可能性がとても高いという点です。児童福祉法の理念である児童の健全育成にも反します。
閣法では、児童をわいせつ行為から守るため、わいせつ行為を行った保育士の資格管理の厳格化を定めておりますが、高校生AV出演の増加は、逆にわいせつ保育士を増加させることにもつながりかねず、政府の取組についても逆行いたします。
次に、大学や専門学校に進学するためのお金を用意するために、やむを得ずAVに出演するケースが少なくありません。児童福祉法では、国は児童の健全育成に責任を負っています。しかし、コロナ禍の中で、生活に困窮する子育て世帯が増加、子供の貧困問題も深刻化です。子供の貧困がAV、性産業につながっていること、そして、そもそも親に頼れない子供たちがAV、性産業に行きやすいというのは福祉に携わったことのある人ならよく知られていることです。子供の貧困対策を充実させることが、高校生AV出演被害をなくすことにもつながります。実際に、十八歳で施設退所を求められ、生きるためにAVに出演するしかなかったという相談者も見てきました。今、国の在り方が問われております。
次の資料は、親族に頼れない十八歳のケアリーバーの問題について取り上げた資料です。
その次の資料も、ケアリーバーの困難さについて取り上げたものです。
次の資料が、現在、議員立法で進められておりますAV出演防止法についてです。
特に、成人年齢が、今回、十八歳に引下げにより、十八歳、十九歳の方の取消権を行使できない問題に直面しています。AVの撮影をしたくない意思表示をしても、電話や対面などで、えっ、仕事でしょうとか、さっきまでやると言ったよね、何で俺のこと信じてくれないのなど、こう言われて、これまで、若年層の方が、こういうふうに強く言う人に対して、このように言われたら、何か私は本当に悪いことをしてしまったんじゃないかという気持ちにさせて、何か彼を悲しませてしまったらいけないというふうなことで、ある種そういった気持ちを巧みに利用して出演を承諾させてしまうという現状もございます。
これまでは、十八歳の方の被害相談であれば、取消権が行使できました。しかし、四月一日から、支援団体としてどのように伝えたらいいのか、正直分かりません。
次のページですが、新宿歌舞伎町では、コロナ禍ですが、多くの若年層が集まっている場所となって、性的搾取の中心地の一つとなっております。
次のページですが、若年女性が社会に希望を持てなくなった瞬間、社会とのつながりを見出せずに居場所を失う瞬間を性的搾取をする人たちは見逃さないということです。
東京新宿、渋谷を歩くと、このように、性的搾取にまつわる広告宣伝バス、繁華街を大音量で走っております。報道によると、六歳の子供が、そのバスが流している高収入募集サイトの広告の歌を歌い出したりとかということ、それで親が驚いたというふうなニュース報道もございました。
多くの方は、このぎらぎらした怪しい広告でひっかかる人はいないと思われますが、これにはからくりがあって、学校の道中でこの音楽に慣れ親しまされ、十八歳、十九歳になったとき、例えば、奨学金を使い込んでしまって、来月の家賃どうしよう、もう払えないとなったときに、高収入アルバイトでスマホで検索するわけなんです。そのときに、困っている人にとっては、さっきの高収入バイトがきらきら見えてしまって、それで、結局、そこから性的搾取に巻き込まれてしまう。つい先週も、ここにあるような求人サイトによる被害相談が実際に寄せられ、相談支援も行っております。
具体的な事例についても御説明したいと思います。
ある方、Aさんというふうに呼びますけれども、Aさんは、スマホで、渋谷、短期、アルバイトという形で検索すると、先ほどのような求人サイトで、触られない、顔ばれしない、撮影会モデルの募集サイトを見つけ、応募しました。
来て早々、今着ている服のままでいいので、モデル登録用に写真撮影を行うというふうに言われたんですね。Aさんは、えっ、脱ぐんですかというふうに聞き返したところ、カメラマンは、えっ、どうしてそういうこと言うの、だって、ほら、有名なアイドルグループだってみんなやっているよね、何か、下着と水着と何が違うのとか、だって、モデルを目指すんだったら普通のことでしょう、実際、体のラインとかも見たいしということで、あたかも、脱がない私があたかも悪いかのように思わせて、結局トップレスの写真を撮られてしまうわけなんですね。
重要なのは、ここで被害者を選別するわけなんです。ここで断れる人は確かに被害に遭わないかもしれないんですが、十七歳、十八歳、十九歳の方がどれだけ断れるのかということを是非考えていただきたいと思います。特に、密室で一対一になって、高校生の方です、やはり、私がもし子供の頃だったら断れなかったのではないかなと思っております。
特に、その後、断れなかった方は、後日、別の事務所に連れていかれたところ、今度は、カメラ面接に一回応じると三千円もらえるアルバイトがあるけれども、どうと。ここで契約、署名することになるわけなんですけれども、ただ、契約書には、アダルトビデオと書いてあるんですね。Aさんは、それはちょっとというふうに伝えると、事務所の人は、ここはそういう総合モデルプロダクションで、グラビアさん、タレントさん、AV女優さん、俳優さん、いろいろな人が所属しているから、そういう共通の契約書だから大丈夫だよ、仕事も選ぶことができるしというふうに言って、そう言われたので、拇印で押印されました。
後日、また事務所に来るように言われて、別の担当者が現れて、連れていかれたところは、いわゆるアダルトビデオの面接でした。当初の話と違うこと、撮影会も含めた面接だと思っていて、その担当者に伝えたところ、担当者の人は、別に、紹介するだけで、仕事は選ぶことができるよと言ったので、引き続き、大体四社ぐらいですね、いわゆるメーカー面接というのを回るんですけれども。面接回りの最後に、担当者の人は、今まで、宣材写真の撮影とか面接回りにお金を使ってきて、お仕事をしない女の子がいたけれども、そういうことはしないでねというふうに言うわけなんですね。それで、だんだん怖くなって、結局、全てメーカー面接を受けることになります。
それから、特に何も連絡がなかったのでそのまま放置していると、二週間後、電話がありました。事務所から、仕事が決まったよというふうに言われたわけなんですね。そこで、すかさず断る電話をしたところ、結構頑張って断ったんですね、勇気を出して。そうしたら、事務所の人が、ああ、そこまで言うんだったら分かった、取りあえず事務所で契約解除について話し合おうみたいな感じで言われて、事務所に行ったところ、結局、同調圧力ですね、やはり一対三とかという形になるわけですから、結局、頑張りますというふうに言わされるわけなんです。
それでも嫌だったので断ったところ、すかさずまた電話がかかってきて、だって、さっき頑張るって言ったよね、さっきまでやるって言ったよね、君、やりたくないとか言うけれども、俺たちとか業界のことを何か否定したり差別しているのというふうに言ってきて、そうやって畳みかけて、結局、出演を承諾させるわけなんですね。でもね、君、またころころ変わるし、信用できないからさ、じゃあさ、LINEで、頑張りますって書いてというふうに言って、結局、そういった加害者の都合のいい証拠が作られていくわけなんです。
後日、出演同意書というのを署名押印する際も、また君、話が変わるかもしれないから、その署名欄の上に、お仕事楽しみです、ハートマークって書いてって言われて、結局、その様子をビデオカメラで撮られて、契約内容も朗読させられ、自由意思で出るというふうに言わされてしまいました。
Aさんは、自分の持てる能力の全てを使って撮影に対してあらがうんですけれども、全く話が通じないんですね。何か自分の伝え方が悪かったんじゃないかというふうに、御自身を責めてしまいました。
結局、撮影当日になって、したくないというふうな、やはり言えるような状況ではなく、多くの大人の人たちに囲まれて、結局、性行為、性交類似行為をさせられてしまった。Aさんもそうですけれども、被害を受けた方の多くは、撮影中は無だったとおっしゃるんですね。無というのは、結局、心身が乖離している状態のことを指すんだろうと私は認識しております。
しかし、そういった新人のビデオというものは一本契約ということはまずないんですね。Aさんの場合は、結局、六本契約だったわけなんですけれども、撮影は毎月一回行われて、三か月から半年間かけて行われるんですね。実際、一本出ました、二本出ましたと。事務所の人たちは、えっ、何か誰かに知られた、知られていないでしょうというふうに言うんですね。それはなぜかというと、まだ販売されていないから知られることはないんですね。しかし、契約本数の六本ぐらいの撮影になった頃に販売されるわけなんです。
しかし、その間、加害者、その事業者の人たちと長時間一緒に過ごすことによって、一緒にビデオを作っている、作品というものを作る仲間とか、妙な連帯意識とか、信頼関係が生まれていくわけなんです。
その中で、唯一コントロールできるのは、結局、演技でしかないと。そもそも素人さんに何の演技を求めるのかというと、否定的に対応するよりかは、協力的に、従順に応じるということなんですね。自ら性的に演技をする。ハードなことをすれば、その事業者の人たちはそれを報いるように、まるでお姫様のように誠意を尽くして対応してくれるわけなんですね。体調が悪くなっても、多少の融通を利かせてくれる。
結局、こういった契約本数の撮影が終わる頃に販売が開始されて、相談者の方の地獄が始まるわけなんです。
ただ、こういった被害相談が寄せられました。そのとき、この方は十九歳だったので、取消権が使えたんですね。回収もされました。しかし、四月一日以降、それができなくなっております。
そこで、私、今回、特に高校生AV出演問題から見えてきた児童福祉法に関する要望事項として、繰り返しますが、一つ目、家出をするなどして行き場のない子供、若者がAV等の性的搾取の被害者とならないように、一時保護所の充実を含む子供、若者の居場所支援を強化すべきです。
二つ目、児童養護施設等を退所したケアリーバーに対して、孤立、経済的困窮等を理由にAV等の性的搾取の被害者とならないよう、ケアリーバーに対して相談支援や財政的支援を充実すべきです。
三つ目、児童虐待の被害者がAV等の性的搾取の被害者となるケースが多くあることから、児童虐待を防止するだけでなく、虐待被害者の心のケアもやはり強化すべきです。
四つ目、子供、若者がAV等の性的搾取の被害者とならないよう、子供、若者に向けた教育、広報、啓発を強化すべきです。
五、子供、若者がAV等の性的搾取の被害者になることと貧困問題は大きな関わりがあります。児童手当の高校三年生までの延長、児童扶養手当の充実など、子供の貧困対策を強化すべきです。
子供や高校生への性犯罪、性暴力を防止するためにも、高校生AVの規制を強化すべきです。
特に、高校生や十八歳、十九歳のAVが増えたら、やはり被害が低年齢化し、高校生や子供への性暴力被害が増加し、やはり児童福祉法の理念に反する事態になりますので、性犯罪から児童、子供を守るためにも、今回、児童福祉法改正とセットで、AV出演被害防止法案の議員立法を成立することが必要だと考えております。
以上になります。(拍手)