厚生労働委員会

2022-05-11 衆議院 全313発言

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会議録情報#0
令和四年五月十一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 橋本  岳君
   理事 今枝宗一郎君 理事 齋藤  健君
   理事 高階恵美子君 理事 牧原 秀樹君
   理事 山井 和則君 理事 柚木 道義君
   理事 池下  卓君 理事 伊佐 進一君
      畦元 将吾君    上田 英俊君
      加藤 勝信君    勝目  康君
      川崎ひでと君    菅家 一郎君
      小森 卓郎君    後藤田正純君
      佐々木 紀君    塩崎 彰久君
      鈴木 英敬君    田村 憲久君
      高木 宏壽君    土田  慎君
      中川 貴元君    西田 昭二君
      長谷川淳二君    深澤 陽一君
      堀内 詔子君    松本  尚君
      三谷 英弘君    三ッ林裕巳君
      盛山 正仁君    八木 哲也君
      柳本  顕君    山本 左近君
      和田 義明君    阿部 知子君
      井坂 信彦君    中島 克仁君
      長妻  昭君    野間  健君
      山田 勝彦君    吉田 統彦君
      早稲田ゆき君    一谷勇一郎君
      金村 龍那君    堀場 幸子君
      吉田とも代君    山崎 正恭君
      吉田久美子君    田中  健君
      宮本  徹君    仁木 博文君
    …………………………………
   厚生労働大臣       後藤 茂之君
   厚生労働副大臣      佐藤 英道君
   内閣府大臣政務官     宮路 拓馬君
   厚生労働大臣政務官    深澤 陽一君
   厚生労働大臣政務官    島村  大君
   最高裁判所事務総局家庭局長            手嶋あさみ君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  佐原 康之君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         山田 雅彦君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           橋本 泰宏君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    田原 克志君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           熊谷 法夫君
   参考人
   (関西大学人間健康学部人間健康学科教授)     山縣 文治君
   参考人
   (特定非営利活動法人ぱっぷす理事長)       金尻カズナ君
   参考人
   (獨協大学国際教養学部教授)           和田 一郎君
   参考人
   (大阪府中央子ども家庭センター所長)       藥師寺順子君
   参考人
   (児童養護施設子供の家施設長)          早川 悟司君
   厚生労働委員会専門員   大島  悟君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十日
 辞任         補欠選任
  勝目  康君     山口  晋君
  塩崎 彰久君     神田 潤一君
  長谷川淳二君     高見 康裕君
  堀内 詔子君     小島 敏文君
同日
 辞任         補欠選任
  神田 潤一君     塩崎 彰久君
  小島 敏文君     堀内 詔子君
  高見 康裕君     長谷川淳二君
  山口  晋君     勝目  康君
同月十一日
 辞任         補欠選任
  畦元 将吾君     西田 昭二君
  田村 憲久君     盛山 正仁君
  三谷 英弘君     中川 貴元君
  三ッ林裕巳君     小森 卓郎君
  吉田とも代君     堀場 幸子君
同日
 辞任         補欠選任
  小森 卓郎君     菅家 一郎君
  中川 貴元君     三谷 英弘君
  西田 昭二君     畦元 将吾君
  盛山 正仁君     八木 哲也君
  堀場 幸子君     吉田とも代君
同日
 辞任         補欠選任
  菅家 一郎君     三ッ林裕巳君
  八木 哲也君     和田 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  和田 義明君     田村 憲久君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四九号)
 保育等従業者の人材確保のための処遇の改善等に関する特別措置法案(岡本あき子君外十二名提出、衆法第二八号)
 介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(早稲田ゆき君外十六名提出、衆法第三〇号)
     ――――◇―――――
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橋本岳#1
○橋本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、児童福祉法等の一部を改正する法律案並びに岡本あき子君外十二名提出、保育等従業者の人材確保のための処遇の改善等に関する特別措置法案及び早稲田ゆき君外十六名提出、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案の各案を議題といたします。
 本日は、各案審査のため、参考人として、関西大学人間健康学部人間健康学科教授山縣文治君、特定非営利活動法人ぱっぷす理事長金尻カズナ君、獨協大学国際教養学部教授和田一郎君、大阪府中央子ども家庭センター所長藥師寺順子君、児童養護施設子供の家施設長早川悟司君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十二分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず山縣参考人にお願いをいたします。
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山縣文治#2
○山縣参考人 皆さん、おはようございます。参考人の関西大学の山縣と申します。
 本日のテーマに関するものとしては、現在、厚生労働省で、社会的養育専門委員会の委員長、それから、通称ですけれども、子供虐待死亡検証の委員長をさせていただいております。また、これらに関連するものとして、昨日、今日、ここ数日間ですかね、新聞、テレビで話題になっております、熊本市に設置されている「こうのとりのゆりかご」ですね、これの委員及び委員長を十四年間、昨年の四月末までさせていただいておりました。
 本日は三法の改正に関する意見陳述ですけれども、私に関連するものとしては、児童福祉法改正を中心にお話をさせていただきます。スライドの方にあります四つの項目、子供虐待等深刻な子供家庭福祉問題への対応以下、四番目の、皆さん方ここで議論いただきました二〇一六年の児童福祉法改正の検討事項、この四つに分けてお話をさせていただこうというふうに思います。
 まず一点目ですけれども、子供虐待等深刻な子供家庭福祉問題への対応を強化する必要があるということです。
 社会的養育専門委員会における現状及び課題認識につきましては、スライド三の方を参照ください。
 児童相談所及び市区町村の子供家庭相談を受け付ける窓口ですけれども、子供虐待相談対応件数が非常に増加しています。グラフも示していますように、二〇二〇年度には、児童相談所で二十万件、市区町村で十五万件を超えました。とりわけここ五年間では、面前DVに関する警察から児童相談所への通告件数が非常に増加し、急勾配を生んでおります。
 このような状況に対して、市区町村に子ども家庭総合支援拠点及び子育て世代包括支援センターの設置が進められているわけですけれども、二〇二一年四月現在の設置数は、子ども家庭総合支援拠点が六百三十五自治体ということで、三分の一ということになりますけれども、一方で、子育て世代包括支援センターは千六百三ということで、二〇一六年の法改正後の非常に短期間で、少なくとも九割以上の地方自治体にはどちらかが最低設置されている。とりわけ子育て世代包括支援センターですね、こちらの母子保健中心のセンターが非常に設置率が進んでいるという状況にございます。
 一方で、残念な状況もございます。例えば、死亡検証報告書によりますと、そもそも御家庭が相談機関を含め公的なサービスにつながっていないということです。
 母子保健担当のグラフも入れておりますけれども、そこに見られますように、母子保健担当部署に係属していたとしても、そもそも虐待事案として認識していない、つながっているけれども虐待と捉えていないということによる子供の犠牲というのが起こっていたり、さらには、母子保健担当部署と子供家庭福祉の担当部署が異なる場合には、そこの連携が十分取れていないというふうな状況もございます。
 私自身が虐待死亡検証で訪れたある自治体では、母子保健担当部署が虐待として認識していたにもかかわらず、庁内協議の方、虐待ですから子供家庭福祉の方の担当部署が中心になりまして、結果として、虐待という形で対応せずに亡くなってしまったという事案もございました。
 児童相談所と市区町村、児童相談所と里親あるいは施設等、主従関係が生じやすい、本来は対等なんですけれども主従関係という意識が生じやすい場面では、主たる主体の判断に抗し難いという現実は決して珍しくないということです。
 加えて、虐待死亡の中には、妊娠の届出をせず、専門家の立ち会わないいわゆる孤立出産、自宅出産、これが多くあり、それがゼロか月以内の死亡だということになります。お子さんが亡くなっているというわけではございませんけれども、「こうのとりのゆりかご」でも孤立出産で一週間以内に預け入れというものが多く、このような保護者への支援、危険な出産、養育というような支援が必要なんだというふうに考えます。
 第二は、予防的視点での地域における身近な相談体制の構築です。
 専門委員会の認識については、同じくスライド六の方を御覧ください。
 子育て家庭の七割くらいが何らかの負担がある、子育てに負担があると言っています。多くの母親が、交流機会や相談相手が必要であるということでございます。児童相談所等行政の相談機関は重要ですけれども、日常的に利用する場ではないということです。現行制度では、地域子育て支援拠点事業がこれに最も近いと考えられますし、保育所、認定こども園、幼稚園等にも、法律で子育て支援の機能が重要だということが位置づけられています。
 専門委員会の報告書にもありますように、身近にアクセスできる子育て支援の資源などが、これを利用していない家庭も含めて、身近な相談先としての機能を果たしていくことが引き続き重要というふうに考えます。また、保育所等に属していない子供の養育家庭については、かかりつけ相談機関のようなものが検討に値すると考えられます。
 現状の対策で困難なのが、公的相談機関を忌避される家庭です。「こうのとりのゆりかご」の利用者やゼロ日児死亡に至る家庭などがこれに近いんですけれども、現行制度は届きにくいということになります。これについては、民間によるSNS相談あるいは匿名相談、場合によっては内密出産なども検討する必要があるかもしれません。
 加えて重要なのは、相談に応ずる人の専門性です。生活者として本人を捉え、生活全体を視野に入れた支援を行う、ソーシャルワークの視点を持った人の配置を積極的に進める必要があるというふうに考えます。
 第三は、児童相談所の機能強化と社会的養護経験者やその家庭への継続的支援です。
 この問題に関する委員会の認識は、スライド八の方に記載しております。
 二〇一六年以降、児童福祉法の改正で、児童福祉司の増員のみならず、介入担当と支援担当の分離、弁護士の配置など、児童相談所の機能強化が図られております。これらの成果は少しずつですけれども表れているというふうに認識しています。
 一方、この法改正を受けた新しい社会的養育ビジョンでは、少なくとも家庭養護委託率を三年、五年、十年かけて上昇させるという目標値を立てていたわけですけれども、残念ながら、まだ十年後の目標値、昨年の、社会的養育推進計画、都道府県の推進計画の積み上げによっても、学齢期以降の場合は四割ぐらいの目標値ということですので、十年かかってもまだ目標値には到達しないというふうな状況にあるというのが現実でございます。
 里親やファミリーホームへの委託は法的には児童相談所の業務ですけれども、それを進めていくには、児童相談所の機能は無論のこと、その周辺で重要な役割を果たす里親支援機関や、施設に配属された里親支援専門相談員などの活動の充実も必要となります。
 さらに、里親や特別養子縁組家庭の開拓においては、住民の方と直接向き合って仕事をしておられる市区町村の役割も非常に重要だというふうに考えます。
 一方、気をつけておく必要があるのは、里親や養子縁組の下で生活する子供が増えると、施設養護以上に、児童相談所等が支援すべき個別事案が増える可能性が高まるということです。この点からも、児童相談所の機能強化が重要だということになります。
 次に、社会的養護経験者への支援です。
 子供の貧困と教育歴との関係が取り沙汰されています。高校進学率は一般と大きな差がないレベルまで上昇しましたけれども、大学進学率は、一般家庭が五割強であるのに対して、児童養護施設の子供は二割に満ちません。さらに、就職した場合、短期間での退職率も高く、居所を確保、住所を確保した上での進学支援、進学しなかった者や中退した者への相談支援体制の整備や、住宅保障を含む支援が必要と考えられます。
 一方、検討が必要なのは、社会的養育の枠組みで支援をいつまで続けるのかということです。
 周知のように、児童福祉法は十八歳未満の児童を対象とするものですけれども、制度的には、段階的に引き上げられ、現在では二十二歳までの支援が可能になっています。二十二歳以降も支援が必要だという認識はしておりますけれども、いつまでこの子供の枠組みでやるのか、むしろ、子ども・若者支援法との関連を強化した方がいいのではないか、いろいろなことが考えられると思います。
 最後は、二〇一九年の児童福祉法改正時の検討事項です。
 これは、社会的養育専門委員会の中心的関心事でした。ここでは、スライド九に示す三点が、法律に検討事項として明示されていました。今回の改正案は委員会の検討結果を踏まえたものとなっているというふうに認識しております。
 スライド十には、改正法が成立した場合の更なる課題と私自身が感じていることを記載しております。
 第一の、一時保護の措置の手続の在り方については、保護者の同意が得られない場合には、一時保護の迅速化のために、家裁等において、申請に基づき一時保護状を発行するという新しい制度を導入することになっています。目的の一つが迅速化と安全を確保した上でのアセスメントであることを裁判所の方に十分認識していただかなければ、かえって時間がかかる可能性があります。一方で、児童相談所が安易に裁判所に依存し、ソーシャルワークによる支援をおろそかにしないということも求められると思います。
 第二の、意見表明権、こちらについても今度の法改正でかなりの部分が対応されるということになっております。第三者性というところがここでは重要になるかと思います。
 最後は、専門職の問題ですけれども、専門委員会の報告書では、実務経験のある方に対して必要な研修を実施した後に試験を実施するという取りまとめで、法案もその枠組みに従って作られておりますけれども、これにつきましては、資格取得に向けての動機づけ策、現役学生への対応が早急に検討される必要があると思います。とりわけ、保育士を含め、福祉職に対する人気が若干低下している、非常に残念なんですけれども、少子化の中で、学生数、入学生も減ってきておりまして、こういう方々を含めて、どう今後対応するのかということが重要ではないかと思います。
 以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
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橋本岳#3
○橋本委員長 ありがとうございました。
 次に、金尻参考人にお願いをいたします。
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金尻カズナ#4
○金尻参考人 皆様、おはようございます。NPO法人ぱっぷすの金尻です。
 児童福祉法と高校生AV出演問題の関係性について御説明いたします。
 ぱっぷすは、デジタル性暴力や性的搾取の相談支援やアウトリーチ活動を行っている団体です。
 高校生AV出演問題から見えてきた児童福祉法に関する要望事項としまして、まず一、家出をするなど行き場のない子供、若者がAV等の性的搾取の被害者とならないよう、一時保護所の充実を含む子供、若者の居場所支援を強化すべきです。
 二、児童養護施設等を退所したケアリーバーが孤立、経済的困窮等を理由にAV等の性的搾取の被害者とならないよう、ケアリーバーに対する相談支援や財政的支援も充実すべきです。
 三、児童虐待の被害者がAV等の性的搾取の被害者になるケースが多くあることから、児童虐待を防止するだけではなく、虐待被害者の心のケアも強化すべきであると考えます。
 四番目、子供、若者がAV等の性的搾取の被害者とならないよう、子供、若者に向けた教育、広報、啓発を強化すべきです。
 子供、若者がAV等の性的搾取の被害者になることと貧困問題は大きな関わりがあります。児童手当の高校三年生までの延長、児童扶養手当の充実など、子供の貧困対策を強化すべきです。
 次の資料は、四月一日の成人年齢引下げに伴い、高校生AV出演の増加が、高校生や子供への性犯罪、性暴力の増加を助長する可能性がとても高いという点です。児童福祉法の理念である児童の健全育成にも反します。
 閣法では、児童をわいせつ行為から守るため、わいせつ行為を行った保育士の資格管理の厳格化を定めておりますが、高校生AV出演の増加は、逆にわいせつ保育士を増加させることにもつながりかねず、政府の取組についても逆行いたします。
 次に、大学や専門学校に進学するためのお金を用意するために、やむを得ずAVに出演するケースが少なくありません。児童福祉法では、国は児童の健全育成に責任を負っています。しかし、コロナ禍の中で、生活に困窮する子育て世帯が増加、子供の貧困問題も深刻化です。子供の貧困がAV、性産業につながっていること、そして、そもそも親に頼れない子供たちがAV、性産業に行きやすいというのは福祉に携わったことのある人ならよく知られていることです。子供の貧困対策を充実させることが、高校生AV出演被害をなくすことにもつながります。実際に、十八歳で施設退所を求められ、生きるためにAVに出演するしかなかったという相談者も見てきました。今、国の在り方が問われております。
 次の資料は、親族に頼れない十八歳のケアリーバーの問題について取り上げた資料です。
 その次の資料も、ケアリーバーの困難さについて取り上げたものです。
 次の資料が、現在、議員立法で進められておりますAV出演防止法についてです。
 特に、成人年齢が、今回、十八歳に引下げにより、十八歳、十九歳の方の取消権を行使できない問題に直面しています。AVの撮影をしたくない意思表示をしても、電話や対面などで、えっ、仕事でしょうとか、さっきまでやると言ったよね、何で俺のこと信じてくれないのなど、こう言われて、これまで、若年層の方が、こういうふうに強く言う人に対して、このように言われたら、何か私は本当に悪いことをしてしまったんじゃないかという気持ちにさせて、何か彼を悲しませてしまったらいけないというふうなことで、ある種そういった気持ちを巧みに利用して出演を承諾させてしまうという現状もございます。
 これまでは、十八歳の方の被害相談であれば、取消権が行使できました。しかし、四月一日から、支援団体としてどのように伝えたらいいのか、正直分かりません。
 次のページですが、新宿歌舞伎町では、コロナ禍ですが、多くの若年層が集まっている場所となって、性的搾取の中心地の一つとなっております。
 次のページですが、若年女性が社会に希望を持てなくなった瞬間、社会とのつながりを見出せずに居場所を失う瞬間を性的搾取をする人たちは見逃さないということです。
 東京新宿、渋谷を歩くと、このように、性的搾取にまつわる広告宣伝バス、繁華街を大音量で走っております。報道によると、六歳の子供が、そのバスが流している高収入募集サイトの広告の歌を歌い出したりとかということ、それで親が驚いたというふうなニュース報道もございました。
 多くの方は、このぎらぎらした怪しい広告でひっかかる人はいないと思われますが、これにはからくりがあって、学校の道中でこの音楽に慣れ親しまされ、十八歳、十九歳になったとき、例えば、奨学金を使い込んでしまって、来月の家賃どうしよう、もう払えないとなったときに、高収入アルバイトでスマホで検索するわけなんです。そのときに、困っている人にとっては、さっきの高収入バイトがきらきら見えてしまって、それで、結局、そこから性的搾取に巻き込まれてしまう。つい先週も、ここにあるような求人サイトによる被害相談が実際に寄せられ、相談支援も行っております。
 具体的な事例についても御説明したいと思います。
 ある方、Aさんというふうに呼びますけれども、Aさんは、スマホで、渋谷、短期、アルバイトという形で検索すると、先ほどのような求人サイトで、触られない、顔ばれしない、撮影会モデルの募集サイトを見つけ、応募しました。
 来て早々、今着ている服のままでいいので、モデル登録用に写真撮影を行うというふうに言われたんですね。Aさんは、えっ、脱ぐんですかというふうに聞き返したところ、カメラマンは、えっ、どうしてそういうこと言うの、だって、ほら、有名なアイドルグループだってみんなやっているよね、何か、下着と水着と何が違うのとか、だって、モデルを目指すんだったら普通のことでしょう、実際、体のラインとかも見たいしということで、あたかも、脱がない私があたかも悪いかのように思わせて、結局トップレスの写真を撮られてしまうわけなんですね。
 重要なのは、ここで被害者を選別するわけなんです。ここで断れる人は確かに被害に遭わないかもしれないんですが、十七歳、十八歳、十九歳の方がどれだけ断れるのかということを是非考えていただきたいと思います。特に、密室で一対一になって、高校生の方です、やはり、私がもし子供の頃だったら断れなかったのではないかなと思っております。
 特に、その後、断れなかった方は、後日、別の事務所に連れていかれたところ、今度は、カメラ面接に一回応じると三千円もらえるアルバイトがあるけれども、どうと。ここで契約、署名することになるわけなんですけれども、ただ、契約書には、アダルトビデオと書いてあるんですね。Aさんは、それはちょっとというふうに伝えると、事務所の人は、ここはそういう総合モデルプロダクションで、グラビアさん、タレントさん、AV女優さん、俳優さん、いろいろな人が所属しているから、そういう共通の契約書だから大丈夫だよ、仕事も選ぶことができるしというふうに言って、そう言われたので、拇印で押印されました。
 後日、また事務所に来るように言われて、別の担当者が現れて、連れていかれたところは、いわゆるアダルトビデオの面接でした。当初の話と違うこと、撮影会も含めた面接だと思っていて、その担当者に伝えたところ、担当者の人は、別に、紹介するだけで、仕事は選ぶことができるよと言ったので、引き続き、大体四社ぐらいですね、いわゆるメーカー面接というのを回るんですけれども。面接回りの最後に、担当者の人は、今まで、宣材写真の撮影とか面接回りにお金を使ってきて、お仕事をしない女の子がいたけれども、そういうことはしないでねというふうに言うわけなんですね。それで、だんだん怖くなって、結局、全てメーカー面接を受けることになります。
 それから、特に何も連絡がなかったのでそのまま放置していると、二週間後、電話がありました。事務所から、仕事が決まったよというふうに言われたわけなんですね。そこで、すかさず断る電話をしたところ、結構頑張って断ったんですね、勇気を出して。そうしたら、事務所の人が、ああ、そこまで言うんだったら分かった、取りあえず事務所で契約解除について話し合おうみたいな感じで言われて、事務所に行ったところ、結局、同調圧力ですね、やはり一対三とかという形になるわけですから、結局、頑張りますというふうに言わされるわけなんです。
 それでも嫌だったので断ったところ、すかさずまた電話がかかってきて、だって、さっき頑張るって言ったよね、さっきまでやるって言ったよね、君、やりたくないとか言うけれども、俺たちとか業界のことを何か否定したり差別しているのというふうに言ってきて、そうやって畳みかけて、結局、出演を承諾させるわけなんですね。でもね、君、またころころ変わるし、信用できないからさ、じゃあさ、LINEで、頑張りますって書いてというふうに言って、結局、そういった加害者の都合のいい証拠が作られていくわけなんです。
 後日、出演同意書というのを署名押印する際も、また君、話が変わるかもしれないから、その署名欄の上に、お仕事楽しみです、ハートマークって書いてって言われて、結局、その様子をビデオカメラで撮られて、契約内容も朗読させられ、自由意思で出るというふうに言わされてしまいました。
 Aさんは、自分の持てる能力の全てを使って撮影に対してあらがうんですけれども、全く話が通じないんですね。何か自分の伝え方が悪かったんじゃないかというふうに、御自身を責めてしまいました。
 結局、撮影当日になって、したくないというふうな、やはり言えるような状況ではなく、多くの大人の人たちに囲まれて、結局、性行為、性交類似行為をさせられてしまった。Aさんもそうですけれども、被害を受けた方の多くは、撮影中は無だったとおっしゃるんですね。無というのは、結局、心身が乖離している状態のことを指すんだろうと私は認識しております。
 しかし、そういった新人のビデオというものは一本契約ということはまずないんですね。Aさんの場合は、結局、六本契約だったわけなんですけれども、撮影は毎月一回行われて、三か月から半年間かけて行われるんですね。実際、一本出ました、二本出ましたと。事務所の人たちは、えっ、何か誰かに知られた、知られていないでしょうというふうに言うんですね。それはなぜかというと、まだ販売されていないから知られることはないんですね。しかし、契約本数の六本ぐらいの撮影になった頃に販売されるわけなんです。
 しかし、その間、加害者、その事業者の人たちと長時間一緒に過ごすことによって、一緒にビデオを作っている、作品というものを作る仲間とか、妙な連帯意識とか、信頼関係が生まれていくわけなんです。
 その中で、唯一コントロールできるのは、結局、演技でしかないと。そもそも素人さんに何の演技を求めるのかというと、否定的に対応するよりかは、協力的に、従順に応じるということなんですね。自ら性的に演技をする。ハードなことをすれば、その事業者の人たちはそれを報いるように、まるでお姫様のように誠意を尽くして対応してくれるわけなんですね。体調が悪くなっても、多少の融通を利かせてくれる。
 結局、こういった契約本数の撮影が終わる頃に販売が開始されて、相談者の方の地獄が始まるわけなんです。
 ただ、こういった被害相談が寄せられました。そのとき、この方は十九歳だったので、取消権が使えたんですね。回収もされました。しかし、四月一日以降、それができなくなっております。
 そこで、私、今回、特に高校生AV出演問題から見えてきた児童福祉法に関する要望事項として、繰り返しますが、一つ目、家出をするなどして行き場のない子供、若者がAV等の性的搾取の被害者とならないように、一時保護所の充実を含む子供、若者の居場所支援を強化すべきです。
 二つ目、児童養護施設等を退所したケアリーバーに対して、孤立、経済的困窮等を理由にAV等の性的搾取の被害者とならないよう、ケアリーバーに対して相談支援や財政的支援を充実すべきです。
 三つ目、児童虐待の被害者がAV等の性的搾取の被害者となるケースが多くあることから、児童虐待を防止するだけでなく、虐待被害者の心のケアもやはり強化すべきです。
 四つ目、子供、若者がAV等の性的搾取の被害者とならないよう、子供、若者に向けた教育、広報、啓発を強化すべきです。
 五、子供、若者がAV等の性的搾取の被害者になることと貧困問題は大きな関わりがあります。児童手当の高校三年生までの延長、児童扶養手当の充実など、子供の貧困対策を強化すべきです。
 子供や高校生への性犯罪、性暴力を防止するためにも、高校生AVの規制を強化すべきです。
 特に、高校生や十八歳、十九歳のAVが増えたら、やはり被害が低年齢化し、高校生や子供への性暴力被害が増加し、やはり児童福祉法の理念に反する事態になりますので、性犯罪から児童、子供を守るためにも、今回、児童福祉法改正とセットで、AV出演被害防止法案の議員立法を成立することが必要だと考えております。
 以上になります。拍手
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橋本岳#5
○橋本委員長 ありがとうございました。
 次に、和田参考人にお願いいたします。
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和田一郎#6
○和田参考人 おはようございます。獨協大学の和田でございます。
 専門はデータサイエンス、特に、人口減少社会における公共サービスの在り方について、データサイエンスに基づいて解決する。具体的には、首都直下型地震が発生した際の行政機能が低下した場合における子供と弱者の支援を、データサイエンスを利用した解決、危機管理、意思決定支援などを今研究しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回は、子供の視点から見た児童福祉システムのよりよい改善について、お手元に配付した資料を基に意見を述べさせていただきます。
 大きな意見といたしましては、二つございます。
 一つ目は、児童の意見聴取等の仕組みの整備についてです。
 (一)にあります福祉領域における子供の意思表明支援の現状については、本改正案において、福祉のマクロ、メゾ、ミクロにおいて検討がなされております。注目すべきは、他国では福祉領域では失敗して現在も探索中であるミクロレベル、つまり、子供に直接関わる領域を重点的にしようとしていることでございます。
 2になりますが、なぜ福祉領域でミクロレベルをやろうとするのかという疑問です。
 直接子供に関わる、意見を聞き出すというのは、高度なスキルと専門性が必要です。また、意見聴取をしても、意見調整は別の機関が行うような仕組みを作成して対応が遅れることにより、裏切られた、諦めたという子供が出る可能性があります。
 つまり、子供の意見を聞いた後に迅速に判断できなければ子供の失望感を招いてしまう可能性があるために、諸外国では、司法が直接子供の意見聴取を行い、迅速に支援をしている状況であり、福祉の立ち位置が混迷しているのです。話を聞くだけでしたら心理の人が適切かもしれません。なぜ福祉でやるのかという問いに答えられないのです。
 もし、子供の声を聞けたとして、児相や施設に物申す機会を設けるのならば、その介入の根拠を法で明確にする必要があります。何の根拠もない方が家庭に入り、お気持ちをぶつけるだけのアドボカシーは無責任であります。
 よって、結論としては、福祉によるミクロ領域では、研究による知見もなく、海外でもうまくいっていない意見表明について我が国で導入しようとするのは、前のめりで非常に危険であります。
 そして、本法案にはアドボカシーの定義がありません。どこにも代弁という言葉がない致命的な欠陥があります。定義もなく、誰に対して代弁するのか、その結果どうなるのかというシステムについて書かれていないのです。非常に危険です。
 これは、例えば、児相が子供の意向を把握、勘案して決定してきたと言われたら、それでよいという解釈にもつながりかねません。むしろ法文上、見ますと、意見表明は手段であり、関係機関との連絡調整が目的とされています。つまり、代弁という子供の視点がない、非常に不備に見られるところでございます。
 次に、二ページ目の(二)、それでも福祉領域のミクロレベルで意見聴取をする場合、つまり、子供の直接介入、子供への聞き取りをする場合になったときの条件を説明いたします。
 1の現状ですが、本案の基礎となった子どもの権利擁護に関するワーキングチームの議論を見ますと、次の三点の懸念があります。
 一つ目は、KPI、重要業績評価指標の議論がないことです。
 政策を検討するに当たり、KPIの議論は必須中の必須ですが、それがないのです。導入した効果、導入の悪影響、特にミクロレベルでは、子供に介入するので、子供への侵襲性がどうしても発生します。子供への人権侵害や不利益が起こった場合の責任体制などの記載がないのです。
 こういうことをしますと、子供の視点がなくなるので、政策評価指標が、二〇二三年に三十人意見聴取して、翌年には六十人になって、よかったというような非科学的な評価になってしまうおそれがあります。
 次に、二点目です。支援者を養成するプログラムについての科学的な記載がないのです。
 現状で、我が国において、子供の視点に沿ったもので、科学的で、標準化されて、効果分析がなされているものはありません。プログラムの利点だけではなく子供への権利侵害を含めて分析するには、数学、統計、データサイエンスを駆使して科学的に行うことが必要なんですけれども、該当領域には存在しません。
 標準化も効果も明らかでない、情熱だけの非科学的なプログラムを受けただけで支援員になってしまうおそれだけではなくて、そもそもこの支援員が子供の最善の利益にどう寄与するのかさえ説明できません。
 次に、三つ目です。支援者のスキルについて記載がないんです。特定の資格も求めないと書かれています。これは、子供に対して無責任であるとともに、福祉の専門性の否定です。
 例を挙げます。ワーキングの資料を見ますと、全ての一時保護所は子供から意見聴取をしているという調査結果になっておりますが、事例調査からは、意見聴取を受けていないという子供の意見も見られます。その大きな理由は子供の解離です。
 子供は、不安定な状況の中で、解離などの心理的な状況もあり、日々、時には数時間ごとに意見や態度が変わるのです。また、ゆがんだ関係性を持つ親子を分離した場合などは、敵意もあり、意見も言わない可能性も高いのです。そのような子供たちに対応するには福祉においても高度なスキルが必要ですが、その専門性の記載がないのです。
 つまり、前のめりで情熱だけでスキルもなく、学術的根拠もないまま、子供のアドボカシーは話を聞くことであると論点をすり替えて、話を聞けばいいという援助者側の視点になってしまうという、子供の視点の否定になっております。
 それでは、2になりますが、どうすればいいのかです。二つ対策を述べます。
 一つは、事業のKPIを設定して評価し続け、その結果を基に事業を改良させる必要があります。意見表明をした子供としなかった子供の背景、それぞれの予後を比較をして、しっかり分析して、効果を測定する必要があります。
 次に、二つ目として、支援員を政策化するには、その育成プログラムを科学的に標準化するとともに、標準化ができるまでは、そちらの表にありますように、それぞれの国家資格のプロの活用が望ましいと考えられます。現状では福祉領域にはそれに該当する資格はなく、そのため、子供家庭福祉士等の議論があったと思うんですけれども、それもなくなったので、やはりこれはそれぞれの領域の国家資格のプロを活用した方がいいと思います。
 次に、大きな意見の二つ目です。次のページに行きます。一時保護開始時の判断に関する司法審査の導入についてでございます。
 こちらは結論から先に言います。
 それは、児童相談所は捜査機関でないため十分なデータが入手できず、リソース不足もあり、一時保護状の作成ができないことが想定されます。よって、司法が主体的に情報収集、アセスメントを行い、子どもの権利条約にのっとった司法審査を行うべきという意見です。
 1の現状を見ますと、本改正案からは、裁判所が一時保護状を審査するに当たり、どの程度の証拠を要求するのか不明です。つまり、ガイドラインも何もないのです。そして、もし裁判所が検察に求めるレベルの証拠資料を求めるのならば、それは不可能です。
 その理由として、次の2の、子供の意向を聞き取るについての課題を三つ挙げます。
 課題一は、児相は十分なデータを所持していないです。
 児童相談所は捜査機関ではありません。それを前提として、児童虐待対応は、少ない情報で将来を予測して判断をする最高難度のソーシャルワークです。そもそもデータが少ないというのが前提なのです。
 課題二は、一時保護状には空欄が多くなる可能性があるため、裁判所から過度に追加資料が請求されるおそれです。
 子供の視点から考えると、解離やトラウマの影響のさなかに、法で想定する七日間で、それらを考慮した一時保護状を作るのは最難関であり、児相の業務圧迫です。そして、少ない情報のため、裁判所から追加資料請求、子供の聞き取りを再び求められる可能性があります。それは、児相の業務圧迫だけではなく、子供の視点からは再被害などの懸念があるため、行うべきではないと考えられます。
 課題三は、児相に全て責任を負わせるシステムになる可能性があるです。
 司法審査を基に、一時保護は適切でないという判断がなされて、児相が従って家に子供を帰したところ、重大事故が起こった場合などが想定されます。このような場合、児相側の調べが足りないというような言及をせず、あくまでも司法が決定したものであり、司法で主体的に原因分析をして、児相が収集すべき情報はどのようなものか提示していただきたいと思います。
 これらの課題の理由として説明いたします。
 学術的には、我が国のように、虐待の受付、受理、介入、保護、措置、家庭支援を一つの福祉機関が行うことは適切ではないのです。司法と役割分担しているのです。しかし、現状はそうではないので、児童福祉法で可能な提言をいたします。
 次のページ、提言、子どもの権利条約に合った司法関与の実施です。
 改正案では、児童相談所の聞き取りだけで司法審査となっています。改正案への提言としては、提案一、裁判所は児童相談所に追加資料を請求しないこと、提案二、司法審査の影響については裁判所が主体的に対応すること、提案三、司法審査の基準は他国の司法アセスメントシステムを参考に作成することを盛り込むことです。
 これら提案を実施する対応策として最適なのは、詳細な一時保護の要否条件、つまりガイドラインを司法で作成することでございます。
 児相の情報は欠損が多い状態です。しかし、裁判所には膨大なデータがあって、それは福祉と本当に比較にならないほどあるのです。このデータを基に一時保護の要件を作成して、児相の欠損のデータから未来を予測して主体的に判断していただきたいと思います。
 児相のデータが足りなくても、なぜ他国は司法が決定できるのか。それは、学術を取り入れて、足りない情報を既存データで浮かび上がらせるアセスメントを行い、子供を救っているのです。よって、他国では、司法が四十八時間とか七十二時間以内に保護の決定ができるんです。
 このシステムには副次的効果があります。国連子どもの権利委員会のやり取り議事録からは、我が国は子供に関するデータの収集と分析が足りない、データを政策立案のために活用するよう勧告されていますが、我が国はそれに真摯に回答できない状態が続いています。
 本システムによるデータ化を基に、一時保護のアセスメント、つまり、それが一時保護状を含めたガイドラインになりますけれども、これは、子供の人権に対する行為を数値化できることにありまして、政策科学として、国連にも十分説明できる根拠になります。アドボカシーの支援者育成もそうですが、政策をつくるには、科学的なデータがあって、そこから始まるということです。
 よって、まとめとしましては、本法案は、児相だけでは子供の意見聴取、代弁ができないということなので、外部から支援員を導入しようとしていると同時に、司法審査では、子供の意見を聞かずに、児相だけの資料で決定しようとする、相反する矛盾があります。さらに、アドボカシーの定義そのものの代弁という言葉が法案にもなく、ただ意見を聞くだけなので、技術も専門性も必要性がないという、福祉の専門性を否定している制度でございます。援助者の前のめりの視点だけで、子供への影響や効果などを検討しないシステムについては、再考を願いたいというのがまとめです。
 ありがとうございました。拍手
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橋本岳#7
○橋本委員長 ありがとうございました。
 次に、藥師寺参考人にお願いいたします。
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藥師寺順子#8
○藥師寺参考人 よろしくお願いいたします。
 大阪府中央子ども家庭センターの藥師寺と申します。
 それでは、早速説明をさせていただきます。お手元の資料を御覧ください。
 二ページを御覧ください。
 大阪府子ども家庭センターは、児童相談所機能、郡部福祉事務所機能、配偶者暴力相談支援センター機能を有しております。児童福祉法改正案にあります、市町村が設置するこども家庭センターと紛らわしいと思いますが、御了承ください。
 大阪府の児童相談所の担当する地域の状況ですが、所管地域は大阪府内、政令指定都市である大阪市、堺市を除く全四十一市町村を六つの児童相談所が担当しております。
 三ページを御覧ください。
 大阪府子ども家庭センターの職員体制です。児童相談所の相談支援を担う児童福祉司二百六十五名、児童心理司八十一名、医師二名、保健師六名を配置し、一時保護所には、子供のケアを担う児童指導員や保育士、心理職、栄養士、看護師を配置しております。
 令和四年四月時点では、国の配置標準と比べ、児童福祉司百九十四人、児童心理司百四十六人不足しているという非常に厳しい状況にございます。
 なお、優秀な人材を一度に確保することは困難であり、採用後の育成にも一定期間を要するため、毎年度、児童福祉司二十名の計画的増員を進めております。
 四ページを御覧ください。
 児童福祉司の状況です。計画的増員を進める理由は、児童相談所が組織として専門性を確保するためでもあります。令和四年度現在、児童福祉司の児童相談経験年数の平均は四・五年です。平成二十八年度の百六十二名から令和四年度までに百三名増員しており、児童相談経験年数三年未満の職員はおよそ半分になっております。
 まさしく職員の育成が急務であり、体系的な研修を実施し、実務では若手職員とベテラン職員が複数で保護者に対応し、子供には児童心理司とチームを組んで支援しております。特に、児童虐待対応の専門性は、職員一人一人が十年、二十年と経験を積み重ね、最新の知見を取り入れながら、組織として培っていく必要があると考えております。
 五ページを御覧ください。
 大阪府の二十年余りの児童虐待に対する取組について、大きく三期に分けて整理しております。
 第一期は、平成十二年に児童虐待防止法が施行され、支援的なアプローチから転換し、弁護士、医師との協働を得て、児童虐待への介入をしっかりできる組織にしようと取り組みました。
 第二期は、介入保護と法的対応の蓄積を進め、子供の生命と安全を守るため、弁護士の協力を得て家庭裁判所に積極的に申立てをし、現在では年間七十件に上ります。
 第三期は、虐待を防止するために、切れ目のない包括的な支援を地域でどう構築していくかという課題に取り組んでいるところです。まさしく児童福祉法改正案が実現しようとしているものです。
 まず、児童相談所が二十四時間三百六十五日対応するために、平成二十七年度より、全センター職員輪番の夜間休日当直チームを開始しております。若い職員が多い中、警察官OBとともに、子供の安全確認や保護を適切に実施できる体制を整えております。緊急対応にとどまらず、改正案に示されております一時保護解除後の親子支援や市町村と連携した家庭支援に取り組んでいるところです。
 六ページを御覧ください。
 具体的なデータをお示ししております。虐待相談対応件数、一時保護件数、家庭裁判所への申立て、立入調査や警察への援助要請、弁護士への相談の件数の推移を見ていただきますと、年々厳しい状況になっております。児童相談所が介入するより前に、市町村や地域の支援で虐待を未然に予防することが非常に重要であると考えております。
 七ページを御覧ください。
 計画的な増員とともに、児童相談所の機能を強化するため、平成二十八年度から、組織再編、効果的な業務分担に取り組んでおります。大きくは、地域の保護者や子供、関係機関からの通告や相談を受けて対応する相談対応課と、施設入所や里親委託児童のケア、保護者支援を担う育成支援課の二課体制とし、組織として介入と支援を分けております。
 年間一万六千件を超える虐待通告や様々な相談をインテーク・初期対応チームが一手に初期調査、初期アセスメントを行って、よりリスクの高いケースの継続支援を地域担当児童福祉司が担うなど、より効果的な組織対応を目指しておりますが、増加する新採、新任職員の育成を担う指導教育職員の負担が大きいことが課題になってまいりました。
 八ページを御覧ください。
 大阪府では、昭和三十五年より福祉専門職を採用し、相談機関や福祉施設の支援業務の全てを福祉専門職が担っております。児童福祉司や心理司の計画的増員を進め、児童相談所の機能を高める優秀な人材を確保するために、八年前から採用セミナーや職場体験実習、大学訪問など、積極的なアウトリーチを行っております。
 しかし、他府県、児相設置を進める中核市、市町村の専門職採用も活発になっておりまして、人材確保は非常に厳しい状況にございます。
 九ページを御覧ください。
 大阪府の児童虐待相談対応件数の推移です。過去十年間で三・三倍と急増しております。中でも、近隣住民からの泣き声通告や、警察からの面前DV通告などの心理的虐待に関する通告が増加しておりまして、約六割を占めており、職員たちが子供の安全確認や保護者面接に走り回っている状況です。
 十ページを御覧ください。
 夜間休日対応の現状です。夜間休日対応班の出動件数が年々増えておりまして、令和二年十月より、休日は出動二班体制にしております。ただ、夜間休日は、市町村が閉庁しておりますので、家族の状況、市町村での支援の状況、学校等の情報が得られず、情報の少ない中で対応を検討せざるを得ません。
 夜間休日も含め、市町村と連携した対応体制が取れることが次に取り組む課題だと考えております。
 十一ページを御覧ください。
 一時保護件数と、そのうちの虐待相談における一時保護件数の推移です。少し増減はありますが、高止まりの状況となっております。特に中高生の一時保護が増えており、一時保護先の確保が困難であり、一時保護所だけでは対応できず、児童養護施設や児童自立支援施設、自立援助ホームなどにも委託をお願いしております。
 十二ページを御覧ください。
 一時保護全体のうち、子供の安全を優先して保護した結果、職権保護の割合が八割弱になっておりまして、対応困難なケースが増加しております。また、一時保護所への夜間休日の入所が約六割となっておりまして、夜間休日の保護等の対応体制とともに、一時保護所の受入れ体制の整備も必要となっております。
 十三ページを御覧ください。
 改正案では一時保護開始時の司法審査が導入されますが、職権による一時保護開始直後、児童相談所が保護者に初めて会うことが多く、虐待等の事実や養育状況を確認し、児童相談所の役割や一時保護の必要性を説明しても、初回面接では納得されないことが多いため、ほとんどが司法審査を受けることになると考えます。
 現状では、七日以内の裁判所への請求事務を行うには非常に厳しい状況にありますので、必要な体制を整備するには一定の時間が必要です。国には、法施行までの体制整備への支援をお願いしたいと思います。
 また、一時保護中、担当者は、子供の気持ちを聞いて、どうしたいかを話し合う時間、保護者と養育について振り返る時間を優先したいというのが切実な思いです。司法審査に係る事務負担はできる限り少なくなるよう、運用上の工夫をお願いいたします。
 また、一時保護所の設備運営基準を独自に設定することは、二十四時間三百六十五日、緊急に保護され、様々な背景を持った子供のニーズを把握し、必要な個別的ケアや支援を行うために必要不可欠です。基準の設定に当たっては、現状や現場の意見を十分に反映いただきたいと思います。
 十四ページを御覧ください。
 児童相談所の対応は、弁護士や医師との連携が欠かせません。平成十二年度より、弁護士と医師から成る大阪府児童虐待等危機介入援助チームを設置し、令和四年四月一日時点で九十六人の弁護士に登録いただいております。各児童相談所二、三名の担当弁護士が定期的に児童相談所に来ていただくとともに、個別の法的対応について、電話やメール、事務所への訪問相談などにより、日常的に相談しております。
 また、通告を受けた子供の受傷や骨折などの法医学鑑定、性的虐待被害の医学的診断を必要とするケースも増加しておりまして、チームに登録いただいた医師に医学的な診断を求めております。
 里親や施設に措置された後も、虐待を受けた子供のケアは必要不可欠です。平成二十五年度に開設した診療所、こころケアに児童精神科医の常勤医師二名を配置し、虐待を受けた子供への医療、心理治療を集中的に実施しているところです。
 十五ページを御覧ください。
 新たに施設に入所する中学生、高校生の割合が増加し、入所先の確保に苦労している現状があります。思春期の子供たちと関係を構築し支援するには、高い専門性とスキルが必要です。また、自立について考える期間は短く、退所後の支援が必要な子供が多いため、支援体制の構築が急務となっております。
 十六ページを御覧ください。
 一時保護や入所に至った子供のケアだけでなく、保護者への支援が親子関係の再構築には欠かせません。児童相談所が子供の安全確認や緊急保護という初期対応だけでなく、中長期に子供と保護者の虐待からの回復を支援するためには、児童相談所における保護者支援の体制を強化するとともに、専門性の高い民間団体の育成、支援、市町村の支援体制の強化と民間団体との連携が急務となっております。
 私からは以上です。ありがとうございました。拍手
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橋本岳#9
○橋本委員長 ありがとうございました。
 次に、早川参考人にお願いいたします。
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早川悟司#10
○早川参考人 皆さん、こんにちは。児童養護施設子供の家の早川と申します。よろしくお願いいたします。
 私は児童養護施設の現場におりますけれども、今回の法案あるいは二〇一七年からの新しい社会的養育ビジョンについては、業界の中でも様々な反応がございます。ただ、それについて統一した見解があるわけではないので、私からは、一施設の職員として、報告ということで捉えていただければと思います。
 パワーポイントのスライドを中心にお話をします。
 まず、1、社会的養護とはということで、国による定義は一応書きましたが、割愛をします。
 赤字で書いたところは、適切に養育を受けられないにもかかわらず社会的養護にも結びついていない児童等が少なからず存在することに留意が必要というふうに書かせていただいております。
 権利条約でも、十八歳未満の全ての者について、二十条では、国が代替的養護の責任を持つ、第一義的には家庭で育つ権利があるんですけれども、それができない場合には国が責任を持つということになっているんですけれども、実際は、社会的養護に結びついていなくて、保護者の元を離れている子供だったり、あるいは、社会的養護に結びついても、十五歳、十六歳で結果的には自立を強いられている子供たちがいます。そういった人たちの存在を忘れてはならないということを留意しないといけないと考えています。
 3、社会的養護下の児童等や退所者が負わされている二大不条理ということで書きました。
 一つは、若年、低学歴で強いられている社会的自立ということで、今言ったように、極めて適切でないような養育環境で育った子供もいるわけですけれども、一般の子供よりも早く、そういった低年齢、低学歴で社会に出されている現状がある。
 二番目に、地域生活の連続性の欠如。これが私は非常に配慮が足りていないなと思うんですけれども、子供は、虐待や保護の名の下に、ある日突然、家庭、学校、地域という三つの柱を同時に奪われます。場合によっては、これが里親さんのところに行って里親不調とか施設不調ということになれば、この家庭、学校、地域の引っ剥がしというのはまた繰り返されます。このことが子供の発達に及ぼす影響は極めて甚大なんですけれども、その辺りに対する配慮が十分でないなというふうに常々考えています。
 貧困、虐待、養護問題の世代間連鎖を止めるにはこれらへの対応が不可欠と考えており、4のところで、子供の家では、どうやってこの二大不条理に立ち向かっていくかということで日々検討しております。
 赤字で書きましたが、中段のところで、社会的養護自立支援事業利用者、今八名ということで、多いときには十名を超す利用者がいました。
 どういうことかというと、二十歳までは措置延長で在籍できるんですけれども、二十歳を超えると、二〇一七年から、社会的養護自立支援事業ということで、二十二歳年度末までの在籍が認められるようになっております。そういったことで、子供の家では、今はもう二十二歳まで在籍するのが当たり前ということで、先月も、三月に三人の人が社会に出ていきましたが、三人とも二十二歳年度末でした。二人は四年制大学を出て、一人は、専門学校を中退してしまったんですけれども、その後、就職をして社会に出ていきました。
 そういったことで、昨今、非常に議員の皆さんや厚労省の皆さんの御尽力もありまして、非常に手厚い支援ができるようになったなというふうに感じておりますけれども、ただ、全国的な状況を見ると、大半がいまだに十八歳自立です。せっかく制度がつくられても、使われていないというのが現状です。
 あと、家庭、学校、地域の引っ剥がしということを言いましたけれども、6、7のところでちょっと紹介をしていますけれども、子供の家では、一度預かったお子さんは二度とたらい回しにならないように精いっぱい、最大限二十二歳まで、場合によってはそれ以上、そこを超えて支援を継続するということと、あともう一点は、地域の中で、措置されている子供を施設の中で待っているのではなくて、我々から地域に出ていって、地域のお子さんを支えましょうということで、そだちのシェアステーションという取組をしております。
 基本活動は、ショートステイ、トワイライトステイ、あとは、放課後児童、不登校児童の居場所、生活支援、学習支援、食事提供、保護者への養育相談を柱にしています。
 次のスライドに行ってもらって、8、これは付言ですけれども、こういった活動も、この後拡充していきたいなというふうに考えております。
 この辺り、児童養護施設全体にこういった機能強化とか機能転換といったことが言われていますけれども、是非こういった辺りも強化していっていただきたい。
 ただ、このときに自治体の負担率がかなり課題になります。私がいる清瀬市は、私ども社会福祉法人は税金を納めていなかったり、あるいは、都営住宅が非常に密集しているところなので低所得の御家庭の皆さんがかなりいらっしゃって、非課税世帯だったり、あるいは生活保護受給世帯だったりが多くて、そうすると、市の収入が少ないわけですね。市の収入が少ない自治体ほど支援のニーズが高いわけです。でも、これを一律に、市町村が三分の一とかそういった負担を負わされると、結局、必要な自治体が必要なことができない、裕福な自治体はできるという矛盾が生じております。この辺り、十分御検討いただければと思っております。
 9から児童福祉法改正案というところですけれども、先ほど言ったように、二十二歳年度末までの支援は実施施設が極めて少なく、格差が拡大しているということで、大半の施設は十八歳でやはり出ないといけないと思っています。先ほど言ったように、子供の家は大学卒業まではみんないられるというふうに思っていますけれども、子供は施設を選べないのにそういった格差が看過されるべきではないと考えます。
 次に、児童自立生活援助事業。この辺りについては、今までの社会的養護自立支援事業が、法的根拠がないために都道府県によって取組がまちまちだったんですけれども、今回、六条の三で法的に裏づけられて、義務的経費になったということは非常に大きな前進だと思っております。
 ただ一方で、支援が一旦途絶えると、措置延長から継続、連続していないと支援が継続できないんですね。一旦途絶えて出戻るみたいなことが想定されていませんので、この辺りは今後の課題だということで考えています。
 10の(16)のところ、社会的養護支援拠点事業のところです。いわゆるアフターケアの拠点なんですけれども、こちらも根拠法に明示されたのは前進なんですけれども、こちらについては義務的経費になっていないんですね。生活支援に関しては義務的経費になりました。だけれども、アフターケアになると義務的経費にはなっていないということです。
 あと、ここも、対象に、先ほども申し上げたように、社会的養護に本来来た方がいいんだけれども来られなかったお子さん、青年たちがいるというところで、そういった方々が困難の中にあるといったときに、ここの、こういう拠点事業から排除するということがないようにお願いしたいなと思っております。
 (17)、意見表明等支援。これも先ほどからお話がありましたが、今回、十八歳成人になりますので、今まで措置延長とか社会的養護自立支援事業が十分に活用されていない大きな理由に、子供不在で、施設だったり里親さんだったり児童相談所だったりが決めているということですね。ここを十分に、サービス利用の主体は子供だったり、十八歳を超えて成人になりますので、そういった方々がどうやって、意見を表明するだけではなくて、それを支援に反映していくか、この辺りが非常に大きな検討課題になっていくと思っております。
 あとは、国連の児童の代替的養護に関する指針というところでお示しをしましたが、こちらについては、国連が社会的養護はどうあるべきかということを示しているということで、御参照いただければと。
 あと、二点、資料を追加しておりますけれども、その辺りも、二〇一一年の末に、厚労省が措置延長を積極的に活用すべきということで通知を出していただいております。そこがいまだに、十年以上たちますけれども十分に生かされていないという現状、こういったところをどうやって生かしていくか。これは、子供の主体的な選択というところをどう強めていくかというところに懸かっていると思っております。
 私からは以上です。ありがとうございました。拍手
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橋本岳#11
○橋本委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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橋本岳#12
○橋本委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山本左近君。
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山本左近#13
○山本(左)委員 おはようございます。自由民主党の山本左近です。
 まずは、本日、五名の参考人の皆様、本当に貴重な御意見をどうもありがとうございました。
 また、質問のこの場に立たせていただきました国民の皆様、先輩議員の皆様、そして同僚議員の皆様、全ての関係する皆様に感謝申し上げます。しっかり頑張ります。よろしくお願いします。
 児童虐待等をなくして全ての子供たちの幸せを守りたい、この思いは、ここにいらっしゃる皆さん共通の思いかと思います。また、子育て世代やまた社会全体の幸せを守るためにそれぞれの現場で御尽力をされていらっしゃる参考人の皆様に、改めて敬意を表したいと思います。
 初めに、山縣参考人にお伺いいたします。
 先ほど、お話の中で、公的サービスにつながりにくい、また、身近にアクセスできる支援が課題だというふうにおっしゃられておりました。
 今回の法案の中に、こども家庭センター設置、新設が盛り込まれております。このセンターは、全ての子供や子育て世帯を支援する役割を担うことになりますが、私としては、子育て世帯を具体的な支援に結びつける、つながる、つながる力、ここが非常に大事かと思っています。
 この機能に関して、NPOや、施設、また子育て支援に取り組む熱意のある方たち、地域社会において悩みを抱える親やお子さんをしっかりつないでいくことが求められている中で、こども家庭センターは地域でのつなぐ役割を担うと思いますが、山縣先生の目で見て、このセンター創設の意義を改めて教えてください。
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山縣文治#14
○山縣参考人 御質問ありがとうございました。
 今委員御指摘のように、私は、このこども家庭センターというのは非常に期待をしているところです。
 とりわけその意義というのは、ばらばらな相談窓口が、非常にたくさんあるんだけれども、その中で、コントロールタワーといいますか、まずそこで中心的な関わりをしていただき、そこから必要なものにつないでいくという意味で、今、市町村には、先ほども話をしましたが、子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターと大きな二つのものがありますけれども、これをもう既に設置されているところについては、一定の整理をしつつ、完全に一体化をするかどうかはまた別にして、有機的な連携ができるものとしてこれを設置していくというのは非常に意義が高いというふうに思っています。
 一方、先ほどの話でもしましたが、役所がつくるものというのは日常的には少し利用しづらさがあるというふうに思っておりまして、こども家庭センターと地域にあるNPO等様々な機関のネットワーク化ということが併せて重要になるんだろうというふうな認識をしております。
 以上です。
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山本左近#15
○山本(左)委員 ありがとうございました。
 ただいま山縣参考人がおっしゃられていたところで気になった点、もう少し深掘りさせていただきたいと思います。
 公的な機関ですと、利用しづらいということもあります。そこで、NPO等、民間の力を活用していこうということなんですが、改めて、活用していくため、そういった場所に対して、私は、いつでも誰でもどなたでも必要があるときには伺えるような場所であってほしい、相談できる支援体制が欲しいと考えています。
 ただ一方、そこに行くと虐待をしている親だと思われてしまうとか、また、そこに行くと自分は困っている子育て世帯だと思われてしまうと、やはり、ぎりぎりなラインにいる人たちというのは利用をなかなか、しに行くのを控えてしまうんじゃないか、そういった逆効果もあるんじゃないかと思いますが、その点、利用される方の目線で考えたときに、山縣先生としてはどのような方策をこのこども家庭センターが持つべきと考えますでしょうか。
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山縣文治#16
○山縣参考人 これも先ほど少しだけお話をしたつもりなんですけれども、例えば「こうのとりのゆりかご」にしても、匿名でしか相談できない、匿名でしか預けることができないというふうな方々が実際にいらっしゃいます。その方々は、名前を出してくださいというのは言葉としては簡単なんですけれども、言い出しにくい事情がその背景にある。そこをやはりしんしゃくしてあげないといけないのではないかなというふうに思っておりまして。
 そうすると、今、役所等の相談は、基本的には名前を名のっていただいて、書類を作って記録が残るという形になっていますけれども、その役所の仕組み、公的な仕組みは名前を名のらないという形で受けるのはなかなか難しいと思っていまして、そうすると、NPOさんとか、あるいはNPOでさえ顔を出しにくいような方々について言うと、安全性の確保を一方で考えないといけませんけれども、ネット等を通じた相談、こういうところまで公的なものが支援していくのかどうかという、私はぎりぎりのところに来ているのかなと。
 そこまで、先ほどの別の参考人の話ではありませんけれども、追い込まれた女性がいる、追い込んだ男性がいる、そういう構造を理解してあげないと、女性のみを加害者として見るという相談の仕組みだと、やはり近寄り難い方がいらっしゃるのかなというふうには思っています。
 以上です。
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山本左近#17
○山本(左)委員 山縣参考人、ありがとうございました。匿名性によって質問される方を守っていくということが大事だということはよく理解できました。ありがとうございます。
 続いて、藥師寺参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
 児童相談所における親子に対する支援の質を向上させていくことは本当に大事なことでありますし、また、そこの重要性を先ほどお話をいただきました。また、夜間対応の急増ですとか一時保護所での対応、非常に困難ケースも増えているということで、働く皆さんにとってはますます今は、現状、厳しい現場になってきているんじゃないかというふうに思います。
 その中で、今回、見直しの中では新たな資格を設けることとしています。様々な議論があったということは承知しておりますが、私としては、児童相談所で働かれている方のうち最も多い社会福祉士の方、まずはその方々の資質を向上することを促すことを重点に置いている今回の法改正は、非常に現実的であり、評価をしています。
 そこで御質問させていただきたいのは、児童相談所でもこの資格を持っている方が活躍することが期待されると認識していますが、児童相談所を総括する立場として、今回、資格創設に対する所見、また児童相談所の体制への影響についてお伺いさせていただきます。
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藥師寺順子#18
○藥師寺参考人 お答えいたします。
 児童相談所の体制を整備し、機能を強化するためには、児童相談所の仕事は大変だと思うけれども子供を虐待から守るために働きたいという意欲のある人材を確保することが非常に重要だと思っています。
 自治体の立場といたしましては、基本的なソーシャルワークの力を持った人材、社会福祉士や精神保健福祉士を採用した上で、現任者として児童相談所の実務に必要な子供家庭福祉についての研修課程を受講することによって専門性を確保する認定資格は、有効と考えております。
 ただし、児童相談所等で働きながらの受講になりますので、現場の状況を踏まえた受講方法等の柔軟な設計をお願いしたいと考えております。
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山本左近#19
○山本(左)委員 藥師寺参考人、どうもありがとうございました。
 続きまして、早川参考人にお伺いいたします。
 児童虐待を経験した方や児童養護施設で暮らした経験のある方をしっかり守り、支えていくことはもちろん重要であります。また、その生活を成り立たせる、継続させるという点でも、今後、今、課題といったところはお話をいただきました。
 ココ・シャネル、ジョン・レノン、スティーブ・ジョブズ、こういった方たちは、ファッションや芸術、ビジネスの世界で、様々な領域で偉業を成し遂げた世界の変革者たちです。彼らも、実は孤児院であったり里親で育っていたり、そういった環境を持つ方々です。生い立ちは変えられないが未来は変えられる。一見、私が言うと陳腐に聞こえ、薄っぺらそうに見えるこの言葉にも夢と希望を与えてくれる方たちだと私は思います。
 日本でも、社会的養護を経験された方が、自分自身の夢を抱いて、それに挑戦し、自己実現できる社会環境が必要であると強く感じています。
 今回の児童福祉法改正案では、自立支援の強化のために年齢制限の弾力化に取り組む内容となっていますが、日頃まさに社会的養護を経験した方々に多く向き合っていらっしゃる早川参考人の目から見られて、この法改正の評価や、期待すること、また思いをお伺いしたいと思います。
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早川悟司#20
○早川参考人 御質問ありがとうございます。
 私も常々感じているのは、子供たちは、先ほども申し上げたように、ある日突然、大人の都合で施設に来ます。施設を選んでいません。それで、来た上で、十八歳という大人が決めた年限で一方的に出されます。おめでとうなんと言って祝福されるわけですけれども、子供にとったら、本当にめでたいのかというのが非常に疑問です。
 こういったことで、これが二十二歳に延びたというのは、私は非常に大きな成果を感じているんですけれども、ただ、それでもやはり、大人が決めた年限で一方的に出ていかなければいけないというところはまだ変わっていないわけですね。
 そこで、場合によっては、子供のペースで、もうそろそろ俺、もう大丈夫だから出ていくわとか、私、まだ不安だからあと半年、少しここにいたいとか、そういった子供の主体的選択を支えるためには、そういった弾力的な運用が非常に重要だと思っております。
 そういった意味では、今回の法改正は、うまく使えば非常に有用だと思っております。
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山本左近#21
○山本(左)委員 ありがとうございました。
 時間も限られていますので、最後に質問させていただきます。和田参考人へお伺いします。
 二ページ目の課題の中で、プログラムについて、KPI等がないことによってやりっ放しになってしまうんじゃないかと危惧を、意見をされました。福祉的に、よく、現場の皆さんは、非常にモチベーションを持って、熱意を持ってやられるんですが、その振り返りや、また、客観的な分析が乏しいところもあるかと思います。こういったKPI評価をもしするのであれば、具体的にどんな指標がつくられると思いますか。
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和田一郎#22
○和田参考人 お答えいたします。
 子供の回復の度合いや、意見表明をするしないとか、その背景などを分析して、意見表明をした後、ずっと継続的に追って、その意見表明が本当に評価があったのかというような評価指標が必要だと思います。
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山本左近#23
○山本(左)委員 時間が終了いたしましたので、私の質問を終わらせていただきます。
 本日は誠にありがとうございました。
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橋本岳#24
○橋本委員長 次に、山井和則君。
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山井和則#25
○山井委員 十二分間ですので、申し訳ございませんが、金尻理事長を中心に質問をさせていただきます。
 まず、この厚生労働委員会でも、児童福祉法に関連して、アダルトビデオの問題というのは議論をさせていただいております。その中で、齋藤理事、牧原理事、伊佐理事を始めとして、本当に超党派で議員立法の議論が行われていて、先ほど金尻理事長がおっしゃったように、残念ながら、高校生、十八歳、十九歳のアダルトビデオ出演ということになると、被害が低年齢化していく。恐ろしい話だと思うんです。
 今日は、金尻理事長とふだんから性暴力の被害に取り組んでおられる岡さん、内田さん、相談員の方もお越しをいただいて、本当にうれしく思っております。
 そこでなんですが、私、配付資料を見て驚いたんですが、完全サポート体制、一日体験、脱がない、触られない、なめない、余り言いにくいですけれども、こういう。これを、東京の方は御存じかと思いますが、この音楽が渋谷、新宿、流れ出て、子供も口ずさんでしまっている、こういう状況なんですね。
 それで、ちょっと先ほど時間がなかったんじゃないかと思うので、子供の性暴力被害に関して確認したいんですけれども、金尻理事長さんのおっしゃりたいことというのは、要は、求人のときには安心なアルバイトですよといいながら、実際、行ったお店の広告ではわいせつ行為もオーケーみたいなことを、実際されてしまっている、そういう話なんでしょうか。ちょっと差し障りのない範囲で御説明いただければと思います。
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金尻カズナ#26
○金尻参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおりでございまして、こちらの女性の求人のサイトの方は、すごく甘い言葉、それも、一日体験五万円というふうに書いてある。本当に、来月家賃を支払えない、どうしようとなったときとか、ほかにも、奨学金を使ってしまってどうしようとか、そういった本当に生活困窮になってしまうと視野が狭くなってしまうんですね。そのときに、この五万円という言葉が本当にきらきら映るということがございます。
 実際それで体験入店という形で入っていくと、実際はこういった、下の方にあるような形で、結局事実と違う結果になってしまって、精神的にも追い詰められてしまわれる方、妊娠や、性感染症に感染されて、そのことで更につらい思いをされる方というのが、相談が寄せられております。
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山井和則#27
○山井委員 私も本当にショックです。
 上の広告を見たら、安心な、いいアルバイトかなと、お金に困っている人であればあるほど思いますよね。
 私も、政治家になったきっかけの一つ、学生時代、児童福祉施設で六年間ボランティアして、ケアリーバーという、施設を出た女性の中には、性暴力被害に遭う方がやはり残念ながら多かったんですね。そういうこともあって、私も政治の道を、理系から転向したんですけれども。
 こういうふうな、残念ながら深刻な問題です。
 結局、金尻理事長さん、こういう被害者がぱっぷすさんに相談に来られているということですか。
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金尻カズナ#28
○金尻参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおりでございまして、ぱっぷす、当団体の方には、そういった若年層の方から、二十代前半の方の相談がやはり多くございます。その方の多くが、様々な理由で性的搾取に巻き込まれてしまうという状況でございます。
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山井和則#29
○山井委員 今日は児童福祉法の審議ですけれども、本当にこれは深刻な問題で、残念ながら、東京渋谷、新宿に行けば、今でもこういうPRの車は走り回っていまして、もっと怖いのは、子供と若者がこの歌を口ずさんでいますからね、びっくり仰天ですけれども。
 それで、もう一つ私が驚いたのは、次のページ、十代を狙う路上スカウトの様子。百名のスカウトがいると。それで、このスカウトに声をかけられた女性に対して、恐らくぱっぷすさんは、アウトリーチで、今声をかけてきたのは、あれはスカウトと名のっていないけれども、あれはナンパじゃないですよ、スカウトですよということを多分アドバイスして守ってくださっているんじゃないかと思うんですけれども。
 その下も、高校生、十代の性を買う大人たち。これは私は何の写真かなと思ったら、この写真というのは、もしかして、高校生も含む援助交際とかそういうことを待っている男であって、ここに残念ながら行ってしまう高校生、子供も残念ながらいるという状況なんですか。ちょっとこの二枚目の写真について御説明ください。
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