沢田良の発言 (財務金融委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○沢田委員 どうもありがとうございます。
任命権者は内閣ということは、日本銀行は、独立した組織である一方、選挙を経て選ばれた民意の力で直接任命できるからこそ、総理の意向や方向性が酌み入れられて当然と考えます。
今回の任命において、私は二つの問題意識を持ちました。一つ目は、黒田総裁と同じ方向性を向くリフレ派の片岡委員の代わりとなる岡三証券エコノミストの高田創氏は、著書に「異次元緩和脱出」があることが象徴するように、金融緩和の副作用への問題意識も高く、総理の言う二%の物価安定目標に理解のある方とは対極と言える存在に変更したという点。もう一つは、三井住友銀行元専務執行役員である田村氏が選ばれ、いわゆる金融業界枠と呼ばれる三大メガバンク出身者の起用を慣例どおり繰り返した点。正直、理解ができませんでした。言っていることとやっていることが違いますから。
総理は、過去に、二〇一八年に、金融財政政策に対して、金融緩和策の出口のタイミングを考えることが大事だ、財政再建がなければ将来の消費もないし、政策の足かせになると言っており、二〇二〇年出版の「岸田ビジョン」では、日銀のバズーカ緩和策の効果の限界、副作用を指摘して、これ以上更にマイナスの金利の幅を深くできる余地も現実的にはありません、それをやると地方銀行がもうもちませんとも記述されております。
実際に、岸田総理と私、予算委員会で質問のやり取りをした際にも、違和感はありました。経済あっての財政と言いながら、経済と財政の優先順位をつけられない政策や答弁姿勢も、客観的に、言っていることとやっていることがちぐはぐに見えました。
当然、この人事は、明確な緩和縮小への総理の意思と捉えられてしかるべきであり、新型コロナもまだ落ち着かず、そしてロシアのウクライナ侵略の中でもデリケートな人事を進めてしまっている現状に、判断を疑う部分があります。デフレ脱却を掲げ、市場との対話を丁寧に行いながら、大規模金融緩和を十年近く不退転の覚悟で前に進めてきた現在の日銀の体制の足を引っ張っている自覚やその責任を全く感じられません。
日経CNBCが個人投資家を対象に調査した岸田政権に対する支持率で、支持すると答えたのはたった三%のみ、九五・七%が支持しないと明確に答えています。海外では、最初の百日の政権運営が、その能力を測る物差しと言われています。第二次安倍政権は百日で三〇%の株価上昇を生み、岸田政権は一〇%近く下落。まさに対照的な例であり、投資家に中長期的な経済への期待を持たせられていないと言えます。
ただ、総理が、黒田総裁の後任に関し、二%の物価安定目標に理解のある方が望ましいと話していたことも、やはり頭に残るんです。これをずっと考えると、少し混乱してきます。本当に明確な意思を示したのだろうか、総理はいろいろな状況を分かっておっしゃっているんだろうか。総理といえど、一人で全ての情報を集める、判断することができるというのは不可能です。周りにいるブレーンや官僚が総理に正確な情報共有をしていない可能性すら疑われます。
そして、片や強い意思を打ち出しており、もう片方は全く思考停止であり、金融業界枠と呼ばれる三大メガバンク出身者の起用を慣例どおり繰り返したということも、これだけ世界情勢が厳しいかじ取りを迫られる中、熟慮して最高の布陣をつくられたとは思えません。
そもそも、金融業界枠とは、三大メガバンクである三菱UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行の順番で日銀の審議委員の任命を繰り返す人事のことをいいます。現委員の鈴木氏は三菱UFJ出身であり、本来、順番ではみずほフィナンシャルグループだったが、相次ぐシステム障害で見送られ、前倒しで今回の三井住友銀行の元専務執行役員である田村氏が選ばれたとのことです。
日銀は、銀行の銀行と言われるように、民間金融機関と密接な利害関係があるにもかかわらず、その代表者が天下りの逆バージョンでもあるいわば天上がり、そういったことを今回も含めて長年容認してきた状況は、国際標準からも妥当性を欠き、民間金融機関の既得権益化を認めている、そういうふうに感じます。
正直、この人事は、事前に、ネットを含めて、三井住友枠がある、こういった声が大変多くのところで散見されたように、熟慮した形跡や余地は全くないと断じざるを得ません。
どうしても総理の発言と実際の行動の違いに疑念が生まれてしまうのですが、総理が正確な情報を知らずに決裁しているとしたら、大変危険とも感じています。こういった過去の経緯や情報を伝えるのは内閣官房の役割と考えます。
内閣官房に質問です。
日銀の金融業界枠なる人事の慣例を認識していますか。また、総理には、その情報や、日銀人事の重要性などを判断できるだけの正確な材料を伝えているのか、お答えください。