中川正春の発言 (財務金融委員会)
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○中川(正)委員 この共同声明の草案を十年前に起案したという門間一夫元日銀理事が、こんなふうにおっしゃっているんですよ。日本経済の課題は、金融政策にこだわり続けても解決はできないという結論に達したというのがこの十年間の評価、反省であろうということ。
そうした意味からいくと、さっきおっしゃったように、企業の生産性、これを上げて、そして賃金を上げていくという好循環をつくっていく。これは、今現象的に、一時的に表れている話は触れられましたけれども、ここ十年間を見て考えていくと、この構造にはなっていないという評価が一般的になされている。
GDP一つ取ってみても、十年前を遡って、もう一つその前の十年、このときに達成されたGDPの伸び率というのは、この十年間で、二〇〇三年から二〇一二年まで〇・四%ですよ。二〇一三年から二〇二〇年まで、これは平均すると〇・二%なんです。トータルで上がっていないんですね。逆に下がっているんですよ。
同時に、財政再建、さっきこれは触れられたことですから。これも真逆の話になっておって、毎年というよりも、一定期間置いて、プライマリーバランス、こんなふうに取っていきますよという形で、政策的に、政治的に目標を掲げても、それが何回も何回も延長されて、結果的には、債務について、非常にリスクの高いところ、水準まで来ている。ほかの国と比べても、今、令和三年、二〇二一年で、GDPに対して二五六・九%の負債率。これは、イタリアでさえ一五四・八、英国で一〇八・五、米国で一三三。これはもう何回もそれぞれの領域で指摘をされておるということであります。
一見、デフレは克服したように見えているけれども、実際には、二%の物価上昇目標を掲げた金融政策だけが持続的に先行して、そして異次元の量的緩和でマネタリーベースが膨らんで、今回は、それに加えて円安と輸入原料高のコストプッシュ型の物価高ということになっておって、これは見せかけのデフレではないのか。
言い換えれば、本来の、生産性ということを基本にしながら、これを上げていって、賃金を上げていって好循環をつくっていくという結果で出てきたような現状の数字ではなくて、いわゆる金融政策で見せかけに、そこから始まったものが見せかけに回っているということ、これが日本の現状ではないかということだと思うんです。
そういう意味でいけば、この構造改革、いわゆる経済の構造改革というのは、日本の今の現状からいくと達成はされていない、本来目指した経済の復活というのは今なされていない。それよりも、よく言われる、ゆでガエルと言われますけれども、経済自体の甘い構造の中で新陳代謝ができなくて、それで新しいものが生まれてこないという、そんな体質にこの経済をしてしまった、それが量的緩和であったのではないかということ、こんなことも指摘をされ始めてきました。
こういう見解に対して、どういうふうに見ておられますか。