尾身朝子の発言 (文部科学委員会)
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○尾身委員 ありがとうございました。
次に、今回の改正の大きなポイントでもあるデジタルアーカイブの規定の追加について質問いたします。
新型コロナウイルスの影響による閉館や開館時間の短縮などで、本物が見られるという博物館本来の役割も果たしにくい状況が続いています。これを契機に要望されるようになったのが、デジタルアーカイブの更なる充実です。
科学技術の分野の話になりますが、私は、一九九九年にサービスを開始した、学術ジャーナルのオンライン閲覧検索システムである科学技術情報発信・流通総合システム、J―STAGEの開発チームの責任者として、学術雑誌や書籍のデジタル化に携わりました。
サービス開始当時、明治時代に発刊された化学会最古と言われる雑誌の電子アーカイブを作成したことがあります。現存するのは僅か数冊と言われており、そのうちの一冊が日本化学会の金庫内に保管されていました。学会の御理解と御協力を得て、一度だけ持ち出しを許され、私のチームがデジタル化を行いました。その結果、その電子版を多くの方が閲覧することができるようになり、研究者の方々が様々な研究を進めることが可能になったと聞いています。
貴重な収蔵品を電子化することで、数多くの研究者に閲覧する機会が与えられ、より発展的な研究が進むことが期待されます。
全国の博物館、美術館においても、その収蔵品をデジタルアーカイブ化して文化遺産オンラインに登録することは、海外からのアクセスや研究者への提供などの面からも重要なことです。また、カタロギングを進めることにより、共通の財産としての管理も可能になります。
そして、多くの方々がデジタルアーカイブに触れることで、実物の色合いや質感、大きさ、輝きなどを見てみたいという思いが強くなり、実際に博物館に足を運んでみようという気持ちが必ず湧いてくることと思います。デジタル技術が大きく進むことで、博物館の持っている意義や魅力を更に大きく広げることができるのです。
ここで伺います。今回の改定案においてデジタルアーカイブ化の規定を追加したのはなぜでしょうか、お聞かせください。