村尾建兒の発言 (北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会)

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○村尾参考人 おはようございます。特定失踪者問題調査会幹事長をしております村尾建兒と申します。
 本来ならば、ここで代表の荒木がお話しさせていただくところですが、本日、調査で北海道に行っております。代わりに私の方からお話しさせていただきます。
 まず、昨日、そこの官邸前で、特定失踪者の御家族が、岸田総理と面会をしたいと、これは、過去から歴代の総理に対して、特定失踪者御家族と会ってくださいと要望を何度も出しております。そのたびに、官房長官で、拉致問題担当大臣でということで、これまで一度も特定失踪者の家族と総理大臣がお会いしたことはございません。そこで、昨日は、その御家族の一部が集まって官邸前でアピール行動をさせていただき、その後、議員会館にて記者会見を行いました。いらしてくれた議員の皆さん、今日もいらっしゃっています、本当にありがとうございます。
 そこで、特定失踪者家族会代表の今井会長から思いを預かってきておりますので、まずそれを読ませていただきます。
 特定失踪者家族の願い。特定失踪者家族会、今井英輝。
 岸田総理は特定失踪者家族に面会してください。
 日頃から総理も官房長官も、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者を取り戻すと言っておられますが、その言葉と現実は矛盾していて、私たち家族が何度も要求しても、認定していない人の家族には会わないと断り続けています。北朝鮮につけ込まれる隙を与えないというのが理由ですが、かつて小泉総理は、認定、未認定などという前に横田さんたち御家族と面会をしておられ、その思いを胸に金正日と対峙してくださいました。
 今こそ岸田総理は、認定、未認定にかかわらずの姿勢を明確に国民と北朝鮮に示してください。それは特定失踪者家族に面会することです。幾人かでもその代表と面会していただき、認定被害者のほかにも多数の拉致被害者がおり、政府は日本国民を見捨てないという意志を国の内外に態度で示してください。それは、岸田総理がいかに強い思いを持っているのかを国民に示し、北朝鮮政府に示すこととなります。総理が面会を拒むことは、すなわち北朝鮮の思うつぼなのです。日本政府は、認定被害者以外は拉致とは思っていないと間違ったメッセージを発信しているのです。
 さらに、あえて言えば、特定失踪者の中にはもしかしたら拉致とは関係ない人もいるかもしれないが、確実に拉致をされた人々は八百人以上いるのだということを発信することも必要と思います。
 また、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者を取り戻すという発言は総理も官房長官も幾度も発信しておられますが、全ての拉致被害者を政府は確実に把握しているのでしょうか。もし、北朝鮮がこれだけですといった名簿を出してきたときに、それに対応できる確証は持っているのでしょうか。国民に分かるように説明していただきたいと思います。
 ここまでが、今井さん、特定失踪者家族会会長の思いでございます。これは、家族会の中で共有をしていただいて、これを是非持っていってほしいというふうに託されてまいりました。
 ここに書かれているとおり、私たちも、特定失踪者問題調査会、それから家族会として、幾度も岸田総理に、面会をしてほしいということを伝えております。総理と特定失踪者との面会は、歴代総理に幾度も要請していますが、いまだに実現していません。認定の有無にかかわらずと言っている政府の姿勢が全く矛盾していることの象徴です。
 岸田総理は、自民党総裁に選出されたとき、挨拶の中で、岸田文雄の特技は人の話をしっかり聞くということでありますと言っておられます。是非その特技を発揮していただき、特定失踪者家族会の話をしっかり聞いていただきたく、衆議院特別委員会の皆様には、是非、岸田総理と特定失踪者の家族の面会の実現に向けて御尽力をお願い申し上げます。
 続いて、私たちがやっている北朝鮮向けのラジオ放送「しおかぜ」というのは皆さん御存じだと思います。
 この「しおかぜ」、二〇〇五年の十月から発信を始めまして、二〇〇七年からは、前総理大臣、前菅総理が総務大臣のときに、国内の、日本の八俣送信所という茨城県古河市にある送信所から、現在、北朝鮮に向かって放送できるようにしていただきました。
 その八俣送信所から発信をしているわけですが、短波送信施設に、長い間使われているものですから、老朽化の問題というのが来ています。それについてちょっとお話をします。
 現在、NHKが独占使用権を持つKDDI八俣送信所は、人道的な見地から、「しおかぜ」に送信施設使用を認めてくれています。しかし、NHKの合理化や予算削減から、二〇二四年度には、現在「しおかぜ」が使用中の百キロワット送信機二機が削減され、「しおかぜ」が実施している同一時間、別周波数、二重放送とこれを呼んでいますが、同じ時間に別の周波数を使って二本同時に放送しています。その送信機移行の期間中、約十か月間、二波一遍に放送ができなくなるんですね、一波のみの放送しかできなくなるというふうにされています。
 北朝鮮当局は、「しおかぜ」に異常に妨害電波をかけてきていますが、その状況から見て、効果、有効性は明らかです。二重放送が一時的にできなくなるということは、国家の最重要課題として掲げる拉致被害者救出の矛盾と感じざるを得ません。
 基本的に、現在では、デジタル化が進んで、短波送信というのは忘れがちとなったメディアであることは間違いないです。ただし、インターネットや衛星通信など、世界と日本をつなぐのは、海底ケーブルやパラボラアンテナ、そういう物理的なものに委ねられているというのが現状ですね。
 どんなにデジタル化が進んでも、先進国の多くは、短波送信を活用して、世界へ向けた情報発信、プロパガンダ放送などを続けています。現在の、ロシアが侵攻中のウクライナ、ここも、英国のBBCや台湾のRTIなど、そのほか短波送信が見直されて強化されています。
 この現状を見ても、非常に短波放送というのは重要な送信手段であるということがお分かりかと思いますが、日本の短波送信がこのまま削減されてしまえば、我が国が今確保している、国際競争でこの周波数というのは獲得するんですが、まず、これが他国に流出してしまう。それから、送信技術の喪失ですね。これはもう既に、現在、日本の国内の企業は、短波送信機自体を製作することができなくなっています。今現在、八俣送信所で使われているのも、海外製のものを買ってきて使っているんですね。それで、技術者はどんどん高齢化して引退していくという状態が続いていて、完全にこれは技術喪失というふうに言っていいと思います。
 日本唯一の送信施設、KDDI八俣送信所は、それこそ在外邦人の保護など安全保障、危機管理の観点から見ても、国益にかなう重要な施設であることは間違いないというふうに思います。よって、政府は積極的に関与して、この技術喪失を、それから設備の管理を、安定的に運用できるようにしていただく必要があるというふうに認識しております。
 衆議院特別委員会の皆様には、この拉致被害者救出のために希望の光を送り続けている「しおかぜ」の安定的な運用をするためにも、是非、この送信機の更新それから維持に政府がしっかりと関与するように御尽力を賜りたいというふうに思います。あわせて、是非、このKDDI八俣送信所の実態を知っていただきたく、現地視察をお願いできればというふうに思っております。
 以上でございます。(拍手)

発言情報

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発言者: 村尾建兒

speaker_id: 2924

日付: 2022-05-20

院: 衆議院

会議名: 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会