吉田豊史の発言 (本会議)
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○吉田豊史君 日本維新の会の吉田豊史です。
五年前に初めてこの壇上に上がらせていただいた折に、国士無双の誓いを立てました。私自身、一層精進、努力してまいります。まさに、高い壇上からではございますけれども、議員諸兄の引き続きの御指導を心からお願い申し上げます。
私は、党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
新型コロナウイルス感染症の大流行によって、日本社会は、三年近くの間、国民生活は強い自粛を強いられました。新しい生活様式という見方もありますが、全体としては、個人消費が低迷しており、相次ぐ蔓延防止等重点措置、そして緊急事態宣言に対し、飲食店やイベント等は、営業時間の時短、そして人数制限の実施についての協力を何度も何度も続けてまいりました。多くの国民の皆さんの協力に心から感謝申し上げなくてはいけないと改めて感じております。
オミクロン株というこれまでにない感染力を持つ変異株の出現により、現在では連日七万人を超す新規陽性者を出している現状、都道府県がこれまで大変な努力を重ねて拡充してきた新型コロナ患者用の重症病床についての対応、新型コロナ自体は無症状あるいは軽症である感染者が持つ別の持病の治療のために占有される傾向が増加してきております。そして、元々対象としていた新型コロナの重症患者が発生したときには重症病床に入れなくなる可能性も出てまいりました。デルタ株までの流行にはなかった、新たなタイプの医療逼迫をもたらす状況を迎えようとしております。
これまでは、新型コロナウイルス感染症の感染者に対しては、一般療養とは完全に隔離して治療をするという国の方針に従って対応を進めてきました。しかし、今は感染者が爆発的に増えており、患者の治療を新型コロナに対応する病院だけに任せておくような状況は既に超えております。これだけ感染力が高いオミクロン株から国民の皆さんの命と健康、そして日本社会を守り抜くためには、日本の医療機関全体が協力して対抗する体制に改めるべきではないでしょうか。そのためには、感染法上の位置づけを変更する必要があります。
日本維新の会としては、現在新型コロナウイルス全体を感染法上の二類相当としている現状を見直し、オミクロン株に対しては五類又は五類相当とした上で、日本の医療全体が強い感染力を持つ新型コロナ感染症に当たるという体制づくりにすべきと考えております。一度決めたことを見直さないかたくなな対応ではなく、変異株の性質に合わせた細かく柔軟な対応への変更が必要です。このことを強く求めさせていただきます。
質問に入ります。
政府は、継続雇用者の給与総額を一定の割合以上増加させた企業に対し、対前年度増加額の最大三〇%を税額控除できる制度を定めようとしております。政府自身は賃上げ促進税制と呼んでいらっしゃいますが、賃上げが実現するのかどうかは大きな疑問があります。
税制によって動かすことができる経済効果は、政府が考えるほど大きくはありません。日本経済は非常に大きく、経済のパイが成長、拡大する仕組みに沿って賃金が上がる仕組みを導入していかなければ、大きくかつ長続きする経済効果を手に入れることはできないと考えます。税制による対応は、やらないよりやった方が少しはましだという程度のものでしかありません。
日本全体の賃金が上がるためにはどうすればよいか。働く人々が現在働いて給与を得ている以上に生産効率が高い分野に移動すること、労働力を大きな経済成長をもたらす可能性がある分野にシフトしやすくすることが必要だと考えます。そのためには、安心して新しい職業に就くことを促進すること、つまり労働市場の流動化が必要となります。
控除を増やすことも効果があるかもしれません。しかし、小手先で、賃上げを実施した企業に対する税制を優遇するよりも、規制緩和を実施して、大きな経済成長をもたらす分野へ労働力をシフトさせることの方が、日本全体の賃金総額を引き上げることにつながるのではないでしょうか。
日本維新の会は、昨年、税制改革、社会保障改革、成長戦略を一体となって行う日本大改革プランを発表いたしました。このうちの成長戦略としては、地方分権改革、労働市場改革などを中核としております。雇用に流動性を高めることと働く人たちが転職を決意するために必要なセーフティーネットをつくることが、経済が成長する環境をつくる上では欠かせないと考えているからです。今、日本社会は、これまでの路線に対する微調整を必要としているのではなく、大きな改革を必要としております。
総理に質問いたします。
政府は、昨年十二月に令和四年度の税制改正の大綱を公表いたしましたが、税制全体を抜本的に見直す内容は全く含まれていませんでした。税制全体の見直しを実施しないのでしょうか。
また、賃金総額を増やした企業に対する税制控除を行うという小手先の税制改革のようなものではなく、より抜本的に雇用流動性を高めることで高い賃金分野の雇用者を増やし、経済成長を実現すべきと考えますが、回答を求めます。
政府は、中小企業に対する賃上げのための税制として、雇用を守った場合に控除率の上乗せ要件を見直し、控除率を最大四〇%に引き上げた上で、制度を一年間延長するとしておられます。新型コロナによる経済への影響もある現状において、中小企業の賃上げの効果としてどれだけのことが期待されるかは大いに疑問です。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって一番被害を受けたのは中小企業です。賃上げは経済問題としては重要ですけれども、中小企業が倒産する事態を引き起こすことになれば、かえって雇用の主体を失うことになります。何よりも、中小企業の皆さんには、コロナ禍においても企業を堅持し雇用を維持するということを是非とも進めていただきたいと考えています。
日本維新の会は、これまで、新型コロナウイルス対策に関する提言を第一弾から第十弾まで政府に行ってまいりました。その中でも、中小企業を支える持続化給付金と家賃支援給付金などの拡充を何度も提案してまいりました。改めて、中小企業を維持することが日本経済の未来を支えることにつながる最重要項目であることを主張させていただいて、支援の拡充を政府に求めます。
総理に質問いたします。
現行制度である控除率最大二五%において、どれだけの賃上げ効果があったのでしょうか。お答えいただきたい。
また、今回の改正によって、中小企業に多少の無理をさせることによって雇用が失われる事態を引き起こすおそれは考えていないのか、御回答をいただきたいと思います。
政府は、新築住宅に対するZEH、ゼロ・エネルギー・ハウス水準省エネ住宅と省エネ基準適合住宅への控除額を引き上げること、そして、既存住宅については認定住宅に対する控除を引き上げることにより、省エネ性能の高い住宅への切替えを促進しようとしています。二〇五〇年カーボンニュートラルの実現にかじを切った政府の施策として、このこと自体は好ましい方向であると考えております。
しかし、住宅への投資というのは巨額であり、国民一人一人にとっては大きな決断を伴います。件数自体はそれほど多くない一方で、少子化、人口減少の影響により、住宅余りという状況が散見されています。控除の見直しだけで省エネ住宅への切替えが目に見えて促進するとは到底思えません。税制改正は進めるとしても、より大きな省エネへの取組が必要ではないでしょうか。
総理に質問いたします。
今回の住宅ローン控除の見直しにより、どれだけのカーボンニュートラルが進むことを期待なさっているのでしょうか。具体的にエネルギー消費量などに換算してお答えください。
一月十八日に公表された日銀の経済・物価情勢の展望では、政策委員の中央値は、十月時点の経済見通しと比べた場合、二〇二二年度の実質GDPの対前年比成長率で〇・九%見通しを上げました。また、生鮮食品を除いた消費者物価指数も〇・二%見通しを上げております。両者とも今年となって上向きの状況であり、日銀の見通しは、コロナで抑制されていた社会経済からの回復を見通していると思われます。この見通しもプラスの度合いが増大するということです。
これまで、長い間、消費が抑えられてきました。一定の我慢需要があることにより、外出や旅行などが増えて、消費は上向くことも考えられます。その流れに沿って経済促進を促すべきと考えますが、平成十年以降続く長いデフレが続いてきたことから考えて、それだけで済むとは到底思われません。日本経済が成長するためには、消費者物価指数が安定的に一定以上の値を維持する状況をつくり出すべきではないでしょうか。
総理に質問いたします。
新型肺炎がもたらしてきた経済への悪影響に対し、オミクロン株の更に先の変異株の出現を想定した上で、政府としてどのような手を打つことを考えていらっしゃるか、お答えいただきたい。
より積極的に手を打ち、経済成長する流れをつくり出すために、一定期間、消費税率を五%に引き下げるべきと考えますが、改めて見解をお伺いします。
日本は、新型コロナウイルス感染症に対する従来の政策を転換すべき時期を迎えております。特定の医療機関だけが新型コロナの患者を治療することでは、もはや対処はできません。流行しているウイルスの特性に合わせた柔軟な対応に変更が求められており、日本の医療機関が一丸となって、社会に蔓延するウイルスに対抗すべきときに至っております。今すぐ政策の転換を行うべきです。
政府に対しては、改めて、全ての国民のために政治は何をしなければならないかということを考え、行動していくかを考えて、国難と言える状況を乗り切っていくということを主張させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕