源馬謙太郎の発言 (本会議)
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○源馬謙太郎君 立憲民主党の源馬謙太郎です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和四年度一般会計予算外二案について、反対の立場から討論いたします。(拍手)
新型コロナウイルス感染症が確認されてから、既に二年以上がたちました。
亡くなった多くの皆様に心から哀悼の意を表しますとともに、闘病されている皆様、後遺症に苦しんでいる皆様にお見舞いを申し上げます。
また、医療従事者を始めとして、この二年間、感染症対策に最前線で従事してくださっている皆様に心より感謝を申し上げます。
まず、予算の中身に先立って、その前提となる岸田政権の基本姿勢に関する問題について申し上げたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、減ってはいるものの、今なお高い水準を推移しており、特に、重症者及び新型コロナウイルスに感染して亡くなった方の数は増加を続けています。二月に入り、一日における新型コロナウイルス感染症に感染して亡くなった方の数は過去最多、自宅死が相次いだ昨年夏の第五波を超えるという重大な事態になっています。
一方で、新型コロナワクチンの三回目接種はいまだ全国民の約一四%と遅々として進まず、先進国の中で最下位に準ずる水準にとどまったままです。
我々が予算委員会でも度々指摘してきたように、三回目接種までの期間を昨年十二月の段階で六か月に前倒ししていれば、これほどまでに重症者数や死亡者数が拡大していなかったのではないかと思います。対応が全て後手後手になり、ワクチン接種回数などの目標を定めることにも時間をかけた、政府が招いた結果と言わざるを得ません。
加えて、検査に必要な機器や体制も不足しており、濃厚接触者ですら検査できない状況が各地で続いています。医療現場だけでなく、保健所業務も逼迫しています。
岸田総理は、総理就任以降、最悪の事態を想定しているとしきりに口にしてきましたが、今のこの状況も想定していたのでしょうか。実際には、想定も準備も甘かったのではないですか。
その原因は、国民の犠牲と協力によって何とか抑え込んだ第五波後の小康期間に安心し、ブースター接種や検査体制の拡充といった準備を怠り、オミクロン株による第六波到来の直前まで水際対策を緩和したり、挙げ句の果てには米軍の検査なし入国を放置するなどといった、政府全体の気の緩みにあります。誰がやっても難しいコロナ対策ですが、判断の先送りによる対応の遅れは人災です。
国土交通省の統計不正への対応においては、岸田内閣の不誠実で無責任な態度が明らかになりました。
不正のあった建設工事受注動態統計は、GDPの算出にも影響を与え、予算編成の土台ともなる国の基幹統計の一つです。統計は民主主義の根幹を支える国民の公共財であり、統計不正はまさに民主主義の危機そのものです。それにもかかわらず、大した影響はないと済ませようとする姿勢は問題です。
この問題について、岸田総理は、昨年十二月の臨時国会において、運用については既に令和二年一月の数字より改善を行った旨、答弁をされました。しかし、実際にはその後も都道府県から不適切な数字の報告が続いており、その影響がどの程度のものなのか分からない状況が続いています。昨年十二月の岸田総理の答弁は明らかに誤っていたものの、その誤りも一向に認めようとしません。
予算の各目明細書に多数の誤りがあったことも明らかになりました。
昨年の通常国会でも、政府提出法案に条文自体の誤り十四件を含む計百八十一件のミスがあり、政府は重層的な点検体制の整備など再発防止策をまとめたにもかかわらず、それが生かされなかったのは、政府全体に緊張感が欠如していることの表れと言わざるを得ません。
今国会に政府が提出を予定している経済安保推進法案の責任者の一人である藤井前内閣審議官の更迭問題についても、岸田内閣の対応は極めて不誠実でした。
法案作成過程及び経済安全保障関連の予算の情報が外部に流出した可能性はないのか、まさに安全保障が懸念される中、政府は、事実関係の調査中として、予算委員会でも十分な説明を行わず、大きな懸念が残るまま予算案の採決を行おうとしています。一体、調査にどれだけ時間をかけるのでしょうか。何週間もかかる調査ではないと思います。法案提出の前には必ず調査結果を明らかにすることを求めたいと思います。
自民党京都府連が府内の選挙区の候補者から金を集めて地元の議員に配っていた問題もありました。
選挙買収の疑いもあり、政治の信頼を根底から揺るがす問題です。国家公安委員長が私の思いで額を決めたという九百六十万円は、ぴったり同額が地方議員に配られていました。国家公安委員長の思いとは一体どんなものだったのでしょうか。しかも、予算委員会で、御自身の政治資金に関する質問に、官僚が用意した答弁を読んでいる国家公安委員長を見て、日本の警察行政に不安を覚えました。
このとおり、予算の提出者たる政府の姿勢には枚挙にいとまがないほど多くの問題がありますが、予算の中身にもまた多くの問題が存在しています。
令和四年度予算においては、オミクロン株を始めとする第六波の到来を踏まえ、感染拡大防止のための予算、そしてコロナ禍で困難な状況にある国民の暮らしと事業を守るための予算を十分に措置すべきです。しかしながら、政府の予算案では全く足りません。
また、新しい資本主義の実現を図るための予算を措置するとのことですが、そもそも新しい資本主義とは何なのか、予算委員会での審議を通しても、結局、全く分かりませんでした。
一方で、五兆円にも及ぶ過大な予備費、年度内に支出される見込みのない公共事業関係費、消費税を財源とした病床削減、病院統合事業に係る予算、普天間飛行場の辺野古移設に係る予算、カジノに関連する予算などが計上されていますが、これらは削減、縮減すべきです。
こうした認識に基づいて、我々立憲民主党は、予算委員会において、政府予算の足らざるを補い、無駄を削る組替え動議を提出いたしました。
その内容は、無料検査の実施、治療薬の開発支援の拡充、後遺症への対応など新型コロナの感染拡大防止と万全な医療提供体制の確立に向けた取組の強化に係る本当に必要な予算、新型コロナの影響で減収したワーキングプアの方々への給付金支給、トリガー条項の発動と灯油、重油の購入費補助、奨学金の返還免除など国民の暮らしを守るための予算、事業復活支援金の拡充、観光産業事業継続支援金の創設、地域公共交通への支援、農業者戸別所得補償制度の復活と拡充、文化芸術への支援など国民と事業を守るための予算であり、十一兆六千億円の追加歳出を求める内容となっています。
また、持続可能な社会の実現に向けた予算として、本年十月から予定されている一定年収以上の後期高齢者の医療費窓口負担割合の引上げの撤回、政府案よりも充実した介護、障害福祉職員、保育士等の処遇改善、児童手当の拡充、カーボンニュートラルの実現に向けた施策の抜本的強化、統計不正の防止に向けた統計人材の確保などに五兆一千億円を計上すべきとしています。
大変残念ながら、この組替え動議は否決されてしまいました。与党の皆様には、第六波到来の影響を受けて、二年にも及ぶこの困難な状況に追い込まれている国民の声が聞こえていますか。苦しんでいる国民や事業者が本当に十分救われると思いますか。
我々の提出した組替え動議は、そうした国民の切実な声を予算に反映したものです。国難とも言える現在の状況を乗り越えていく上では、野党が出した案でも、いいところは取り入れるべきであり、今回の与党の皆様の対応は非常に残念であります。我々が再三提案してきたにもかかわらず拒否し続けてきたワクチン接種の目標設定を、最後は与党に質問されてそれに答えるという体裁にこだわった、予算委員会で度々見た光景と重なります。
以上、この令和四年度予算は、新型コロナウイルス感染症第六波の到来にもかかわらず、感染拡大防止のための予算も、コロナ禍で苦しむ国民の暮らしと事業を守るための予算も全く不十分であり、そして、これからの時代を見据えて持続可能な社会を実現していくための予算としても全く不十分です。一方で、不要な予算が多額に計上されている内容となっており、賛成できるものではありません。
今後も、対応がとにかく遅く、検討ばかりでなかなか前に進まない政府の姿勢をただすとともに、積極的に政策を立案し実現していくことをお誓い申し上げまして、反対討論を終わります。
ありがとうございました。(拍手)