岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 西村智奈美議員の御質問にお答えいたします。
 ウクライナそしてロシアによる停戦協議についてお尋ねがありました。
 ロシアとウクライナとの間の停戦交渉については、一定の前進があったとの報道もありますが、具体的な停戦に結びつくかは依然不透明なままです。例えば、バイデン米大統領もロシアが提案を実行に移すかどうかを見守る旨発言しているほか、ロシアはウクライナから撤退しているのではなく部隊を再配置しているにすぎないとの見方を複数の米国政府関係者も示していると承知をしています。
 我が国としても、一日も早く具体的な停戦に結びつくことが重要であると考えており、引き続き、強い関心を持って事態の推移を注視してまいりたいと思います。
 一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け侵略をやめるよう、国際社会が連携して、ロシアに対して強い措置を取っていくことが当面重要であると認識をしています。
 我が国として、引き続き、今後の状況を踏まえつつ、G7等と連携し、適切に取り組んでまいります。
 ロシアによるウクライナ侵略に関する我が国の取組についてお尋ねがありました。
 我が国として、ゼレンスキー大統領の国会演説におけるメッセージをしっかりと受け止め、今後とも、ウクライナを最大限支援していくとともに、ロシアの侵略をやめさせるべく、G7を始めとする国際社会との連携を強化し、結束を他国にも呼びかけていく考えです。
 インドではモディ首相と、カンボジアではフン・セン首相と、首脳会談において、力による一方的な現状変更はいかなる地域においても許してはならないこと、国際法に基づき、紛争の平和的解決を求める必要があることが重要であることを確認いたしました。
 また、中国とロシアは、近年、緊密な関係を維持しています。我が国として、中国に対しても責任ある行動を呼びかけてきており、引き続き、G7を始めとした関係国と緊密に連携して対応していきます。
 ロシアの核兵器による威嚇及び核共有論についての日本政府の見解等についてお尋ねがありました。
 ロシアによるウクライナ侵略の中で、核兵器が使用される可能性を深刻に懸念しています。唯一の戦争被爆国として、核兵器の使用も威嚇も決してあってはならないということを強く訴えています。
 日米両国間では、日頃から緊密かつ幅広く意見交換を行っていますが、我が国の安全保障に関わるやり取りの詳細については、事柄の性質や米側との関係もあり、お答えを差し控えさせていただきます。
 その中で、御指摘の核共有は、平素から、自国の領土に米国の核兵器を置き、有事には、自国の戦闘機等に核兵器を搭載、運用可能な体制を保持することによって、自国等の防衛のために米国の核抑止を共有するといった枠組みであると考えられます。一般に、NPT上は、核兵器の所有権又は管理権の移譲を伴わない核共有は禁止されていないと考えられますが、我が国においては、非核三原則の堅持や原子力基本法を始めとする法体系との関係から認められず、政府としては、議論を行うことは考えておりません。
 戦争を起こさせないための東アジア外交についてお尋ねがありました。
 私は、国民の命と暮らしを断固として守り抜くとともに、地域そして国際社会の平和と安定及び繁栄の確保に積極的に貢献していく決意です。
 このため、米国、豪州、インド、ASEAN、欧州などの同盟国、同志国とも連携し、日米豪印の取組等も活用しながら、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を戦略的に推進していくことで、地域の平和と繁栄に貢献していきたいと考えています。
 その中で、中国とは、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、共通の課題については協力をするなど、建設的かつ安定的な日中関係の構築を目指していきたいと考えています。
 原発への武力攻撃と脱原発に対する考え方についてお尋ねがありました。
 まず、原子力発電所の安全については、原子炉等規制法に基づく発電所の設備上の対応や事業者の対応によって確保されており、意図的な航空機衝突等のテロリズムへの備えまで事業者に要求をしています。
 その上で、原発へのミサイルによる武力攻撃に対しては、イージス艦やPAC3により対応するほか、事態対処法や国民保護法等の枠組みの下で、原子力施設の使用停止命令、住民避難等の措置を準備しています。
 そもそも、我が国に対する武力攻撃が発生した場合においては、日米で共同して対処することとなります。日米同盟の抑止力、対処力を強化し、我が国に対する武力攻撃が発生しないよう、しっかり取り組んでいくことが重要です。
 こうした安全保障体制と事業者規制、この両面から原子力発電所の安全を確保してまいります。
 四方を海に囲まれ、資源の乏しい我が国としては、原子力を含め、あらゆるエネルギー源を活用していくことが重要です。我が国の置かれた状況を冷静に受け止め、安全の確保や様々なリスクへの備えを進め、エネルギー安定供給を確保してまいります。
 日ロ経済協力の予算についてお尋ねがありました。
 現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアの侵略により、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはできず、八項目の協力プランについて、今後、新たにロシア経済に資するような取組を行うことは考えられません。
 他方、当該予算事業の中には、撤退を含めた難しい判断を迫られる我が国の企業に対する情報提供などの事業が含まれており、また、ウクライナ情勢は刻一刻と変化していることから、今後の事態の動向や国際的議論の展望を現時点で予断を持って判断することは困難です。したがって、八項目の協力プランに係る予算の執行については、今後の状況を踏まえて適切に判断をしてまいります。
 二〇一四年のロシアによるクリミア併合に対しては、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害するものであることから、我が国として対ロ措置を課しました。我が国を含む国際社会は、ロシア、ウクライナ両国に対して様々な働きかけを行い協力を行うことによって、緊張緩和に努めました。同時に、ロシアとは、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、粘り強く平和条約交渉を進めてきたものであり、プーチン大統領に誤ったメッセージを送った可能性があるとの御指摘は当たりません。
 ウクライナ避難民の受入れについて、渡航費の支援、そして支援の在り方、ウクライナ周辺国への経済支援等についてお尋ねがありました。
 日本への避難民受入れを進めるための取組については、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議の下で、必要な在留資格の認定等について最大限の配慮を行うことを含め、ウクライナ避難民の円滑な受入れと生活支援を行ってまいります。
 また、ポーランドにウクライナ避難民支援チームを設けるとともに、近く、総理特使をポーランドに派遣するなどして、現地のニーズや課題を的確に把握した上で、御指摘の渡航費の支援についても、政府全体として早急に検討、調整を進め、ウクライナ避難民の方々に寄り添った支援を行ってまいります。
 ウクライナ避難民の状況に心を痛めた日本の多くの自治体や民間企業、団体の方々から避難民の受入れに協力したいとの声が上がっていることは大変心強く思っており、こうした協力を得つつ、まずは、ウクライナ避難民お一人お一人への支援をしっかりと行ってまいります。
 避難民の受入れについては、国内での一義的な窓口を出入国在留管理庁としており、避難民の方々からの相談を受け付け、関係省庁とも連携し、適切に対応していくこととしております。
 また、ウクライナ及び周辺国に対する支援について、これまで決定した一億ドルの緊急人道支援に加え、追加で一億ドルの緊急人道支援を行うことを表明しました。我が国は、今後も、G7を始めとする国際社会と連携しながら、現地のニーズを的確に把握しつつ、困難に直面するウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいりたいと考えています。
 なお、御指摘の法案が国会に提出されたことは承知しておりますが、その取扱いについては、国会で御議論をいただくべきものであると考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-03-31

院: 衆議院

会議名: 本会議