本会議

2022-03-31 衆議院 全65発言

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会議録情報#0
令和四年三月三十一日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十二号
  令和四年三月三十一日
    午後一時開議
 第一 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案(内閣提出)
 第三 植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 岸田内閣総理大臣のG7首脳会合に関する報告及び質疑
 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)並びに感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案(中島克仁君外十六名提出)、新型コロナウイルス感染症に係る健康管理等の実施体制の確保に関する法律案(中島克仁君外十六名提出)及び新型インフルエンザ等治療用特定医薬品の指定及び使用に関する特別措置法案(中島克仁君外十六名提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
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細田博之#1
○議長(細田博之君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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細田博之#2
○議長(細田博之君) 日程第一、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。国土交通委員長中根一幸君。
    ―――――――――――――
 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中根一幸君登壇〕
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中根一幸#3
○中根一幸君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果の御報告を申し上げます。
 本案は、所有者不明土地の利用の円滑化及び管理の適正化等を図るための所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、地域福利増進事業の実施のための措置等の対象である特定所有者不明土地の範囲を拡大するとともに、地域福利増進事業について、対象事業の拡充、土地等使用権の存続期間の上限の延長をすること、
 第二に、管理が実施されていない所有者不明土地について、災害等の発生の防止のための市町村長による勧告、命令及び代執行制度を創設すること、
 第三に、市町村長は、所有者不明土地の利用の円滑化等の推進を図る活動を行うことを目的とする法人を指定することができること
などであります。
 本案は、去る三月二十二日本委員会に付託され、翌二十三日斉藤国土交通大臣から趣旨の説明を聴取し、昨三十日、質疑を行い、質疑終了後、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
    ―――――――――――――
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細田博之#4
○議長(細田博之君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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細田博之#5
○議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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細田博之#6
○議長(細田博之君) 日程第二、環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案、日程第三、植物防疫法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長平口洋君。
    ―――――――――――――
 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案及び同報告書
 植物防疫法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔平口洋君登壇〕
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平口洋#7
○平口洋君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案は、農林漁業及び食品産業の持続的な発展等を図るため、環境と調和の取れた食料システムの確立に関する基本理念等を定めるとともに、農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動等に関する計画の認定制度を設け、所要の支援措置を講ずるものであります。
 次に、植物防疫法の一部を改正する法律案は、近年の有用な植物を害する動植物の国内外における発生の状況に対応して植物防疫を的確に実施するため、有害動植物の国内への侵入状況等に関する調査事業の実施、緊急防除の迅速化、発生予防を含めた防除に関する農業者への勧告及び命令等の措置の導入、植物防疫官の検査等に係る対象及び権限の拡充等の措置を講ずるものであります。
 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案は、去る三月十五日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。
 また、植物防疫法の一部を改正する法律案は、翌十六日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、十七日金子農林水産大臣から両法律案の趣旨の説明を聴取し、二十三日から質疑に入り、翌二十四日に参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行い、昨三十日質疑を終局いたしました。
 質疑終局後、環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案に対し、日本共産党から修正案が提出され、趣旨の説明を聴取いたしました。
 次いで、両法律案及び修正案について順次採決いたしましたところ、まず、環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案につきましては、修正案は否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 次に、植物防疫法の一部を改正する法律案につきましては、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。拍手
    ―――――――――――――
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細田博之#8
○議長(細田博之君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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細田博之#9
○議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 内閣総理大臣の発言(G7首脳会合に関する報告)
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細田博之#10
○議長(細田博之君) 内閣総理大臣から、G7首脳会合に関する報告について発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣岸田文雄君。
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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岸田文雄#11
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 私は、三月二十四日にベルギー・ブリュッセルで開催されたG7首脳会合に出席をいたしました。その概要を報告いたします。
 今回のG7首脳会合は、ロシアのウクライナ侵略に関し、G7首脳が対面で議論する最初の機会となりましたが、ロシアの暴挙を決して許さず、G7が主導して国際社会の秩序を守り抜くとの強い決意を確認する大変有意義な会合となったと考えております。
 私からは、G7首脳は、国際秩序の根幹をめぐる歴史の岐路に立っており、連携して毅然と対応していく必要があること、我が国は、ロシアによる平和条約交渉中断宣言にひるむことなく、今後とも断固とした対応を取っていくことを説明いたしました。また、ロシアによる大量破壊兵器の使用を深刻に懸念しており、核兵器による威嚇、ましてやその使用は許されないこと、生物化学兵器の使用も決してあってはならないことを述べました。G7として、ロシアによる大量破壊兵器使用の威嚇に関し警告を発しました。
 また、私からは、G7と緊密に連携してロシアへの外交的、経済的圧力を一層強める旨述べ、一、ロシアの最恵国待遇の撤回のための法改正に向けた準備、二、輸出禁止対象団体の更なる追加、三、オリガルヒやその家族等の資産凍結対象への更なる追加、四、ぜいたく品の輸出禁止措置の導入、五、デジタル資産を用いたロシアの制裁回避に対応するための法改正に向けた準備、これらを進める旨表明いたしました。
 さらに、G7以外の諸国との連携については、私自身が先頭に立ってアジアなど各国に対する働きかけを行っている旨述べ、先般のインド及びカンボジア訪問の成果などを説明いたしました。こうした我が国の取組についてG7首脳から高い評価を得ました。
 G7として、制裁の回避や迂回、バックフィルを行わないことについて、G7で連携し、各国に働きかけていくことで一致をいたしました。
 世界経済については、ロシアの侵略はエネルギーや食料の価格高騰に拍車をかけており、G7が協調し、影響を受けている国々への支援を含め、エネルギー安全保障や食料安全保障の確保に取り組むことで一致をいたしました。エネルギー市場の安定化に向け、私自身がサウジアラビアやアラブ首長国連邦といった産油国の首脳と電話会談を行い、増産を含め原油市場の安定化に向けた積極的な協力を呼びかけたことを紹介いたしました。
 G7として、ウクライナ及び周辺国への支援を強化することで一致をいたしました。私からは、追加で一億ドルの緊急人道支援を行うことを表明し、さらに、周辺国に滞在する避難民支援のため、物資協力や医療保健等の分野での人的貢献を行うことも検討していること、加えて、避難民の受入れを促進していることを述べました。
 以上に加え、私からは、G7首脳会合の直前の北朝鮮によるICBM級の弾道ミサイルの発射について、国際社会の安全保障上の深刻な脅威である旨述べ、G7として、北朝鮮の核開発とともに、連携して対処していくことを確認いたしました。
 また、この機会に、バイデン米国大統領を始め、EU、英国、ポーランド、カナダの首脳及びNATO事務総長ともバイ会談で膝を突き合わせて率直な意見交換を行い、ウクライナ情勢等について緊密な連携を確認することができたことは、有益だったと考えております。
 我が国は、G7の来年の議長国として、ロシアの侵略に対する国際的取組について、本年の議長国ドイツを始めG7各国と緊密に連携して取り組んでまいります。拍手
     ――――◇―――――
 内閣総理大臣の発言(G7首脳会合に関する報告)に対する質疑
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細田博之#12
○議長(細田博之君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中谷真一君。
    〔中谷真一君登壇〕
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中谷真一#13
○中谷真一君 自由民主党の中谷真一です。
 私は、自由民主党を代表して、岸田総理のG7首脳会合帰朝報告について、全て総理に質問いたします。拍手
 まず、今般、総理が異例の対応でベルギー・ブリュッセルを訪問し、G7で唯一のアジア国として対面でのG7首脳会合に出席したことを高く評価いたします。
 今回のG7首脳会合の意義と成果をお聞かせください。
 十九世紀の英国首相のパーマストンは、英国は永遠の友人も持たないし永遠の敵も持たない、英国が持つのは永遠の国益であるという言葉を残しました。この言葉は、外交の複雑さを表すとともに、外交にとっての唯一の羅針盤となるのは何より国益であるという事実に気づかせてくれます。
 こうした観点から、私は、ウクライナや周辺国に対する人道支援は可能な限り実施すべきと考えている一方、ウクライナに対する軍事支援やロシアに対する制裁措置については、各国の状況を見ながら、これらの措置が日本の国益に資するのか、慎重に見極めるべきと考えております。
 今回、日本としていかなる方針でウクライナに対する軍事支援やロシアへの制裁措置を策定していくのか、総理の見解をお聞かせください。
 これまでの対ロ外交では、北方領土問題の解決を含む日本とロシアとの間の平和条約締結問題を念頭に、経済協力や北方領土の元島民らによるビザなし交流を進めてきたものと承知をしています。また、こうした対ロ外交の背景には、日本の主たる脅威である中国とロシアの連携、一体化を進めないという方針があるものと理解をしています。
 およそ四年半もの間外務大臣を務められ、対ロ外交に精通している岸田総理の日本の対ロ外交に対する見解をお聞かせください。
 ロシアによるウクライナ侵略後、中ロが接近し、一体化が進んでいるようにも見えます。中ロ間の距離感によって、日本の対ロ及び対中外交を決定していかなければなりません。
 中ロの距離感について、総理はどのように見ているのでしょうか。また、G7では中国についてどのような議論が行われており、それを踏まえて日本として何を訴えていくのか、総理の考えをお聞かせください。
 ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みにほかなりません。私は、世界の各地において堰を切ったようにこうした動きが常態化する可能性を懸念しております。日本としては、中国と台湾の関係について、特に注意深く見ていく必要があります。
 この点について、G7内でいかなる議論が行われており、それを踏まえて日本として何を訴えていくのか、総理の考えをお聞かせください。
 ウクライナに対する軍事支援及びロシアに対する制裁措置についても、中国の動きやG7を始めとする各国の動きをしっかり見た上で、日本の国益に照らして考えていかなければなりません。
 他方、さきに申し上げたとおり、戦渦に巻き込まれたウクライナ及び避難民を受け入れる周辺国に対しては、可能な限りの人道支援を提供するべきです。約二百万人のウクライナ避難民を受け入れているポーランドに対して、現地のニーズを把握することも重要です。
 こうした避難民への支援を含め、日本としていかなる支援策を実施していくのか、具体的にお聞かせください。
 ロシアによるウクライナ侵略以降、エネルギーや食料価格の高騰が起きています。各国によるロシアへの制裁措置が価格高騰の原因の一つであるという見方もあります。
 こうした制裁による市民への影響に対して、G7ではどのような議論が行われているのでしょうか。また、日本としてはどのように対応していくのでしょうか。総理の見解をお聞かせください。
 最後に、総理は、一月の施政方針演説で、理想の旗を掲げつつ、現実を直視し、新時代リアリズム外交を展開する、現実から目を背けることなく、領土、領海、領空、国民の生命と財産を守り抜くと決意を述べられました。急速に変化する国際社会において、何が国益かという現実を常に見据え、今ある危機に迅速に対応されることを政府に求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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岸田文雄#14
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 中谷真一議員の御質問にお答えをいたします。
 G7首脳会合の意義及び成果についてお尋ねがありました。
 今回の会合は、ロシアのウクライナ侵略に関し、G7首脳が対面で議論する最初の機会であり、ロシアの暴挙を決して許さず、G7が主導して国際社会の秩序を守り抜くとの強い決意を確認する大変有意義な会合となったと考えます。
 私からは、我が国の対ロ追加制裁措置、ウクライナ及び周辺国への追加の一億ドルの緊急人道支援、保健医療分野の人的貢献の検討、避難民受入れ促進のための追加措置などの取組を紹介するとともに、先般のインド、カンボジア訪問の成果を含め、アジアを代表してG7に参加する日本の第三国への働きかけについても説明し、高い評価を得ました。
 議論の結果、ロシアに対する制裁、大量破壊兵器の使用の威嚇に関する警告、ウクライナ及び周辺諸国への支援、エネルギー安全保障及び食料安全保障の確保といった様々な点について、G7で引き続き緊密に連携することで一致をいたしました。
 我が国は、G7の来年の議長国として、ロシアの侵略に対する国際的取組について、本年の議長国ドイツを始めG7各国と緊密に連携して取り組んでまいります。
 ウクライナへの支援及びロシアに対する制裁措置の方針についてお尋ねがありました。
 今般のロシアによるウクライナ侵略は、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為です。国際社会が一致して、毅然と行動していかなければなりません。
 国際社会が前例のない対応を行っている中、我が国も、防弾チョッキ、ヘルメットなど装備品を提供いたしました。今後とも、困難に直面するウクライナの方々を支えるため、できる限りの支援を行ってまいります。
 ロシアに対する制裁措置については、これまで、G7を含む国際社会と連携し、機動的に厳しい措置を講じてきましたが、引き続き、今後の状況を踏まえつつ、適切に対応してまいります。
 対ロ外交についてお尋ねがありました。
 これまでの対ロ外交においては、インド太平洋地域の戦略的環境が大きく変化しつつある中で、ロシアと安定的な関係を構築することは、日本の国益のみならず、地域の安定と発展にとっても重要との考えの下、取り組んできました。
 具体的には、ロシアとは、平和条約締結問題を含む政治、経済、文化など、幅広い分野での日ロ関係全体を国益に資するよう発展させるべく、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、これまで粘り強く平和条約交渉を進めてきました。
 しかしながら、今回のロシアによるウクライナ侵略は、欧州のみならず、アジアを含む国際社会の秩序の根幹を揺るがす行為です。明白な国際法違反であり、断じて容認はできません。
 国際秩序の根幹を守り抜くため、こうした暴挙に高い代償が伴うことを示すべく、断固として行動していく考えであり、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはできないと考えています。
 中ロ関係や両岸関係を踏まえた対ロ、対中外交についてお尋ねがありました。
 G7首脳に対しては、私から、ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、我々がロシアの行動に適切に対処することは他の国々に誤った教訓を与えないためにも必要であることを訴えました。これに対し、G7首脳からは賛意が示されました。
 中国とロシアは、近年、緊密な関係を維持し、軍事協力も緊密化しており、その動向を関心を持って注視しています。我が国として、引き続き、中国に対しても責任ある行動を呼びかけていく考えであり、G7を始めとした関係国と緊密に連携して対応してまいります。
 ウクライナと周辺国への人道支援策についてお尋ねがありました。
 ロシアによる侵略が継続する中、ウクライナにおける人道ニーズが高まり、周辺諸国が困難な状況に直面していることを踏まえ、ウクライナ及び周辺諸国に対する支援を、G7を始めとする国際社会とも連携して強化していく考えです。
 具体的には、先般のG7首脳会合において、私から、人道状況についての深刻な懸念をG7首脳と共有した上で、日本は、ウクライナ及び周辺国に対して、これまで表明した一億ドルの緊急人道支援に加え、保健医療、食料等の分野において追加で一億ドルの緊急人道支援を行うこと、さらに、周辺国に滞在する避難民支援のため、物資協力や医療保健等の分野での人的貢献を行うことを検討していることも表明をいたしました。このため、モルドバに、WHOと連携し、JICAの調査団を派遣しています。
 また、避難民の方々の我が国への受入れも進めています。このため、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議を司令塔として、政府一体となってウクライナ避難民の円滑な受入れ等を行ってまいります。
 さらに、ポーランドにウクライナ避難民支援チームを設けたほか、近く、総理特使をポーランドに派遣し、避難民の受入れのための作業を促進してまいります。
 我が国は、今後も、G7を始めとする国際社会と連携しながら、現地のニーズを的確に把握しつつ、国難に直面するウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいります。
 そして、エネルギーや食料の価格高騰についてお尋ねがありました。
 G7首脳会合では、ロシアの侵略はエネルギーや食料の価格高騰に拍車をかけており、G7が協調し、影響を受けている国々への支援を含め、エネルギー安全保障や食料安全保障の確保に取り組むことで一致をいたしました。
 政府としては、原油価格や物価の高騰による国民生活への影響に対し、緊急かつ機動的に対応するため、四月末をめどに原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめてまいります。拍手
    ―――――――――――――
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細田博之#15
○議長(細田博之君) 西村智奈美君。
    〔西村智奈美君登壇〕
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西
西村智奈美#16
○西村智奈美君 立憲民主党・無所属の西村智奈美です。
 私は、ただいま岸田総理からありましたG7首脳会合に関する報告に対して、会派を代表して質問いたします。拍手
 まず冒頭に、我々立憲民主党は、ロシアが、国際社会の制止や各国の仲介の努力を振り切り、国連安保理常任理事国でありながら自ら国連憲章に違反して、ウクライナに対して不当で不法な侵略に踏み切ったことに怒り、最大限に非難いたします。
 どのような歴史的な経緯があろうと、現在のウクライナの主権と領土の一体性は国際社会に認められたものです。軍事力による現状変更の試み、侵略は言語道断の暴挙であり、ルールに基づく国際秩序を無視した、国際社会に対する挑戦である。断じて許されません。
 また、日々、ウクライナの惨状、一般住宅や学校や病院までも攻撃され、大切な家族を失った方々、絶望に立ち尽くす方々、不安に涙する方々の姿を見て、いたたまれない気持ちです。
 このような人道に反する行為は断じて許されるものではなく、ロシアに対し、ウクライナ全土での即時の停戦、撤退を強く求めます。
 総理のG7会合の報告をお聞きしました。
 経済制裁を始め、G7が一致してロシアに対抗しウクライナに連帯する取組について、我々も支持します。G7においてこの連携がしっかり確認されたとのことを評価したいと思います。
 二十九日、トルコにおいて停戦協議が行われ、一定の進展があり得るとの報道があります。総理が現時点で把握されている最新の情報をお知らせください。
 協議の進展を望みますが、今後の情勢は決して予断を許しません。最終的な停戦が実現するまで、ロシアへの毅然とした対応を強く求めます。
 G7は結束している一方、国際社会全体は残念ながらそうなっていないのは、総理も御存じのとおりです。外務省によれば、世界百九十六か国のうち、ロシアに何らかの経済制裁を行っている国は僅か二十か国程度とのこと。例えば、日本と関係の深いASEAN十か国の中で経済制裁を行っているのは、シンガポール一国のみです。
 先日、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が国会で行った演説には、アジアのほかの国々とともに力を合わせ、状況の安定化に取り組んでくださいとの言葉がありました。岸田総理は、この思いに具体的にどうお応えになりますか。
 総理の報告にもありましたが、G7会合に先駆けて、インドのモディ首相、カンボジアのフン・セン首相とも総理は会談していますが、どのような働きかけを行い、両首脳の反応はどうだったのか、お答えください。
 各国にロシアとの関係に様々な経緯や利害関係があることは当然ですが、今回のようにあからさまで非道な侵略行為に対し、少なくとも経済制裁などで国際社会が一致して連携するためには、我が国として具体的にどのように取り組むのか、お答えください。
 ロシアにとって、特に中国の動向は大きな影響があると考えます。制裁などへの参加は困難だとしても、経済的、ましてや軍事的な支援をさせないことは極めて重要です。米国などは中国に働きかけをしているようであり、日本としても独自の働きかけを行うべきと考えますが、これまでにどのような取組をしたのか、今後どう取り組むのか、お答えください。
 今回、ロシアは、核兵器による抑止部隊を戦闘の特別態勢に移すとして、核兵器の使用をほのめかし、国際社会を威嚇しました。日本は、唯一の戦争被爆国として、これを強く批判すべきです。改めて、これに対する総理の見解をお聞かせください。
 今回、悲惨な戦争を目の当たりにして、多くの国民が我が国の安全保障に危機感を感じるのは当然のことだと思います。我が党も、自衛力の着実な整備、日米安全保障体制の堅持による抑止力の確保という現実的な安全保障政策を深めていきたいと考えています。
 一方、まだ悲惨な戦争のさなかに、国民の危機感に乗じるかのような、とても現実的とは思えない防衛論議が一部で見られるのはとても残念です。その象徴が、いわゆる核共有論です。核拡散防止条約、非核三原則、米国の意向、周辺国の反応などを考えると、実現の可能性が到底あり得ないのみならず、軍事的にも、核兵器の日本領域内への配備は、有事の際の攻撃目標にされかねず、合理性が見出せません。
 岸田総理が委員会質疑において核共有論について否定的な見解を示されたことには安心いたしました。しかし、例えば、現国家安全保障局長の秋葉剛男氏は、二〇〇九年、駐米公使時代、米国の核兵器の日本持込みに肯定的な姿勢を示したとの報道があるなど、政府内では既に検討されてきた可能性があります。
 この本会議場において、改めて、核共有論についての日本政府の見解を、核拡散防止条約、非核三原則、米国、周辺国の反応、軍事的合理性の観点、それぞれからお聞かせください。また、核共有、日本への核持込みについて、過去も含め、政府内での検討、米国との協議、意見交換等も行ったことがないのか、お答えください。
 東アジアの情勢は、中国の軍事力の台頭など、決してロシアの侵攻を他人事とは言えない状況にあるのは事実です。こうした中とはいえ、いや、こうした状況だからこそ、感情的対立をあおり、軍事面にのみ焦点を当て、軍拡競争へ進むことが、地域の安定、ひいては日本の国益に資するとは思えません。この地域で戦争を起こさせないため、どのような外交を進めるのか、特に中国とどのように信頼醸成の道筋をつくるのか、総理のお考えをお聞かせください。
 ロシアの侵攻ではチェルノブイリ原発やザポリージャ原発が攻撃対象となり、原発事故を体験した我々にとって、大きな衝撃でした。
 山中伸介次期原子力規制委員長は、参議院議院運営委員会で原発への武力攻撃への対策を問われ、武力攻撃に対する規制要求はしていないと答えています。更田豊志委員長は、十六日に、武力攻撃に対して堅牢性を持つ施設という議論は計画もしていないし、事実上無理だと記者会見で述べました。自民党幹部は、自衛隊による原発の警備などの検討について述べられたようですが、陸上からのテロなどには対応できても、ミサイル攻撃などに対応できるとは思えません。外国からの武力攻撃に原発は対応できますか。総理、お答えください。
 今回の戦争によるエネルギーの逼迫などを踏まえ、自民党議員連盟や日本維新の会は、原発再稼働を経産大臣に要望したとのことです。ロシアの原発への攻撃を踏まえて日本の安全保障を考えれば、日本の取るべき道は、再稼働推進とは逆の、脱原発の加速だと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
 私たちの反対にもかかわらず、来年度予算が成立しました。反対の理由の一つは、ロシアへの経済支援が含まれていることです。中身が人道支援などと言い訳をされていますが、例えば、モスクワで二百名の肥満予防プログラムが今本当に必要な予算でしょうか。先行きが不透明などと言いますが、戦争が終結したとして、こうした支出を行える状況だとお考えでしょうか。
 予算の修正を拒否したいという極めて内向きの理由でこのような予算が成立したことは、極めて残念です。予算は、まさに国家の意思であり、政権の意思です。そこにロシアへの経済支援が入ることは、国際社会の大きな誤解を招きかねません。こうした項目の執行停止は当然として、予算の修正に応じなかったことについて、改めて見解を伺います。
 更に遡れば、北方領土問題の解決のためとはいえ、固有の領土との表現を取りやめるなど原理原則まで曲げて、また、経済協力を推進してきた挙げ句、成果を出せなかった安倍政権には、結果責任があります。ロシアの不当なクリミア侵攻の後も、友好姿勢を維持し、経済協力を進めた安倍政権の対ロ外交は、結果としてプーチン大統領に誤ったメッセージを送った可能性はありませんか。岸田総理のお考えをお尋ねします。
 多くの避難民が、戦火を逃れ、周辺国に避難しています。我々の要望にも応えていただき、岸田総理が避難民の日本への受入れに対して前向きな姿勢であることは評価しますが、実態を見れば、渡航費の支援などにしても、検討すると総理が答弁しているものの、検討のままで、一向に前に進んでいません。渡航費の支援について、いつまでに結論を出すのですか。お答えください。法務大臣の訪問に合わせて政府専用機の活用が検討されているとお聞きしていますが、まさか一回限りの渡航支援となることはありませんね。お答えください。
 現地では、NGOなどが避難民の支援のために精力的に活動されています。しかし、肝腎の日本国内での受入れ体制については、官邸に連絡調整会議はあるものの、相変わらずの省庁間のたらい回しになっているとの指摘があります。窓口の一本化などが必要だと考えますが、総理の御見解をお聞かせください。
 また、日本に来ていただいた後のことも重要です。
 立憲民主党は、二十五日に、渡航費用、入国後の暮らしの確保、長期化する場合に備えた支援などについて政府に提言し、二十九日、ウクライナから来た皆さんに安心して社会の一員として日本で生活していただきたいという思いで、戦争等避難者という特別の在留資格を定めた議員立法を提出いたしました。
 政府は、九十日の短期滞在の後、特定活動という在留資格を与えるとしていますが、期間や就労の可否については入管庁の裁量となっており、法的に極めて不安定な立場となる可能性があります。
 我が党提出の特例法案では、就労可能、期間は一年で更新可能、受け入れる自治体や企業に国が責任を持って財政的支援を行うことを明記しました。本法案はウクライナ避難民に限らず普遍的なものですが、ウクライナ避難民を受け入れるに当たって、こうしたベースの部分の整備も早急に行う必要があります。我が党の法案に対する総理の御見解を伺います。
 多くの避難民を受け入れているウクライナ周辺国への経済支援も喫緊の課題です。既に一億ドルプラス追加の一億ドルの支援を表明されていますが、避難民の規模から考えると、とても十分とは思えません。更なる支援を検討すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
 結びに、一刻も早い戦争の終結に向け、日本政府が最大限の力を尽くすことを強く総理に求め、私の質問を終わります。拍手
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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岸田文雄#17
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 西村智奈美議員の御質問にお答えいたします。
 ウクライナそしてロシアによる停戦協議についてお尋ねがありました。
 ロシアとウクライナとの間の停戦交渉については、一定の前進があったとの報道もありますが、具体的な停戦に結びつくかは依然不透明なままです。例えば、バイデン米大統領もロシアが提案を実行に移すかどうかを見守る旨発言しているほか、ロシアはウクライナから撤退しているのではなく部隊を再配置しているにすぎないとの見方を複数の米国政府関係者も示していると承知をしています。
 我が国としても、一日も早く具体的な停戦に結びつくことが重要であると考えており、引き続き、強い関心を持って事態の推移を注視してまいりたいと思います。
 一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け侵略をやめるよう、国際社会が連携して、ロシアに対して強い措置を取っていくことが当面重要であると認識をしています。
 我が国として、引き続き、今後の状況を踏まえつつ、G7等と連携し、適切に取り組んでまいります。
 ロシアによるウクライナ侵略に関する我が国の取組についてお尋ねがありました。
 我が国として、ゼレンスキー大統領の国会演説におけるメッセージをしっかりと受け止め、今後とも、ウクライナを最大限支援していくとともに、ロシアの侵略をやめさせるべく、G7を始めとする国際社会との連携を強化し、結束を他国にも呼びかけていく考えです。
 インドではモディ首相と、カンボジアではフン・セン首相と、首脳会談において、力による一方的な現状変更はいかなる地域においても許してはならないこと、国際法に基づき、紛争の平和的解決を求める必要があることが重要であることを確認いたしました。
 また、中国とロシアは、近年、緊密な関係を維持しています。我が国として、中国に対しても責任ある行動を呼びかけてきており、引き続き、G7を始めとした関係国と緊密に連携して対応していきます。
 ロシアの核兵器による威嚇及び核共有論についての日本政府の見解等についてお尋ねがありました。
 ロシアによるウクライナ侵略の中で、核兵器が使用される可能性を深刻に懸念しています。唯一の戦争被爆国として、核兵器の使用も威嚇も決してあってはならないということを強く訴えています。
 日米両国間では、日頃から緊密かつ幅広く意見交換を行っていますが、我が国の安全保障に関わるやり取りの詳細については、事柄の性質や米側との関係もあり、お答えを差し控えさせていただきます。
 その中で、御指摘の核共有は、平素から、自国の領土に米国の核兵器を置き、有事には、自国の戦闘機等に核兵器を搭載、運用可能な体制を保持することによって、自国等の防衛のために米国の核抑止を共有するといった枠組みであると考えられます。一般に、NPT上は、核兵器の所有権又は管理権の移譲を伴わない核共有は禁止されていないと考えられますが、我が国においては、非核三原則の堅持や原子力基本法を始めとする法体系との関係から認められず、政府としては、議論を行うことは考えておりません。
 戦争を起こさせないための東アジア外交についてお尋ねがありました。
 私は、国民の命と暮らしを断固として守り抜くとともに、地域そして国際社会の平和と安定及び繁栄の確保に積極的に貢献していく決意です。
 このため、米国、豪州、インド、ASEAN、欧州などの同盟国、同志国とも連携し、日米豪印の取組等も活用しながら、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を戦略的に推進していくことで、地域の平和と繁栄に貢献していきたいと考えています。
 その中で、中国とは、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、共通の課題については協力をするなど、建設的かつ安定的な日中関係の構築を目指していきたいと考えています。
 原発への武力攻撃と脱原発に対する考え方についてお尋ねがありました。
 まず、原子力発電所の安全については、原子炉等規制法に基づく発電所の設備上の対応や事業者の対応によって確保されており、意図的な航空機衝突等のテロリズムへの備えまで事業者に要求をしています。
 その上で、原発へのミサイルによる武力攻撃に対しては、イージス艦やPAC3により対応するほか、事態対処法や国民保護法等の枠組みの下で、原子力施設の使用停止命令、住民避難等の措置を準備しています。
 そもそも、我が国に対する武力攻撃が発生した場合においては、日米で共同して対処することとなります。日米同盟の抑止力、対処力を強化し、我が国に対する武力攻撃が発生しないよう、しっかり取り組んでいくことが重要です。
 こうした安全保障体制と事業者規制、この両面から原子力発電所の安全を確保してまいります。
 四方を海に囲まれ、資源の乏しい我が国としては、原子力を含め、あらゆるエネルギー源を活用していくことが重要です。我が国の置かれた状況を冷静に受け止め、安全の確保や様々なリスクへの備えを進め、エネルギー安定供給を確保してまいります。
 日ロ経済協力の予算についてお尋ねがありました。
 現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアの侵略により、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはできず、八項目の協力プランについて、今後、新たにロシア経済に資するような取組を行うことは考えられません。
 他方、当該予算事業の中には、撤退を含めた難しい判断を迫られる我が国の企業に対する情報提供などの事業が含まれており、また、ウクライナ情勢は刻一刻と変化していることから、今後の事態の動向や国際的議論の展望を現時点で予断を持って判断することは困難です。したがって、八項目の協力プランに係る予算の執行については、今後の状況を踏まえて適切に判断をしてまいります。
 二〇一四年のロシアによるクリミア併合に対しては、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害するものであることから、我が国として対ロ措置を課しました。我が国を含む国際社会は、ロシア、ウクライナ両国に対して様々な働きかけを行い協力を行うことによって、緊張緩和に努めました。同時に、ロシアとは、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、粘り強く平和条約交渉を進めてきたものであり、プーチン大統領に誤ったメッセージを送った可能性があるとの御指摘は当たりません。
 ウクライナ避難民の受入れについて、渡航費の支援、そして支援の在り方、ウクライナ周辺国への経済支援等についてお尋ねがありました。
 日本への避難民受入れを進めるための取組については、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議の下で、必要な在留資格の認定等について最大限の配慮を行うことを含め、ウクライナ避難民の円滑な受入れと生活支援を行ってまいります。
 また、ポーランドにウクライナ避難民支援チームを設けるとともに、近く、総理特使をポーランドに派遣するなどして、現地のニーズや課題を的確に把握した上で、御指摘の渡航費の支援についても、政府全体として早急に検討、調整を進め、ウクライナ避難民の方々に寄り添った支援を行ってまいります。
 ウクライナ避難民の状況に心を痛めた日本の多くの自治体や民間企業、団体の方々から避難民の受入れに協力したいとの声が上がっていることは大変心強く思っており、こうした協力を得つつ、まずは、ウクライナ避難民お一人お一人への支援をしっかりと行ってまいります。
 避難民の受入れについては、国内での一義的な窓口を出入国在留管理庁としており、避難民の方々からの相談を受け付け、関係省庁とも連携し、適切に対応していくこととしております。
 また、ウクライナ及び周辺国に対する支援について、これまで決定した一億ドルの緊急人道支援に加え、追加で一億ドルの緊急人道支援を行うことを表明しました。我が国は、今後も、G7を始めとする国際社会と連携しながら、現地のニーズを的確に把握しつつ、困難に直面するウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいりたいと考えています。
 なお、御指摘の法案が国会に提出されたことは承知しておりますが、その取扱いについては、国会で御議論をいただくべきものであると考えております。拍手
    ―――――――――――――
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細田博之#18
○議長(細田博之君) 藤田文武君。
    〔藤田文武君登壇〕
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藤田文武#19
○藤田文武君 日本維新の会の藤田文武です。
 党を代表して、G7首脳会合に関する報告について、総理に質問します。拍手
 質疑に先立ち、ロシアによる非道な侵略行為、無差別攻撃によって犠牲になられたウクライナの方々に、心より哀悼の意をささげます。
 覇権国家の力による現状変更は断じて容認できません。我が党としても、改めて、プーチン政権に対して最大限の非難を表明するとともに、即刻、武器を置き、撤退するよう強く訴えます。
 冷戦崩壊後、均衡を保ってきた国際秩序が、狂気に満ちたプーチン政権の暴挙によって崩れました。この一か月余り、戦場から日々届く嘆かわしい映像が突きつけているのは、ロシアの隣国日本の安全保障環境をも大きく揺るがしかねない現実です。
 その上で、伺います。
 去る二十七日の防衛大学校卒業式での訓示で、総理は、事態の展開次第では、世界も、そして我が国も戦後最大の危機を迎えると述べましたが、戦後最大の危機とは具体的にいかなる危機を想定されているのですか。
 多くの専門家は、今日のロシアは明日の中国、北朝鮮、今日のウクライナは明日の日本、台湾と分析していますが、総理の認識をお示しください。
 ウクライナ危機を受け、ドイツは、GDP比一%程度に抑えていた防衛費を二%超に引き上げると宣言し、ウクライナに武器も提供しました。フィンランドやスウェーデンも国防政策の見直しに動いています。明日は我が身として目を覚ましたのです。もちろん、日本も人ごとではありません。
 長らく太平の眠りについていた江戸時代の国民の目を覚ましたのは、一八五三年の黒船来航でした。あれから百七十年足らず。総理、日本はいつ目を覚ますのですか。
 特に、年末に改定が予定されている国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画のいわゆる戦略三文書は、今後十年の我が国の安全保障の方向性を定めるものですが、抜本的な戦略の変更をすべきではないですか。お答えください。
 自ら守ろうとしない国に手を差し伸べる国はありません。必要なのは、自主防衛への強い意思です。
 総理は、三月十三日の自民党大会で、我が国には日米同盟という世界屈指の同盟関係があると胸を張りましたが、同盟を円滑に機能させるための前提は我が国自身の防衛努力であることは言をまちません。認識を伺います。
 バイデン大統領は、ロシアと軍事的に直接対峙すれば第三次世界大戦になる、だから米兵はウクライナに送らないと弁明しました。同じ核保有国たる中国が虎視眈々と企図する台湾有事、日本有事でも使える論法であります。これは日本が肝に銘じるべき教訓だと考えますが、総理の見解を求めます。
 日本は、ロシア、中国、北朝鮮という三正面への防衛体制強化に迫られており、防衛費を大幅に増やすことは不可欠です。自民党は、昨年の衆議院選挙マニフェストに、GDP比二%以上も念頭と掲げましたが、今もって一%枠という殻は実質打ち破られません。
 なぜ国民との約束を果たさないのですか。一部与党への配慮ですか。具体的な数字を口にすると、無責任野党や一部与党から批判を浴び、参議院選挙に影響するとお考えなのですか。併せてお答えください。
 令和五年度当初予算案については、概算要求段階で、総理が防衛費の大幅な増額を財務、防衛の両大臣に指示すべきだと考えますが、見解を伺います。
 また、近年、中国の脅威をにらんで、自衛隊の防衛体制は尖閣諸島周辺始め南西方面にシフトされてきましたが、急速に高まるロシアの脅威に対し、北部方面の防衛も増強すべきではないでしょうか。日本への攻撃態勢に入った敵のミサイルを破壊するための自前の打撃力の保有、整備は待ったなしですが、政府内の検討状況を説明してください。
 国防にタブーはありません。
 現実に核保有国によって非核保有国が侵攻された今回の事態は、国の主権と国民の生命財産に関わる極めて重大かつ深刻な事態です。
 日本としても、そのような事態を未然に防ぎ、抑止することは当然であり、核共有を含め、あらゆる選択肢を排除すべきでないことは言うまでもありません。理想論が国家の存亡に優先されることはあってはならないことです。米国の核の傘による拡大抑止を強化するための議論はタブーなく行われるべきであります。日本ほど国の防衛に様々な縛りをかけている国はありません。
 翻って、昨今の各種世論調査では、おおむね、核共有の議論をすべきが七〇%を超え、国民の間では安全保障上の不安や危機感が募っていることは明白です。
 その上で、質問します。
 核共有の議論に対する国民の意識と、非核三原則を盾に議論はしないとする総理の主張との乖離をどう受け止めますか。
 北朝鮮が、米本土が射程に入るICBMの開発を着々と進め、中国も、昨年八月に実施した極超音速ミサイルの発射実験で、標的に極めて近い地点に着弾させました。これによって、日米デカップリングの問題が生じ、米国の核の傘による拡大抑止が綻びかねないという懸念がありますが、総理の認識を伺います。
 また、アメリカは自国への核攻撃のリスクを冒してまで日本を助けてくれると認識されていますか。アメリカが実際に核を使用する基準や標的などについて、核の傘を仰ぐ日本はアメリカと情報共有しているのですか。
 ロシアによるウクライナ侵攻は、平和の番人たる国連安全保障理事会が機能しないという現実を浮き彫りにしました。ロシアの暴挙に対し、安保理は完全に無力でした。常任理事国としてロシアが持つ拒否権により、制裁はおろか、非難決議すら葬り去られました。
 安保理の機能不全は、アジア太平洋の安定にとっても大きな脅威になります。仮に中国が台湾や我が国に侵攻した場合、中国の拒否権により、安保理は身動きが取れなくなります。台湾有事、日本有事を見据えたら、安保理改革の実現は待ったなしであることは言をまちません。
 お尋ねします。
 総理も安保理改革の必要性を訴えられておられますが、具体的にどのように安保理改革を推し進めていくお考えですか。
 我が党は、国連におけるロシアの投票権剥奪を日本として明示的に支持することで、安保理改革を軌道に乗せる契機とすべきだと提言しています。所見をお示しください。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は、さきの国会でのオンライン演説で、安保理に代わる新しい予防的な仕組みづくりに日本のリーダーシップを求めました。これについて、どう応えていきますか。
 いつまでに政府として改革の方向性を打ち出し、各国との調整に乗り出す意向ですか。見解を求めます。
 ウクライナ危機を受けて、世界市場でエネルギー価格が急騰し、我が国も打撃を受けています。国際社会では、ロシアからエネルギーの輸入を停止し、代替調達に切り替えていく動きが広がっています。それが価格上昇に拍車をかけています。三月二十二日には東京電力と東北電力管内で電力需給逼迫警報が出され、経済社会活動に欠かせない電力供給の脆弱さが露呈しました。現下の情勢は国難であると認識をすべきです。
 そこで、我が党は、エネルギー資源の安定調達と電力の安定供給を確保するために、安全が確認された原発については早急に再稼働をさせ、有事のエネルギー政策に転換すべきだと訴えています。
 小林経済安保担当大臣は、三月二十五日の衆議院内閣委員会で、安定供給の確保を図る観点から、安全性の確保を大前提とした上で、原発の再稼働を着実に進めることが重要だと考えると答弁しました。至極真っ当な見解だと存じますが、総理はこの小林大臣の答弁をどう評価しますか。原発再稼働に向けた総理の政治決断が求められていると思いますが、所見を伺います。
 一方的な暴力による主権侵害という意味ではウクライナ侵略と変わらない、北朝鮮による拉致問題について伺います。
 総理は、今月十二日、昨年暮れに八十三歳で亡くなった拉致被害者家族会前代表、飯塚繁雄さんのお別れ会に出席し、拉致問題は内閣の最重要課題、総理大臣として自ら先頭に立ち、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく全力で取り組むと故人のみたまに決意を示されました。
 ところが、翌十三日の自民党大会での総理演説において、夏の参議院選挙に向けて挙げた課題の中に、拉致のラの字もありませんでした。加えて、総理は、二十二日の参議院予算委員会で、自民党大会で拉致問題を素通りさせたことを指摘され、私自身、そういう指摘を受けて驚いたと答弁しました。まるで人ごとで、北朝鮮を喜ばせるだけのことです。総理の姿勢に対し、家族会の関係者からは、政府は真剣に考えていないなどといった怒りや失望の声が私どもにも届いていますが、どう受け止めますか。
 拉致被害国のトップたる総理には、絶えず拉致問題について語り、内外に発信し続ける責任があります。G7首脳会合でも当然言及すべきだったと思いますが、その形跡はありません。なぜですか。
 あわせて、拉致問題解決に向けた偽りなき覚悟をお示しください。
 日本維新の会は、過日、我が国を取り巻く安全保障状況の激変に即応すべく、政務調査会に新しい外交安保調査会を設置し、現実を直視した外交・安全保障政策の新機軸を打ち出す方向で作業を進めています。
 安全保障環境の激変に対し、今こそ国民の皆様に見える形でのタブーなき議論が必要です。総理は、口癖のように、考え続けなければならない、検討するなどと語りますが、決断と実行がなければ国は守れません。与党内の一部が忌避する難題は夏の参議院選挙後まで先送りするといった不作為は到底許されません。我々政治家にとっても、そして岸田政権にとっても、守るべきは国家国民であり、権力や自分たちのバッジではないはずです。
 以上、総理の前向きな答弁を期待し、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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岸田文雄#20
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 藤田文武議員からの御質問にお答えいたします。
 ロシアによるウクライナ侵略を踏まえた国家安全保障戦略等の見直し、我が国の防衛力の強化等についてお尋ねがありました。
 ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、明白な国際法違反として厳しく非難されるべきものです。ロシアによるウクライナ侵略により、原油やガスの国際市場は急騰し、穀物市場を始め食料関連市場も逼迫するとの見方が広がっています。こうした状況を踏まえたときに、事態の展開次第では、世界も、そして我が国も戦後最大の危機に陥る可能性があると考えているところです。
 このような力による一方的な現状変更を、インド太平洋、とりわけ東アジアで許してはなりません。我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増す中、新たな国家安全保障戦略等の策定は喫緊の課題です。ウクライナ情勢を含め、我が国が直面する厳しい現実から目を背けることなく、国家安全保障戦略等の検討を加速してまいります。
 また、我が国の防衛力の強化は、日米同盟を一層強化していくためにも不可欠です。我が国の領土、領海、領空、国民の生命と財産を断固として守り抜くために、いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せずに検討し、防衛力を抜本的に強化していきます。
 この際、防衛費については、金額あるいは結論ありきではなく、現実的な議論の結果として、国民の命や暮らしを守るために必要なものを計上してまいります。
 また、ウクライナと我が国の比較については、NATO加盟国でないため、米国を含むNATOの集団防衛の対象でないウクライナと、日米同盟に基づき、米国の拡大抑止を繰り返し確認してきている我が国とは、事情が大きく異なっていると考えています。
 核共有の議論及び米国の拡大抑止とデカップリングの問題についてお尋ねがありました。
 核共有について様々な意見があることは承知していますが、いわゆる核共有は、これまで申し上げているとおり、非核三原則を堅持していくことや、原子力利用は平和目的に限ると定めている原子力基本法を始めとする我が国の法体系との関係から認められず、政府として議論する考えはありません。
 その上で、米国は累次の機会に日米安全保障条約の下での自国の対日防衛義務及び拡大抑止を確認してきているところであり、この点を本年一月の日米首脳テレビ会談においてもバイデン大統領が改めて表明をいたしました。日本としては、米国が核を含むあらゆる種類の能力を用いて条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いています。
 日米間では、核抑止を含む米国の拡大抑止に関し、日米拡大抑止協議の場を含め、様々なやり取りを行ってきており、引き続き、米国の拡大抑止の信頼性の維持強化に向けて、日米間でしっかりと協議を行ってまいります。
 安保理改革の進め方についてお尋ねがありました。
 国際社会の平和と安全の維持に大きな責任を持つ安保理の常任理事国であるロシアが国際秩序の根幹を揺るがす暴挙に出たことは、新たな国際秩序の枠組みの必要性を示しています。
 二十三日のゼレンスキー大統領による国会演説においても、国連や安保理が機能していないとの訴えがあったところであり、しっかりと受け止めたいと思います。
 安保理改革については、我が国は、長年、その改革の必要性を訴え、積極的に活動してきました。先般の私のインド及びカンボジア訪問の際にも、安保理改革の早期実現に向けた協力について首脳間で確認をしたところです。
 常任理事国の権利及び特権の停止は、国連憲章上、ロシアを含む常任理事国の同意が必要であるという手続上の難しさがあります。また、各国の複雑な利害も絡んでいます。このように、安保理改革は決して簡単ではありませんが、多くの国々と協力し、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に向け、引き続きリーダーシップを取ってまいりたいと考えます。
 そして、原子力発電所の再稼働についてお尋ねがありました。
 原子力は、実用段階にある脱炭素のベースロード電源であり、安定供給確保の観点から、重要な電源として活用していく必要があると考えています。
 その上で、小林大臣も先日申し上げたように、原子力発電所の再稼働については、独立した原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合に、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めるというのが政府の方針であります。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 拉致被害者の御家族からは、私自身、累次お会いする機会に、何としても結果を出してほしいという思いを直接伺っています。今月十六日にも、拉致被害者家族会及び救う会の皆様と面会をし、長年にわたる苦しみや悲しみ、そして、運動方針に込められた、決して諦めない、諦められないとの切実な思いをお伺いしたところです。
 自民党党大会あるいはG7首脳会合で拉致問題に言及がなかったとの御指摘でありますが、個々の挨拶、発言において拉致問題という用語を使っていないとしても、拉致問題を含む北朝鮮問題、国際情勢についての認識はしっかり述べていると考えています。いずれにせよ、拉致問題の解決に向けた私の思い、決意はいささかの揺るぎもありません。
 拉致問題は最重要課題です。各国と連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組んでまいります。私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意であります。拍手
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――
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海江田万里#21
○副議長(海江田万里君) 吉田宣弘君。
    〔吉田宣弘君登壇〕
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吉田宣弘#22
○吉田宣弘君 公明党の吉田宣弘です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりましたG7首脳会合に関する報告に対して質問をいたします。拍手
 ロシアによるウクライナ侵略は、ウクライナ国民の多大な犠牲を目の当たりにしても、いまだに継続されています。力による現状変更への試みは国際秩序を著しく脅かすものであり、強く非難するとともに、侵略の即時停止を強く求めるものであります。
 先日行われたゼレンスキー・ウクライナ大統領の国会演説に私も参加させていただきました。ゼレンスキー大統領は、国家存立の危機に瀕しながらも、国家と国民を守るために命懸けで大統領としての職責を果たそうとされておられることに感銘を受けました。
 ロシアによるウクライナ侵略が開始されてすぐに援助の手を差し伸べた日本の対応に感謝の意が示されました。
 また、日本が唯一の被爆国であり、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故の歴史を意識されたのか、ウクライナの原子力施設へのロシア軍による攻撃について触れられました。演説の前半でロシア軍による原子力施設への攻撃について触れられた意味を強く深く受け止めなければならないと存じます。
 チェルノブイリ原発事故のときに、日本が先頭に立って医療支援を行った歴史があります。福島原発の事故のときには、IAEAの指揮の下、ウクライナの皆様方が応援に来てくださいました。さきの参議院予算委員会で、このような歴史を踏まえた、我が党の秋野公造参議院議員による、除染や被曝者を日本へ移送して緊急被曝医療を提供すべく準備を検討すべきとの質問に対し、林外務大臣は、唯一の被爆国であり、福島第一原子力発電所事故を経験した日本にとって大変に重要であり、早速関係当局と協議を開始したいと考えている旨の答弁をされました。
 そこで、まず、この協議の状況について、林外務大臣の答弁を求めたく存じます。
 次に、ゼレンスキー大統領は、国際機関が機能しませんでした、国連の安保理も機能しませんでした、改革が必要です、機能するためには誠実の注射が必要です、話し合うだけじゃなくて影響を与えるためですと述べられました。
 ロシアは常任理事国です。国際社会のリーダーとして、他国の模範となって国際法を遵守し、国際平和への取組が強く期待される存在でした。しかし、そのような国が、国際法を無視し、侵略を侵した挙げ句、核で威嚇するという事実を強く受け止めなければならないと考えます。
 ゼレンスキー大統領の期待に応えるべく、日本が憲法前文にうたう、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めるためにも、岸田総理に安保理改革のリーダーシップを取っていただきたく存じますが、岸田総理のお受け止めをお聞かせください。
 さて、三月二十四日に行われたG7首脳会合は、ロシアの暴挙を決して許さず、G7が主導して国際社会の秩序を守り抜くという強い決意を確認する、大変に有意義な会合となったとお聞きをいたしました。日本が果たすべき役割についても、岸田総理の決意が説明されたと存じます。
 日本は、これまで、G7各国と国は違えど心を一つに、ロシアの侵略を止めるための取組を行ってきたと承知しています。ロシア関係の資産凍結や金融分野での制裁、半導体などの輸出管理の厳格化、SWIFTからのロシアの排除、ロシア中央銀行との取引制限など、様々な制裁を矢継ぎ早に実行してきました。公明党は、これら政府の取組を強く支持するところでございます。
 しかし、いまだロシアはウクライナへの侵略を止めようとしません。ゼレンスキー大統領も、引き続き、制裁の継続をお願いしておられるところでもございます。
 この点、岸田総理は、G7会合の報告として、抜け穴を埋めながらG7と緊密に連携してロシアへの外交的、経済的圧力を一層強める旨をお述べになられておられます。そこで、どのようにロシアへの外交的、経済的圧力を強めるのかについて、岸田総理の答弁を求めたいと存じます。
 次に、日本は、これまで一億ドルの緊急人道支援の実施や第三国に避難したウクライナ避難民の受入れを行ってまいりました。国際社会や日本国民からも高く評価されていることを確信いたします。そして、岸田総理は、このG7首脳会合で、更に物資協力や医療、保健等の分野で一億ドルの追加支援を行うことを表明されました。また、これらの分野においては人的支援を行うことを検討しているとのことでございます。公明党は、この岸田総理の対応を高く評価し、強く支持するところであります。
 また、岸田総理は、困難に直面するウクライナの人々への連帯を示すため、可能な限り避難民の受入れに協力し、欧州諸国の負担を共有したいとお述べになられました。では、どのように可能な限り避難民の受入れに協力し、欧州諸国の負担を共有しようとされておられるのかについて答弁を求めたく存じます。
 岸田総理の積極的な人道支援が進めば、多くのウクライナ避難民を日本に受け入れることになってくると推察されます。中には、日本に親族や知人がいない方も含まれてくるでしょう。遠く祖国を離れて異国の地に逃れてくるウクライナの方々の思いはいかばかりでしょうか。しかも、破壊された故郷への帰還はかなり先になることが予想されます。ウクライナ避難民に寄り添う国内の体制づくりが不可欠です。
 そこで、滞在の長期化に備え、第三国定住制度を参考に、自治体、NPO、NGO、経済界、大学等と連携し、日本語学習支援、住まいの確保、就労、就学など、生活支援を実施すべきと考えますが、受入れ自治体等に対する十分な財政支援と併せて、岸田総理の答弁を求めます。
 さて、三月二十四日午後、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、我が国の排他的経済水域、EEZ内に落下したと見られます。発射されたのは新型のICBM級の弾道ミサイルと考えられるとのことです。
 今般の発射は、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、安保理決議に違反する行為です。さらに、日本のEEZ内に着弾させたことは、我が国の安全保障に対する深刻な脅威です。
 国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中にあって、北朝鮮は国際社会に対する挑発を一方的にエスカレートさせており、断じて容認できず、強く非難します。政府には厳しい措置を検討していただきたく存じますが、岸田総理の答弁を求めます。
 最後に、ウクライナ人への人道支援の一方で、差別や誹謗中傷にさらされる危険が心配されるのが在留ロシア人やベラルーシ人です。ロシアによるウクライナ侵略で誹謗中傷されたという在留ロシア人の報道にも触れました。
 そこで、罪なき在留ロシア人やベラルーシ人がいじめや誹謗中傷を受けることがないよう対策を強化すべきと考えますが、津島法務副大臣の答弁を求めます。
 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。拍手
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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岸田文雄#23
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 吉田宣弘議員の御質問にお答えいたします。
 安保理改革に向けたリーダーシップの発揮についてお尋ねがありました。
 国際社会の平和と安全の維持に大きな責任を持つ安保理の常任理事国であるロシアが国際秩序の根幹を揺るがす暴挙に出たことは、新たな国際秩序の枠組みの必要性を示しています。
 安保理改革については、我が国は、長年、安保理改革の必要性を訴え、そして積極的に活動してきました。先般の私のインド及びカンボジア訪問の際にも、安保理改革の早期実現に向けた協力について首脳間で確認をした次第です。
 各国の複雑な利害が絡み合う安保理改革は簡単ではありませんが、政府としては、多くの国々と協力しつつ、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に向け、引き続きリーダーシップを取っていきたいと考えております。
 ロシアへの外交的、経済的圧力についてお尋ねがありました。
 我が国は、一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け侵略をやめるよう、G7各国、国際社会とともに、ロシアに対して強力な制裁措置を取っていくことが必要だと考え、迅速に厳しい措置を打ち出しています。
 G7首脳会合において、私からは、国際社会が結束して厳しい対ロ制裁措置を講ずる中、ロシアへの支援や制裁のバックフィルには大きなリスクがあるということを指摘いたしました。議論の結果、G7として、制裁の回避や迂回、バックフィルを行わないことについて、G7で連携し、各国に働きかけていくことで一致をいたしました。
 ウクライナ避難民の受入れの協力、欧州諸国の負担の共有についてお尋ねがありました。
 日本への避難民受入れを進めるための取組については、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議の下で、ウクライナ避難民と受入先のマッチング、日本語教育、就労、就学、定住等、ウクライナ避難民の円滑な受入れと生活支援を行ってまいります。
 また、ポーランドにウクライナ避難民支援チームを設けるとともに、近く、総理特使をポーランドに派遣するなどして、避難民の受入れのための作業を促進してまいります。
 こうした点を私からも先日の首脳会談でポーランドのモラビエツキ首相に対して伝え、両国で連携して取り組んでいくということで一致をしています。
 ウクライナ避難民の受入れを表明した三月二日以降三月二十九日までに、三百二十五人のウクライナ避難民を受け入れてきています。今後とも、困難に直面するウクライナの方々を支えるため、できる限りの支援をG7を始めとする国際社会と連携して行ってまいります。
 ウクライナ避難民に対する支援の在り方、受入れ自治体等に対する財政支援についてお尋ねがありました。
 日本への避難民受入れを進めるための取組については、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議の下で、ウクライナ避難民と受入れ先のマッチング、日本語教育、就労、就学、定住等、ウクライナ避難民の円滑な受入れと生活支援を行ってまいります。
 今月二十五日には、ウクライナからの避難民に対する支援に必要な経費として、一般予備費から約五億二千万円を支出することを決定したところであり、支援の具体策を速やかに決定してまいります。
 ウクライナ避難民の状況に心を痛めた日本の多くの自治体や民間企業、団体の方々から避難民の受入れに協力したいとの声が上がっていることは大変心強く思っており、そうした御協力を得つつ、まずは、ウクライナ避難民お一人お一人への支援をしっかり行ってまいりたいと考えています。
 そして、北朝鮮についてお尋ねがありました。
 三月二十四日、北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射しました。北朝鮮がこのような挑発行為を行い、しかも我が国EEZ内に落下したことは、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、また、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、到底看過することができない暴挙です。
 また、本土から約百五十キロという日本海上に着弾させたことは、極めて問題のある危険な行為です。許されない暴挙であり、断固非難をいたします。
 今般の発射を受けて、北朝鮮に対して北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議をするとともに、二十四日のG7首脳会合においても、私からこの発射について国際社会の安全保障上の深刻な脅威である旨述べ、G7として、北朝鮮の核開発とともに、連携して対処していくことを確認し、その後、北朝鮮を非難するG7外相声明が発出されたところです。
 政府としては、引き続き、情報収集、警戒監視に全力を挙げ、我が国の平和と安全の確保に万全を期していくとともに、今般の発射を受けた今後の対応については、追加的な制裁措置や国連安保理での対応も含め、米国、韓国とも連携しつつ対応してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
    〔国務大臣林芳正君登壇〕
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林芳正#24
○国務大臣(林芳正君) 吉田議員からは、除染や被曝者に関する協力に係る準備についての関係当局との協議の状況についてお尋ねがありました。
 秋野議員からの御指摘も踏まえ、原子力規制庁から量子科学技術研究開発機構に対しまして、ウクライナで放射能汚染が発生した場合に備え、ウクライナとの原子力技術者間の協力の歴史も長い日本にこそできる被曝医療の観点からの協力について、準備を検討すべきとの問題意識が伝達され、同機構から、何ができるか検討したい旨の回答を得られたものと承知をしております。
 これまでにも、日本とウクライナは、原子力発電所における事故へのその後の対応を推進するための協力に関する協定に基づきまして、原発事故に関する知識経験の共有を目的として、両国の間で合同委員会を定期的に開催し、主に、避難指示区域の見直し、放射線防護措置、オフサイト除染、モニタリング、リスクマネジメント、原子力損害賠償、学術界の協力等について、専門家間で議論を行ってきています。
 困難に直面するウクライナの方々を支えるため、できる限りの協力を行うべく、秋野議員から御提案のあった点も含め、日本ができることを政府全体としてしっかりと進めてまいります。拍手
    〔副大臣津島淳君登壇〕
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津島淳#25
○副大臣(津島淳君) 吉田宣弘議員にお答え申し上げます。
 在留ロシア人やベラルーシ人の方々に対するいじめや誹謗中傷への対策についてお尋ねがありました。
 今回のロシアによる侵略は、総理も発言されているとおり、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であって、断じて許容できるものではありません。こうした、国としてのロシアの行動については、国民の皆様も様々な意見や感情をお持ちのことと思います。
 我が国は、憲法により保障された自由、基本的人権の尊重、法の支配の理念の下、国民が自由に表現活動を行うことにより、多様な意見が尊重される豊かな社会を築き上げてまいりました。国民の皆様には、不安や怒りなどのお気持ちを差別や偏見につなげることなく、良識ある言動を取ることを期待いたします。
 法務省においても、このような観点から、人権擁護活動等に取り組んでまいります。拍手
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海江田万里#26
○副議長(海江田万里君) 玉木雄一郎君。
    〔玉木雄一郎君登壇〕
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玉木雄一郎#27
○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。
 会派を代表して、総理に質問します。拍手
 今回のG7首脳会合の成果については、私は一定の評価をしています。特に、インド、カンボジアを訪問し、モディ首相、フン・セン首相と首脳会談をしてからG7に臨んだことは、安保理改革を進める意味でも、アジアのリーダーとしての日本の役割を果たしたと考えます。
 さて、ロシアが進めようとしている力による一方的な現状変更の試みは、絶対に許してはなりません。そのためにも、国際社会、とりわけG7が連携して対応することが重要です。その意味で、G7とも連携をしてSWIFTからロシアを除外したことは評価します。ただし、その後、これらの経済制裁は一体どの程度効果を発揮しているのでしょうか。暗号資産による決済がかなり拡大しているとも言われ、ロシアが持ちこたえているようにも見えます。経済制裁の効果について、まず総理の現状認識を伺います。
 次に、極東での石油・ガス開発事業、サハリン2から、イギリス、オランダ系石油大手のシェルが撤退を表明しました。日本はこのサハリン2からは撤退しない方針だと聞いておりますが、事業を継続することでG7の経済制裁の結束を乱すことにはなりませんか。総理の認識を伺います。
 あわせて、岸田総理、これまでの対ロシア外交をどのように総括しますか。先週二十一日、ロシアは、二〇一六年に当時の安倍総理が合意した北方四島での共同経済活動からの撤退を表明しました。国民民主党は以前から求めていますけれども、国際社会に誤ったメッセージを与えかねないロシア経済分野協力担当大臣は、この際、廃止すべきではありませんか。
 先週、フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使からお話を伺いました。ドイツでは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ショルツ首相が対GDP比で一%程度だった国防費を二%以上に増額する方針を表明しましたが、これは、これまで慎重だった中道左派のドイツ社会民主党や環境政党である緑の党が主導して実現したもので、国民の幅広い賛同もあるとのことでした。今こそ、イデオロギーではなく、厳しい安全保障環境の変化に現実的に対応する政治姿勢が日本でも必要だと思います。日本においても、ますます厳しくなる安全保障環境の変化を踏まえ、防衛費を対GDP比二%程度に増額すべきとの議論がありますが、総理の見解を伺います。
 今月二十四日に北朝鮮が発射したミサイルは、これまでで最も長く飛翔し、最も高く上がり、最も日本の近くに着弾したミサイルです。ウクライナをめぐり国連安保理が機能不全に陥る中でのミサイル発射は、断じて許すわけにはいきません。総理、日本は国際社会とともに最大限の追加制裁を行うべきだと思いますが、総理の見解を伺います。
 原発への攻撃は国際法に違反します。しかし、ウクライナ侵略では、戦争で原発が実際に標的になりました。昨日、全国知事会も緊急要請を行いましたけれども、ミサイル攻撃やテロに備えて、自衛隊による原発警護を検討するとともに、万が一の場合には、PAC3の配備などによるミサイル防衛を強化すべきではありませんか。お答えください。
 国民民主党は、核兵器を持たず、造らず、持ち込ませずの非核三原則は堅持すべきとの立場です。
 ただ、有事の際の核搭載艦の寄港など、持ち込ませずの意味や範囲については、二〇一〇年以降、政府は、時の政権が判断すると答弁してきました。しかし、有事になって、時の政権が場当たり的に判断するのではなく、平時から議論を深めておくべき課題だと考えます。一九九〇年代以降、核搭載艦が寄港する運用はなくなっていると承知しておりますが、それでも、非核三原則のうち、持ち込ませずについては、今後生じ得るあらゆる事態を想定した認識の共有が国内においても米国との間においても必要だと考えます。総理の認識を伺います。
 次に、ウクライナ侵略による経済への影響について伺います。
 今、日本は、戦後最悪のスタグフレーション、つまり不景気下での物価上昇に陥る可能性があると考えます。岸田総理は、日本経済がスタグフレーションに陥っているとの認識はありますか。伺います。
 景気悪化を防ぐための指し値オペで金利上昇を抑制すれば、内外金利差から円安となり、物価、特に輸入物価の上昇を招きます。金利上昇抑制と物価上昇抑制の板挟みにならざるを得ない状況ですが、岸田内閣としてはどちらを重視しますか。また、為替介入は考えておられますか。答弁を求めます。
 現在、潜在成長率と実態との差であるデフレギャップがどの程度存在しているのか、まず認識を伺います。その上で、コロナ禍からの回復が遅れ、いまだに二十兆円程度のデフレギャップが存在しているとしたら、金融緩和政策は変更すべきではないと考えますけれども、総理の見解を伺います。
 賃金が十分に上がらない中での物価上昇は、可処分所得を減少させます。金融緩和を続けるなら、消費税減税やトリガー条項凍結解除によるガソリン減税など、家計減税を追加経済対策の柱とすべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
 また、コロナ融資の返済期限が迫っている事業者も多く、中小企業向けの資金繰り対策が重要です。国民民主党が先週二十三日に国会に提出したコロナ版金融円滑化法を早期に成立させ、支払い猶予や支払い条件の変更を柔軟に行うことが必要ではありませんか。
 エネルギーの安定供給とともに、エネルギー価格の高騰を抑えるためには、法令に基づく安全基準を満たした原子力発電所は再稼働すべきです。また、原発の審査について、長期化する傾向があることから、審査体制の強化や審査プロセスの効率化、合理化が必要ではありませんか。
 日本の原発の国産化率は現時点では九〇%を超えていますが、要素技術を持つ企業の原子力事業からの撤退が相次いでいます。アメリカ、イギリスでは、原発の新設停止によって技術や人材が弱体化し、国内の原子力産業のサプライチェーンを喪失してしまいました。一方、現在、世界で建設中の原発の六〇%が実は中国製又はロシア製になっています。今のままでは、早晩、原発も中国やロシアに頼らざるを得なくなります。経済安全保障の観点からも、安全基準を満たした原発の再稼働は必要だと考えますが、総理の見解を伺います。
 日本国憲法前文には、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、名誉ある地位を占めたいとうたわれています。私たち国民民主党は、まさに、隷従の平和ではなく、ウクライナの皆さんとともに自由や独立、人権という価値を守り抜く姿勢を貫くことこそ日本の歩むべき道だと表明し、質問を終わります。拍手
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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岸田文雄#28
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 玉木雄一郎議員の御質問にお答えいたします。
 対ロ制裁の効果についてお尋ねがありました。
 一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け侵略をやめるよう、G7各国、国際社会が連携して、ロシアに対して迅速に厳しい制裁措置を打ち出してきています。経済制裁の効果が出るまでには一般に一定の時間を要しますが、既に、実際に、各国の措置により、物価の上昇、外国企業の撤退、操業停止といった様々なロシア経済への影響が出ていると認識をしています。
 御指摘の暗号資産を用いたロシアの制裁回避への対応についても、制裁の実効性を更に強化すべく、今国会で外為法の改正を行うための準備を進めているところです。
 我が国としては、抜け道が生じないよう、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアへの外交的、経済的圧力を一層強めるべく、適切に対応してまいります。
 サハリン2や対ロシア外交及び経済分野協力担当大臣についてお尋ねがありました。
 サハリン2は、自国で権益を有し、長期かつ安価なLNG安定供給に貢献しており、エネルギー安全保障上、極めて重要なプロジェクトです。G7でも、各国それぞれの事情に配慮し、持続可能な代替供給を確保するための時間を提供することになっています。こうしたことから、我が国としまして、撤退はしない方針であります。今後とも、G7の方針に沿って、ロシアへのエネルギー依存を低減すべく、更なる取組を進めてまいります。
 これまでの対ロシア外交については、平和条約締結問題を含む政治、経済、文化など、幅広い分野で日ロ関係全体を国益にかなうよう発展させるべく、適切に対応してきました。しかしながら、現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはできません。
 御指摘の担当大臣については、事態の展開に応じて円滑な撤収等を支援するため、引き続き、経済産業大臣にお願いをしてまいります。
 そして、防衛費についてお尋ねがありました。
 何よりも大事なことは、国民の命や暮らしを守るために必要なものは何なのか、こうした議論をしっかりと突き詰めていくことです。防衛費についても、金額、結論ありきではなく、現実的な議論の結果として、必要なものを計上してまいります。
 現在、新たな国家安全保障戦略等の策定に取り組んでいるところであり、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化してまいります。
 北朝鮮についてお尋ねがありました。
 三月二十四日、北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射しました。北朝鮮がこのような挑発行為を行い、しかも我が国EEZ内に落下したことは、我が国の安全保障にとっても重大かつ差し迫った脅威であり、また、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、到底看過することはできない暴挙です。
 また、本土から約百五十キロという日本海上に着弾させたことは、極めて問題のある危険な行為です。許されない暴挙であり、断固非難をいたします。
 今般の発射を受けた今後の対応については、追加的な制裁措置、そして国連安保理での対応も含め、米国、韓国とも連携しつつ対応をしてまいります。
 原発警護についてお尋ねがありました。
 原子力発電所の警護については、第一義的には、公共の安全と秩序の維持を責務とする警察機関において実施していますが、状況によっては、自衛隊が治安出動等により対処することも可能となっています。
 また、PAC3を含む自衛隊の部隊配備については、様々な観点を総合的に勘案した上で決める必要がありますが、状況に応じて、PAC3を機動的に展開して対応してまいりたいと考えます。
 その上で、我が国に対する武力攻撃が発生した場合には、日米で共同して対処することとなります。日米同盟の抑止力、対処力を強化し、我が国に対する武力攻撃が発生しないよう、しっかりと取り組んでまいります。
 非核三原則についてお尋ねがありました。
 政府として、非核三原則を堅持していくとの考えに変わりはありません。
 その上で、非核三原則のうち、持ち込ませずについては、二〇一〇年に、当時の岡田外相が、余り仮定の議論をすべきではないと思いますが、緊急事態ということが発生して、しかし、核の一時的寄港ということを認めないと日本の安全が守れないというような事態がもし発生したとすれば、それはそのときの政権が政権の命運を懸けて決断し、国民の皆さんに説明する、そういうことだと思っておりますと答弁しており、岸田内閣においてもこの答弁を引き継いでおります。
 また、米国との関係については、平素より様々なやり取りを行ってきていますが、我が国を取り巻く安全保障環境や、現実に核兵器が存在していることを踏まえれば、核抑止力を含む米国の拡大抑止は不可欠であると考えており、いわゆる米国の拡大抑止の信頼性の維持強化に向け、日米間でしっかりと協議を行ってまいります。
 足下の日本経済の動向に関する認識と対応策についてお尋ねがありました。
 御指摘のスタグフレーションについては、ウクライナ情勢の影響も含め不確実性が高く、現時点で確たることを申し上げることは困難ですが、原材料価格高騰の影響がすぐに収束するとは考えられず、当面、物価は上昇の方向に進んでいくと見込まれます。
 原油価格や物価の高騰等による国民生活や経済活動への影響に対しては、四月末を目途に原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめ、緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとしてまいります。
 その中で、トリガー条項発動等、原油価格高騰への対応については、三党における協議を踏まえて対応を検討してまいります。消費税については、社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、当面、消費税について触れることは考えてはおりません。
 経済財政運営に当たっては、金利と物価のどちらか一方を重視するということではなく、様々な金融経済動向を総合的に勘案しながら適切に政策対応を行っていくことが重要であると考えています。その上で、金融政策については、引き続き、日銀において二%の物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待しております。
 為替介入についてコメントすることは差し控えますが、為替の安定は重要であり、急速な変動は望ましくないと考えております。引き続き、米国等の通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、為替政策に適切に対応してまいります。
 中小企業向けの資金繰り対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナやウクライナ情勢によって多くの事業者が影響を受ける中、中小企業の資金繰り支援を徹底することは非常に重要であると認識をしております。
 そうした観点から、これまで、金融機関に対し、貸付条件の変更について、事業者の実情に応じた迅速かつ柔軟な対応等を要請しているほか、金融機関による条件変更等の取組状況の報告を求め、その状況を公表しており、かつての中小企業金融円滑法と同様の対応を実施しているところであると考えます。
 こうした取組により、金融機関の中小企業に対する返済猶予等の条件変更の実行率は約九九%となっております。
 その上で、実質無利子無担保融資を更に延長したほか、今後策定する原油価格・物価高騰等総合緊急対策に中小企業への資金繰り支援を含めるよう指示したところであり、今後とも中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいります。
 原子力発電所の審査体制、プロセス及び再稼働の必要性についてお尋ねがありました。
 原子力発電所の審査体制の強化や審査プロセスの効率化、合理化については、審査過程における主な論点等を公表することによる審査の効率化、審査内容が共通する案件を同じチームで担当するなど審査官の機動的な配置といった様々な取組を原子力規制委員会において行っているものと承知をしております。
 原子力発電所の安定的な稼働を担う原子力産業サプライチェーンの維持は、経済安全保障の観点からも重要な課題であり、原子力発電所の再稼働を通じた現場力の維持強化が必要です。
 原子力発電所の再稼働に当たっては、安全性の確保を大前提に、原子力規制委員会の新規制基準に適合すると認めた場合には、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めるというのが政府の方針です。
 引き続き、原子力の人材、技術、産業基盤を維持強化していけるよう、官民連携の下、しっかりと取り組んでまいります。拍手
    ―――――――――――――
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海江田万里#29
○副議長(海江田万里君) 本村伸子君。
    〔本村伸子君登壇〕
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