岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 藤田文武議員からの御質問にお答えいたします。
 ロシアによるウクライナ侵略を踏まえた国家安全保障戦略等の見直し、我が国の防衛力の強化等についてお尋ねがありました。
 ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、明白な国際法違反として厳しく非難されるべきものです。ロシアによるウクライナ侵略により、原油やガスの国際市場は急騰し、穀物市場を始め食料関連市場も逼迫するとの見方が広がっています。こうした状況を踏まえたときに、事態の展開次第では、世界も、そして我が国も戦後最大の危機に陥る可能性があると考えているところです。
 このような力による一方的な現状変更を、インド太平洋、とりわけ東アジアで許してはなりません。我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増す中、新たな国家安全保障戦略等の策定は喫緊の課題です。ウクライナ情勢を含め、我が国が直面する厳しい現実から目を背けることなく、国家安全保障戦略等の検討を加速してまいります。
 また、我が国の防衛力の強化は、日米同盟を一層強化していくためにも不可欠です。我が国の領土、領海、領空、国民の生命と財産を断固として守り抜くために、いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せずに検討し、防衛力を抜本的に強化していきます。
 この際、防衛費については、金額あるいは結論ありきではなく、現実的な議論の結果として、国民の命や暮らしを守るために必要なものを計上してまいります。
 また、ウクライナと我が国の比較については、NATO加盟国でないため、米国を含むNATOの集団防衛の対象でないウクライナと、日米同盟に基づき、米国の拡大抑止を繰り返し確認してきている我が国とは、事情が大きく異なっていると考えています。
 核共有の議論及び米国の拡大抑止とデカップリングの問題についてお尋ねがありました。
 核共有について様々な意見があることは承知していますが、いわゆる核共有は、これまで申し上げているとおり、非核三原則を堅持していくことや、原子力利用は平和目的に限ると定めている原子力基本法を始めとする我が国の法体系との関係から認められず、政府として議論する考えはありません。
 その上で、米国は累次の機会に日米安全保障条約の下での自国の対日防衛義務及び拡大抑止を確認してきているところであり、この点を本年一月の日米首脳テレビ会談においてもバイデン大統領が改めて表明をいたしました。日本としては、米国が核を含むあらゆる種類の能力を用いて条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いています。
 日米間では、核抑止を含む米国の拡大抑止に関し、日米拡大抑止協議の場を含め、様々なやり取りを行ってきており、引き続き、米国の拡大抑止の信頼性の維持強化に向けて、日米間でしっかりと協議を行ってまいります。
 安保理改革の進め方についてお尋ねがありました。
 国際社会の平和と安全の維持に大きな責任を持つ安保理の常任理事国であるロシアが国際秩序の根幹を揺るがす暴挙に出たことは、新たな国際秩序の枠組みの必要性を示しています。
 二十三日のゼレンスキー大統領による国会演説においても、国連や安保理が機能していないとの訴えがあったところであり、しっかりと受け止めたいと思います。
 安保理改革については、我が国は、長年、その改革の必要性を訴え、積極的に活動してきました。先般の私のインド及びカンボジア訪問の際にも、安保理改革の早期実現に向けた協力について首脳間で確認をしたところです。
 常任理事国の権利及び特権の停止は、国連憲章上、ロシアを含む常任理事国の同意が必要であるという手続上の難しさがあります。また、各国の複雑な利害も絡んでいます。このように、安保理改革は決して簡単ではありませんが、多くの国々と協力し、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に向け、引き続きリーダーシップを取ってまいりたいと考えます。
 そして、原子力発電所の再稼働についてお尋ねがありました。
 原子力は、実用段階にある脱炭素のベースロード電源であり、安定供給確保の観点から、重要な電源として活用していく必要があると考えています。
 その上で、小林大臣も先日申し上げたように、原子力発電所の再稼働については、独立した原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合に、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めるというのが政府の方針であります。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 拉致被害者の御家族からは、私自身、累次お会いする機会に、何としても結果を出してほしいという思いを直接伺っています。今月十六日にも、拉致被害者家族会及び救う会の皆様と面会をし、長年にわたる苦しみや悲しみ、そして、運動方針に込められた、決して諦めない、諦められないとの切実な思いをお伺いしたところです。
 自民党党大会あるいはG7首脳会合で拉致問題に言及がなかったとの御指摘でありますが、個々の挨拶、発言において拉致問題という用語を使っていないとしても、拉致問題を含む北朝鮮問題、国際情勢についての認識はしっかり述べていると考えています。いずれにせよ、拉致問題の解決に向けた私の思い、決意はいささかの揺るぎもありません。
 拉致問題は最重要課題です。各国と連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組んでまいります。私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意であります。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-03-31

院: 衆議院

会議名: 本会議