玉木雄一郎の発言 (本会議)
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○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。
会派を代表して、総理に質問します。(拍手)
今回のG7首脳会合の成果については、私は一定の評価をしています。特に、インド、カンボジアを訪問し、モディ首相、フン・セン首相と首脳会談をしてからG7に臨んだことは、安保理改革を進める意味でも、アジアのリーダーとしての日本の役割を果たしたと考えます。
さて、ロシアが進めようとしている力による一方的な現状変更の試みは、絶対に許してはなりません。そのためにも、国際社会、とりわけG7が連携して対応することが重要です。その意味で、G7とも連携をしてSWIFTからロシアを除外したことは評価します。ただし、その後、これらの経済制裁は一体どの程度効果を発揮しているのでしょうか。暗号資産による決済がかなり拡大しているとも言われ、ロシアが持ちこたえているようにも見えます。経済制裁の効果について、まず総理の現状認識を伺います。
次に、極東での石油・ガス開発事業、サハリン2から、イギリス、オランダ系石油大手のシェルが撤退を表明しました。日本はこのサハリン2からは撤退しない方針だと聞いておりますが、事業を継続することでG7の経済制裁の結束を乱すことにはなりませんか。総理の認識を伺います。
あわせて、岸田総理、これまでの対ロシア外交をどのように総括しますか。先週二十一日、ロシアは、二〇一六年に当時の安倍総理が合意した北方四島での共同経済活動からの撤退を表明しました。国民民主党は以前から求めていますけれども、国際社会に誤ったメッセージを与えかねないロシア経済分野協力担当大臣は、この際、廃止すべきではありませんか。
先週、フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使からお話を伺いました。ドイツでは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ショルツ首相が対GDP比で一%程度だった国防費を二%以上に増額する方針を表明しましたが、これは、これまで慎重だった中道左派のドイツ社会民主党や環境政党である緑の党が主導して実現したもので、国民の幅広い賛同もあるとのことでした。今こそ、イデオロギーではなく、厳しい安全保障環境の変化に現実的に対応する政治姿勢が日本でも必要だと思います。日本においても、ますます厳しくなる安全保障環境の変化を踏まえ、防衛費を対GDP比二%程度に増額すべきとの議論がありますが、総理の見解を伺います。
今月二十四日に北朝鮮が発射したミサイルは、これまでで最も長く飛翔し、最も高く上がり、最も日本の近くに着弾したミサイルです。ウクライナをめぐり国連安保理が機能不全に陥る中でのミサイル発射は、断じて許すわけにはいきません。総理、日本は国際社会とともに最大限の追加制裁を行うべきだと思いますが、総理の見解を伺います。
原発への攻撃は国際法に違反します。しかし、ウクライナ侵略では、戦争で原発が実際に標的になりました。昨日、全国知事会も緊急要請を行いましたけれども、ミサイル攻撃やテロに備えて、自衛隊による原発警護を検討するとともに、万が一の場合には、PAC3の配備などによるミサイル防衛を強化すべきではありませんか。お答えください。
国民民主党は、核兵器を持たず、造らず、持ち込ませずの非核三原則は堅持すべきとの立場です。
ただ、有事の際の核搭載艦の寄港など、持ち込ませずの意味や範囲については、二〇一〇年以降、政府は、時の政権が判断すると答弁してきました。しかし、有事になって、時の政権が場当たり的に判断するのではなく、平時から議論を深めておくべき課題だと考えます。一九九〇年代以降、核搭載艦が寄港する運用はなくなっていると承知しておりますが、それでも、非核三原則のうち、持ち込ませずについては、今後生じ得るあらゆる事態を想定した認識の共有が国内においても米国との間においても必要だと考えます。総理の認識を伺います。
次に、ウクライナ侵略による経済への影響について伺います。
今、日本は、戦後最悪のスタグフレーション、つまり不景気下での物価上昇に陥る可能性があると考えます。岸田総理は、日本経済がスタグフレーションに陥っているとの認識はありますか。伺います。
景気悪化を防ぐための指し値オペで金利上昇を抑制すれば、内外金利差から円安となり、物価、特に輸入物価の上昇を招きます。金利上昇抑制と物価上昇抑制の板挟みにならざるを得ない状況ですが、岸田内閣としてはどちらを重視しますか。また、為替介入は考えておられますか。答弁を求めます。
現在、潜在成長率と実態との差であるデフレギャップがどの程度存在しているのか、まず認識を伺います。その上で、コロナ禍からの回復が遅れ、いまだに二十兆円程度のデフレギャップが存在しているとしたら、金融緩和政策は変更すべきではないと考えますけれども、総理の見解を伺います。
賃金が十分に上がらない中での物価上昇は、可処分所得を減少させます。金融緩和を続けるなら、消費税減税やトリガー条項凍結解除によるガソリン減税など、家計減税を追加経済対策の柱とすべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
また、コロナ融資の返済期限が迫っている事業者も多く、中小企業向けの資金繰り対策が重要です。国民民主党が先週二十三日に国会に提出したコロナ版金融円滑化法を早期に成立させ、支払い猶予や支払い条件の変更を柔軟に行うことが必要ではありませんか。
エネルギーの安定供給とともに、エネルギー価格の高騰を抑えるためには、法令に基づく安全基準を満たした原子力発電所は再稼働すべきです。また、原発の審査について、長期化する傾向があることから、審査体制の強化や審査プロセスの効率化、合理化が必要ではありませんか。
日本の原発の国産化率は現時点では九〇%を超えていますが、要素技術を持つ企業の原子力事業からの撤退が相次いでいます。アメリカ、イギリスでは、原発の新設停止によって技術や人材が弱体化し、国内の原子力産業のサプライチェーンを喪失してしまいました。一方、現在、世界で建設中の原発の六〇%が実は中国製又はロシア製になっています。今のままでは、早晩、原発も中国やロシアに頼らざるを得なくなります。経済安全保障の観点からも、安全基準を満たした原発の再稼働は必要だと考えますが、総理の見解を伺います。
日本国憲法前文には、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、名誉ある地位を占めたいとうたわれています。私たち国民民主党は、まさに、隷従の平和ではなく、ウクライナの皆さんとともに自由や独立、人権という価値を守り抜く姿勢を貫くことこそ日本の歩むべき道だと表明し、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕