岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 玉木雄一郎議員の御質問にお答えいたします。
 対ロ制裁の効果についてお尋ねがありました。
 一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け侵略をやめるよう、G7各国、国際社会が連携して、ロシアに対して迅速に厳しい制裁措置を打ち出してきています。経済制裁の効果が出るまでには一般に一定の時間を要しますが、既に、実際に、各国の措置により、物価の上昇、外国企業の撤退、操業停止といった様々なロシア経済への影響が出ていると認識をしています。
 御指摘の暗号資産を用いたロシアの制裁回避への対応についても、制裁の実効性を更に強化すべく、今国会で外為法の改正を行うための準備を進めているところです。
 我が国としては、抜け道が生じないよう、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアへの外交的、経済的圧力を一層強めるべく、適切に対応してまいります。
 サハリン2や対ロシア外交及び経済分野協力担当大臣についてお尋ねがありました。
 サハリン2は、自国で権益を有し、長期かつ安価なLNG安定供給に貢献しており、エネルギー安全保障上、極めて重要なプロジェクトです。G7でも、各国それぞれの事情に配慮し、持続可能な代替供給を確保するための時間を提供することになっています。こうしたことから、我が国としまして、撤退はしない方針であります。今後とも、G7の方針に沿って、ロシアへのエネルギー依存を低減すべく、更なる取組を進めてまいります。
 これまでの対ロシア外交については、平和条約締結問題を含む政治、経済、文化など、幅広い分野で日ロ関係全体を国益にかなうよう発展させるべく、適切に対応してきました。しかしながら、現下のウクライナ情勢を踏まえれば、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはできません。
 御指摘の担当大臣については、事態の展開に応じて円滑な撤収等を支援するため、引き続き、経済産業大臣にお願いをしてまいります。
 そして、防衛費についてお尋ねがありました。
 何よりも大事なことは、国民の命や暮らしを守るために必要なものは何なのか、こうした議論をしっかりと突き詰めていくことです。防衛費についても、金額、結論ありきではなく、現実的な議論の結果として、必要なものを計上してまいります。
 現在、新たな国家安全保障戦略等の策定に取り組んでいるところであり、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化してまいります。
 北朝鮮についてお尋ねがありました。
 三月二十四日、北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射しました。北朝鮮がこのような挑発行為を行い、しかも我が国EEZ内に落下したことは、我が国の安全保障にとっても重大かつ差し迫った脅威であり、また、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、到底看過することはできない暴挙です。
 また、本土から約百五十キロという日本海上に着弾させたことは、極めて問題のある危険な行為です。許されない暴挙であり、断固非難をいたします。
 今般の発射を受けた今後の対応については、追加的な制裁措置、そして国連安保理での対応も含め、米国、韓国とも連携しつつ対応をしてまいります。
 原発警護についてお尋ねがありました。
 原子力発電所の警護については、第一義的には、公共の安全と秩序の維持を責務とする警察機関において実施していますが、状況によっては、自衛隊が治安出動等により対処することも可能となっています。
 また、PAC3を含む自衛隊の部隊配備については、様々な観点を総合的に勘案した上で決める必要がありますが、状況に応じて、PAC3を機動的に展開して対応してまいりたいと考えます。
 その上で、我が国に対する武力攻撃が発生した場合には、日米で共同して対処することとなります。日米同盟の抑止力、対処力を強化し、我が国に対する武力攻撃が発生しないよう、しっかりと取り組んでまいります。
 非核三原則についてお尋ねがありました。
 政府として、非核三原則を堅持していくとの考えに変わりはありません。
 その上で、非核三原則のうち、持ち込ませずについては、二〇一〇年に、当時の岡田外相が、余り仮定の議論をすべきではないと思いますが、緊急事態ということが発生して、しかし、核の一時的寄港ということを認めないと日本の安全が守れないというような事態がもし発生したとすれば、それはそのときの政権が政権の命運を懸けて決断し、国民の皆さんに説明する、そういうことだと思っておりますと答弁しており、岸田内閣においてもこの答弁を引き継いでおります。
 また、米国との関係については、平素より様々なやり取りを行ってきていますが、我が国を取り巻く安全保障環境や、現実に核兵器が存在していることを踏まえれば、核抑止力を含む米国の拡大抑止は不可欠であると考えており、いわゆる米国の拡大抑止の信頼性の維持強化に向け、日米間でしっかりと協議を行ってまいります。
 足下の日本経済の動向に関する認識と対応策についてお尋ねがありました。
 御指摘のスタグフレーションについては、ウクライナ情勢の影響も含め不確実性が高く、現時点で確たることを申し上げることは困難ですが、原材料価格高騰の影響がすぐに収束するとは考えられず、当面、物価は上昇の方向に進んでいくと見込まれます。
 原油価格や物価の高騰等による国民生活や経済活動への影響に対しては、四月末を目途に原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめ、緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとしてまいります。
 その中で、トリガー条項発動等、原油価格高騰への対応については、三党における協議を踏まえて対応を検討してまいります。消費税については、社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、当面、消費税について触れることは考えてはおりません。
 経済財政運営に当たっては、金利と物価のどちらか一方を重視するということではなく、様々な金融経済動向を総合的に勘案しながら適切に政策対応を行っていくことが重要であると考えています。その上で、金融政策については、引き続き、日銀において二%の物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待しております。
 為替介入についてコメントすることは差し控えますが、為替の安定は重要であり、急速な変動は望ましくないと考えております。引き続き、米国等の通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、為替政策に適切に対応してまいります。
 中小企業向けの資金繰り対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナやウクライナ情勢によって多くの事業者が影響を受ける中、中小企業の資金繰り支援を徹底することは非常に重要であると認識をしております。
 そうした観点から、これまで、金融機関に対し、貸付条件の変更について、事業者の実情に応じた迅速かつ柔軟な対応等を要請しているほか、金融機関による条件変更等の取組状況の報告を求め、その状況を公表しており、かつての中小企業金融円滑法と同様の対応を実施しているところであると考えます。
 こうした取組により、金融機関の中小企業に対する返済猶予等の条件変更の実行率は約九九%となっております。
 その上で、実質無利子無担保融資を更に延長したほか、今後策定する原油価格・物価高騰等総合緊急対策に中小企業への資金繰り支援を含めるよう指示したところであり、今後とも中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいります。
 原子力発電所の審査体制、プロセス及び再稼働の必要性についてお尋ねがありました。
 原子力発電所の審査体制の強化や審査プロセスの効率化、合理化については、審査過程における主な論点等を公表することによる審査の効率化、審査内容が共通する案件を同じチームで担当するなど審査官の機動的な配置といった様々な取組を原子力規制委員会において行っているものと承知をしております。
 原子力発電所の安定的な稼働を担う原子力産業サプライチェーンの維持は、経済安全保障の観点からも重要な課題であり、原子力発電所の再稼働を通じた現場力の維持強化が必要です。
 原子力発電所の再稼働に当たっては、安全性の確保を大前提に、原子力規制委員会の新規制基準に適合すると認めた場合には、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めるというのが政府の方針です。
 引き続き、原子力の人材、技術、産業基盤を維持強化していけるよう、官民連携の下、しっかりと取り組んでまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-03-31

院: 衆議院

会議名: 本会議