岸田文雄の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 末松義規議員の御質問にお答えいたします。
ウクライナ訪問の可能性についてお尋ねがありました。
我が国はウクライナと共にあります。ロシアによるウクライナ侵略以降、私も二度、ゼレンスキー大統領と電話会談を行い、我が国の連帯を伝達したところです。
ロシアによる侵略を一刻も早くやめさせるために、G7を始めとする国際社会と連携しながら、適切に対応してまいります。その観点から、現地の状況も含め総合的に勘案し、我が国として何をすることが適切なのか、不断に検討してまいりたいと考えます。
中国の対ロシア支援及び北朝鮮情勢に関する中国への働きかけについてお尋ねがありました。
中国とロシアは、近年、緊密な関係を維持し、軍事協力も緊密化しており、その動向を関心を持って注視しています。ウクライナ情勢に関し、我が国として、これまでも、中国に対して様々な機会に責任ある行動を呼びかけてきています。引き続き、G7を始めとした関係国と緊密に連携し、適切な機会に適切なレベルで対応していきたいと考えています。
先月のICBM級弾道ミサイルのような、事態を更に緊迫化させる弾道ミサイルの発射を含め、最近の一連の北朝鮮の行動は、日本、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認することはできません。引き続き、安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向け、中国を含む国際社会とも連携してまいります。
ウクライナ情勢をめぐる主要国首脳との外交についてお尋ねがありました。
一刻も早くロシアの侵略をやめさせ、ロシア軍を撤退させるため、国際社会が連携してロシアに強い措置を取っていくことが重要です。
こうした国際社会の連携はG7が主導していますが、私は、G7の首脳テレビ会議及び対面での首脳会合、G7プラスでの首脳電話会談に出席したほか、G7の首脳とも、バイ、マルチの場で、また電話あるいは対面などで度々会談をし、率直な意見交換を行ってきました。
各国首脳との間のやり取りの詳細についてお答えすることは、外交上のやり取りでもあり、差し控えたいと思いますが、我が国として、引き続き、G7等と連携し、適切に取り組んでまいります。
対ロ制裁の内容やそうした制裁措置を維持していく覚悟、サイバー攻撃に対する防衛策、日本近辺での中ロの動きについてお尋ねがありました。
G7と連携し、八日、一、石炭の輸入禁止、二、一部物品の輸入禁止、三、新規投資の禁止、四、ロシアの最大手銀行の資産凍結、五、ロシアの軍関係者、議員など資産凍結の対象の更なる拡大、こうした五つの柱から成る追加制裁を発表いたしました。
ロシアによる軍事的、経済的対抗措置の可能性については、予断を持ってお答えすることは差し控えますが、政府としては、様々な事態を想定して、適切に対応してまいりたいと考えております。
我が国としては、一刻も早い停戦を実現し、ロシアによる侵略をやめさせるため、ロシアに対する外交的、経済的圧力を強化し、これからも国際社会と結束して強固な制裁を講じていく考えです。
昨今の情勢を受け、サイバー攻撃の脅威は高まっています。政府として、産業界とも連携し、各国の動向をしっかり注視しつつ、サイバーセキュリティ戦略の着実な実施など、サイバーセキュリティーの確保に万全を尽くしてまいります。
ロシアと中国は、共同航行、共同飛行といった日本周辺での一連の動きなど、軍事協力が緊密化しています。政府として、我が国周辺における両国の動向について関心を持って注視し、情報収集、警戒監視に万全を期してまいります。
ロシアの通貨ルーブルの価値や経済、金融システムについてお尋ねがありました。
これまでG7各国が緊密に連携して広範な制裁措置を科してきたことで、ロシアの通貨や経済、金融システムに深刻な打撃を与えてきていると考えております。
足下ではルーブル相場は回復してきていますが、議員御指摘のとおり、ロシアの輸出企業に対する外貨売却の義務づけや国民に対するルーブルの外貨への両替停止など、ロシア当局の措置により相場が支えられている側面も大きいと理解をしています。他方、闇市場においては大幅な安値でルーブルが取引されている、こうした指摘もあると聞いております。
また、株価の下落や国債利回りの上昇が見られるほか、生活必需品を含め消費者物価が急上昇するなど、様々な面でロシアの経済や金融に影響が出ていると認識をしております。
引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、制裁の実効性を高めるべく、適切に対応してまいります。
原油価格や物価の高騰等に対する対応策についてお尋ねがありました。
エネルギー価格の高騰等に対しては、昨年来、総額五十五・七兆円の経済対策の中に燃料油価格の激変緩和措置等の施策を盛り込んだほか、昨年末に価格転嫁円滑化のための施策パッケージを策定するとともに、賃上げの環境整備などにも取り組んでまいりました。
さらに、三月四日には、激変緩和措置の大幅な拡充強化や、漁業、農林業、運輸業などの業種別の対策など、当面の対策を決定し、実行しているところです。
その上で、ウクライナ情勢に伴う原油価格、物価高騰等への対応について、先般、総合緊急対策の策定を指示したところであり、四月中に具体的な対策を取りまとめます。
その際、まずは、予備費を活用した迅速な対応を優先してまいりたいと考えております。
原子力政策に対する考え方についてお尋ねがありました。
まず、原子力発電所の安全については、原子炉等規制法に基づく発電所の設備上の対応や事業者の対応によって確保しており、意図的な航空機衝突等のテロリズムへの備えまで事業者に要求をしています。
その上で、原発へのミサイルによる武力攻撃に対しては、イージス艦やPAC3により対応するほか、事態対処法や国民保護法等の枠組みの下で、原子力施設の使用停止命令、住民避難等の措置を準備しています。
そもそも、我が国に対する武力攻撃が発生した場合には、日米で共同して対処することとなります。日米同盟の抑止力、対処力を強化し、我が国に対する武力攻撃が発生しないよう、しっかりと取り組んでいくことが重要です。
四方を海に囲まれ、資源の乏しい我が国としては、こうした安全保障体制と事業者規制の両面から原子力発電所の安全を確保した上で、安価で安定したエネルギーを確保するため、原子力を含め、あらゆるエネルギー源を活用してまいります。
ロシアに対するエネルギー分野での対応と、ウクライナに対する支援についてお尋ねがありました。
ロシアに対するエネルギー分野での対応については、安定供給に万全を期しつつ、これまでのG7首脳声明に従い、石炭の禁輸や、石油を含むエネルギーのロシア依存度の低減に取り組んでまいります。
具体的には、再エネや原子力など、エネルギー安全保障の確保及び脱炭素の実現につながるエネルギー源の多様化や、米豪そして中東など調達先の多角化に向けた取組、そして生産国への増産の働きかけなどを一層強力に進めてまいります。
また、我が国は、機械類、一部木材、ウォッカなどのロシアからの輸入を禁止しました。
さらに、我が国は、困難に直面しているウクライナの人々を支援し、ウクライナとの更なる連帯を示すため、ウクライナ及びモルドバを含む周辺国に対して合計二億ドル規模の緊急人道支援を実施することを決定するとともに、避難民の受入れも進めています。ウクライナ支援については、御指摘のような国際的な動向も注視しつつ、不断に検討してまいります。
外為法改正による制裁効果についてお尋ねがありました。
今般の外為法改正の効果を定量的に申し上げることは困難ですが、今回の法改正は、暗号資産交換業者に確認義務を課し、制裁対象者から第三者への暗号資産の移転を規制対象とするなど、暗号資産が制裁の抜け穴として悪用されないよう、できる手当てを速やかに講じるものです。
三月十一日のG7首脳声明を踏まえ、各国が連携して暗号資産の移転に関する規制を強化する中、我が国も足並みをそろえて暗号資産に対する規制を強化することが重要であり、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携をして、ロシアへの圧力を一層強めるべく、適切に対応をしてまいります。
そして、今回の法改正等による制裁対象、関連情報に関する体制等についてお尋ねがありました。
今回の最恵国待遇の撤回や外為法に基づく資産凍結等については、緊迫した国際関係等を踏まえ、機動的かつ効果的に対応する必要があるため、法律で定める要件に基づき、法令や告示により対応することとしております。
ロシアへの制裁については、G7を始めとする国際社会と緊密に連携するとともに、国民生活への影響にも目配りしながらしっかりと対応していく必要があり、外務省を中心に、必要な情報の収集や活用を図るとともに、政府一丸となって、国民への情報発信を含め、必要な施策を適時適切に実行してまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇〕