重徳和彦の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○重徳和彦君 立憲民主党・無所属の重徳和彦です。
会派を代表して、財政演説に関連し、岸田総理に質問します。(拍手)
冒頭、本日早朝、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを複数発続けて発射したことは、明確な国連安保理決議違反であり、我が国及び地域の平和と安全、国際秩序に挑戦する言語道断の行為であり、強く非難いたします。
それでは、質問に入ります。
初めに、日米首脳会談について、何点かお尋ねいたします。
今回のバイデン大統領の訪日は、ロシアのウクライナ侵略が続く中、日米同盟の強化とインド太平洋地域の平和と安定のため、極めて重要なタイミングで行われたものと評価し、歓迎しております。
対中関係において、米国が台湾防衛のため軍事的に関与する考えが明示されたことは、従来の米国のスタンスから変化があったものと捉えていますか。それに対応して、日本が取るべき安全保障政策への影響はありますか。答弁を求めます。
総理は、日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏づけとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明されましたが、財源をどのように確保するのか、他のどの経費を節減するのか、財政運営の重荷にならぬよう、責任を持ってお示しください。
また、GDP二%など防衛費の総額を論じる前に、我が国がF35戦闘機等の高額な防衛装備品を外国から爆買いすることで防衛予算を圧迫させ硬直化させているという質的な問題を解決せねばなりません。防衛力強化と予算効率向上のためにも、防衛装備品の外国依存度を下げ、国内防衛産業への発注と健全な育成を進めるべきと考えますが、いかがですか。
十三か国で立ち上げた新たな経済連携、IPEF、インド太平洋経済枠組みへの参加は、日本にとってどんな具体的メリットがあるのですか。米国が参加していないTPPの枠組みとの違いを踏まえ、どう使い分けていく戦略なのですか。答弁を求めます。
さて、安全保障政策について、立憲民主党は、我が国周辺の厳しい安全保障環境やウクライナ情勢も踏まえ、着実な安全保障を実現していくこととしています。
我が党は、弾道ミサイルなどの脅威に対する抑止力と対処能力を総合的に備えるため、日米同盟の役割分担を前提としつつ、専守防衛との整合性など多角的な観点から検討を行い、国民的理解を得ながら、現実的な防衛力を整備すべきと考えています。総理は、自民党の提言どおり、相手国の指揮統制機能等も含む反撃能力を保有する方針か。答弁を求めます。
我が国周辺における海上保安体制と自衛隊による補完体制の強化のためには、立憲民主党が提出した領域警備・海上保安体制強化法案を成立させるべきと考えますが、なぜ、政府は、相変わらず電話閣議など運用レベルの対応に終始し、法制化に消極的なのか。答弁を求めます。
次に、岸田内閣の基本姿勢について質問します。
岸田内閣発足から八か月、当初の安倍、菅両政権からの路線転換への期待はすっかりしぼみ、自民長期政権の弊害が深刻化しています。
先日、細田博之議長は、一人当たりの月給で百万円未満のような議員を多少増やしても罰は当たらないと、あるまじき発言をされました。衆院選の一票の格差を是正するいわゆる十増十減についても、繰り返し批判されています。憲法や法律に基づく措置に対する議長のこうした発言について、岸田総理は、総理大臣として、あるいは自民党総裁として、どう認識をされていますか。また、一部週刊誌で報じられているセクハラ疑惑についてしかるべき公の場で説明していないことを含め、議長の資格があると考えていますか。答弁を求めます。
四月二十三日、知床半島沖の観光船事故が発生しました。
亡くなられた方々及び御家族の皆様に改めて心よりお悔やみを申し上げ、行方の分からない方々の一日も早い発見、救助を望みます。
事業者の責任が極めて重いのは言うまでもありませんが、国交省の検査対応における問題も明らかになりました。昨日は、海底から一旦引き揚げたカズワンの船体が落下するアクシデントが発生、監視体制上の問題がうかがわれます。国土交通大臣の責任についてどう考えるのか、お答えください。
コロナの第五波、第六波で多発したいわゆる自宅放置死を防ぐため、立憲民主党は、コロナかかりつけ医法案を提出しました。この法案は、これまでいわば患者側からの片思いにすぎなかったかかりつけ医について、明確な登録制度を整備し、医療の裾野を広げるものです。コロナ対策として既存の施策を繰り返すだけの政府と異なり、コロナ医療における出口戦略を明確に示しました。参院選の重要な争点にしてまいります。
岸田内閣もここへ来て検討の意向をにじませていますが、制度の概要すら明らかにしません。総理は、コロナ医療の出口戦略は何だと考えておられますか。政府として、一部の関係団体の異論を恐れず、国民の命を守る、国民本位の立場から、かかりつけ医の制度化を出口戦略に位置づけることはできますか。お答えください。
今、何より、国民生活は輸入品の物価高と円安による悪いインフレに苦しめられています。現在の円安について、黒田日銀総裁は全体で見てプラスと述べていますが、総理の認識も同じですか。
立憲民主党は、国民生活を守るため、物価高と戦うことを宣言し、今こそ、政府、日銀アコードを見直し、前政権から続くアベノミクスの金融緩和策から脱却すべきと考えますが、総理、いかがですか。
また、安倍元総理の、日銀は政府の子会社という発言については、明確に否定することはできますか。お答えください。
立憲民主党は、所得の再分配機能を強化するため、所得税の累進性強化、金融所得課税の見直しなど抜本的な税制改革を訴えています。分配なくして成長なしを訴えた総理は、なぜこうした税制改革に取り組まないのですか。答弁を求めます。
総理は、先般、外遊先で、資産所得倍増目標を表明しました。その際に言及した新たな仕組みとは何ですか。金融資産からの所得倍増を目指す政策は、富裕層を重視するものであり、分配重視の政策と矛盾します。金融所得課税の強化は、結局、やるのですか、やらないのですか。明確な答弁を求めます。
立憲民主党は、先進国で最低レベルの最低賃金について、時給千五百円を将来的な目標に、企業に公的助成を行い、百三万円の壁などと言われる控除や社会保険の扶養の在り方を検討しつつ、段階的に引き上げます。令和版所得倍増を高らかに訴えた岸田総理は、なぜ最低賃金の大胆な引上げ策を示さないのですか。また、百三万円の壁などについて、どう考えていますか。答弁を求めます。
物価が上がる中、高齢者の皆様が受け取る年金は、この四月から〇・四%下がりました。自民党は、予備費を濫用し、選挙前一回きりの五千円ばらまきで取り繕おうとしましたが、撤回に追い込まれました。そもそも、今回の年金減額は、我々が反対してきたいわゆる年金カット法が招いた結果です。法成立を強行した与党の一員として、総理は今回の年金減額は妥当と考えていますか。答弁を求めます。
建設工事受注動態統計調査において書換えや二重計上等の不正が行われていた影響により、統計が年間で兆円単位で過大になっていました。社会の姿を映す鏡であるべき統計において不正が十年近く続き常態化していたのに、GDPに与える影響は軽微と言ってのける政府の態度は、統計を信頼してきた国民に対し、不遜ではありませんか。国交大臣の責任をどう考えていますか。答弁を求めます。
立憲民主党は、子供、子育て関連予算を、対GDP比三%台を目標に、ほぼ倍増させることを訴えています。総理も同様のことを提唱していたはずですが、五月十三日の衆議院内閣委員会で、我が党の泉健太代表の質問に対し、いつまでに倍増するとか、そうした期限を区切ってはいないと答弁されました。いつまでにという目標がなければ、予算倍増は実現しません。なぜ目標を曖昧にするのですか。お答えください。
今回の補正予算への質問に入ります。
遅い、小さい、中身がない。予備費の埋め戻しを含め、こんな恥ずかしい予算を私は見たことがありません。
立憲民主党は、既に四月八日、二十一兆円規模の緊急経済対策をまとめ、大規模な補正予算の必要性を強く訴えてきました。我々の案との比較を含め、以下、質問します。
私たちが今年二月の本予算審議中から再三指摘してきた燃油高騰対策補助金の追加財源措置が、今頃になって計上されています。二月の段階で私たちが予見できていた事柄を政府が予見できなかったのはなぜですか。
燃油高騰対策補助金の値上がり抑制の効果をどう評価していますか。九月までの財源を予算化していますが、十月以降をどう予見していますか。
本予算審議の際にあらゆる選択肢に含まれていたトリガー条項凍結解除は、現時点で選択肢に入っていますか。答弁を求めます。
総額二・七兆円の予算のうち、予備費埋め戻し一・五兆円が、燃油高騰対策に充てる一・二兆円よりも多い。前例はありますか。
予算とは、政策そのものです。今回の補正予算における政策は何ですか。語ってください。需給ギャップがマイナス三・一%、実額ベースで十七兆円もあるのに、なぜ経済対策がたった一・二兆円なのですか。
予備費埋め戻し一・五兆円を今後の備えと呼んでいますが、これは政策ですか。過去に例はありますか。答弁を求めます。
令和二年度に始まったコロナ予備費は、今年度で総額二十兆円。ざっと国民一人当たり二十万円が、政府の自由に使えるポケットマネーに入ったわけです。そして、今回は、使った予備費を一月後に補正予算で埋め戻すという、更に悲惨な次元に突入しました。絶対にやめるべきです。政策を具現化するための予算提案権という行政の使命を投げ出し、国会監視から逃れ、三権分立を崩壊させ、強権的な行政府をつくり出す、愚かな行いです。
この議場にいる全ての皆さん、目を覚ましてください。政府が使いたい放題に使ったプリペイドカードを、減った分だけチャージするのが国会の役割なのでしょうか。
絶対王政から議会制民主主義を獲得した歴史を暗転させる岸田政権は、歴史に残る愚かな内閣と言わざるを得ません。
総理には、予備費埋め戻しは民主主義を根底から崩壊させるとの懸念の声は届いていますか。聞く力はどこへ行きましたか。
予備費の埋め戻しだけではありません。この予算では、コロナ予備費を更に使途拡大する、コロナ・原油価格・物価高騰対策予備費という何でもありの予備費の創設を企図していますが、財政民主主義を完全に度外視しているという声に対し、聞く力はどこに行きましたか。お答えください。
先月、四月二十八日に既に支出された予備費について質問します。
本予算成立から僅か一月後の予備費支出は、政府の予見能力がゼロであることを露呈しています。年度が始まったばかりの四月中に一・五兆円も予備費を支出した例は過去にありますか。特に、一般予備費が四月に三千九百四十五億円も支出された例はありますか。
累次の閣議決定で、予備費の使用は、国会開会中はこれを行わないのが原則とされています。なぜ、国会開会中なのに、補正予算でなく、予備費を使うのですか。閣議決定を無視しているという声に対し、聞く力はどこへ行きましたか。お答えください。
立憲民主党は、緊急経済対策において、低所得の子育て世帯の給付金では対象とならないワーキングプア、低年金者への五万円の臨時給付金と、消費税の時限的五%引下げを打ち出していますが、政府の今回の緊急対策では、なぜ、コロナ予備費を使った低所得子育て世帯給付金のみ支出し、同じように支援が必要な他の方々への給付金のための補正予算を組まないのですか。お答えください。
コロナ予備費の使途は、予算総則に厳格に規定されています。今回の支出が全てコロナ対策と言い切れますか。観光推進への九十億円が認められるなら、ほかの何にでも充てられるのではないですか。答弁を求めます。
現に、令和二年度の予備費には不透明な使途が明らかになっており、我が党は、一般予備費、コロナ予備費に反対しました。
政府は、これまで八億八千二百万回分のワクチンに使われた支出の詳細を国会の場で明らかにしてください。また、医療現場で廃棄されたワクチンの量を調査し、国会に報告してください。
さらに、今年、二億回分の増産要請をした抗原検査キットのうち、九割が出荷されていないという事例も発生しています。このまま一億八千万回分が余剰在庫となれば、政府が買い取る費用に予備費九百二十九億円が充てられることになるのでしょうか。答弁を求めます。
最後に、立憲民主党は、我が国の議会制民主主義の根幹部分を崩壊させる岸田内閣から国民主権や国民生活を守り抜き、生活安全保障を実現していきます。
与党議員の皆さん、立法府の一員として、この恥ずかしい補正予算を是としないでください。
野党各党の皆さん、結束して政府・与党に対抗し、自民党内の政権たらい回しではなく、本物の政権交代を目指してまいりましょう。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕