後藤祐一の発言 (本会議)

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○後藤祐一君 私は、立憲民主党・無所属を代表し、岸田内閣不信任案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 昨日、二十年ぶりに、一ドル百三十四円台まで円安が進みました。輸出大企業にはプラスだが事業者や生活者にはマイナスだと岸田総理も認める円安が止まりません。EUやスイスもマイナス金利政策をやめようとしている中、日銀の黒田総裁は、金融緩和を継続する考えを改めて示しています。これでは、円安は止まりません。物価高も止まりません。総理、一体、どうやって岸田インフレを止めるつもりですか。
 黒田総裁は、日本の家計の値上げ許容度も高まってきているとの発言は撤回したようですが、国民の、異次元の物価高騰に対する怒り、生活感のない黒田日銀総裁に対する怒り、何もしない岸田総理に対する怒りが高まってきているのではないでしょうか。
 総理が日銀総裁を更迭することは日銀法上できませんが、アベノミクスによる異次元の金融緩和を定めた二〇一三年のアコードを見直すことはできます。総理、一ドル何円になったらアコードを見直し、アベノミクスから脱却するんですか。一ドル百四十円ですか、百五十円ですか。
 賃金アップを伴うよい物価高の形で消費者物価二%以上が一年以上続くと異次元の金融緩和が終わるそうですが、岸田総理がアベノミクスを続ける限り、そんな時代は来ませんよ。つまり、岸田総理は永久にアベノミクスの泥沼から脱却できないまま、一ドル百四十円、百五十円といった円安による超岸田インフレにより、この国は二流国に転落してしまいますよ。総理、責任取れるんですか。
 岸田総理のコロナ対策についても総括する必要があります。
 オミクロン株が主流となった第六波でお亡くなりになった方は、五月二十五日時点で既に一万二千四十三人で、デルタ株が主流だった第五波の四倍に膨れ上がっています。岸田総理は、高齢を理由に家族が入院治療を希望しないからだ、コロナの重症の定義を満たさず基礎疾患の悪化で死亡しているなどと答弁していますが、三回目ワクチン接種が遅れたからじゃないんですか。
 また、第六波の一月から三月に自宅で亡くなった方が少なくとも全国で五百五十五人いたことが明らかになっておりますが、岸田総理が昨年の衆議院選挙で掲げた医療難民ゼロという約束は何だったんでしょうか。
 一方で、これまでにワクチンの調達や接種体制の整備に投入された国費は四・七兆円に上りますが、現在、ワクチンが有効期限切れとなって廃棄されているとの報道が各地で相次いでいます。これは、三回目接種の開始が遅れたことや接種率が伸び悩んでいることが原因ではありませんか。
 その元々の原因は、堀内ワクチン大臣です。菅前総理は、河野太郎氏をワクチン大臣に任命し、一日百万回の実績を上げましたが、岸田総理は、総裁選で争った河野大臣から自らの派閥の堀内大臣に交代させてしまいました。発信力は低下し、メッセージも届かない。ワクチン接種の重要さをなおざりにした、派閥の論功行賞としか思えない人事でありました。年明けからオミクロン株が急拡大する中、堀内大臣がまず取り組んだのは、自らの国会答弁対策だと言われています。結局、堀内ワクチン大臣はいなくなってしまいました。岸田総理の人事の失敗は明らかではないでしょうか。
 岸田総理は、昨年の総裁選で、国、地方を通じた強い司令塔機能を有する健康危機管理庁を創設することを掲げていましたが、実現していません。第六波の前に、国、地方が医療資源確保などのためのより強い権限を持つための法改正をしておけば、感染者数を抑え、自宅死を防げたのではないでしょうか。総裁選で掲げたほとんどのコロナ対策はいまだ実現していません。総理、一体、何をしてきたんでしょうか。
 長年、安倍総理の下で外務大臣を務めた岸田総理は、外交を得意と自負されておられるのではないかと推察します。
 しかし、ここ十年の外交の結果を見ると、日ロは、北方領土が一ミリも動かず、むしろ二島返還論という歴史的失態を犯し、プーチン大統領にだまされただけでした。日中、日韓は、疑心暗鬼を深め、関係が悪化しただけでした。北朝鮮とは、拉致問題について前提条件なしで向き合う決意と言うばかりで、日朝首脳会談どころか事務レベルでさえも北朝鮮とコンタクトが取れなくなって久しく、ミサイルが飛んでくる状況は変わりません。
 外務大臣時代も含め、岸田総理の外交成果って何でしょうか。アベノミクスだけではなく、外交も安倍総理の言いなりだったので仕方ないのかもしれません。
 先月の日米首脳会談は成功だったと言いたいでしょう。確かに、クアッドは有意義だと評価します。しかし、日米間の通商交渉は敗北でしかありませんよ。
 トランプ大統領にTPPから離脱されてしまった後、二〇二〇年一月に発効した第一段階の日米貿易協定、いわゆるTAGでは、日本が農業で妥協し、アメリカの自動車関税引下げは第二段階以降に先送りされたままです。二〇二〇年五月には交渉開始するという約束を二年間ほったらかしにされ、先月の日米首脳会談でもアメリカ側からは全く相手にもされず、アメリカの自動車関税引下げは半永久的に凍結されてしまいました。
 TPPへのアメリカの復帰、あり得ません。TAGの交渉開始、あり得ません。日米通商交渉は負けっ放しじゃないですか。違いますか、総理。どこが外交の岸田なんですか。
 台湾有事などの際に与那国島など離島の島民が避難する必要がある場合に、航空機や船舶による島外避難の計画を国が作るべきではないかと五月二十六日の予算委員会で泉代表が聞いた際、総理は、航空機や船舶等のアセットを総動員する形で退避を考えていくと答弁しましたが、その後、六月一日の予算委員会の答弁では、今の点につきましては、我が国として有事に対してしっかりと対応していく、現地の皆さんとしっかり共有し意思疎通を図っておくことが大事であるということだと思います、是非その点については政府としてもしっかりやっていきたいと思っていますと、しっかりを三回も使って、具体策は答えず、後退した答弁になってしまいました。
 国民の命を守る観点から安全保障の在り方を見直すことが必要なのに、離島からの島民避難の具体的な計画は作らず、しっかりやっていきたいでごまかす。やる気がない、説明責任を放棄する、国会をないがしろにする態度ではないでしょうか。
 岸田総理の今年に入ってからの答弁を我が党の山岸一生議員が調べたところ、検討を二百四回、決断がたった七回だったと指摘しました。私は、岸田総理の答弁にしっかりが多いことが気になっていました。与野党問わず、政治家なら、演説や答弁をしていて皆さんも感じることがあると思いますが、しっかりという言葉を使うときは、具体策はないけれどもしっかりやっているふりをしているという意味ですよね。この通常国会の岸田総理の答弁を調べたところ、何と、検討の二百四回よりはるかに多い、少なくとも千八百五回ものしっかり答弁をしている。しっかりしてくださいよ、総理。具体策がないことがばれていますよ。
 自民党は、昨年の衆議院総選挙で公約とともに並べた自民党政策バンクで、「水田フル活用予算は責任をもって恒久的に確保します。」としていました。しかし、総選挙直後、政府・与党は、水田活用直接支払交付金の交付要件について、今後五年間一度も水を張らない農地は交付対象外などと絞り込みました。突然の見直しに、現場は大混乱です。これこそ、自民党農政に農家が振り回される、二十世紀から続く猫の目農政の象徴ではないでしょうか。
 立憲民主党は、水田活用の直接支払交付金について、主食用米からの転作を行った農家の所得を補償する議員立法を提出しています。農家の不安を払拭するため、法律で明文化し、国としていかに日本の農業を支えていくのかを示すことが必要です。
 岸田総理には、農家を守り、農業を支えていく気概がありますか。岸田総理の農業への思い、全く伝わってきません。
 内閣不信任案を提出することについて様々な意見があるようですが、今の岸田総理では物価高対策は不十分なままで、岸田総理では国民の生活の安全を保障できない、亡国への道であり、替えた方がいいと我々立憲民主党は判断しました。五十一人以上の数でもって不信任案を突きつけることは、国民の代表として当然の責務であります。逆に、支持率の高い総理に対し不信任案を提出すべきでないという方は、プーチン大統領や習近平国家主席、金正恩総書記といった専制主義的なリーダーに対して辞めろと言ってはいけないと言っているのと同じではないでしょうか。
 また、福田総務会長や高木国対委員長が、不信任案を出した場合の衆議院解散の可能性について言及しています。もし解散された場合には、もちろん我々立憲民主党は受けて立ちますよ。しかし、解散した後の六月二十五日までに、十増十減案の区割り審議会の勧告が出ることを御存じですか。勧告内容と異なる、一票の格差が大きい現行の選挙区のままでの総選挙は違憲の可能性が極めて高い、このことをお忘れなんじゃないでしょうか。
 菅総理は、第五波で新型コロナ感染者数が増えて、政権を失いましたが、岸田総理は、感染者数が減るタイミングで衆院選を迎え、ラッキーでした。ここ三か月は、ウクライナ侵略に国民の関心が集まり、その結果、内政の失策から目をそらすことができたのかもしれません。
 しかし、物価高はそうはいきません。値上げの夏を前に、国民の生活の安全を保障する生活安全保障の観点から、立憲民主党は、岸田インフレと戦います。アベノミクスを止め、黒田円安を止め、岸田インフレを止めるため、物価対策に無策の岸田総理には一刻も早くお辞めいただくべきではないでしょうか。
 以上をもって、岸田内閣不信任案への賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 後藤祐一

speaker_id: 29183

日付: 2022-06-09

院: 衆議院

会議名: 本会議