小野寺五典の発言 (予算委員会)
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○小野寺委員 岸大臣には、今この瞬間もこの国を守っている自衛隊員の先頭に立って、これからもしっかり守っていただきたい、そのように思っております。
さて、今までお話をさせていただきましたが、やはり、我が国をしっかり守っていく、平和を続けていくためには、自らの努力をしっかりしていくこと、そして、一緒になる仲間を多くつくっていくこと、これが大切だと思います。
その中で、今回、まず自らの力をどうしっかり高めていくか、そのことに関して、自民党は提言をまとめました。
実は、この提言をまとめた背景というのは、昨年、総理が、総理大臣に就任した後、今年、国家安全保障戦略を見直すんだ、そして、その見直した中で、しっかりとした防衛体制をつくるんだというお話がございました。
実は、今現在も国家安全保障戦略はあります。約八年前だと思います、安倍内閣で作ったものでありまして、当時、岸田総理は外務大臣、私は防衛大臣として一緒に関わらさせていただきました。
そのときの安全保障の環境というのは、例えば、北朝鮮は、確かに弾道ミサイルや核実験を行っていましたが、まだ技術はそこまで高まっていなかっただろうという認識でありました。また、中国は、確かに防衛力を伸ばしておりました。ただ、それもまだ練度がそれほど高くないんじゃないか、将来の脅威だ、そんな印象もありました。そして、ロシアは、当時はむしろ、北方領土が和平によって返ってくるんじゃないか、そんな期待感もありました。
ですが、今この現在を見れば、北朝鮮は相当の能力を高め、中国はもはや脅威になりつつある。そして、ロシアは、残念ながら、今回私たちが経済制裁に加わったことによって、日本に対して、ある面では敵対視することになりました。ですから、もう三正面で何か問題が起きる可能性もある。それが事実、おとといは中ロが爆撃機、昨日は北朝鮮が弾道ミサイル。
このような状況の中で、日本がしっかり力を蓄えなきゃいけない、そう考え、実は昨年十二月から、自民党の安全保障調査会におきまして、これはメンバーは、木原稔衆議院議員、宮澤博行衆議院議員、熊田裕通衆議院議員始め大臣経験者、多くの議員が一体となって、昨年十二月から計十九回、専門家のヒアリングを行いました。アメリカの意見も何度か聞かせていただきました。そして、最終的には、議論を尽くして今回の提言をまとめさせていただきました。
今回は、まず、これについて少し総理からお伺いをしたいと思います。
まずは、反撃能力の保持という考え方です。
実は、日本は、従前から、専守防衛の考え方で、日本は盾の役割だ、同盟国アメリカは矛、やりの役割で戦うんだ。ですから、攻撃されたら日本はそれを防ぐ、そして、相手が二回、三回攻撃しないように、相手のところに関してはアメリカの打撃力を使う、こういう考え方です。これは、私は、今までもしっかりこういう考え方でやってきてよかったんだと思います。
ところが、今から数十年前であれば、日本を攻撃されるとしたら、相手の国から爆撃機や戦闘機が来て日本を攻撃する、あるいは、相手の軍艦が日本に近寄ってきて大砲を撃ったり、上陸用の装備で日本を攻撃する。こういう場合には、日本は盾としてこれを一生懸命防ぐ、自衛隊は日本を守るんだ、こういう体制で対応できましたし、何せ飛行機で来たり船で来るわけですから、事態が緊迫するまでには一定の時間があります。この間に、日米で相談をしながら、例えばアメリカのアセットをもっと前面に展開して、万が一のときはしっかり守るんだ、こういう、ある面では準備の余裕がありました。
ところが、御案内のとおり、今、そんな悠長な戦争ではありません。相手の領土から十数分で弾道ミサイルが直接飛んでくる。
私は防衛大臣のときに非常に心配したのは、万が一、日本が攻撃を受けた、そのときに、その国は、日本を攻撃しているんだ、アメリカじゃないんだ、こう言って攻撃したときに、同盟国アメリカに対して、日本の総理大臣は、日本が攻撃された、同盟でしっかり守ってくれとお願いをすると思います。当然、連絡を受けたアメリカの大統領は、よし、分かったと。その次、何をするかというと、恐らく閣議を招集します。そして、閣議で、日本を守るためにアメリカも参戦していいなと確認を取り、その後、アメリカの議会関係者、責任者に相談をして、議会を開かなくてもこれは是非やらせてくれ、これがスムーズにいって初めて部隊に命令を出して反撃をすることになります。
この時間、どんなに急いでも一日、二日はかかる。ですが、日本に飛んでくるミサイルは十数分です。アメリカが本格的に意思決定をし参戦するまでの間は、日本は自分の防衛力、能力で対応しなければいけない。これが実は現実です。そのときに、日本として何ができるか。
実は、反撃をするというのは、どの方もそうだと考えていただけると思います。戦車対戦車、三キロ離れている、相手が撃ってきたら撃ち返していい、当たり前だと思います。軍艦対軍艦、距離二十キロ、相手が撃ってきたら撃ち返していい、これは当たり前だと思います。弾道ミサイル、距離一千キロ、相手が撃ってきた、撃ち返していいと思うはずなんですが、飛んでいく先は相手の領土なんです。
実は、今まで、政府は一貫して、相手の領土を攻撃することは憲法上は許されると言ってきました。ですが、今まで、政治的な考え方として、これはしない、これはアメリカに頼るんだと言ってきました。日本が変わったんじゃないんです。攻撃のされ方、武器の体系、これが変わったとしたら、国民を守るためにやむなくこの能力を行使することは私は必要だと思います。
今回、この国家安全保障戦略を含め、様々な防衛関係の文書を新たに作る中で、是非、この反撃能力の保持について、政府として前向きに考えていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。