小野寺五典の発言 (予算委員会)

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○小野寺委員 私は、本当にショックでした。まさかアメリカ関係者から、日米同盟の最大のウィークポイントというのがこのサイバーセキュリティーの問題だとすれば、今回、岸田内閣では担当の大臣をつくられ、牧島大臣は一生懸命今頑張っていらっしゃいます。是非、経済安全保障の観点からも、サイバーセキュリティーの問題、あるいは、将来はやはり、重要な機密を扱う部署にいる公務員等に関しては更に厳しいセキュリティーを課すような、そういう仕組みも考えていただきたい、そのように思っております。
 さて、次に、認知戦への対応、これを提言しました。認知戦、恐らく、初めて聞かれる方も多いんだと思います。
 認知戦、実は、これは既にウクライナで行われている戦いです。私たちは、戦域というと、陸、海、空、そして今、宇宙、そしてサイバー、こういう戦域を考えていますが、新たに認知戦という戦域があると私たちは捉えています。
 ウクライナでどんなことをされているか。ロシアは、ウクライナ、重要な司令官は既に逃げ出しちゃった、だから、ウクライナはもうすぐ壊滅する、こういう偽の情報をたくさん流しています。また、ロシアは、ウクライナを解放しているんだ、今多くの民間人がウクライナで殺害されているのは、むしろウクライナ側がやって、それをロシアの犯罪に見せかけているんだ、こういう宣伝をたくさんしています。そして、世界の情報にもこれを流しています。
 こういう偽の情報を流すこと、そして、相手の国の考え方を自分の考え方に近いように誘導すること、これが認知戦ということになります。
 これは、ウクライナだけではありません。お隣台湾でも既に行われています。台湾の国防白書には、既に中国からこの認知戦の攻撃を受けている。例えば、先日、台湾の関係者とお話をしたら、こういう例を言われました。ウクライナを見てくれよ、ロシアが核兵器を持っているから、アメリカもNATOも直接助けに行かないじゃないか、核兵器を持っている国にはそういう国は対応しないんだ、台湾だってアメリカの同盟国じゃない、だから、ウクライナと同じじゃないか、更に言えば、中国は核大国だ、当然彼らは守るわけない、だから、台湾、抵抗したって無駄だから、早く中国と一緒になった方がいい。
 実は、こういう情報が、SNS上、そしてそこでの書き込み、ここにたくさん流されている。これは、正しいか正しくないかは分かりません。ですが、台湾の国防白書を見れば、組織的にやられている可能性、これがないとは言えない。
 そういう意味で、こういうことにも実は新しい戦域が今広がっている。
 考えていれば、こういう世論戦というのは、孫子の兵法では二千五百年前から使われています。相手の戦う士気を下げて、そして戦わないで降伏させる、これが善の善だと言っています。これが今でも行われていても仕方がないと思います。
 そして、日本においてもこの危険がないのか。今まで私たちは、情報は、テレビや新聞等で情報を得ていました。でも、今、ほとんどの方がSNSを使って様々な情報を得ています。そして、そのニュースを見た後、書き込み等も見ることが多いと思います。なるほど、今、こんな意見が多いのか、こんな考えが多いのか。そうすると、何となく自分の中で一つの考え方がまとまってしまう、これが認知領域ということになります。
 以前、ニュースのほとんどがテレビや新聞であれば、その真偽は、多分正しいんだと思いますが、少なくても責任は、それを出したテレビ局、それを発刊した新聞社にありました。ですから、責任ある形で情報を出していたんです。
 ですが、SNS、これは大変重要なツールです、広く使い、多くの情報を得、多くの意見を聞く大変重要なツールではありますが、反面、その中の匿名性、あるいは最終的な追跡がなかなかできないような状況、誰が、どんな意図で、どういう形でやっているか、それは相手を信じるしかない。この世界の中で、もし、組織的に、意図的に、ずる賢くそういうことをされ、何となくそういうような世論がつくられて、相手国に有利な方にその国の政策を持っていってしまう、こういう認知戦、これが今新たに起きてきました。
 大切なのは、こういうことがあるんだということを認識し、情報は本当に正しいのかどうか、自分の中でもう一度確認をする、そういう考え方だと思います。
 更に言うと、実はNATOは、この問題に対して大変心配しています。NATOの中で、既にこの認知戦の領域での研究機関もできている。あるいは、アメリカでは、フェイクニュースをチェックする、ファクトチェックをする機関が既に幾つかできています。これがお互いに、これは正しいか正しくないか、常に、世論がおかしい方向に行くときには正確なファクトチェックをする、こういうような仕組みもあります。
 今後、日本にもこのような状況が来る場合、しっかりとした対応ができるかどうか、その認識と政府の考え方についてお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 小野寺五典

speaker_id: 27636

日付: 2022-05-26

院: 衆議院

会議名: 予算委員会