小野寺五典の発言 (予算委員会)
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○小野寺委員 最近、企業には、物言う株主という方が多くなってきました。もし、外国からの物言う株主が、これは日本の防衛産業で中核だけれども、もうからないからやめてよ。株主の意見は重い、そして、防衛産業から撤退すれば、実は、日本の防衛力のど真ん中に穴が空いてしまう、こういう心配も多く聞かれるようになりました。是非、しっかりとした目くばせをお願いをしたいと思います。
それでは、次に、防衛費の増額についてお話をしたいと思います。
実は、ここ約三十年間、日本の防衛費は、ほぼ横、一貫しております。大体五兆円前後という、この下の横棒の青い線ということになります。
一つの比較でありますが、お隣中国の防衛費は、御案内のとおり、既に日本を抜いて、現在の公称ベース、公にしているベースでも六倍近く、この一・五倍ぐらい実際はあるんじゃないかと言われています。ですから、防衛費の差ははっきりしている。
実は、防衛費は横ばいだからまだいいじゃないかと言う方がいらっしゃいますが、防衛の装備というのは、新しいものを導入すると値段がかなり上がります。例えば戦車。以前の戦車が新しい戦車に変わると、三倍以上の金額になります。また、潜水艦は一・四倍の金額、哨戒機は二・六倍。当然、最新の装備をもって自衛隊員にしっかりこの国を守らせたい、そういう思いでは、新しい装備を入れる、これは当然だと思います。横ばいで、新しい高い装備をどんどん入れなきゃいけないとすると、逆にどこかを削らないと、どこかにしわ寄せが行かないと、帳尻が合わないんです。増えなかったこと自体がおかしい。誰かが、どこかが、何かがしわ寄せを受けて対応している。
その例を少し御紹介したいと思います。
上の写真は、自衛隊の対地、対艦の主力の戦闘機、F2戦闘機、国産です。この戦闘機が、逆に言うと、今回、日本を守る、日本を攻撃してくる様々な船やそういうものに対して対応する、大変重要なものです。
この航空機は何でこんな姿をしているか。実は、ここで部品取りという言葉を言っていますが、隊員は、これを共食いと言っています。
私は、自衛隊の部隊を何度も見させていただいて、部品が足りない、部品が足りないからこの戦闘機は飛べない、じゃ、どうするか。一つの戦闘機を犠牲にして、その戦闘機から部品を取り出して、そしてほかの戦闘機につけて飛ばす。また部品が壊れたら、犠牲になる戦闘機をもう一機選んで、そこから部品を取り出してほかにつける。
ですから、自衛隊の基地、駐屯地、航空基地に行くと、骨組みになった、このように、形はあるけれども中身がすかすかの、こういう今使わなきゃいけない戦闘機がたくさんあるんです。
何でこうなっているか。部品や整備する予算にしわ寄せが行っているんです。防衛費は増えないからいい、そうじゃないんです。隊員の安全のためには新しい装備が必要だ、それを買うためにはどこかにしわ寄せが行っている、これが現状ですよ。
もう一つ、下の、この自衛隊の隊舎、倉庫であります、見ていただきたい。陸上自衛隊の久里浜の駐屯地、昭和十七年建設、築八十年。
これは何の部隊か御存じですか。実は、久里浜は、長年ずっと通信の部隊、その育成の中心でした。これからは、ここが自衛隊のサイバーの中核となる部隊です。サイバーの中核となる部隊の倉庫が、窓ガラスを割ったら入れるような、実は、こういう戦前の隊舎がまだまだいっぱいあります。これに我慢して自衛隊員は使い続けているんです。予算が増えない、減らないからいいじゃないか、違うんです。しわ寄せが確実に来ている。
私は、必要な予算をしっかり積み上げるだけで、総理がおっしゃる相当の金額ということにならざるを得ないと思います。是非この現実を見ていただいて、国民の皆さんに、自衛隊にこの国を守れというのであれば、それにふさわしい防衛力を、防衛費を持たせてあげていただきたい。それは必ず積み上げてやるんだ、その前提ということになります。
さらに、もう一つ。
今回の提言の中には、NATOのGDP比二%も念頭にという言葉を入れています。なぜこの言葉を入れたか。
今、世界中が、ロシアのウクライナ侵攻を見て、こんなことは駄目なんだ、力による現状変更は駄目なんだ、だからこれを止めさせるんだ、みんなで努力するんだ、こういって、それぞれの国が、私たちと同じ、自由、民主を愛する国が、それぞれの努力で防衛力を増やしているんです。バランスを取るために頑張っている。そして、その一つの目安がNATO基準の二%という数字。
日本も、力による現状変更はあってはならない、そして、日本の周辺を見れば、その心配がある安全保障環境にある。だったら、共に手を携えて、一緒になって努力して、戦争が起きないようにバランスを取っていくために自らの防衛費をしっかりする。その目安は何なんだ、国際的な目安は何なんだと言われたら、私はやはり、NATOでやっている努力、日本もその努力に近づける、それが必要ではないか。もちろん、必要なものを積み上げていくという、それが基本です。ただ、みんなが頑張っている中で日本も頑張る、こういうことも必要だと思っています。
総理は、先般の日米の首脳会談の中で、この防衛費についての言及をしていただきました。あの言葉を受けて、全国の隊員、安全保障関係者、これは大変力を得たと思います。そして、バイデン大統領も、公式な形で歓迎するという意向があります。
是非、この防衛費の増額についてもお考えをお聞かせください。