伊波洋一の発言 (外交防衛委員会)

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○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
 ロシアによるウクライナ侵攻に強く抗議します。
 戦争は市民の命を奪う究極の人権侵害です。改めて即時の停戦とロシア軍の撤退の実現、また和平実現に向けた関係国に対する日本政府の外交努力を求めます。
 七十七年前の沖縄戦では、二十万人余の尊い命が失われ、中国大陸、東南アジア、南洋諸島ではその何十倍もの尊い命が失われました。
 その戦争経験の上に、我が国は日本国憲法の第二章で戦争放棄を掲げ、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と宣言しています。すなわち、戦争を起こしてはならないということであり、戦争ではなく平和外交の役割が重要だということにほかなりません。
 しかし、日本で今しきりに言われているのが、外交交渉ではなく抑止力を理由とする戦争の準備です。沖縄で行われているのは、沖縄の島々を使って台湾有事に高機動ロケット砲で応戦する米軍の訓練です。昨年十二月二十四日にスクープ報道された、米海兵隊と自衛隊による台湾有事共同作戦の原案です。米軍の戦争作戦に自衛隊が関わるということです。
 一月七日の日米外務・防衛閣僚2プラス2協議では、この共同計画作業の確固とした進展を合意したとされています。現在、自民党最大派閥の代表者で一年半前まで首相の任にあった安倍晋三氏は、ロシアのウクライナ侵攻後、米国の核兵器を日本に配備して共同運用する核共有について議論すべきだと述べたと報じられています。核兵器や米軍ミサイルを日本に配備できるようにしようということです。
 日本は、日本国憲法が禁じている戦争に向けて核兵器を含めて準備しようとしているように見えます。とりわけ、南西諸島の沖縄を再び戦場にしようとしているのではないかとの疑念が消えません。日本はなぜ戦争を準備しようとしているのかを含めてただしていきたいと思います。
 沖縄県は今年、米軍の施政権返還、日本復帰から五十年です。五十年前の沖縄返還に向けて、沖縄県民は米軍基地の即時全面返還を求めて闘いました。しかし、一九七二年の日本復帰は県民の求めた米軍基地の即時全面返還ではなく、日米が合意した核抜き本土並みとされ、多くの米軍基地が米軍占領当時のまま残り、米軍の不当な沖縄での土地強奪を日本政府が正当化する公用地暫定使用法の立法で五年の強制使用を強行し、さらに地籍明確化法で強制使用を五年延長しました。その後、一九八二年以降は、駐留軍用地特措法を沖縄県に適用し、収用委員会の裁決で強制使用を続けてきました。
 しかし、一九九五年九月に三人の米海兵隊による少女拉致暴行事件が起こり、県民の怒りが爆発する中、大田昌秀沖縄県知事が駐留軍用地特措法の代理署名を拒否し、米軍占領下の米軍による土地強奪を正当化することができなくなり、土地使用の権原が喪失する状況が生まれました。これに対し、政府は、収用委員会の裁決が出ない場合は首相の権限で使用できるようにしました。
 このように、沖縄の米軍基地に不都合なことや米軍の活動に都合が悪い場合は、沖縄県民の方を抑え付けるための立法をするなど、無視し続けてきたのです。その結果、今日に至るも国土の〇・六%にすぎない沖縄県に在日米軍施設の七〇%が集中し、県民は軍用機の騒音、米軍人による事件、事故、軍由来の環境汚染などに苦しめられ続けています。先輩方の中には、復帰以降、窓口が日本政府になって、かえって基地問題が悪化した、米軍施設の方が、米軍施政下の方が県民の声が届いたとおっしゃる方もいます。
 日本政府はいつまで沖縄だけに基地負担を押し付け続けるのでしょうか。今、県内の米軍基地、自衛隊駐屯地では台湾有事を想定した訓練が繰り返され、県民はこれまで以上の過重な基地負担に苦しめられています。
 配付資料一から六の地元紙のように、二月八日から十三日にかけて、県庁から二キロも離れていない那覇市の中心部にある米軍那覇軍港では、県や那覇市が中止を求める中、米海兵隊の新しい作戦構想である遠征前方基地作戦、EABOに沿って海兵隊約二百五十人が参加し、オスプレイなど軍用機の離発着を伴う大規模な訓練が行われました。
 那覇軍港でのこのような訓練は初めてのことです。復帰当時にまず交わされた五・一五メモでは、配付資料八のように、那覇軍港の使用主目的は港湾施設及び貯油所です。今回行われた訓練は明らかに使用目的に反するものです。
 なぜこのようなことが許されるのか。日本政府として目的外使用に抗議すべきです。せめて、五・一五メモに定められた使用目的に沿った運用を求めるべきではありませんか。

発言情報

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発言者: 伊波洋一

speaker_id: 1359

日付: 2022-03-08

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会