山口壯の発言 (環境委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(山口壯君) 先ほど猪口議員から、国際社会の秩序についてということで、私も環境問題に国境なしということで、このCOP26に臨ませていただきました。他方、そこにはもちろんロシアの代表も当時は来て、そして、この二度あるいは一・五度の、ここにどういうふうに心合わせをするかということで相当真摯な議論をさせていただきました。最終的に、今このウクライナへの侵略ということになっている、でも、これも、乱気流とはいえ、私は中途、中間的な一つの乗り越えるべきところではあるんじゃないのかなと。御指摘のとおり、環境問題がまたいずれこの一つの懸け橋になるかもしれません。そういう気持ちを持って、変わらず取り組ませていただければと思います。
六年前に採択されたパリ協定では、気温上昇を二度未満に抑えるということを目標として、一・五度に抑えることは努力目標とされていました。他方、昨年のCOP26では、最新の科学に基づき、一・五度目標に向け、緩和策及び適応策の更なる強化を締約国に求めることが合意されました。また、長年の宿題であったパリ協定六条のこの市場メカニズムに関するルールも合意に至り、パリ・ルールブックが完成した次第です。
我が国を含む各国の様々な主張があったわけですけれども、それを踏まえた上でこのような合意がまとまったという意味で、歴史的な成果があったCOPであったと思います。世界各地で異常気象が発生し、世界はまさに気候危機とも呼ぶべき状況に直面している中で、これらの成果は極めて重要な進展であったと思います。岸田総理も冒頭、COP26の首脳級会合に参加されて、百億ドルの追加支援のコミットメント等を表明されました。相当現場では大きな熱意でもって歓迎された、そういうことがまた合意形成に向けて大きなインパクトを残したというふうに私も感じた次第です。
加えて、この世界の削減を加速するツールであるパリ協定六条の市場メカニズムの実施指針に関する交渉では、先駆的な取組である我が国の二国間クレジット制度、ジョイント・クレディティング・メカニズムの経験を基に、日本が長い間、積極的に参画し、議論をリードしてきました。
私も環境省に行かせていただいて、この環境省の知見の蓄積というものは物すごく大きいということを肌で実感しています。もう環境省はこの環境に関しては国際会議をしっかりマネージして、そして結果も出していくというところまでこのエキスパティーズを蓄積されているということを非常に肌で感じている次第です。そういう蓄積された知見に基づいて日本案を提案したと。
そして、私からも、米、中、EU、ブラジル等、主要十か国の国・地域の閣僚との二国間協議あるいは全体の閣僚級会合等を通じて丁寧に説明をさせていただいた結果、我々の日本案をベースにこれまとまる見通しが立ったということで、せっかく六条についてずうっと長年の宿題でまとまっていなかったものが今回まとまりそうなんだったら、もうそれを契機に全体の一・五度というところも何とかまとめようじゃないかという機運が生まれました。そういう意味で、COP26の成果に日本が大きく貢献したと思います。日本のこの六条に関する貢献なくして、全体の一・五度の合意は成り立たなかったと思います。
その意味で、COP26としてのこの気候変動対策の方向性と政治的メッセージを示す包括的な文書であるグラスゴー気候合意には、一・五度目標の達成に向け、今世紀半ばまでのカーボンニュートラル及びその経過点である二〇三〇年に向けて野心的な気候変動対策を締約国に求める内容となっています。この中には、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の逓減、すなわちフェーズダウンに向けた努力を加速させることも含まれています。
我が国を含めて各国の様々な主張があったわけですけれども、それを踏まえた上で最終的に合意され、いろんなものがこういう形で合意されました。よくぞ、私自身は、まとまったもんだと。みんな相当最後は苦渋の決断を強いられた面もあったと思いますけれども、議長、シャーマ議長辺りはやっぱり涙ぐんでいましたですね。もうその苦渋の決断、石炭についてこういう格好でまとめるということ、彼的にはもう少し積極的にしたかったんでしょう。でも、全体をまとめるというところで苦渋の決断だったと思います。よくぞまとまったと思います。なお、石炭火力発電については、COPの決定文書に盛り込まれるのは初めてのことです。
COP26における合意を受けて、今後は二〇三〇年までの勝負の十年における更なる気候変動対策の実施強化が極めて重要となります。特に一・五度目標の達成に向けては、世界全体の排出削減の更なる深掘りが必要だと思います。日本が交渉を主導したパリ協定六条の市場メカニズムの実施は、その有効な手段の一つであり、その早期実施のために、国や関係者の能力構築支援が重要であると思っています。
そこで、COP26からの帰国後すぐに、私からCOP26後の六条実施方針というものを発表させていただきました。具体的には、いわゆるジョイント・クレディティング・メカニズムのパートナー国の拡大、今十七か国とパートナーを結んでいるわけですけれども、それを更に広げていこうと。そしてまた、民間資金を中心とした拡大、そして市場メカニズムの世界的拡大への貢献、要するにキャパビルですね、その能力支援構築、それについての日本からの支援、そういうことも取り組んでいくこととしています。
また、方針に基づく具体的な取組として、我が国は、市場メカニズムの実施に関して、各国政府及び関係事業者の体制準備や能力構築を支援するべく、今年の二月と三月の二回にわたってオンラインでの国際会議を開催しました。会議では、日本を含む市場メカニズムを進めている国から取組事例、先行事例を共有するとともに、実施ルールの理解あるいは政府承認、報告体制など、六条実施に向けた能力構築支援ニーズの把握が行われました。あわせて、今後の課題等についても議論が行われました。
環境省としては、今回の国際会議の結果を踏まえて、UNFCCC事務局や関係機関等と連携しながら、アジア太平洋地域を対象に、政府職員あるいは事業者の能力構築支援を展開していきたいというふうに思っています。
さらに、COP26において、都市を含む様々なセクターの取組の重要性が強調されました。特に、都市、地域の脱炭素化に向けた取組を促進することがますます重要となるという認識が共有されています。今月には、脱炭素都市国際フォーラム二〇二二を開催しました。我が国における国と地方の共同モデルを発信するとともに、都市間連携等の国際協力の先行事例についても共有した次第です。冒頭、エマニュエルさんから、大使からオープニングステートメントということで、これ日米連携でこういうものを実施したような次第です。オンラインでやりました。
今後、アジアに向けては、総理から提唱されたアジア・ゼロエミッション共同体についても、このような都市間連携事業や長期戦略の策定支援の重要な役割を果たすと考えています。
最後に、COP26から帰国直後に岸田総理に結果を報告したところ、総理からは、これからは実行のときであり、国内でも体制を更に整えて一層の気候変動対策に取り組むようにという指示をいただきました。
環境省では、新年度から地域脱炭素や環境外交を中心に過去最大の百三十七名の増員ということで体制を抜本的に強化させていただいて、二〇三〇年の四六%削減目標、そして二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に全力を挙げていかせていただきます。先生方、是非、各先生方の御協力をお願いさせていただければと思います。よろしくお願いします。