萩生田光一の発言 (経済産業委員会)
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○国務大臣(萩生田光一君) おはようございます。
令和四年度の経済産業省関係予算案について御説明申し上げます。
初めに、先般のロシア軍によるウクライナへの侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、断じて許容できるものではありません。
この事態を受けて、経済産業省としては、米欧と足並みをそろえつつ、輸出管理等の制裁措置を速やかに実施してまいります。
また、新型コロナウイルスとの闘いがこれからも続く中、事業と雇用を守り抜くため、厳しい業況にある事業者に対する事業復活支援金や、足下のウクライナ危機の影響も踏まえ、皆様の事業や生活に不可欠である燃料の価格高騰に対する激変緩和措置など、必要な支援を迅速にお届けできるよう、引き続きしっかりと対応いたします。
こうした現下の状況への対処と同時に、今こそ、新型コロナによる危機のその先の新しい社会を見据え、先手を打って着実に未来の成長の種をまく必要があります。
成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現に向け、グリーン、デジタル、経済安全保障、イノベーション、人への投資など、重要課題において、政府も企業も共に前に出て投資を行っていくことが重要です。新たな官民連携を構築し、経済と社会を同時に変革すべく、経済産業政策の新機軸に取り組んでまいります。さらに、経済産業省の最重要課題である福島の復興及び廃炉・汚染水・処理水対策についても、一歩一歩着実に歩みを進めてまいります。
このため、令和四年度経済産業省関係予算案として、一般会計三千五百三十五億円、エネルギー対策特別会計七千百八十一億円、特許特別会計一千五百四十一億円、合計一兆二千二百五十七億円を計上しました。また、復興庁計上の東日本大震災特別会計のうち、三百九億円が経済産業省関連予算案として計上されております。
次に、具体的な内容について申し述べます。
第一に、コロナ禍の影響を乗り越え、中小企業・小規模事業者等の雇用、技術といった経営資源を生かした事業価値の向上を実現するため、事業者に細やかに寄り添いながら、事業再構築、承継、再生、生産性向上を支援します。あわせて、下請Gメンを倍増するなど、取引適正化対策を強化し、前向きな投資や賃上げを可能とする、中小企業の取引環境を整備します。
第二に、社会課題の解決を成長のエンジンへとしていくためには、科学技術・イノベーションの力が不可欠です。コロナ後の新しい社会における成長を牽引する先端技術やイノベーションへの民間投資を促進するため、研究開発支援を更に拡充するとともに、その先端技術の社会実装を支援することで、産業の発展につながっていくような、イノベーションが広がる環境づくりに取り組みます。
スタートアップの創出も重要です。本年をスタートアップ創出元年とし、戦後の創業期に次ぐ日本の第二創業期を実現すべく、スタートアップの国内外展開や事業化、社会実装に至るまでの成長段階に応じた支援を通じ、スタートアップの創出やオープンイノベーションの促進に向けた環境を整備します。
第三に、安全の確保を大前提に、安定的で安価なエネルギー供給を確保しながら気候変動問題への対応を進めるというエネルギー政策の大原則であるSプラス3Eをこれまで以上に追求するため、二〇五〇年カーボンニュートラルや二〇三〇年度四六%削減といった温室効果ガス排出削減目標の実現に向け、グリーン成長戦略や第六次エネルギー基本計画に基づき、全力で取り組んでまいります。
その上で、現在検討を進めているクリーンエネルギー戦略において、経済社会を炭素中立型に変革していくための道筋と全体像をお示ししてまいります。
特に、徹底した省エネや、再エネの最大限導入、水素、アンモニアの社会実装の加速化、原子力人材、技術の維持強化や革新炉の開発などを促進します。また、クリーンエネルギー自動車の導入促進や充電設備、水素ステーションの整備を推進します。加えて、昨今の燃料価格高騰に適切に対処してまいります。
また、二〇二五年大阪・関西万博の会場を未来社会の実験場として、新たな技術やシステムを実証する場と位置付け、イノベーションを誘発し、社会実装していくための巨大な装置として活用していきます。
第四に、デジタル技術やデータ活用により、社会課題の解決や新たな価値の提供が迅速になされ、事業規模の大小、中央、地方の別なく価値創出に参画できるデジタル社会の実現を目指します。
具体的には、官民データ連携のための共通技術仕様、アーキテクチャーに基づき個別企業や業種を超えた産業規模でのデジタル化を推進するための基盤を構築するとともに、中小企業を始めとする事業者が地域特性を生かしたデジタル化により地域の課題を解決しつつ、持続的に発展する取組等を支援します。
第五に、社会のデジタル化に不可欠な半導体、データセンター、パンデミック時に経済活動維持の鍵を握るバイオ、医療、脱炭素化に必須のレアアースなどの重要資源といった我が国の戦略技術、物資を特定した上で、安全保障政策を踏まえつつ、技術を適切に維持管理してまいります。
資源調達の多様化や国内資源開発の重要性を踏まえ、海外現地企業も含めた我が国のサプライチェーン強靱化に資する施策を総合的、包括的に進めるとともに、有志国やOECD等との国際連携を通じて、サプライチェーンにおける強制労働の排除や環境等の共通価値の高まりも踏まえたルールの形成を主導してまいります。
第六に、誰もが成長を実感できる包摂的な成長の実現に向けて、ICTを活用した個別最適な学びと創造性を育む学際的な学びの事例創出、普及を行います。加えて、創造性を磨くための出向起業やリカレント教育、デジタル人材育成のための基盤構築等を通じ、人への投資を強化することで、デジタル社会、炭素中立社会における企業の持続的な価値創造の基盤を整備します。
また、コロナ禍で健康という価値が世界的に再認識されました。超高齢社会を迎える我が国が、経済活力を維持向上するための勝ち筋の一つとして、医薬品、医療機器、ヘルスケア分野の競争力強化を図るため、研究開発や社会実装を推進し、人の健康を支えつつ、勝てる産業の創出につながる環境を整備します。
そして、最重要課題である福島の復興と東京電力福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策です。
福島の復興は、一刻の遅滞も停滞も許されないという強い決意の下、廃炉に向け、燃料デブリの取り出しや、ALPS処理水の処分に向けた準備等を進めつつ、ALPS処理水の安全性への理解醸成、風評対策に全力で取り組んでまいります。
今春からの避難指示解除に向け、帰還困難区域における特定復興再生拠点の環境整備を進めるとともに、拠点区域外についても、避難指示解除に向けた方針に基づき、対応を進めます。
加えて、被災地の産業復興に向け、事業、なりわいの再建や福島イノベーション・コースト構想による新産業の創出、福島新エネ社会構想の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。
以上が令和四年度経済産業省関係予算案の概要でございます。
委員各位におかれましては、よろしく御審議いただきますようにお願い申し上げます。