山谷えり子の発言 (憲法審査会)
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○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
発言の機会をいただき、感謝いたします。
四月六日の参議院憲法審査会において、憲法第五十六条第一項の出席の概念、オンライン出席をどう考えるかについて参考人から御意見を伺い、また、ただいま論点を参議院の憲法審査会事務局長、参議院法制局長から論点、そして位置付けや課題の点についても様々説明をいただきました。
衆議院憲法審査会では、緊急時のオンライン出席は現行法でも容認できるという意見を多数とする報告書でありました。しかし、衆議院での議論は、むしろ国家国民の命を守り、復興のスピードアップのために緊急事態条項を憲法に明記することの必要性について、深く考えねばならぬ論点を明確にしたと私は受け止めました。参議院でも論点を深くしながら意見を集約していくことを求めます。
先週の参議院憲法審査会で、憲法学者の赤坂幸一参考人は、緊急事態にこそ審議が必要、例外的、限定的にオンライン出席を採用することも議会の形成権の範囲と言われ、長谷部恭男参考人は、パンデミックの蔓延といった特殊事情にあっては、例外的に必要最小限の範囲でオンラインでの会議開催を認めることはあり得るという御意見でありました。
しかし、様々な緊急事態、例えば大規模地震での停電ではオンライン審議は物理的に不可能でしょう。生物化学兵器の攻撃やサイバー攻撃など深刻なテロの場合はどうでしょうか。これまでも緊急事態を憲法に記すことに反対する意見が出され続けてきました。権力の濫用になるとか個別の法律で十分などという反対論ですが、想像力を欠いているとしか思えません。
世界の多くの国は憲法に緊急事態条項が記されています。緊急事態の発出や終了の手続、議会の関与、内閣の権限行使の範囲など、議論を経て制度設計がなされてきました。日本でも、法治国家として、緊急事態としてどのような状態を規定するか、私権制限についての考え方、内閣の権限行使の範囲、国会機能の維持をどう図るか、国会議員の任期についてなど、具体的規定内容を議論しなければ、国民の生命、財産を守り、被害の最小化を図ることはできません。
すなわち、課題はオンライン出席をどう考えるかにとどまらず、緊急時に国民の命を守る更なる法整備と、憲法に緊急事態条項を明記することや国会の機能維持のための議論を進めていくことが必要です。
災害対策基本法では、首相が災害緊急事態を布告することができるとあるから、それで十分ではないかという主張もありますが、首相の権限は極めて限定的で、強制力、指揮監督権など、曖昧であります。現場を預かり、混乱の中で判断の難しさを経験した人たちは、ないに等しい権限ではないかと思われた方もおられる。私も防災担当大臣を経験したとき、その難しさを感じました。
コロナ禍で、感染症と自然災害に強い社会づくりのために、医療界、看護界、経済界、防災、自治体関係の代表者ら、非常に現場の第一線で働かれている方々、諸団体が連携して、昨年、ニューレジリエンスフォーラムを立ち上げ、関係法令の整備と憲法への緊急事態条項明記の検討を求めています。新型コロナ対策の対応を現場でされている現場意識からのやむにやまれぬ声であります。
憲法審査会が動き始めたことは誠によかったです。憲法改正は国民投票でなされます。時代の変化、現実を見詰め、国民の選択権、投票権を奪わぬよう、更に次のステップへ憲法改正の具体的議論が進んでいくことを望みます。