石田昌宏の発言 (行政監視委員会)
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○石田昌宏君 平均在院日数という言葉を聞いて、その算定どうするんですかって一般に聞いたところ、聞きますと、普通は入院患者さんがどれぐらい在院しているかという日数を調べてその平均を取るんだというふうに思います。それが当たり前なんですね。ですから、平均在院日数を長いものを短くしようというふうに言うんであれば、入院期間が長い患者さんが退院していった方が平均はより早く下がるし、逆に短過ぎる人が退院しちゃうと平均延びちゃうんですね。そういった意味合いで普通あります。したがって、どっちかというと長期入院患者さんを積極的に退院しましょうというのが平均在院日数を短くするときに取られる現場の行動だというふうに思うんですけれども。
資料をちょっとお配りしたんですけど、この厚生労働省が使っている診療報酬に関する通知ですね、これを見ると、平均在院日数の算定式が別紙四の四角の中にありますけど、①に挙げる数を②に挙げる数で割るというふうに書いています。①というのは、当該病棟における直近三か月間の在院患者延べ日数で、②、分母の方が、当該病棟における三か月間の新棟入院患者数と退棟入院患者数を足して二で割るといった式になっています。
我々が知っている平均と随分違うイメージなんですが、これどういうことかというと、下の方に、概算です、細かいところは違いますけど、概算ちょっと書いてみたんですけど、例えば、一般病床だとして、百人の患者さんが毎日入院している病棟が、病院があります。百人毎日入院していますから分子①の方なんですけど、直近三か月の在院延べ日数、在院患者延べ日数ですから、一日百人掛ける三か月、まあ九十日としましょう、そうすると分子は九千になるんですね。これ若干前後あるかもしれませんけど、大体この数字は一定になると思います。
問題は分母なんですけど、分母は、その病院に、その病棟か、その病棟に三か月間で、九十日間で入院した患者さんの数と退院した患者さんの数を足して二で割るということですね。
例えば、極端過ぎる話なんですけど、百人中、百人入院している患者さんのうちの九十人が一年間ずうっと入院しています、もうずうっと入院しています、めちゃくちゃ長いんです。ところが、残り十人が、今日入院してあした退院、今日入院してあした退院と、一泊二日の退院をひたすら十人が繰り返しています。そうすると、分母の方なんですけれども、一泊二日の入院を十人が繰り返していますから、一日当たり入院は十人ですね、十人掛ける九十日ですから、分母の入院側は十掛ける九十になります。退院も同じです。そうすると、これを計算すると分母は九百になるわけです。
したがって、九千の分子と九百の分母を割ると、平均在院日数十日という数字が出てくるんですね。何か一年以上入院している方が九割もいて十日って、何かぴんとこないんです。これ、同じ状況で十人の方がひたすら入退院を繰り返していれば、残り九十人が、今、一年と言いましたけど、多分半年でも答えは同じです。二年とか三年、場合によっては十年入院したって答えは同じなんですね。でも、平均値で取ると、普通の日本語の平均だと全く違うはずです。
このように、診療報酬で言う平均在院日数というのは、我々普通にイメージする平均在院日数じゃなくて、むしろ入退院がどれだけ頻度があったか、そこにいる患者さんの入院期間というのはそんな重要じゃなくて、入退院がどれだけあったかという指標であって、一般的にそういうのを病床の回転率というんですね。
どうして平均在院日数という言葉を使っているのかです。これを仮に使い続けると、様々な誤解がありますけれども、普通は、さっき言いましたように、平均在院日数を短縮しようと思うと、長い入院患者さんが積極的に退院するという状況を医療の現場はつくる努力をするはずです。ところが、そうじゃなくて、回転率の式で現場が動くとすると、長い患者さんは大変だからずっといたらいいよ、だけど平均在院日数を短くしなきゃいけないんだから、検査入院とか一泊二日とか短期で終わる入院だとか、そういった患者さんを一定数確保さえしたら残りの人はいいやという形になった方が平均在院日数の短縮には有利になってしまうといった現場の状況が生まれるわけです。
そうすると、これ医療の目的が、さっきおっしゃいましたけど、病床の適正な資源配分だとか効果、効率だというふうにおっしゃいましたけれども、そこと場合によっては逆行することが起きているのが現場の実情であって、そういったことが本当にエビデンスに基づく政策なのかということです。
今、行政監視の中でエビデンスに基づいて政策を進めてPDCAサイクル回そうというふうに言っているんだけど、そもそもの原点となるデータを求めるための式が、言っていることと中身が全然違っているようなものを示すというのは、全く評価すらできなくなっちゃうんですね。おかしいんだと思います。しかも、それが何十兆円という規模の診療報酬の配分の際の一つの基準になっているわけですね。これは本当に、言い方変えたら恣意的な情勢として言われてもおかしくない、言葉だけきれいに言っておいて中身は全然逆ですよということはおかしいと思うんです。
したがって、せめてこの誤解をなくすためには、名称を変えるとか誰もが理解できるような言葉を使うとか、そういったことをすべきだと思いますが、いかがでしょうか。