賞雅寛而の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(賞雅寛而君) 富山高等専門学校校長をしております賞雅でございます。
議員の皆様には、常日頃、海事・海洋産業への御支援、それから海事・海洋人材の育成に御支援をいただきまして、大変ありがとうございます。
本日は、商船系高等専門学校における船員養成ということで、海事・海洋人材育成について少しお話をさせていただきます。
一ページ目を御覧ください。本日の概要でございます。
まずは、商船系高等専門学校とは何かということと、教育、それから特色のある取組、校内練習船の話、現在の次世代海事人材の育成についてまとめてまいりました。
まず最初に、商船系高等専門学校についてでございます。
三ページを御覧ください。商船系高専についてということでまとめてございます。
商船高専は、明治の最初の頃から各県、各地域に商船学校として設立されてまいりました。大正の頃は十一校ございました。その後、紆余曲折を経まして、昭和四十二年に高等専門学校となっております。その後、昭和四十五年に六百人体制ということで五商船高専の三学級体制、昭和六十年に二学級ずつ八十人ということで五校合わせて四百人体制、昭和六十三年に二百人体制ということで、これは外航船員の養成の方で併せて人数を削減してまいった歴史がございます。
現在、三級海技士の養成につきましては、航海、機関合わせて二百名の入学定員を持っています。大学の方は二校で三百六十名、うち乗船実習科の定員は百六十名でございます。
四ページを御覧ください。四ページは、商船高専の現状でございます。
先ほど申しましたように、二百人体制の入学定員でもって、商船高専は五年半の教育をしておりますので六年生までということで、大体一校二百四十名の商船学科学生が在籍をしております。進路の状況としては、二百名の卒業生のうち、進学、これは商船系の大学、東京、神戸に大体八割方入ります。それから、就職をする者が百六十四人ということで、二百人のうちの八四%が就職をして、一六%が進学をしております。
その進学をした者の内訳でございますけれども、五ページを御覧ください。
五ページは、就職した者のうち海上及び関連産業に九五%、百五十五人が入っているということでございます。そのうち外航の船舶が一五%、内航が五六%、その他、研究船ですとか港湾、公官庁の船で一四%になっています。
続きまして、現在の商船系高等専門学校における教育でございます。バックグラウンドといたしまして、七ページを御覧ください。
七ページは、我が国の外航海運と商船系高専の役割についてということで、現在、世界の人口増加、それから穀物輸送量やエネルギー使用量の増加が見込まれていて、この海上輸送量は非常に増えているということがここに書かれてあります。特に日本は輸出、輸入が経済の肝でございますので、そのうちの大体一割程度を担っているということでございます。
八ページを御覧ください。
これは私の大好きな天ぷらそばでございますけれども、天ぷらそばのうちで日本でできているのが非常に少ないよということが書いてございます。例えば、エビは九五%、ほとんど一〇〇%が輸入でございますし、そば、大豆、小麦粉、これも八〇%から一〇〇%輸入でございます。カロリーベースでまいりますと天ぷらそばの八〇%は海外からということで、一次エネルギーの八五%、これは石炭、石油、LNGでございますけれども、これを世界から輸入をしているということで、こういう国はほかの、世界中で日本だけでございます。
九ページを御覧ください。
九ページは、商船高専が五校ございます。富山、鳥羽、それから広島、大島、弓削があって、一万名以上の海事人材を輩出して日本の海事産業を支えてきたということでございます。そこに各校の校内練習船が一隻ずつ書かれております。
続きまして、十ページ目を御覧ください。十ページ目は、人間の脳の形成でございます。
大体十歳から十二歳頃までに脳の神経というのは確立されて、十二歳から十四歳、二十歳ぐらいまで、ソフトウエアをインストールするような錬成の時期というのがございます。この十二歳から二十歳若しくは二十二歳までの錬成の時期は教育効果が非常に高くて物覚えも速いですし、教育の吸収が非常に効率的だということです。この錬成の時期に五年半の商船教育を行うということで、非常に効率的な商船教育が可能になるということでございます。
十一ページを御覧ください。
十一ページは、商船系大学と同じ三級海技士、航海系と機関系の資格ができる船舶職員養成機関として、教室の勉強とそれから基礎的な航海実習を組み合わせた実践的専門教育を実施しているということになっています。
低学年、大体一年生、二年生は、航海系、機関系コース共通で、船舶の概論ですとか、そういうことを習います。高学年になりますと航海コースと機関コースに分かれまして、それぞれの専門教育を行って、専門的な航海実習を校内練習船及び海技教育機関の練習船で行います。この座学と実習を組み合わせながら実践的専門教育を実施しているということでございます。
十二ページを御覧ください。
十二ページは、実験実習の実習のうちの一つで、安全教育、サバイバル教育、命を守る教育ということで、海面へ飛び込んで、二百メートルほど泳いで救命艇に乗り込んで、救命艇を移動させて、ライフネットを使用して船にまた戻ってくるというような、危険な実習をいかに安全に行うかということを行っています。船は非常に危険なものでございますので、この危険をどうやって克服して作業を行うかというような実習を行っております。
十三ページを御覧ください。十三ページは、座学と練習船実習の組合せでございます。
現在は、海技教育機構の大型練習船による実習を、二年生で一か月、四年生で五か月、六年生六か月でやって、合計一年の乗船履歴を付けて三級海技士免状を取得しております。船というのは非常に危険なものだということをしっかり学んでいただいて、一年生から五年生までの座学と校内練習船実習船の反復教育により、特にメンタルですね、こちらの方の習得、技術の習得を行います。昨今、非常に大事に育てられている子供たちでございますので、小中学校で危険なことは余りやっていないということで、いかに危険な実習を安全に行うかということがこの教育の基本でございます。
十四ページからは、社会貢献と特色ある取組について記載されております。
十五ページを御覧ください。
船は、水、それから電気ですとか、そういうものの供給源ということで、災害が行ったときに練習船を活用して支援物資の搬入を行うですとか、それから給水、シャワーの無料開放、それから、現在はNTTですとかそちらの方と協力して災害時の海上基地を設置しております。また、保安庁や大学練習船と連携をして、震災、天災による災害地域の救援活動がいつでもできるような体制を整えております。
十六ページを御覧ください。
十六ページは、広報活動ということで、この海事、海洋が日本を支えているというようなことを小学校、中学校に教えるということで、議員の皆様の御協力によって、小学校五年生のところに、社会の時間でございますけれども、指導要領で海事、海運の仕事について紹介をする、教育をするということがようやっと認められて、小学生の方でも海事、海洋に関する興味がここのところ高まってきているところでございます。
十七ページを御覧ください。
十七ページは、昨今のSNS、ICTを利用した海事・海洋イベントということで、今中学生はスマホを持っている学生が多いものですから、学生によるウエブ海事イベントということで、コロナの時代にいかに海事、海洋の魅力を伝えるかということを各校で行っております。
その次に、商船系高等専門学校による社会貢献、特色ある取組で、教育学生支援の取組でございます。
海員組合様ほかの海事関連団体にお願いをいたしまして、日本船主協会、海技教育機構などの専門家の皆さんからいろんな教育を受けてキャリア教育を行っています。海事関連の機関の皆様には非常に御協力をいただいているところでございます。
また、国際的な取組として、十九ページに書いてございますように、ハワイ大学ですとかシンガポールで、海洋系の教育機関と連携して国際的なインターンシッププログラムを行っているところでございます。
また、技術革新に対応した教材開発、最新の海運に関する知識、技能を教員が習得、教員自身が習得するために、先生方、教員の皆さんに実際の船に乗っていただいて、その体験を学生に教えるということもしております。
また、二十ページには、社会連携の取組ということで、海洋環境の研究について工業高専や大学と協働しながら行っているということが書かれております。
二十一ページには、志願者確保の取組ということで、特色ある取組の一つでございますけれども、瀬戸内三校、大島、弓削、広島は第二志望、第三志望をお互いに取り合うというようなことも試みております。
続きまして、二十二ページから、練習船、校内の練習船の状況と更新でございます。
二十三ページを御覧ください。
二十三ページは、これ一般的な機械の故障率経過曲線でございますけれども、初期故障が終わって、少し安定なときがあって、摩耗故障が始まるというようなことでございます。
船舶は、寿命、有効寿命が大体十年から十五年というふうにされています。これは、二十四ページに書かれてございますように、海洋は非常に腐食環境が強いということで、耐用年数がどうしても十五年から二十年になってしまうということで、自動車でいいますと大体四十年から五十年に対応するようなことが海上では起きてしまうということでございます。実際に五商船高専の練習船もかなり傷んでいて、外板修理ですとか、そういうことを行って補修をしながら使っているという状況でございます。
また、最後にでございますけれども、商船系高等専門学校による次世代海事人材育成ということで、これは社会実装ということで、社会で必要とされる人材を育成をしなきゃいけないということで、先ほども申しましたように、日本船主協会、それから海員組合様、それから海技教育機構様、それから両商船大学などと意見を交換しながら、実践的な専門英語教育、国際的な教育プログラム拡充、それからe―ラーニング教材、それから現役の船員や海事・海洋人材によるセミナーやOBによる講演会の実施を行っているところでございます。
以上、簡単でございますが、私の方から説明させていただきました。