伊藤剛の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(伊藤剛君) ありがとうございました。
このバイとマルチというのは大変重要な話でありまして、幾つか要素があります。
一つは、もちろんその南シナ海というのは、もうこれも多くの方々が御存じのように、そこを通る船舶は物流の観点で非常に重要なことは言うまでもありません。そういう意味では、本来は機能的な多国間連携ができればいいかなと思うんですけど、しかし、私が先ほど申し上げたこともありまして、中国というのは、そもそも欧米諸国が自分の国から遠いところに領土を持っているのに、自分の隣のところでそこを主張、そこで管轄権ですかね、管轄権を主張して何が悪いんだという立場であります。
基本的にバイといいますのは、やはりその交渉の仕方が、中国とインドネシア、中国とベトナム、中国とフィリピンというふうな、要するに多国間の連携を取らせないやり方というのは常に中国のやり方であります。最近でこそマルチの、多国間の枠組みの中へ出てくるようになりましたが、基本的にそういうことは行わないと。それはなぜかというと、答えは簡単でありまして、多国間の枠組みになると三対四対五、数多く対一になりますので、そういうところはやっぱり出てこないということであります。
だから、マルチとバイを上手に使い分けて、やっとそのTPPに参加したいと言い始めるということは、要するに、中国が基本的に自分たちが貿易に関する一般的な協定に関してある程度影響力を大きく発揮できるんだという、そういう値踏みがあったから出てきているというわけであります。
問題は、じゃ、それでリーダーシップを発揮して、その参加国が全体が利益を享受できるような体制になるかどうかですよね。そこがやはり一番大きな問題でありまして、マルチとバイというのは本当に重要な話で、これが本当にきちんとマルチの状態でできればいいと我々学者はよく言うんですが、実際には、マルチの協調枠組みというのは、ここにも挙げましたとおり、いろんな条件がやっぱり成立をしないとうまくはいかないというふうに考えるわけであります。
まあ笑い話でありますが、このバイはバイラテラリズムでありまして、バイが二で、ラテラルが国と国との関係で、イズムが主義なんですが、大学でその試験を出しますと、これを学生は二つに分けて、バイラとテラリズムに分けて、何か新しい生物テロと書いた答案が多かったので私はかなりびっくりしたということで、そういうことも含めて、やっぱりきちんと用語の定義も含めて多くの方々に教えていくということが重要であるというふうにそのとき思った次第、まあ余談ですが、失礼しました。