北岡伸一の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(北岡伸一君) これも大変な難問でございまして、私は、二〇一八年に安倍総理に任命されまして、パリ合意と経済成長をいかに両立させるかという委員会の座長を仰せ付かりまして、ただ、その頃は産業界の意見はかなり強硬でございまして、まあ両論併記的なやや曖昧な提言を出さざるを得なかったというのが実態でございます。しかし、その後、菅政権になりまして、日本ははっきり再エネの方向にかじを切るという方向になったので、我々は対外的には説明しやすくなりました。
JICAの仕事でいいますと、我々は、日本の周りには化石燃料に依存している国が多いのであります。我々のお得意先の途上国でいいますと、ベトナム、インドネシア、バングラデシュなんか非常に依存しておりますし、また、途上国でない国でいうとオーストラリアというのがございます。ドイツなんかは本当に石炭が切れるのかなというふうに思っていたんですけれども、今はこういう状況で、方々でエネルギー価格が高騰し、この脱炭素、本当にできるのかという状況だというふうに思っておりますが、これはやっぱりやらざるを得ないのでしょうと思いますが。
そういう大きな方向を見失わないでやっていくために、一八年から一九年にかけた懇談会でも、やっぱりこのままではどうもうまくいかないと、やっぱり思い切った投資をしてイノベーションをやっていくしかないというのでイノベーションがキーワードだったのでありますが、その後どういうイノベーションがどれほど進んでいるかというのはいま一つであります。それから、そのときの強い意見の一つは、亡くなられた日立の中西さん、会長が言っておられましたけれども、やっぱり新しいタイプの原発をしっかり開発するという、これもまあイノベーションの一種としてやるべきではないかという御意見で、それも私は排除すべきでないだろうと思います。
だから、エネルギー価格が高騰するこの緊急事態においては、しばらくの間は多くの国で化石燃料はしばらく使うということにならざるを得ないかなと。ただ、長期を見込んで、やっぱり、エネルギーのみならずあらゆる面でもう少し自国でなるべく物を作ると、サプライチェーンも含めて自国で作っていくと。例えば、別の問題でいいますと食料なんですよね。日本は減反政策をやっていますけれども、先祖伝来の良い田んぼがどんどん荒れ果てていくと。これはやっぱりもっと物を作れるようにしていくという方向が必要ではないかなというふうに思っております。