国際経済・外交に関する調査会

2022-04-06 参議院 全78発言

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会議録情報#0
令和四年四月六日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月五日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     森屋  宏君
     小沼  巧君     宮口 治子君
     宮崎  勝君     下野 六太君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         鶴保 庸介君
    理 事
                朝日健太郎君
                柘植 芳文君
                松川 るい君
                森本 真治君
                高橋 光男君
                川合 孝典君
                柳ヶ瀬裕文君
                伊藤  岳君
    委 員
                猪口 邦子君
                宇都 隆史君
                上野 通子君
                太田 房江君
                森屋  宏君
                吉川ゆうみ君
                石川 大我君
                田島麻衣子君
                宮口 治子君
                横沢 高徳君
                熊野 正士君
                下野 六太君
                高良 鉄美君
                ながえ孝子君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        岩波 祐子君
   参考人
       東京大学名誉教
       授        北岡 伸一君
       日本海洋政策学
       会顧問      寺島 紘士君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国際経済・外交に関する調査
 (「海を通じて世界とともに生きる日本」のう
 ち、今後の我が国の海洋政策の在り方について
 )
    ─────────────
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鶴保庸介#1
○会長(鶴保庸介君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、宮崎勝君、小野田紀美君及び小沼巧君が委員を辞任され、その補欠として下野六太君、森屋宏君及び宮口治子君が選任されました。
    ─────────────
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鶴保庸介#2
○会長(鶴保庸介君) 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。
 本日は、「海を通じて世界とともに生きる日本」のうち、「今後の我が国の海洋政策の在り方」について二名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、東京大学名誉教授北岡伸一君及び日本海洋政策学会顧問寺島紘士君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、大変ありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にさせていただきたいと思いますので、どうぞ闊達な御議論よろしく御協力のほどお願いをいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、北岡参考人、寺島参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後三時四十分頃までをめどに質疑を行いますので、御協力をお願いをいたします。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきをいただきたいと思います。
 なお、発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず北岡参考人からお願いをいたします。北岡参考人。
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北岡伸一#3
○参考人(北岡伸一君) 北岡でございます。このように意見を述べる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私の簡単なメモをお手元に配ってあると思いますが、最初に、その海洋の自由と、海洋について考える広い文脈といいますか、前提をお話ししたいと思います。
 今、自由で開かれたインド太平洋というのが二〇一六年に安倍総理から発言されまして、その後、トランプさんもバイデンさんもこれに言及し、支持するという形になっております。他方で、これは一帯一路と、中国の一帯一路と対抗するものというふうに理解していらっしゃる方多いんでありますが、私はそうではないという話から始めたいと思います。
 自由で開かれたインド太平洋というのは、日本の、近代日本の発展の大前提でございました。戦前、日本は、先進国であるヨーロッパと通商をし、旅行をし、また、東に向けてはアメリカと通商をしていったわけであります。こうした自由な貿易、資源の輸入、輸出というのが日本の発展の大条件でございました。
 それは無条件にできるものではなくて、戦前はこれを保障していたのは良好な日英関係でありました。一番典型的には、日英同盟の時代というのはこのインド洋辺りはイギリスが支配していたわけです。また、アメリカとも良好な関係があった、一九三〇年代まではそうでありましたから、これはアメリカがここにいたわけでありますが、ですから、戦後になってみますと、戦後も、この自由で開かれたインド太平洋、特に日本の中東への石油の依存とか、それからアメリカとの緊密な連携というのはやっぱり大変日本の発展の基礎でありまして、基礎条件でありまして、これを保障していたのは日米安保条約と言って過言ではないと思います。
 そしてまた、戦後の日本の発展は、単にこれらの条件に依存していたのみならず、日本の発展が東南アジアに及び、さらにインド洋に及び、この自由で開かれた太平洋と自由で開かれたインド洋を結び付ける役割を果たした、日本自身が積極的な貢献をしてでき上がったものだと言って過言ではないと思います。
 そしてまた、この地域の安全に対して日本は、少しずつではありますが、いろんな役割を果たすようになりました。中東地域に対するODAに始まって、そして湾岸のときには掃海艇を派遣し、その後、徐々にアデン湾の海上自衛隊の派遣等々、いろんな役割を果たすようになっているわけであります。これがあって、一帯一路というのは、むしろこれに対するチャレンジャーだと私は考えております。中国という元来は大陸国家がこの地域にだんだん力を伸ばしてきて、一帯一路ができてきたと。
 その中国の膨張の中にやや無視できない考え方がございます。それは、あるとき、アメリカの海軍高官、あっ、失礼、中国の海軍高官がアメリカの海軍高官に話した、また、それと同じようなことを習近平さんも言っているように、太平洋は十分広いから、ひとつ東はアメリカ、西は中国が安全を保障しようじゃないかということを言ったことあります。これは勢力圏の思想であって、我々が考える海洋の自由とは相入れないものだと思います。私はそのときにアメリカ側には是非、海洋の自由を守るのは力ではなくて国際法だと言ってほしかったんですけれども、まあ私はそう思っているわけであります。
 こうした広い地域を勢力圏で分けていこうというのに対して、そうではないと、広い海洋は通商に開かれ、そして紛争は平和的に解決されるものでなくてはいけないというのが我々の基本的な利害であり理想であるというふうに思っております。
 さて、こういう方向に向けてJICAが何をしているかということを申し上げたいと思います。
 まず、幾つかあるんですけれども、一つは、海洋に我々は取り組んでいくのに、海洋の利用をもっと促進していくと、いろんな格好で海洋を利用しようというのがあり、二番目には、その地域における法秩序の維持をどうするかという問題があり、三番目には、海洋の保全、汚染や何かから守ると、資源を守ると、こういうことであります。そして四つ目には、我々が直面している海洋の、特に一番近い太平洋の弱い部分、太平洋島嶼国の部分をいかにてこ入れしていくかという、そういう順番でお話をしたいというふうに思います。
 さて、海洋利用の推進は、これは古くからあるものでありまして、例えばマラッカ海峡の安全を守ると、それから、その大前提で海図を作るというようなことがございます。それは大変重要でありまして、それからまた、二番目には、港湾の整備。というのは、港湾が非常に効率的に運営されるものであると。日本の戦後の東南アジアへの発展の大きな前提は港湾の整備でありました。港があって、その荷役がコンピューターで管理されコンテナが自由に使われるというのは大変重要なことでございます。
 ちなみに、ここでちょっと余談めいた話をしておきますと、カンボジアにありますシアヌークビル港と、シアヌークビルという港はJICAが支援して造ったものでありました。ところが、何年か前に、これを株式を公開するという動きがあったんですね。そのときに手を挙げたのは、青島の公社でありました。我々は、これはまずいと思って、ここが中国の影響下に入ったら、その株式の一部なんですけれども、やがて全部に持っていって、その港湾の使い方が非常にオープンでないものになる可能性があると。ということで、これは、我々は、JICAのルールのぎりぎりまで頑張って、割合高い値段で買ったんですね。我々が取って、これをブロックいたしました。
 こういうふうに、海洋の自由というのは理想はあるんですけれども、その理想も、やっぱり一方で、我々の国益とどう調整していくかということを常に考えなくてはいけない、そういう例として申し上げた次第です。
 それから、今港湾の整備だと、大物は例えばハイフォンとかいろんなところでやっております。
 それから、最近非常に重要視されておりますが、通信用の海底ケーブルでございまして、これはJICAの出番はそんなに多くないんですけれども、マイクロネシアとキリバス、ナウルと、あの辺りの海底ケーブルを強化すると。これは、実は戦前も日本とアメリカの間でヤップ島問題というのがあって、通信網を誰が管理するかというのは非常に重要な問題でございます。
 御存じの方も多いと思いますが、イギリスの南西にはランズエンドというところがあって、ここは世界中から来たケーブルが地上に上がってくるところなんですよね。ヒトラーもそこにはかなり目を付けていたという、そういう場所であります。
 こういう通信の自由、通信のインフラというのは非常に大事であります。こういうところが今大きな課題になっているところであります。
 さて、二番目に申し上げたいのは、この海洋の法秩序の維持であります。
 これでやっぱり日本が開始して独自の力を発揮しておりますのは、海上保安協力でございます。そこに書いてございますように、ベトナム、フィリピン、インドネシア、スリランカ等にです。特に一番進んでいるのはフィリピンだと思いますが、この地域に海上保安庁をつくると。船を供与し、またその船員を教育すると。船員は選んで、政策研究大学院で一年間座学、勉強します。そして、残りの一年間は広島の海保の学校で勉強します。そして船を供与します。
 ですから、これは国内の法執行でありますから、軍事ではございません。しかし、多少の抑止力にはなるんですね。ドゥテルテさんなんかも、はっきり言えば、いやいや、我々、私、一番困っているのは麻薬だと、麻薬はどこから来るかと、中国人が大陸から持ってくるんだということを言っているわけです。ですから、その麻薬の取締り、密輸の取締りというのは、あんな七千も島のあるところで海上保安庁がなければできません。したがって、こういう島の多い国の海上法執行能力を強化するということが非常に大事で、日本の援助は大変感謝されております。
 最近は、これまで四十メートル級の巡視船だったんですけど、今度は九十メートル級の船を供与いたしまして、大変感謝されております。ここに海保の船が行けば、中国も南にも海保の船を割かざるを得ないと。ですから、そのせいで今、結構中国は南の方に海保の、海警の船を置いているんですね。そういう意味で、こうした海上の自由に貢献し、かつ日本の国益にもいろんな意味で貢献するということをやってございます。
 それから、次にございますが、法整備支援というのは、そもそも旧社会主義国、ベトナム、ラオス、カンボジア等ではきちっとした今日の国際政治経済に通用する法体系がございません。ですから、我々はこれを支援すると。
 日本自身が明治の初期に民法を作るということで大変苦労したわけです。民法、刑法、憲法、いろんな苦労をしましたけれども、特にきちっとした民法、商法がないと国際取引に差し障りがあるわけですね。ですから、日本はナポレオン法典をモデルにフランス系の民法を作った。三回やりました。三十年掛かりました。とにかく、外国のものを持ってきて、それが、国民が納得するものにするというのはなかなか大変なことであります。
 ですから、日本は、こうした外国からの法の輸入において最も経験のあり、最も優れた能力を持っているものでありまして、いろんな大学の先生の援助を得まして、大体ドメスティックな人の多い東京大学法学部の先生も協力してくれて、こういうことをやりまして、いろんなところで感謝されております。
 そして、次は、この法律に基づいて、まだまだ自由に行動できる弁護士さんの活動を支援するようになって、法の支配を強めていきたいというのが我々の念願でありまして、それは海上の法執行にも関係するし、国内の法執行にも関係し、やがて徐々に民主化につながるだろうと、こう期待しているわけであります。
 さて、その海上の、海洋の保全というのはこれまた大変重要なもので、先生方御存じの方が多いと思いますが、今、世界のカレントな話題は、イリーガル・アンリポーテッド・アンド・アンレギュレーテッドなフィッシングを禁止すると。つまり、きちっと法に基づき、そして総量規制した漁業にしないとサステーナブルではないと、これをきちっとしないと次世代が魚を食べれなくなるということでありまして、前のインドネシアのその海洋大臣というのは漁業出身の方だったんですけれども、女性なんですが、彼女は、魚をたくさん捕ることが私の利益ではないと、代々魚が捕れるようにすることが利益だと言って、大変そういう関心を持っておられました。
 それから、言うまでもなく、廃棄物対策、リサイクルというのが大変重要でございます。こういうことをして、ほかのことを含めて水産資源の持続的利用と、次の世代もその次の世代も利用できるようにしようと。
 これは、過去何十年かと比べてみれば、まあ別に中国だけを批判するわけじゃないんですけれども、中国人が食べる魚の量というのは物すごく増えているんですよね。これは世界の中でも非常なウエートを占めていますので、それをきちっと管理しなくてはいけないと。こうしたIUU、イリーガル・アンリポーテッド・アンド・アンレギュレーテッドな漁業の規制は、我々は、アジア太平洋だけではございません、西アフリカなどでもやっております。実際、例えば西アフリカで我々たくさん魚を捕っているんですね、あるいは輸入しているわけであります。ですから、これは、あるいは衛星を使って、あるいは船を使って、その不法な漁業が行われていないかということを我々は各地でやってございます。
 もう一つ、島嶼地帯にはやっぱり防災が非常に重要でございまして、津波も多いわけでありますし、この間もトンガでああいう事件がございました。
 それから、ここにはやっぱり再エネを入れていかなくちゃいけないと。日本自身、その再エネの導入についてはなかなか苦しいステップだったんですけれども、今我々は、再エネへのトランジション、移行をいかに支援するかと、計画を書くことを協力するというようなことも含めていろいろやっております。
 さて、四つ目に触れようと思いますのは、島嶼国支援であります。
 この太平洋に限って言いますと、一番広大な面積を占めている、そこにあるのは太平洋島嶼国です。これは、非常に人口が小さく、経済規模も小さいです。しかし、相対的にその所得はそんなに低くないんですね。ですから、普通の指標でいうと援助額は小さくなってしまうんですよ。しかし、それはまずいというのは私は思いまして、ここは、かつて私、国連大使やっておりました二〇〇五年には、この地域は大体全部日本側だったんですね。かなりもう今は中国側の手に落ちているわけであります。この地域をしっかりてこ入れしようと。
 で、この際、特にコロナがあってこの地域は何が困ったかというと、ほとんど観光で食っている国なので、財政的に非常に困ったんですね。ですから、ここでは緊急財政支援をするというのが大変感謝されました。また、医療が、能力が脆弱でございますので、これはこの地域に限ったことではありませんけれども、コロナが始まってから、JICAでは、世界保健医療イニシアティブというのを始めまして、世界の脆弱な地域の、医療、保健の脆弱な地域になるべく病院を造ろうと。それも、ただ箱物じゃなくて、人材育成と遠隔医療と、そういうものを全部一緒にしたコンプリヘンシブな病院を幾つか造ろうというのをやって、かなり進んでいるところでありますが、特にこの地域では重要だと思っております。
 また、この地域では、医療以前に、やっぱり栄養の取り過ぎと。肥満が大問題でありまして、これはもうかなり深刻な問題で、糖尿病になって足を切断するというケースが相当多い地域なんですね。これまたこの地域に限らず、世界の栄養のイニシアティブというのはJICAがリードしておりまして、二〇一六年のアフリカで始めたものなんですけれども、当時はIFNAと言いまして、イニシアティブ・フォー・ニュートリション・イン・アフリカと、つまりアフリカで飢餓に対して食料を供与するだけじゃなくて、良いバランスの取れた栄養を供与すると。特に最初の数年間に良い栄養を供与しないと発育不全になりがちだというデータからこういうのをやっているようなんですけれども、これが、今、栄養不足だけではなくて過栄養も対象にして、この辺りで特に注視、注意しております。
 また、島嶼国については、人材育成というのは大変重要でありまして、JICAは途上国からいろんな留学生を招くと。主なターゲットは若手の役人なんですけれども、これを日本に呼んでいろんな勉強をしてもらう。その中には、防災も農業も都市計画も、いろいろあるんですけれども、併せて日本の近代化の歴史を勉強してもらおうというプロジェクトを私が数年前に始めました。非西洋から苦労して発展を遂げたのは、日本が何といってもナンバーワンであります。で、文化とアイデンティティーを維持しながら発展してきたと、その歴史をどうぞ学んでください、まあ失敗もしたけれども、こういう国をつくったと、それの方がいいんじゃないかと。開発学というとイギリスに行く人が多いんですけれども、イギリスのように最初から先進国で、しかも皆さんを植民地にしたような国に行くより日本に来たらいいんじゃないのと言って、こう我々は呼んでおります。
 で、我々は留学の枠組みいっぱいあるんですけれども、例えばSDGsグローバルリーダーという枠組みで、この太平洋島嶼国から、毎年一つの島から二人ぐらいですけれども、呼んで勉強してもらいます。そして、彼らが成長し、親日家になれば、なると思うんですけれども、その国の発展にも役に立ちますし、また、それは、その影響は長くもつと思います。
 で、こういうので、我々は、日本で勉強してもらうだけじゃなくて、海外にも、JICAチェアといって、日本の近代化と戦後復興と、そして日本のODAについて勉強してもらう講座を世界の途上国百か国ぐらいにつくろうというのを私はもくろんで、今、四十ぐらいできました。二年ぐらいで四十ぐらいできまして、もうすぐ、あと三十ぐらいできそうなんですけれども、小さな講座を世界の、まあそれぞれの国の東大か京大か、そういうところにつくっているわけであります。
 この難点は、島嶼国ではあんまり大学はないんです。ですから、そういう対象があんまりないんですけれども、そこで代わりに影響を非常に、講師を、我々が頼っているのは青年協力隊、海外協力隊の人々であります。彼らは島嶼国で随分活躍してくれておりまして、中でも、例えばオリンピックというのは、失礼、スポーツの分野です。彼らがいろいろ教えたスポーツ選手というのはオリンピックに随分来ていまして、いろいろ活躍してくれております。
 スポーツと平和というのもJICAが力を入れているものの一つでありまして、それでもって来てもらうと。そして、ちょっと大学が少ないものですから、こういう国では協力隊の人に、もうあらゆる小学校を回って週一回ぐらい日本の話をしてもらうということをしてやっていきたいと。この根っこにあるのは、私は、国づくりは人づくりと、人づくりは国づくりという考え方でございます。そうして人材を養成する、それも親日家を養成すると。その結果、彼らはこっちを向いてくると。そういう人々をつくっていくことが大変大事だと思います。
 最近報道されました、ソロモンで中国と安全保障協定を作ったと。しかし、ロシア非難決議案では、太平洋島嶼国は全部非難決議に賛成です。ですから、そういう意味で、我々は、ちょっとずつその民主主義というハードルを少し下げて柔軟にして、こうした国々を取り込んでいくべきだ、いくべきではないかというふうに思っております。
 最後に一言なんですが、私は、この日本は東南アジアについてはASEAN中心主義でいつもやっているんですが、ASEANの中の特に重要な国、インドネシア、フィリピン、ベトナムと、そして我々の親しいパートナーであるオーストラリア、ニュージーランド、そしてこの島嶼国を合わせた地域を束ねて関係を密にして、そして将来はヨーロッパにおけるEUのような西太平洋連合というようなものをつくれないかなというふうに考えております。その中心になるコンセプトが海洋の自由だというふうに考えている次第でございます。
 時間が経過いたしました。どうも御清聴ありがとうございました。
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鶴保庸介#4
○会長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 次に、寺島参考人にお願いをいたします。寺島参考人。
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寺島紘士#5
○参考人(寺島紘士君) 寺島でございます。
 本日は、この重要な調査会で意見を発表する機会をいただきまして、ありがとうございました。
 私は、今日お配りしたレジュメに沿ってとは思いますが、二十分という時間の中でいくためには、ちょっと最初の方はかなり大きな流れだけを御説明していこうと思います。私の意見陳述のタイトルは、「海を通じて世界とともに生きる日本のために 我が国に必要な総合的海洋政策」でございます。
 御存じのように、海は地球表面の七割を占める広大な海洋空間でして、ずっと長い歴史の中で海を律する海洋秩序は海洋の自由でありましたけれども、二十世紀後半、これが大きく変化をいたしました。やはり、地球人口が増え、独立国も増え、その国々が自分のところの沿岸の海域に対する権利主張をそれぞれ繰り返すというような状況になりましたので、これに対応するために海洋基本計画と、あっ、違う、海洋法条約という国際条約が、長い、十年ぐらい議論をしてようやく二十世紀の一九八二年に成立しました。ただし、それが発効するのには更に十二年ほど掛かって一九九四年にようやく発効したということで、やっぱり海の問題を取り扱うというのは非常に、世界各国が関連しているので、なかなか大変だということが分かると思います。
 したがって、実際に海を、海洋を管理するということになりますと、それはまさに二十一世紀の課題であろうと思います。そういう意味で、しかも、それは我が国だけの問題ではなくて、海を通じて世界とともに生きるという、まさに日本が目指していることになる基盤、土台になるものであります。したがって、国連海洋法条約、それから環境問題が非常に二十世紀起こりましたので、持続可能な開発ということで、リオの地球サミットで行動計画アジェンダ21などが作られましたが、その中でも、海洋については、その第十七章で海域の総合的管理と持続可能な開発というのを沿岸国の義務としていろんな行動計画を定めて、これが十年ごとに開かれる持続可能な開発会議の、ヨハネスブルグ、それからリオ・プラス20などに引き継がれ、二〇一五年には、各国首脳が集まって持続可能な開発目標を掲げる、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダというのが作られているわけです。
 したがって、海の問題をどう取り組むかというのは、我が国の問題でもあり、同時に各国、世界各国の問題ですが、そのときに基盤になるのは国連海洋法条約、そして持続可能な開発の行動計画であります。
 ちなみに、この国連海洋法条約、現在たしか百六十八か国が締約国だと思いますが、アメリカはまだやっておりません。しかし、アメリカは深海底などの規定に対してで海洋条約を批准していないと言われていますが、この深海底部分以外の大部分の規定を国際慣習法という形で認めてやっているということであります。
 そういうことで、この新海洋秩序がつくられ、国連海洋法条約のところで取組が行われているんですが、沿岸国として重要なのは、この海洋法条約によって領海の幅も十二海里に拡大され、さらに、その外側にEEZ、排他的経済水域というのが設けられたというようなところで、これらはまさに沿岸国が管理する、海を管理する問題であります。
 二ページのところにちょっと図を作りましたが、各国の周りに二百海里の海域を図示しますと、御覧になって分かりますように、日本を含む東アジアが、それから、いわゆるオーストラリアに向かっての西太平洋、この辺が非常にEEZが重なっている、重なってはいないですが、まあ重なっている部分もありますけれども、EEZ、各国のEEZで海域がこう埋められているというところであります。
 したがって、これらの海域を、新しいそういう国連海洋法条約、UNCLOS、それから持続可能な開発のための行動計画に基づいてどう管理していくのかというのが非常に重要なものであります。
 我が国は、実は、一九九六年に海洋法条約を批准しておりますけれども、そのときにこの排他的経済水域それから大陸棚に関する法律についても法律を制定しているんですが、この法律自体は急いで作られたものですので、たった四条で簡単な法律です。実際にこの排他的経済水域などをどうやって管理していくのかということについては詳しく定められておりません。
 そういうような状況でありますが、実は各国は、この国連海洋法条約が一九九四年に発効した後、それぞれ各国の海域について法律を定めたり、あるいは政策をつくったりということでやってきております。だから、それが二〇〇〇年代の前半にかけて世界各国でそれぞれの海の取組をしておるんですが、残念ながら我が国は、そういうことに関して言うと、その後の対応がどうも進まなかったという状況でございました。
 そして、そのために、やっぱりこれではまずいということで、二〇〇〇年代に入って、いろんな方々が、これではまずいということを言うだけじゃなくて、経団連とか日本沿岸域学会とか日本財団などから、いろいろな海洋政策、総合的な海洋政策の推進についての提言が出されております。それが三ページのところの我が国の海洋の総合的管理の取組に書いてあるところでありますが、その結果として、二〇〇七年に海洋基本法が制定されました。
 これは、結局、なかなか海洋の問題、いろんな各、非常に幅広い各省にまたがります。なかなかその総合的な取組は難しいという状況でございましたので、二〇〇五年の海洋政策研究財団の提言を基に、二〇〇六年に海洋基本法研究会という、政学産民の関係者、有識者が集まり、なおかつそれに関係府省もオブザーバーで参加して研究会が開かれまして、それで海洋基本法案が検討されました。これに基づいて、二〇〇七年四月に、これは議員立法なんですが、海洋基本法というのが制定されて、二〇〇七年に施行されたということでございます。
 この、一応海洋基本法で、我が国の海洋政策を総合的に進めるための仕組みとして、海洋、六つの基本理念あるいは十二の基本的施策を定めまして、おおむね五年ごとに海洋基本計画を策定して取り組んでいくと、で、内閣に内閣総理大臣を本部長とする総合海洋政策本部を設置するということを定めた海洋基本法ができております。
 これによって、我が国の海洋政策、総合的な海洋政策、それで、その下で各省はそれぞれの海洋政策を進めておるわけですが、なかなか、かなりこの第三期、現在、第三期の海洋基本計画の期間ですが、かなりその当時関係者が実現を望んでいた主要な施策の取組は進んでいき、第三期計画では多くがかなり本格的に動き出してきているというように実感をいたしますが、なかなか進まない部分がある、それは海洋秩序の重要部分である海洋・沿岸域の総合的管理についての取組であります。
 この機会に、残りの時間少なくなりましたけれども、二点、二つの施策の推進を提言したいと思います。
 まず、この三ページ目に行きますけれども、まず一つは、排他的経済水域の開発、利用、保全の推進でございます。
 これは冒頭にも言いましたように、この三ページの図にもありますが、我が国は、四百五万平方キロメートルでしょうか、の排他的経済水域、その内側に領海がありますので、四百四十七万平方キロメートルと言われる二百海里水域を持っておるわけです。しかもこれは、その国の領域ではなくて、国連海洋法条約に基づいて、UNCLOSに基づいて沿岸国に付与された権利義務でありますので、それをきちんと管理していくためには、やっぱりそれに必要な政策を定め、管理、法制を整備して取り組む必要があります。
 で、四ページのところですが、各国は、EEZ、大陸棚を管理するために法制度を整備し、あるいは海洋空間計画などを策定して、自国の周りのEEZの管理の取組を進めております。これはもういろんな国がやっておりますが、例えば、イギリスの海洋及び沿岸アクセス法とか、中国の海域使用管理法とか、いろいろございます。
 しかし、残念ながら我が国ではそのレベルの排他的経済水域あるいは大陸棚管理法というのがまだ整備されていないと。この辺については、やっぱり早急に取り組む必要があるというふうに考えます。
 EEZは、我が国の天然資源の確保、海域の円滑な利用、海洋環境、海洋生態系の保全にとって重要でありますが、それだけでなくて、これ国際的な取組に基盤を置いておりますので、国家の安全保障、そして国際協調、協力にとっても重要な基盤でございます。
 EEZの境界画定等の協議がなかなか日本の周りで進んでおりませんが、この中で積極的に周辺諸国は海洋進出を進めておりますので、その関係でも、我が国がUNCLOSや持続可能な開発利用の国際的取組に基づいてEEZをきちんと管理するということを示すことは極めて重要であると思います。
 そこで、この関係では、EEZ、我が国のEEZの開発、利用、保全、管理を進めるための提言ということで、そこにありますように、我が国の排他的経済水域を国際約束並びに海洋の持続可能な開発利用のための国際的取組に基づいて総合的に管理するため、排他的経済水域管理法を制定すると。その法律に海洋空間計画の策定、施策の推進体制その他EEZの管理に必要な事項を定めるということと、具体的にどうするかという点につきましては、この我が国の排他的経済水域は亜寒帯から熱帯までをカバーする広大な海域ですので、これを全部一つの計画でというのは難しいので、中規模の海域に、幾つかの中規模の海域に分割して、その海域ごとに海洋環境、海洋生態系、天然資源、海域利用等に関するデータ、情報を整理、分析して、それに基づいて海域の持続可能な開発利用、海洋生態系の保全、多様化する海域利用の推進などの海域計画を策定するということが必要ではないかということでございます。
 それからもう一つ、これも重要なのは、海域の管理の、まず沿岸からその排他的経済水域、更にその外側の公海というようなふうになるわけですが、そういう意味では、我が国の海の重要な部分である沿岸域の総合的管理、これも実は国際的にはかなりもう各国が進めております。二十世紀の後半のやっぱり高度経済成長で各地で沿岸域の環境、生態系の劣化が進み、生物資源や沿岸域の利用の競合などの問題が生まれましたので、アメリカのサンフランシスコ湾辺りから始まった沿岸域の総合的管理の取組、これは各国に広がっております。
 そして、リオの地球サミットで、アジェンダ21の第十七章が、沿岸国は自国の管轄下にある沿岸域及び海洋環境の総合的管理と持続可能な開発を自らの義務とするというような行動計画を定めたことによって、この沿岸域の総合的管理、国際的にはインテグレーテッド・コースタル・マネジメント、ICMと言われて、この政策がもう世界各国で進められているということであります。
 それに対して、我が国でも、各地で沿岸域の環境問題に対して地域の人々がこの沿岸域の環境回復や森川里海の連携などに取り組み、政府や地方もそれなりに対応してきておりますが、国際的に取り組まれているICMとして通用する沿岸域の総合的管理はまだ制度的に確立していない。海洋基本法もこの問題を取り上げておりますが、なかなか進展して、制度的な、しかも国、地方が連携、協力してやるという取組はなかなか進んでいないということであります。
 この沿岸域の総合的管理の推進に関する提言もそこに大きく四点掲げておりますが、重要なポイントはその①、我が国は三万五千キロという長い海岸線がございますが、その長い海岸線に沿った沿岸域を、海洋・沿岸域の総合的管理と持続可能な開発利用のための国際的な取組を念頭に置いて総合的に管理する、そのために沿岸域管理法を制定する。その同法は、我が国沿岸域の陸域及び海域を沿岸域として一体的に捉えて、その環境、生態系の保全、開発利用に、ここが重要ですけれども、国、都道府県、市町村が重層的に、総合的に取り組むシステムを構築するということでございます。
 ちょっと時間なくなりましたので、詳しい内容については②、③、④というようなことでありますので、それはそちらを御覧いただければと思います。
 取りあえず、これで私の意見陳述を終了させていただきます。ありがとうございました。
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鶴保庸介#6
○会長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、大会派順に各会派一名ずつ指名し、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 また、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように協力をお願いをいたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
 猪口邦子君。
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猪口邦子#7
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 自民党、猪口邦子でございます。
 まず、北岡先生にお伺いいたします。
 北岡先生は、学者でいらっしゃいまして、また国務全般へのアドバイザーでもあり、またJICAの理事長あるいは国連大使として国務の重要な一翼を担ってくださいまして、心から敬意を表するものであります。
 本日は、御発言の中で、私は理論的に非常に興味深いと思った点がまず二つありまして、まず一つは、この開かれた自由なインド太平洋であれ、開かれた自由な海洋秩序に対するチャレンジャーとしての一帯一路であって、その逆ではないということですね。一帯一路があるからそれでこの開かれた、自由で開かれたインド太平洋というものが出てきたわけじゃないという、こういうまず基本理解ということと、あともう一つは、海、海洋政策というときに、海と島嶼諸国のセットで考えなければならないと。つまり、海対大陸であって、その島嶼諸国は海洋政策の中に入る、そういう概念整理をすると、自動的に先生のおっしゃったような、防災、栄養、あるいは気象研究などの共同研究なども重要ではないかと思いますけれども、そういう様々なことが入ってくるだろうと思ってお伺いしました。
 私は、せっかくこのタイミングで先生に国会に来ていただいているわけですから、ウクライナの問題ですね。ここは、クリミアを併合をロシアがしたということ自体、不凍港を求めてという昔からのすさまじい情念、そして、そのような展開をし、今回それを、そこの地域を拠点にウクライナの軍事侵略を行っている。
 今後、その自由で開かれた海洋秩序ということを考えるときに、それぞれの大陸国家も実はその海洋国家でもあるわけですけれども、実際には自己認識として大陸国家だと思って、自由で開かれた海洋秩序に余り関心を持たなかったり、そして、そういう不凍港や特定の港に対するその勢力圏的な発想で対応しているという複雑なことが絡み合ってこの問題の背景があると思いますが、この時点で先生が、このウクライナに対する軍事侵略と一般的にこの自由で開かれた海洋秩序ということ、ロシアは紛れもなく海洋国家でもあるにもかかわらず非常に大陸国家としての発想を持っているというようなことについて何らかの御示唆があれば、お伺いしたいと思います。
 それから、今後ウクライナに平和が戻った場合に、その自由で開かれた海洋というのは全ての国のものでありますから、そういう意味で、その考えのオーナーシップを比較的そのランドロック型の国に対しても共有してもらう、こういう秩序の形成の在り方というのに何か御示唆があれば、お伺いしたいと思っております。
 また、海上保安庁の、また海保協力の役割の重要性ということ。ここは、まさに麻薬、あるいは私も一時関わりました小型武器に関する非合法の取引の拠点などにそういうところがならないように、海洋の法執行をきちっとやるということがとりわけ重要という御指摘ですけれども、これについて何か今後更に積極的に展開していくべき点があれば、またそれをお伝えいただきたいと思っております。
 それから、寺島先生には、様々な今までの御貢献、有り難く思っておりますが、この海洋の政策及び研究を進めるに当たって、今、国連の定めるオーシャン・サイエンス・ディケードですね、海洋科学の十年の中におりますので、その文脈の中で海洋科学研究そのものをもう少し深めていく、これについての方法についてお考えがあれば、まずお伺いしたいと思います。
 では、北岡先生からお願いします。
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北岡伸一#8
○参考人(北岡伸一君) 猪口先生、御質問ありがとうございます。
 最初に触れられた中で、島嶼国について私が触れたところについて一点補足させていただきますと、我々は、その自由で開かれた海洋、これは普遍的に世界にある、それを支持しなくてはいけないと思うんですけれども、それはやっぱり弱いところがあるんですね。本当に、パラオのように人口二万人で、これは今台湾と組んでいるんですけれども、これが中国になったらやっぱり相当な影響はあると思います。しかも、パラオはフィリピンに割合近いところにあるんですね。日本の位置的にも大変重要だと。したがって、普遍的な原則なんだけれども、それを維持するためには弱いところをしっかりサポートしなくてはいけないという点で特に申し上げて、そこに注目していただいてありがとうございます。
 ウクライナ問題なんですけれども、私は、国際紛争を解決するために武力を使ってはならないと、必ず平和的に、調停か外交か法的、裁判、そういうもので解決すべきだというのは、国連憲章第二条でありますけれども、のエッセンスでありますが、これは人類が到達した最も重要な合意だと思っているんですね。これを踏みにじるようなことは絶対許されるべきではないと思います。
 その中に明確に書いてあるんですが、軍事力の行使のみならず、軍事力による威嚇も違法なんですよね。ですから、開戦の前にロシアがやるぞやるぞと言っているのも、あれも違法なんです。ですから、これは困ると。こういうことに反感を持つ国は世界に非常に多いので、百四十一か国もがロシア非難の方に行ったわけであります。反対は五でありまして、棄権が三十幾つ、不投票を入れてありましたけれども、私は、この、こうした棄権や投票しなかった国をなるべく抱え込んで、そして外交上のプレッシャーにしていくと。幾らロシア、中国が平気だと言っても、圧倒的多数があなたたちを批判しているよと言ったら、やっぱりちょっと動揺すると思うんですよ。
 さっきちらっと触れましたように、ソロモンは中国とある種協定を結んだんですけれども、この問題については中国と態度を変えてロシアを批判する側になったんですね。こうした国々、こうした小さな国は、力による支配は困るんです、彼らは。力でもって自分の国益を開けると思うのは大国です、超大国です。
 ですから、海洋とランドロックにかかわらず、ランドロックでも中央アジアの国々とかそれからコーカサスの国々なんかはむしろロシアに被害を受けていますから、そんなに自分たちで海にコミットしているというよりは、もう少し海洋の自由の根っこにある根本的な原則、例えば麻生さんが外務大臣のときに自由と繁栄の弧ということを言われたのは、あれはウズベキスタンだったと思います。そうしたソ連から独立した国々が発生、生まれつつあると、まだ生まれつつある民主主義があると。そういうのは国民の声が反映する政治が長い目で大事だと思いますよと、日本はそれをサポートしますよということを言われたので、そういうことに共感する国はランドロックトカントリーにも、中にもあるというふうに思っている次第であります。
 それから、海上、海保協力が非常に重要だということは、まあ先鞭を切っているんですけれども、私、現場行きましたけど、オーストラリアの船もあるんですね。日本の船もあって、オーストラリアの方が大きかったんですけれども、日本の方がずっと効率がいいんです。今度また大きな船を造って、これは御質問いただいたついでに便乗してしゃべっているんですが、日本の海保、船造る能力はもうあっぷあっぷなんですけれども、非常に方々から欲しい欲しいって言われているんですね。ただ、さっき言ったとおり、南に増やすことも日本に、日本の尖閣周辺の利益になるんですよね。
 この際、やっぱりいろいろ武器を出すかどうかで、海保の船をあげるときに銃座を付けていいかどうか、これはODAではやめておこうというような、そういうことをやるんですよね。私は、ちょっと便乗しての発言で恐縮なんですけれども、明らかに防衛的な国々に対してはもう少し防衛装備品輸出原則を緩めて、武器を、武器に近いものをあげてもいいのではないかというふうに思っています。
 それから、この間のウクライナ問題で私非常に印象的だったのは、ケニアの大使の国連での発言でございました。彼ら、彼は言ったんですね。我々の国境はロンドンやパリやリスボンで決められたと、我々が関与しないところで決められて、いろいろ不満はあると、しかし、これを力で変えようとは思わないと。それはまあ大原則だと思うんですよね。そういうふうに思っているアフリカの国は多いのですが、アフリカに結構棄権はあったんですね、ロシアに対して。
 ですから、それは一つは、ロシアに対する反感のみならず、あらゆる超大国に対する反感があるんですよね。ですから、アメリカが現に法の支配と言っているけど海洋法やっていないじゃないかというのがあって、ですから、やっぱり法の支配を強めていくにはいろんな、いろんなフロントの努力が必要なんじゃないかなと思って、いろんな法システムの中には、猪口大使の御経験どおり、やっぱり超大国に有利なようなルールっていっぱいあるんですよね。そこのところを、我々は非超大国の、大国、中国、中堅国、小国と組んでやっていくのがよいのではないかなというふうに思っております。取りあえず。
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鶴保庸介#9
○会長(鶴保庸介君) 寺島参考人、大変申し訳ございません。十分ちょっと経過しておりますので、コンパクトにお願いいたします。
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寺島紘士#10
○参考人(寺島紘士君) まさに海洋の問題の取組として十分重要だということで、ディケード・オブ・オーシャン・サイエンスというのが定められて、まさに国際的にこの問題、協力して取り組んでおるということであります。
 このやっぱり海の問題は科学的な研究が進まないとなかなか手が付かないので、これはもう国連海洋法条約でもそういうことを取り入れておりますし、それから技術の移転ということも海洋法条約自体に盛り込まれているものでございます。
 それを具体的にどう進めるのかということで、ユネスコにIOCという組織があって、ユネスコIOCは海洋空間計画なんかも、そういう開発して皆さんに、各国に提供するというようなことをやっていますが、そういうところが中心になって、やはり二〇三〇年まで各国がこの取組を進めるんであったら、この海洋サイエンスを進めると同時に共有するということが大事だということで取り組んでいると思います。
 ですから、これ特に、それぞれの国がやる、あるいは共有するというのは、先ほどもちょっと図で示したように、小島嶼国とかそういう国々は自分たちでやろうとしてもなかなかできない。ですから、国際社会が全体として協力して、そういうところにも手を貸してやっていくというような意味でも非常に重要だと思うんです。各国だけに任しておくんじゃなくて、全体として取り組むというのでオーシャンサイエンスのディケードは非常に重要だと思っております。
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猪口邦子#11
○猪口邦子君 ありがとうございます。終わります。
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鶴保庸介#12
○会長(鶴保庸介君) 質疑を続けます。
 石川大我君。
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石川大我#13
○石川大我君 立憲民主党の石川大我でございます。
 今日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 また、お二人の先生方からは大変貴重な御意見をいただきました。御礼を申し上げたいと思います。
 お二人にお伺いをしたいというふうに思います。
 ロシアによるウクライナ侵攻が開始され、一か月半近くがたちました。今日現在、残念ながら停戦の兆しというのは見えませんが、ロシアへの輸出入禁止措置が講じられていること、そしてロシア隣国との物流の停滞に関しまして、我が国が抱える問題点として、当調査会でも以前より議論をされてきました。
 国際情勢に左右されないエネルギー、鉱物、物質等の安定的な供給の確保という観点から、現在、また今後情勢が不安定な中ではありますけれども、我が国が、この課題、つまり国際社会に、あっ、国際情勢に左右されないエネルギー、鉱物、物質資源の安定的な供給の確保ということ、これをどのように解決、推進していくべきであるかというふうにお考えになっているかをお聞かせいただければというふうに思います。
 ウクライナ侵攻というのもありますけれども、コロナ禍というキーワードも交えながらお話をいただければと思います。
 初めに北岡参考人からお願いをいたします。
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北岡伸一#14
○参考人(北岡伸一君) これも大変な難問でございまして、私は、二〇一八年に安倍総理に任命されまして、パリ合意と経済成長をいかに両立させるかという委員会の座長を仰せ付かりまして、ただ、その頃は産業界の意見はかなり強硬でございまして、まあ両論併記的なやや曖昧な提言を出さざるを得なかったというのが実態でございます。しかし、その後、菅政権になりまして、日本ははっきり再エネの方向にかじを切るという方向になったので、我々は対外的には説明しやすくなりました。
 JICAの仕事でいいますと、我々は、日本の周りには化石燃料に依存している国が多いのであります。我々のお得意先の途上国でいいますと、ベトナム、インドネシア、バングラデシュなんか非常に依存しておりますし、また、途上国でない国でいうとオーストラリアというのがございます。ドイツなんかは本当に石炭が切れるのかなというふうに思っていたんですけれども、今はこういう状況で、方々でエネルギー価格が高騰し、この脱炭素、本当にできるのかという状況だというふうに思っておりますが、これはやっぱりやらざるを得ないのでしょうと思いますが。
 そういう大きな方向を見失わないでやっていくために、一八年から一九年にかけた懇談会でも、やっぱりこのままではどうもうまくいかないと、やっぱり思い切った投資をしてイノベーションをやっていくしかないというのでイノベーションがキーワードだったのでありますが、その後どういうイノベーションがどれほど進んでいるかというのはいま一つであります。それから、そのときの強い意見の一つは、亡くなられた日立の中西さん、会長が言っておられましたけれども、やっぱり新しいタイプの原発をしっかり開発するという、これもまあイノベーションの一種としてやるべきではないかという御意見で、それも私は排除すべきでないだろうと思います。
 だから、エネルギー価格が高騰するこの緊急事態においては、しばらくの間は多くの国で化石燃料はしばらく使うということにならざるを得ないかなと。ただ、長期を見込んで、やっぱり、エネルギーのみならずあらゆる面でもう少し自国でなるべく物を作ると、サプライチェーンも含めて自国で作っていくと。例えば、別の問題でいいますと食料なんですよね。日本は減反政策をやっていますけれども、先祖伝来の良い田んぼがどんどん荒れ果てていくと。これはやっぱりもっと物を作れるようにしていくという方向が必要ではないかなというふうに思っております。
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鶴保庸介#15
○会長(鶴保庸介君) 寺島参考人、引き続きお願いいたします。
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寺島紘士#16
○参考人(寺島紘士君) 直接ロシアのウクライナ侵攻ということとすぐに結び付かないかもしれませんが、このエネルギーの問題、鉱物資源を含めまして、海洋というのは非常にいろいろな可能性を秘めている。それで、かつてはそれは可能性にすぎなかったのが、どんどん今実用化に進んでいるというところだと思います。
 例えばエネルギーでも、いわゆる風力あるいは波力とか、さらには潮流なんていうあれもありましたけれども、とにかくそういう自然エネルギーの利用、それから海底における鉱物、まあ石油などは海底油田からの掘削も含んでおりますが、海底にはいろいろな鉱物資源もございます。ですから、例えば、今なかなか、ITなどで重要な鉱物資源、まあ中国に依存しているというような話もよく聞いたりしますけれども、これが海底からもそのレアアースが取れるというようなことの研究もかなり具体的な方向まで進んできております。
 ですから、少し自分たちの身の回りの海、日本の周りには浅い海だけじゃなくて非常に深いところの海もございますので、そういう海の資源あるいは環境資源をうまく活用して海とともに生きる、世界の国とともに生きるだけでなくて、海とともに生きるということでやるといろいろなあれが出て、可能性が今現実に向かってきていると思います。
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石川大我#17
○石川大我君 ありがとうございます。
 そうしましたら、ちょっと順番逆にさせていただいて、寺島さんから先にお伺いを、参考人から先にお伺いしたいと思っておるところなんですが、ちょっと時間もない中なので少し短めにお話ししますが、第三次、あっ、第三期の海洋基本計画というところで、離島の保全等及び排他的経済水域等の開発等の推進施策で離島の保全ですとか振興というのも深く盛り込まれていると思うんですが、今後の定期改定で、日本には七千近い、正確には六千八百四十七だそうですけれども、この離島に対して、SDGsの観点も踏まえて、具体的にはどのような政策を国としてしていくことが離島、ひいては私たちの国全体の利益になるか、離島の政策について少しお話をいただければと思います。
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寺島紘士#18
○参考人(寺島紘士君) まさにおっしゃるように、我が国も、この海洋時代の我が国の姿を見ますと、日本の二百海里水域、四百四十七万平方キロメートルというふうにありますけれども、それの根拠となる陸地、陸域は、北海道、本州、四国、九州以外のところにたしか六割依存しているんではないかと思います。その中でもこの有人離島は非常に大事な役割を示しているところでございまして、国としてもかなり、それについては法律も制定していろいろ、あるいは支援策も含めて取組は進めていると思います。
 ただ、一つここでも申し上げたいのは、実は我が国が海を管理するためには国だけじゃなくて地域も、いわゆる沿岸域の総合的管理なんかまさにそれですけれども、地域も自分たちの目の前の海を自分たちの生活の場として使っておりますので、海、海域も管理する、管理するという言葉はちょっときついですが、海域も活用して自分たちの生活を考えるとともに、国のためにもその役割を果たすということが重要なんです。そのためには今の制度というのは非常に不十分で、古い制度といいますか、市町村域には原則として海域が含まれておりません。
 ですから、これも変な話ですけれども、いわゆる出入りする我が国の沿岸域では、同じような地形でもあるにもかかわらず、何々湖と、湖と、例えばサロマ湖とか浜名湖と付いていれば市町村の海域になるんですが、そうじゃなくて、何々海とか、ちょっとそういう名前が付いているのは市町村区域になっていないんですね。海域は基本的に日本では市町村区域に含まれて、現在の制度では含まれておりません。
 だけど、それは非常にまずい話で、例えば、沖縄の竹富町というのは竹富島だけじゃなくて西表とかいろんな島から成り立っておりまして、そこには石西礁湖というサンゴ礁で有名な海もあります。ただし、名前は石西礁湖と湖の名で付いているんですが、実はそこは、竹富町としては竹富町の海洋基本計画というのを作って、その石西礁湖を竹富町の海域に含めると、それについてはいわゆる地方交付税の算定基礎にしてほしいという陳情を二回にわたって沖縄県を通じて総務省に出しておりますが、認められておりません。
 だから、ちょっとそういう制度的にもきちんと検討する問題があるというふうに思います。そうやってやっぱり離島を全体の中できちんと位置付けて、離島の皆さんもう一生懸命やっておりますのでそれを支援し、我が国の国土を活用して……
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鶴保庸介#19
○会長(鶴保庸介君) 時間が来ております。コンパクトにお願いいたします。
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寺島紘士#20
○参考人(寺島紘士君) はい。
 いくことが大事ではないかと思います。
 済みません、長くなりました。
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石川大我#21
○石川大我君 大変貴重なお話ありがとうございます。
 時間が来ておりますので、北岡先生には後ほどまたお伺いしたいと思っております。
 ありがとうございました。
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鶴保庸介#22
○会長(鶴保庸介君) 御苦労さまでした。
 それでは、引き続きます。
 熊野正士君。
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熊野正士#23
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。
 本日はお二人の参考人から貴重な御意見を賜り、感謝申し上げます。ありがとうございました。
 まず、北岡参考人にお伺いしたいと思います。
 自由で開かれたインド太平洋構想は、日本外交の中心的な構想として定着しつつあると思います。これを充実させる方法として、一番最後にも参考人の方からお話ございましたが、西太平洋連合、こういった主張をされておられます。これは、日本、東南アジア諸国、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋島嶼国などから成る緩やかな連合体として、ヨーロッパのEUに匹敵するような構想だというように理解をしてございます。
 岸田総理は、今回のロシアによるウクライナの侵略を通じて、欧州のみならずアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、今回のウクライナ侵略のような力による一方的な現状変更をインド太平洋、とりわけ東アジアで許してはならないと、これが日本の外交、安全保障を考えていく上で最も重要な点だと国会でも答弁をされています。
 この観点から、参考人が提唱されているこの西太平洋連合、私としては重要な提案ではないかなというふうに考えてございますけれども、この連合に向けて、何か具体的に、どのような、どこから手を着けていけばいいのか。先ほどASEANでは例えばフィリピン、インドネシア、ベトナムというような名前も挙げていただきましたけれども、その辺のところで御教示をいただければと思います。
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北岡伸一#24
○参考人(北岡伸一君) 御質問ありがとうございます。
 これは私の思い付きで提案したものなんですけれども、例えば三年ほど前にインドネシアのスラウェシで大きな地震がありました。そのときに世界中から緊急援助が行くんですね。その次は、一段落したら次は復興計画になります。そのときにインドネシアは、復興はいろいろ案が錯綜しても混線するだけだから、ここはひとつJICAさんだけにお願いしたいと、日本だけにお願いしたいと言ってきたんですよね。こういう関係が徐々に築けないかなというふうに思っているんですね。
 我々、この防災はですから一つの鍵でございます。不幸なことに、日本、フィリピン、インドネシア、それからベトナムもかなり災害の多いところなんです。この災害のときに直ちに助け合うようなネットワークが一つ考えております。
 この点の日本のネックは、日本は足が遅いんです。よその国の緊急援助隊、JICAは立派な緊急援助隊があって世界でもAクラスにランクされているんですけれども、民間機で行かなくちゃいけないんです。よその国は軍用機で行きます。そうすると、数年前にネパールで地震があったときも、我々が入るのはどうしても一日や二日遅くなっちゃうんですね。
 それで、最近、私は防衛省とお話しして、岸大臣にもお話をして、こういう幾つかの災害が起こりやすい国でよく知っている国にはもう即行けるようにしてくれないかという話を始めておりまして、それが実はトンガのときに割合早く協力できた、はっきりした形になっていませんが、の一つであります。
 また、防衛大学校の校長に昨年、久保さんという私の親しい友人がなったものですから、彼と話し合って、防大の学生さんに国際協力もいろいろ知ってもらおうというので、夏にインターンに来てもらおうというのを始めまして、去年はまだちょっとだったんですけれども、来年からはもうちょっと長く、つまり防大の四年生は他の大学のように就職活動をしませんので、就職決まっていますので、割合来やすいと、できれば海外のそういう事務所にも行ってもらおうというのを考えています。
 ほかにも幾つかあるんですけれども、大きなポイントは、我々は、EUにはEUの、ヨーロッパのその知識人の対話のネットワークがあるんですよね、これがまだ弱いんです。
 私はこれまで、日米、日中、日英、日独、いろんな二国間対話の委員をやっておりました。しかし、日本にとって非常に重要な東南アジアと対話の枠組みってほとんどないんです。一度だけ日本、シンガポールという枠組みがあって、私それに出たことあるんですけれども、そういうのをもっといっぱいやって、民間の学者も入るし、政治家の先生方も、猪口先生みたいな方には入っていただいたりして、それで、しょっちゅう集まって議論をするという知的ネットワークをつくるのが大事じゃないかと思っています。それだったら時差もありませんし、まあ今だったらオンラインでできますけど、まあでも、ちょっと来週でもバリ島かセブ島か沖縄で集まらないと言ったら集まれるような、そうしたツーカーの仲の人間をたくさんつくっていくということが非常に大事なんじゃないかと。
 もちろん、西太平洋連合なんていっても、欠点を探せば、あるいは、これはまだ未成熟だと、いっぱいあります。あるけれども、まあ日本の悪いところは、何か案が出たらけち付けることが多くて、前向きにやろうというのがないものですから、こういう案を何か作っていって、そうした無形の知的なネットワークをつくっていくということがお互いの信頼関係の醸成にも大事で、それを長く続けるためには、やっぱり留学生をたくさん入れることだと思っています。日本に留学してもらうと、そして英語の授業をして、親日派になってもらうと。
 これをつくっていくということは、立派な親日派の知識人なり行政官ができたら、三十年、四十年もちます。これは私、JICAの理事長になったときに一番力を入れてきた点なんですけれども、そういうのを中心に、知的ネットワークというのは今一番重要かなというふうに思っております。
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熊野正士#25
○熊野正士君 ありがとうございます。
 一つの切り口として、防災というふうなことも切り口になるということと、あと、知的ネットワークをしっかりとつくっていくと、日本はちょっと弱いというような御指摘もいただきました。
 それに関連するといいますか、日本とASEANとのこの関係を発展させる大きな要因って、先ほど留学生という話もしていただきましたけれども、人の流れといいますか、交流というふうにも参考人の資料読ませていただきました。外国人労働者あるいは留学生などの受入れが大事だということだと思いますが、日本がODAに協力した東アジアの国々は、西洋諸国が支援したアフリカ諸国と比べると著しく発展しているんだというふうなことも資料で読まさせていただきました。まさに、日本こそが開発学の本場で、発展途上国の若者には日本の近代化や開発協力の経験を学んでほしいというふうにも記載がされてございました。
 この人的資本ということで、交流に非常にJICAとしても力入れていたということですけれども、何か政府としてといいますか、国としてその辺で支援できるようなことがあれば教えていただければと思います。
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北岡伸一#26
○参考人(北岡伸一君) やや大げさに聞こえるかもしれませんが、私、本当に開発学の中心は日本であるべきだと思っておりまして、そのために、できれば、もし先生方の御協力が得られれば、日本に国立の国際協力大学院大学みたいなのをつくって、そこに世界中の人を呼んでくるというのをやりたいなと。まあ今もあるんですけど、あるというか、いろんな大学に受け入れていただいているんですけど、そういうのが、国際協力大学院があればいいなというふうに思っています。
 それから、今、既にいろんな方に来ていただいているんですけれども、若手の官僚、若手の、官僚というのは途上国では一番の、最高の就職先ですよね。その連中は、若いときに留学するチャンスは一回しかないんです。これを日本に来てもらおうと。よそと要は取り合いになるんですよね。これはしっかり取ると。そのためには、実際は本当は奨学金もいいのを出したいと。例えば、奨学金の一部は我々は借款で出しているんです。これは無償にしてくれないかという声も多いんですけど、我々は、給与奨学金と貸与奨学金があるようなものでね。
 それから、若手を呼んでいるんですけれども、あるいはもうちょっと出世して審議官とか局長クラスになった人も、まあかつてアメリカへ行っているかもしれないけど、今度は日本に二、三か月来ないかと、あるいは半年来ないかと。ミッドキャリアプログラムというのは世界中にあるんです。これもやったらいいと思うんですね。
 そして、その方面の、例えば財務省の中堅官僚が来て日本の財務官僚と一緒に議論する、仲よくなるってとても良いと思うんですね。そのためには、JICAの施設ではちょっとシャビー過ぎるんですよね。ちょっと立派なお客さんを泊めることがないので、もうちょっとこの設備を良くするとか、やや私どもの利益に絡むようなことを申し上げましたけれども、これは必ず国益に資するというふうに思っております。
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熊野正士#27
○熊野正士君 ありがとうございました。
 時間ですので、終わりたいと思います。ありがとうございました。
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鶴保庸介#28
○会長(鶴保庸介君) 御苦労さまでした。
 引き続きます。
 川合孝典君。
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川合孝典#29
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典と申します。
 まず、北岡参考人にお伺いをしたいことがございます。
 先生から事前に頂戴した資料を拝見させていただいておりまして、JICAがASEANの諸国の発展に対してどういった寄与をしてこられたかということについて大変感銘を持って資料を拝見させていただきましたが、先生の資料の中で、今後、そのASEANとの関係を更に進めていく上で大切なこととして、外国人労働者の受入れについて言及をされておられました。この資料の中でも、日本の多様性を高め、新たな活力をもたらしてくれる人財としてこのいわゆるASEAN諸国からの外国人労働者を受け入れなければいけないという御指摘をしていらっしゃいます。私もそのとおりだと思います。
 残念ながら、現在、日本の技能実習制度で日本に来日された外国人労働者のうち、少なからず、特にコロナの以前は、二〇一九年の時点で一万人近い方がいわゆる失踪していらっしゃると、行方不明になっていらっしゃるという、こういう状況があるわけであります。
 JICAがアジア諸国との信頼関係を構築して、その中で外国人労働者を日本に受け入れるという状況をつくっていただいているにもかかわらず、実際に来られた方々が失踪せざるを得なくなっているような今の状況について、先生がどのように御認識されているのかということをお伺いしたいと思います。
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