斉藤鉄夫の発言 (国土交通委員会)
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○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず、改めて、今回の事故でお亡くなりになられた方々、その御家族にお悔やみを申し上げます。そして、事故に遭難された方々、そしてその御家族にお見舞いを申し上げます。
本日も、海上保安庁では、巡視船艇、航空機等が関係機関と連携して懸命な捜索救助活動を行っております。また、渡辺副大臣は、今現在、現地に常駐して、毎日、今日、中山副大臣来ておりますが、交代しながら毎日御家族の方に対応させていただいております。
本日時点において、行方不明者となっている乗員乗客二十六名のうち十四名を発見、救助しましたが、十四名の死亡が確認されております。
私も現地に赴き、今回の事故に遭遇された皆様の御家族とお話しさせていただきました。このような痛ましい、そして悲惨な事故が二度と起きることがないよう、徹底的な安全対策を講じていかねばならないと私自身強く決意したところでございます。
今回の事案に関しては、四月二十四日より実施している特別監査において、安全管理体制に問題がなかったか等について確認を進めているところです。一方で、何よりまず、当日の気象、海象の中で出航しなければ事故が起きなかったことは事実であり、危険なときには絶対に運航しないという大原則を徹底していくことが重要だと考えています。その意味で、私は条件付運航ということはあり得ないことであると考えております。
国土交通省としては、この危険なときには絶対に運航しないという大原則を徹底するため、まず、本日発表した小型船舶に対する緊急安全対策の中で、運航労務監理官が全国の事業者に対して安全管理規程における運航基準の遵守を指導することとしております。
これに加え、結果としてこの当該船舶が当日の気象、海象の中で出航することを止めることができなかった現行制度について再検証し、今回のような事故が二度と繰り返されることのないよう、現行制度の改善をしっかりと進めていくこととしております。
そして、御指摘のございました船長、また運航管理者についてでございますが、まず、出航可否の判断については第一義的には船長が行いますが、運航管理者が運航基準に基づき中止すべきであると判断した場合には、船長に運航中止を指示するなど、船長と運航管理者の双方で船舶運航の安全を担保しています。
今回の事故においては、いかなる要因、背景により出航が決定されたかについては現時点では明らかでありませんが、出航可否の判断に当たっては、まずは船長の判断が重要です。このため、船長が船舶の航行する海域特有の気象、海象に関する知識などを的確に有することを目的として、出航可否の判断を的確に行うための教育の強化を図ってまいります。
また、運航管理者による判断も極めて重要となります。運航管理者となるためには、同等以上の規模の事業における船舶の運航管理に関して三年以上の実務経験を有するなどの要件があります。有限会社知床遊覧船の運航管理者がこの要件を満たしているかどうかについては現在実施している特別監査において確認中ですが、仮に運航管理者の選任に係る届出書類に事実でない申込み、申告がなされていたのであれば、しっかり確認する仕組みが必要であったと考えております。
国土交通省としては、今後、運航の安全に決定的な影響を及ぼす運航管理者や安全統括管理者の選任に係る届出書類についてしっかりと確認を行うとともに、運航管理者や安全統括管理者が確実にその役割を果たすよう、実効性のある対策を講じてまいります。
携帯電話についてでございますが、また、その通信設備について、日本小型船舶検査機構による船舶検査は不十分だったのではないかとの御指摘もあります。
KAZUⅠの通信設備については、同機構から、四月二十日の中間検査において陸上との間で常時通信可能との申告を受けたこと等から、この機構の検査方法に従い、無線設備を携帯電話に変更することを認めたと聞いています。しかしながら、KAZUⅠの携帯電話では実際には通信できなかったと推測されることから、同機構の検査方法は十分でなかったと考えています。
国土交通省としては、常時通信可能との原則を確保するため、まず、各事業者の携帯電話の通信エリアを確認し、カバーされていない場合に常時通信可能な通信設備へ速やかに変更されるよう措置を講じてまいります。また、無線設備として携帯電話を認めることの妥当性、船舶検査の在り方、国から同機構への監督の在り方についても検証し、必要な制度改正を進めてまいります。
さらに、KAZUⅠについては、瀬戸内海の平水から沿岸海域に航行区域を変更した船舶であり、船舶の安全上問題なかったかとの御指摘もあります。
KAZUⅠについて、沿海区域まで航行できるように必要な改造が実施されたことを確認しておりますが、今後、安全基準を広く検討する中で、特に厳しい海象下にある沿海区域を航行する船舶の基準の強化についても検討してまいります。
国土交通省としては、こうした船長、運航管理者の技能、通信設備、船舶検査を含む小型船舶の安全対策の強化について、二度と悲惨な事故を起こさないという不退転の決意を持って取り組んでいく所存です。
四月二十八日に知床遊覧船事故対策検討委員会を設置したところであり、有識者の皆様の御知見をお借りしながら検討を進め、あわせて、実際に船舶を運航され、海をよく知っている皆様の御意見を伺いながら必要な制度改正に向けた取組を進めてまいります。
一方で、小型を含む旅客船事業者は新型コロナによりこれまでにも経営に大きな影響が出ており、こうした安全対策を着実に実施していただくためには支援策が不可欠であると認識しております。
国土交通省においては、これまでも令和三年度補正予算により事業継続に向けた支援を行っているところですが、今後は事業者に対しこうした予算面の支援の再周知を行ってまいります。また、各地方運輸局を通じ、自治体に対し、地方創生臨時交付金による事業者支援についても協力を要請しており、改めて協力をお願いしたいと思います。
さらには、今後、必要な制度改正を進めていくに当たっても、講ずべき安全対策を事業者に分かりやすく御説明することを含め、どういった支援策を講じていくべきかについてしっかりと検討してまいります。
国土交通省として、決意を固めて進めてまいります。