黒田東彦の発言 (財政金融委員会)
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○参考人(黒田東彦君) 御指摘の欧米と我が国では、現在の経済・物価情勢がかなり異なっております。すなわち、米欧では、コロナ禍からの景気の回復が進む下で労働需給がかなり引き締まっておりまして、直近の消費者物価の上昇率は、米国ではプラス八・三%、ユーロ圏ではプラス八・一%まで高まっております。
一方、冒頭申し上げましたとおり、我が国経済はGDPが依然としてコロナ前の水準を下回っているなど、感染症による落ち込みからの回復途上にあります。その上、その中で、最近はこの国際的な資源価格上昇による海外への所得流出という下押し圧力も受けております。
物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、四月にプラス二・一%まで上昇しましたけれども、エネルギー価格の上昇を主因とするものであります。
こうした我が国の状況の下では、金融緩和を拙速に縮小してしまいますと、設備投資などの国内需要に一段と下押し圧力が掛かるために、二%の物価安定の目標の持続的、安定的な実現から遠ざかってしまうのではないかというふうに考えております。
したがいまして、日本銀行としては、現在の強力な金融緩和を粘り強く継続して経済活動をしっかりとサポートすることで、企業収益や雇用、賃金が改善する中で物価が緩やかに上昇する好循環と言われるものの形成を目指してまいりたいというふうに考えております。