財政金融委員会

2022-06-07 参議院 全112発言

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会議録情報#0
令和四年六月七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     中田  宏君     自見はなこ君
     中西  哲君     岡田 直樹君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     堂故  茂君     末松 信介君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     こやり隆史君
     櫻井  充君     宮崎 雅夫君
     自見はなこ君     竹内  功君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     竹内  功君     足立 敏之君
     宮崎 雅夫君     酒井 庸行君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         豊田 俊郎君
    理 事
                西田 昌司君
                藤末 健三君
                森屋  宏君
                牧山ひろえ君
                山本 博司君
    委 員
                足立 敏之君
                大家 敏志君
                こやり隆史君
                酒井 庸行君
                竹内  功君
                藤川 政人君
                宮沢 洋一君
                宮島 喜文君
                勝部 賢志君
                熊谷 裕人君
                古賀 之士君
                難波 奨二君
                杉  久武君
                大塚 耕平君
                浅田  均君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
                渡辺 喜美君
   副大臣
       財務副大臣    大家 敏志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小松 康志君
   政府参考人
       金融庁総合政策
       局長       松尾 元信君
       金融庁企画市場
       局長       古澤 知之君
       財務省国際局長  三村  淳君
       国税庁次長    重藤 哲郎君
       観光庁観光地域
       振興部長     大野  達君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行理事   内田 眞一君
       日本銀行理事   加藤  毅君
       日本銀行理事   清水 誠一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )
    ─────────────
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豊田俊郎#1
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、中西哲君、中田宏君、堂故茂君及び櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として末松信介君、竹内功君、こやり隆史君及び酒井庸行君が選任されました。
    ─────────────
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豊田俊郎#2
○委員長(豊田俊郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局長松尾元信君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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豊田俊郎#3
○委員長(豊田俊郎君) 異議がないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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豊田俊郎#4
○委員長(豊田俊郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君、同理事内田眞一君、同理事加藤毅君及び同理事清水誠一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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豊田俊郎#5
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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豊田俊郎#6
○委員長(豊田俊郎君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。
 日本銀行から説明を聴取いたします。黒田日本銀行総裁。
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黒田東彦#7
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
 まず、最近の経済金融情勢について御説明いたします。
 我が国経済は、新型コロナウイルス感染症や資源価格上昇の影響などから一部に弱めの動きも見られますが、基調としては持ち直しています。海外経済は、国・地域ごとにばらつきを伴いつつ、総じて見れば回復しています。そうした下で、輸出や鉱工業生産は、供給制約の影響を残しつつも、基調としては増加を続けています。企業収益は全体として改善していますが、業況感は、感染症や資源価格上昇の影響などから、このところ改善が一服しています。設備投資は、一部業種に弱さが見られるものの、持ち直しています。雇用・所得環境は、一部で改善の動きも見られますが、全体としてはなお弱めとなっています。個人消費は、感染症によるサービス消費を中心とした下押し圧力が和らぐ下で、再び持ち直しつつあります。先行きの我が国経済は、当面、ウクライナ情勢等を受けた資源価格上昇による下押し圧力を受けるものの、感染症や供給制約の影響が和らぐ下で、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくと見られます。
 物価面を見ると、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、昨年実施された携帯電話通信料引下げの影響の多くが剥落する下で、エネルギー価格が大幅に上昇していることから、二%程度までプラス幅を拡大しています。当面は、エネルギー価格の押し上げを主因に、二%程度の上昇率が続くと見られますが、その後は、エネルギー価格の押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していくと予想しています。この間、変動の大きいエネルギーも除いた消費者物価の前年比は、〇%台後半のプラスとなっています。先行きは、マクロ的な需給バランスが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていく下で、プラス幅を緩やかに拡大していくと考えています。
 先行きのリスク要因としては、引き続き変異株を含む感染症の動向や、それが内外経済に与える影響に注意が必要です。また、今後のウクライナ情勢や、その下での資源価格や国際金融資本市場、海外経済の動向についても、極めて不確実性が高いと考えています。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。より長期的な金融面のリスクとしては、金融機関収益への下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうおそれがある一方、利回り追求行動などから、金融システム面の脆弱性が高まる可能性もあります。現時点では、これらのリスクは大きくないと判断していますが、先行きの動向を注視する必要があります。
 次に、金融政策運営について御説明申し上げます。
 我が国のGDPは、依然として感染症拡大前の水準を下回って推移するなど、感染症による落ち込みからの回復途上にあります。また、最近は、資源価格上昇による海外への所得流出という下押し圧力も受けています。物価面では、消費者物価の前年比は二%程度まで高まっているものの、エネルギー価格の上昇が主因です。
 このような経済・物価情勢を踏まえ、日本銀行としては、現在のイールドカーブコントロールを軸とする強力な金融緩和を粘り強く続けることで、我が国経済をしっかりと支え、二%の物価安定の目標の持続的、安定的な形での実現を目指してまいります。
 ありがとうございました。
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豊田俊郎#8
○委員長(豊田俊郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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西
西田昌司#9
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 黒田総裁に質問させていただきますが、これ質問通告はしていなかったんですが、今日のニュース等で、昨日の都内の講演で黒田総裁が、家計の値上げ許容度も高まってきていると、二%の物価上昇、物価目標達する上で重要な変化と捉えることができるという趣旨の発言をされて、そのことについて大変批判的な意見も報道されているんですけれども、私、じゃ、ここ、このこと、現場にいなかったんですけれども、どういう趣旨であったのか、もう少し詳しく黒田総裁からこの発言の趣旨について御説明願いたいと思います。
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黒田東彦#10
○参考人(黒田東彦君) この講演では、家計を対象とするアンケートの調査結果あるいはコロナ禍における行動制限下で蓄積した強制貯蓄の存在を踏まえまして、最近家計の値上げに対する対応が変化している可能性について申し上げたものであります。講演でも申し上げているとおり、この結果自体は幅を持って見る必要があります。
 日本銀行は、単に物価だけが上がればよいと考えているわけではありません。日本銀行が目指しているのは、あくまでも経済活動や賃金が改善する中で物価も緩やかに上昇する好循環の形成であります。その実現には、金融緩和によって賃金の上昇しやすいマクロ経済環境をつくり出すことが重要であると考えております。今回の講演でも繰り返し申し上げておりますけれども、御指摘の箇所も賃金上昇の重要性を強調する文脈の中で言及したものでございます。
 いずれにいたしましても、日本銀行としては、今後とも様々なデータやアンケートなどを用いて、家計の所得環境や体感物価と申しますか、そういったもの、さらにマインドの動向について丹念に点検し、適切な金融政策運営に生かしてまいりたいというふうに考えております。
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西
西田昌司#11
○西田昌司君 後半おっしゃっていることはそのとおりで、私も賛成なんですが、要するにちょっと気になるのは、その家計のアンケート調査などでその許容度がという話は具体的にどういうアンケートなんですか。要するに、上がっていくことを許容されているというのはどういうアンケートで、どういうことなのか、もう少し教えていただきたいんですが。
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黒田東彦#12
○参考人(黒田東彦君) このアンケート調査、これは東大の渡辺努教授がされたアンケート調査でございますけれども、もとより日本銀行は、各種のアンケートとかサーベイの結果を用いて、値上げに対する家計の反応あるいは企業の価格設定スタンスについて分析しているわけですが、このアンケート調査結果では、なじみの店でなじみの商品の値段が一〇%上がったときにどうするかという問いに対して、昨年八月の調査では、日本の家計の半分以上は値上げに対し他店に移るというふうに回答していたのに対し、この四月に実施した調査では、他店に移るという回答が大きく減少し、その店でそのまま買うという回答が半数以上を占めるようになったというアンケート調査でありまして、この数字は欧米と極めてよく似ているという数字であります。
 こうした動きを逆に今度企業側から見ますと、短観、三月短観では、三―六か月程度先の価格設定スタンスを示すとされる販売価格DIが、製造業では一九八〇年初の第二石油ショック以来、非製造業でも一九九〇年初のバブル末期以来の水準まで上昇しております。また、企業の販売価格の見通しも見ましても、二〇一四年の調査開始以来最も高い伸びとなっております。
 今後とも、こうしたアンケートやサーベイのみならず、やはり企業等へのヒアリング情報も活用しながら、最近の物価上昇が我が国経済に与える影響について丹念に点検してまいりたいというふうに考えております。
 言葉としてその値上げ許容度という言い方がいいかどうかは、このアンケート調査に対する考え方としていろんな御議論あろうと思いますけれども、一つの有力なアンケート調査であったというふうには見ております。
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西
西田昌司#13
○西田昌司君 分かりました。
 つまり、あれですか、家計などは、物が上がってきても、もっと安いところ行こうじゃなくて、なじみの店で買っていこうという形になってくるというのは、それはいいことなんですが、その原因ですね、その原因は結局、コロナ対応で政府が物すごい経済対策しましたですね、給付金始め。そうすると、その分が結構所得になっている人もいますね。そして、実際問題、確定申告、私も税理士ですから今年の三月やっていましても、いわゆる今まででしたら税金払っていないような人が、そういう協力金や給付金で税金をかなり払っている金額が増えているというのが実感としてあるんですよね。つまり、所得が上がっているわけですよね。
 だから、結局、経済自身はまだコロナで滞っているところありますけれども、財政出動がかなり、そういう意味でいうと国民の所得、貯蓄も含めて増やしているという感じで受け止めていいわけでしょうか。
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黒田東彦#14
○参考人(黒田東彦君) この点は欧米などでも議論されていたことでございますけれども、我が国の場合も、数十兆円規模の、相当規模のいわゆる強制貯蓄、つまり、政府からのいろいろな補助があって、あるいは御自分の稼得所得もあるかもしれませんが、いずれにせよ、政府からのそういう補助金等を直ちにコロナ禍で使うということをせずにそのまま貯蓄として大きくたまっていると。それが消費に回りつつあるというのが特に欧米の場合の例ですけれども、我が国の場合はまだ大規模にそれが支出に回っているという感じにはまだなっておりません。それはオミクロン株の流行が二月まであったものですから。
 ただ、その後、人々の様々な場所への人出の動きなどを見ましてもかなり回復はしてきておりますので、その下で消費も持ち直しているということは確かだと思います。ただ、その要因については、いろいろな経済的な分析を更に深めていく必要はあるというふうに思います。
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西
西田昌司#15
○西田昌司君 私も黒田総裁と同じような意見であります。
 ですから、欧米と違うのは、結局マスクをさせているところなんですね。このマスクをすることの意味があるのかというのについては私も随分、もう外してもらったらどうと思っていますし、大分実はマスク緩和されているんですけれども、現実問題、表歩いている人でほとんどまだ着けていますよね。これは、何も感染防止というよりもですよ、白い目で見られるのがかなわぬという、日本人特有の同調圧力に、原因だと思うんですね。だから、そのために買物、旅行、様々な消費活動ができないんで、これは黒田総裁の権限ではないんですけれども、もう少し与党側でしっかり議論をして早く外れるようにしていけば、欧米のようにかなり消費も増えてくるというふうに思います。
 そこで、ここからは質問なんですが、今、FRBなど、ECBも含め、相次いで金利が引き上げられてきました。つまり、海外ではインフレ率がかなり上がってきたと、そこで金利を引き上げたと。そうすると、日本ではまだこの金融緩和は続けておられますから、金利差で円安になっていると。そこで、資源、この資源やエネルギー高にもなり、国民影響に悪い影響が出てくるんじゃないかと。ですから、これは日本が金利を引き上げないからこうなったんだということで、逆に日本も引き上げるべきだという声もあります。
 しかし、私はまだその時期ではないと。先ほど黒田総裁がおっしゃったように、そういう経済回復基調にはあるものの、実際の金利引上げというのは、これ実は需要によって引き上げられているんじゃなくて、コストプッシュインフレですよね。だから、それは、実利は伸びない中で先に金利を上げちゃうと、これは経済回復を毀損してしまうというふうに思うんですが、総裁の御所見を伺いたいと思います。
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黒田東彦#16
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の欧米と我が国では、現在の経済・物価情勢がかなり異なっております。すなわち、米欧では、コロナ禍からの景気の回復が進む下で労働需給がかなり引き締まっておりまして、直近の消費者物価の上昇率は、米国ではプラス八・三%、ユーロ圏ではプラス八・一%まで高まっております。
 一方、冒頭申し上げましたとおり、我が国経済はGDPが依然としてコロナ前の水準を下回っているなど、感染症による落ち込みからの回復途上にあります。その上、その中で、最近はこの国際的な資源価格上昇による海外への所得流出という下押し圧力も受けております。
 物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、四月にプラス二・一%まで上昇しましたけれども、エネルギー価格の上昇を主因とするものであります。
 こうした我が国の状況の下では、金融緩和を拙速に縮小してしまいますと、設備投資などの国内需要に一段と下押し圧力が掛かるために、二%の物価安定の目標の持続的、安定的な実現から遠ざかってしまうのではないかというふうに考えております。
 したがいまして、日本銀行としては、現在の強力な金融緩和を粘り強く継続して経済活動をしっかりとサポートすることで、企業収益や雇用、賃金が改善する中で物価が緩やかに上昇する好循環と言われるものの形成を目指してまいりたいというふうに考えております。
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西
西田昌司#17
○西田昌司君 まだ継続して金融緩和やるということで、私もそれで正しいと思いますが。
 そこで、今おっしゃった中で、物価が二・八%ぐらい実は上がっているんだということですが、それはエネルギーの上昇が大きいということで、元々、日銀がインフレ目標二%と言われているのはそういうものを除いた分というふうに考えると、いわゆる食料やエネルギー除いたコアコアCPIという形でと考えていいのかどうか、その辺のところ、御説明願います。
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黒田東彦#18
○参考人(黒田東彦君) この物価安定の目標自体は、やはり家計が消費する財・サービスを包括的にカバーしている消費者物価の総合で二%と定義をいたしております。その上で、景気の変動などをならしてみて、平均的に二%程度になることを目指して金融政策運営を行っております。
 このように、物価目標を持続的、安定的に実現する観点からは、この一時的な変動要因を除いたコアあるいはコアコアといった、そういったものを見てトレンドを理解する必要があります。その場合に、各国の経済構造に依存するわけでして、我が国では、もう従来から生鮮食品を除くベースで消費者物価を見て、それが消費者物価のトレンドを示すものというふうに考えておりまして、これは結果の数字も出しておりますし、見通しも公表しております。
 加えまして、最近のウクライナ情勢などを受けてエネルギー価格が大幅な変動を示す中で、四月の展望レポートでは、物価の基調の評価あるいは見通しに関する日本銀行の考え方を定量的に分かりやすく説明する観点から、除く生鮮食品、エネルギー、いわゆるコアコアというんでしょうか、そういうものも示して、物価のトレンドがどういうもので、二%の目標に向かってどのように金融政策運営していくかという場合に、現時点で生鮮食品を除くという従来からの指標をもちろんベースにしているわけですけれども、エネルギー価格が大きく変動していますので、それを除いたいわゆるコアコアといったものも参考にしながら金融政策を運営しているということでございます。
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西
西田昌司#19
○西田昌司君 実は、私、自民党の財政政策検討本部というのをつくりまして本部長になっているわけですが、そこで先日提言をさせていただいて、その中で、日銀のこの金融政策は日銀が独立してされるんですけれども、我々としては、その物価安定目標というのがコアコアで、CPIで二%というのを採用すべきではないかという提言もさせていただいていますので、是非その方向でこの物価安定を目指していただきたいと思っています。
 さて、黒田総裁の任期は来年三月ということでありますが、残念ながら、政府との政策協定で共同声明していた二%のインフレ目標というのは、コアコアCPIということでは達成ができないような状況にまだあると思うんですね。
 じゃ、その原因についてですけれども、元々、これは三本の矢ということがアベノミクスで言われていて、日銀の異次元の金融緩和、これ実際されているわけですよね。実際、ずっと十年されてきたわけであります。しかし、この財政出動が十分できていなかったと思います。結果的に、それは、PB黒字ということを掲げていたために十分な財政出動ができなかった。また、さらにこの間、民主党政権とのいわゆる三党合意というのもありましたから、消費税を上げるんだというところがありましたから、二回消費増税して一〇%になってしまったということで、様々なこの原因があると思うんですね。
 現に、安倍総理、元総理自体も、そこのところ、財政出動が十分できなかった、それから、三党合意があったとはいえ、消費税増税がこの経済回復に毀損させたんではないかということも含めて、そういう反省というか、悔やんでおられるところが、おっしゃっておられます。
 そこで、私は、そういった日銀の政策自身は当初どおりずっとされていたんですけど、今言ったようなその財政面の問題があったのではないかと思うんですが、どこまで御発言できるかどうか分かりませんが、黒田総裁の忌憚なき御意見、お話しいただければと思います。
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黒田東彦#20
○参考人(黒田東彦君) 財政政策の評価については、いろいろな議論があるとは思いますけれども、日本銀行の立場から具体的にコメントすることはやはり差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で、申し上げられることは、二〇一三年以降の大規模な金融緩和によって物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなったわけですが、二%の物価安定の目標の安定的な実現には時間が掛かっておりまして、まだ実現していないということもそのとおりであります。
 その様々な理由、原因としては、何といっても我が国では、一九九八年から二〇一三年まで十五年間にわたるデフレの経験によって定着した物価や賃金が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行の転換にはやはり時間が掛かっているということではないかと思います。
 もっとも、この間の大規模な金融緩和は経済、物価の押し上げ効果をしっかりと発揮してきていることも確かでありまして、昨年三月の点検でも確認したとおり、大規模な金融緩和が行われなかった場合と比べますと、この間の実質GDPは平均プラス〇・九から一・三%程度押し上げられており、消費者物価の前年比は同じくプラス〇・六から〇・七%程度押し上げられていたという試算の結果を得ております。
 こうした下で、人々の物価や賃金に関する考え方も少しずつ前向きの変化が生じておりまして、例えばデフレ期には見られなかったベースアップが今年度も含めて九年連続で実施されております。
 したがいまして、現在の金融緩和を粘り強く続けていくことで、時間は掛かるかもしれませんが、二%の目標は達成できるというふうに考えております。
 ちなみに、四月の展望レポートでは、先ほど申し上げた変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除いたベースで、消費者物価は二〇二四年度にはプラス一・五%まで上昇率が次第に高まっていくという見通しになっております。
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西
西田昌司#21
○西田昌司君 ありがとうございます。
 おっしゃるように、私、やっぱり金融緩和は、二%にはならなかったけれども、それなりのというか、かなり大きな効果はあったと思っております。
 そこで、黒田総裁の任期は来年三月であります。制度上、もう一度していただくことももちろんあるんですけれども、とにかく、今のこの異次元緩和はこのままその後も継続すべきと私思いますが、黒田総裁の御意見はいかがですか。
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黒田東彦#22
○参考人(黒田東彦君) 原則として、その金融政策運営というのは、やはり総裁の任期との関係で論じるべきものではなくて、あくまでも、政策委員会の金融政策決定会合において、物価の安定という使命の実現のためどのような政策が必要かという観点から議論し、決定すべきものであるというふうに考えております。
 日本銀行としては、今後とも、毎回の決定会合において、先行きの経済・物価見通しとリスク要因を点検しつつ、適切な政策判断を行っていくことに全く変わりはないというふうに思います。
 ちなみに、私の任期は来年の四月八日でございます。
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西
西田昌司#23
○西田昌司君 三月じゃない、四月八日でございます。
 それで、今、金融政策決定会議で決めるものなんだとおっしゃっているんですけれども、その一方で、共同声明、これ政府と出されていますよね。この共同声明よりも金融政策決定会議の方がですから上だと、こういう認識でいいわけですか。
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黒田東彦#24
○参考人(黒田東彦君) この二〇一三年一月の共同声明、これは実は昨年十一月に政府と日本銀行の間でこの考え方に沿ってそれぞれの役割を果たしながら緊密に連携していくということを再確認したところではございますが、そもそもこの二%の物価安定の目標は二〇一三年一月に日本銀行の政策委員会が自ら決定したところであります。それを踏まえて、共同声明でああいうふうにうたわれているわけでございます。
 したがいまして、日本銀行として、物価の安定という使命を果たすためには何といってもこの二%の目標を安定的、持続的に達成することが必要であるというふうに考えておりまして、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくという方針に変わりはございません。
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西
西田昌司#25
○西田昌司君 ですから、結局、これはあれですね、そうすると、二〇一三年の一月ということは、黒田総裁が誕生される前の白川総裁のときにこの決定をされ、その後、共同声明等があって、今来られているということであるわけであります。
 ですから、黒田総裁が任期が来られましても、引き続き金融政策決定会議でしっかりこの現状を見た議論をしていただいて、何よりも、やっぱり完全にデフレから脱出して、日本がもう一度経済成長路線に行くことが非常に大事だと思います。
 これは日銀だけじゃなくて政府の財政政策も非常に大事でありますので、今日は大家財務副大臣には質問できませんでしたけれども、財務省もしっかりやっていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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古賀之士#26
○古賀之士君 おはようございます。立憲民主党の古賀之士でございます。黒田総裁とは同郷の福岡県の出身でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 黒田総裁は、先日の御発言の中で、スーパーマーケットに行かれたりするのは奥様がされるというような御発言もありましたけど、私は骨から豚骨ラーメンが作れる国会議員でございまして、地元が久留米なものですから、日頃からも自炊にはまっておりまして、週に二、三回はスーパーマーケットに参ります。
 そこで、昨日の講演の内容についてお尋ねをいたしますが、黒田総裁が、日本の家計の値上げ許容度も高まってきていると。かみ砕いて申し上げると、家計は値上げを受け入れているという言い方になるかと思いますが、この真意はどうなっていらっしゃいますか。
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黒田東彦#27
○参考人(黒田東彦君) これは先ほども申し上げたことでありますけれども、私どもは、様々なデータあるいはアンケート調査等を踏まえてその時々の物価動向を検討しているわけですが、その際に、一方で家計の値上げ許容度の動き、それから他方で、企業の販売価格予想というか、今後どのように販売価格を設定していくかという、両面を見ながら今後の物価動向を見ていくということにしております。そうした中で、もちろん、例えばそのいわゆる許容度ということでなくて、例えば物価の、予想物価上昇率というものも、家計の予想物価上昇率というものもデータで取っておりますし、他方で企業の予想物価上昇率を見ております。
 そういう両面を常に見ているわけでございますが、たまたま、これは渡辺努東大教授が行われたそのアンケート調査というのがなかなかユニークなもので、ある意味でいうと、直接的に家計の値上げに対する反応をアンケート調査したということでありまして、そのアンケート調査によれば、昨年と現在とで少し状況が変わって、なじみの店のなじみの商品の価格が一〇%上がったときに別の店に行くかどうかという質問に対して、昨年は別の店に行くという人が多かったんですけれども、今年になって、いや、その同じなじみの店で引き続き買いますという返事が多くなってきたと。
 これは、値上げ許容度というのが適切な言葉かどうかという、いろいろ言い方はあると思うんですけれども、一定の、そのアンケート調査のデータを見れば、家計が、その特定の店で値上げがされたときに、もうよそに行くというんじゃなくて、そこの店で引き続き買うということ、これは家計の物価に対する対応が少し変わってきたことを示しているというふうに見ることもできると思います。
 ただ、これは一定の幅を持って見ないといけないので、この一回のアンケート調査で何か確定的なことが言えるということではないと思います。あくまでもその他のいろいろなデータ、あるいは各支店を通じた消費者、企業家のその価格設定行動とか価格に対する見方というものも十分把握して金融政策を運営していかなければならないというふうに思っております。
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古賀之士#28
○古賀之士君 やっぱり、許容度というのは必ずしも適切ではないということを御自身もおっしゃっているわけですから、黒田総裁、そこは不適切だったと申し上げていただきたいんですが、そこはいかがでしょうか。これ、まずストレートにお伺いしますが。
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黒田東彦#29
○参考人(黒田東彦君) 実は日本銀行で、このアンケート調査についてというだけでなくて、値上げ許容度というようなもの、つまり消費者側がそういう対応をしなければ、企業が値上げしようとしても値上げできないわけですので、転嫁できないわけですね。ですから、消費者側がどういうビヘイビアを示すかということは様々な指標、データで見てきたわけです。
 今回のアンケート調査はちょっと異色のアンケート調査で、その許容度というのがぴったりかどうかというのは御意見あろうと思いますけれども、これまでいろいろな形で消費者が値上げに対してどういう対応を取るかというのを調べてきた上で、これは一つのその参考になるアンケート調査だなと思ったのでそういうふうに申し上げて、だから、適切かどうかという点については、従来の我々が値上げ許容度と言ってきたものとぴったり合うかどうかというのは議論のあるところだとは思います。ですから、これについてこう言ったことが全く一〇〇%正しかったかと言われると、若干ためらうところがあります。
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