黒田東彦の発言 (財政金融委員会)

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○参考人(黒田東彦君) 財政政策の評価については、いろいろな議論があるとは思いますけれども、日本銀行の立場から具体的にコメントすることはやはり差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で、申し上げられることは、二〇一三年以降の大規模な金融緩和によって物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなったわけですが、二%の物価安定の目標の安定的な実現には時間が掛かっておりまして、まだ実現していないということもそのとおりであります。
 その様々な理由、原因としては、何といっても我が国では、一九九八年から二〇一三年まで十五年間にわたるデフレの経験によって定着した物価や賃金が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行の転換にはやはり時間が掛かっているということではないかと思います。
 もっとも、この間の大規模な金融緩和は経済、物価の押し上げ効果をしっかりと発揮してきていることも確かでありまして、昨年三月の点検でも確認したとおり、大規模な金融緩和が行われなかった場合と比べますと、この間の実質GDPは平均プラス〇・九から一・三%程度押し上げられており、消費者物価の前年比は同じくプラス〇・六から〇・七%程度押し上げられていたという試算の結果を得ております。
 こうした下で、人々の物価や賃金に関する考え方も少しずつ前向きの変化が生じておりまして、例えばデフレ期には見られなかったベースアップが今年度も含めて九年連続で実施されております。
 したがいまして、現在の金融緩和を粘り強く続けていくことで、時間は掛かるかもしれませんが、二%の目標は達成できるというふうに考えております。
 ちなみに、四月の展望レポートでは、先ほど申し上げた変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除いたベースで、消費者物価は二〇二四年度にはプラス一・五%まで上昇率が次第に高まっていくという見通しになっております。

発言情報

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発言者: 黒田東彦

speaker_id: 19167

日付: 2022-06-07

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会