関根泰の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○参考人(関根泰君) 御質問ありがとうございます。
まず、限界を超えているの定義に関して簡単に御説明申し上げます。
この百十年間の間、私たちは、大気の窒素と石油やガスから作られた水素、これを使ってハーバー・ボッシュ法という方法によってアンモニアを作る、これは大体、高温高圧、非常に過酷な条件で反応させるということで、その業績でボッシュはノーベル賞を受けているわけなんですが、こういった方法で大量にアンモニアを作っています。これが一億九千万トンと言われています、世界中、年間です。
そのほとんどが実は肥料になり、そして世界中に施肥をされ、生命体のたんぱく質に取り込まれています。結果として、この机の木も、私たちの体も、今日のお昼の食事、外に生えている木、全ての生きとし生けるものの中のたんぱくというか、生命体の中の窒素分のおよそ六割がハーバー・ボッシュ由来、すなわち、大気と石油やそういう化石資源から作られた窒素の固定化によるものであり、自然界を経ないものでありということが知られています。ここが問題のきっかけであります。
固定している、取り込まれているだけなら問題にならないのではないかと感じるかもしれませんが、一方で、その窒素を人為的に分解しているというのが実は余りございませんで、下水処理場における硝化脱窒というプロセス、これは数少ない、人間がちゃんと後始末をしている窒素の処理であります。それ以外のところでは、自動車の排気ガスにおけるNOxの浄化、発電所におけるNOxの浄化、これも人為的にコントロールしてきれいに窒素に戻しています。
一方、それ以外の大半を占める農業、自然界における窒素というのは、窒素の特性、すなわち価数が八も変わって動くという類いまれな元素の特性をベースに自然の中で暴れまくって、最終最後、環境に負荷を与えるということになっていると思います。
また、それを、じゃ、アンモニアに変えて有用に使おうというのは、もちろん可能性としてはあるのですが、何せ水中、土中、大気に出てしまう、そういった自然界から出てくるものを捉まえて転換をするというのは技術的には非常に難しいというふうに考えられていると思います。
アンモニアの利用あるいは窒素酸化物の転換等々については産総研でもいろいろ研究がなされていると思いますので、この後の吉野参考人の御発言に譲りたいと思います。