細田健一の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○副大臣(細田健一君) ありがとうございます。
それでは、まず三ページを御覧ください。
近年、カーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、カーボンニュートラル表明国のGDP総計は世界全体の約九〇%に上っております。こうした中、金融市場の動きも相まって、民間において脱炭素化への投資が進み、環境対応の成否が企業、国家の競争力に直結する時代に突入しております。
また、四ページにあるとおり、主要国においても排出目標の引上げを表明しており、我が国としても、菅前総理は、二〇二〇年十月に二〇五〇年カーボンニュートラルを表明され、二〇二一年四月には、二〇三〇年度における我が国の温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で四六%削減を目指し、さらに五〇%の高みに向けて挑戦していくと表明されました。
次の五ページは、世界の上流開発への投資額、石油開発への投資額の推移のグラフとなっております。
コロナ拡大に端を発した油価の低迷、世界のダイベストメントの加速化などにより上流投資が大きく減少し、将来的な需給逼迫のリスクが増大しております。
六ページを御覧ください。
こちらのグラフは、我が国の原油、LNG、石炭の輸入量と、輸入量における各国の割合を表しております。
我が国は化石燃料のほぼ全量を海外に依存している状況で、中でも、原油、LNG輸入におけるロシアのシェアはそれぞれ全て五位以内に入っており、今般のロシアのウクライナ侵略の状況を踏まえると、エネルギーの安定供給において大きなリスクを抱えている状況にあります。
続いて、七ページを御覧ください。
こちらは、G7各国における一次エネルギー自給率と化石燃料のロシア依存度を示しております。
残念ながら、我が国の一次エネルギー自給率はOECD加盟国の中で下から二番目の低さとなっております。化石燃料のロシアへの依存度が高い我が国の状況は一次エネルギー自給率の高い各国とは異なるため、この状況を冷徹に踏まえる必要があると考えております。
次に、八ページを御覧ください。
四月七日のG7首脳共同声明では、ロシアからの石炭輸入のフェーズアウトや禁止を含むエネルギー面でのロシアへの依存を低減するための計画を速やかに進める、また、ロシアの石油への依存を低減するための取組を加速するということが述べられております。
次の九ページを御覧ください。
例えば、EUにおいては、エネルギー価格の高騰及び需給逼迫への短期的な対応と、ロシア産化石燃料への依存からの脱却を目指すことを二本柱とした取組を進めております。
十ページを御覧ください。
諸外国における原子力政策の変化の一例としては、ウクライナ情勢などを踏まえ、英国やベルギーなどで原発の新設や既存原発の運転延長などを含む方針を公表しております。
十一ページを御覧ください。
ロシアのウクライナ侵略を受けた国際エネルギー市場の深刻な逼迫に対応するために、四月一日にIEA臨時閣僚会合が開催され、石油備蓄放出の協調行動について合意をいたしました。我が国としては、米国の約六千万バレルに次ぐ千五百万バレルの放出を決定しております。
以上が、資源エネルギーをめぐる国際動向の御説明でございます。
次に、資源エネルギーの持続可能性について、資源エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの両立という観点から御説明をいたします。
資料の十三ページを御覧ください。
二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、温室効果ガス排出の八割以上を占めるエネルギー分野の取組が重要です。
電力部門においては、再エネや原子力などの実用段階にある脱炭素電源を活用し着実に脱炭素化を進めるとともに、水素・アンモニア発電やCCUS、カーボンリサイクルによる炭素貯蔵、再利用を前提とした火力発電などのイノベーションを追求してまいります。
非電力部門においては、脱炭素化された電力による電化を進めるとともに、電化が困難な分野では水素、合成メタン、合成燃料の活用などによって脱炭素化を進めてまいります。
資料の十四ページを御覧ください。
Sプラス3E、すなわち安全性の確保を大前提に、安定供給、経済効率性及び環境適合の政策目標をバランスよく同時に達成することが重要であり、エネルギー政策を進める上での大原則としております。
また、エネルギーミックスは、先ほど申し上げた温室効果ガス四六%削減に向け、徹底した省エネルギーや非化石エネルギーの拡大を進める上での需給両面における様々な課題の克服を野心的に想定した場合にどのようなエネルギー需給の見通しとなるかを示すものとなります。
資料の十五ページを御覧ください。
需要側の取組としては、徹底した省エネに加え、再エネ電気や水素などの脱炭素エネルギーの導入を拡大していくことで二〇五〇年カーボンニュートラルを目指していくことが重要になります。
次の十六ページ、十七ページを御覧ください。
電力部門、産業部門などにおける脱炭素化については、技術的なイノベーションが必要なものや、コスト低減、インフラ整備など様々な課題がある中で、それぞれの課題を克服することにより脱炭素化を進めていくことが必要であると考えております。
十八ページを御覧ください。
グリーン成長戦略では、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するための絵姿を提示しております。その実現には野心的なイノベーションが必要であり、二〇五〇年に向けて成長が期待される十四の重点分野が選定されております。脱炭素イノベーションを日本の産業競争力強化につなげるためにも、二兆円のグリーンイノベーション基金などを活用し、総力を挙げて取り組んでまいります。
次に、資料の十九ページを御覧ください。
資源、燃料の安定供給確保のための二〇三〇年に向けた政策のポイントを示しております。
今般のロシアのウクライナ侵略の状況下においても、途切れることなく必要な資源、燃料を安定的に確保することが重要です。石油、天然ガス、鉱物資源の安定供給確保に加え、水素、アンモニア、CCSといった脱炭素燃料、技術の導入や、メタンハイドレートを含む国産資源開発、供給途絶が懸念されるレアメタル等へのリスクマネー支援の強化など、様々な取組を進めてまいります。平時のみならず緊急時にも対応できるよう燃料供給体制の強靱化を図るとともに、脱炭素化の取組を促進してまいります。
次の資料、二十ページから二十二ページでは鉱物資源について記載しております。
レアメタルは、鉱種ごとに特性や市場規模、主要生産国などが多様であり、鉱種によっては将来的な需給ギャップが生じる可能性があるため、上流権益確保の推進などサプライチェーン全体での取組が必要となります。
また、パラジウムについては、ロシアが世界の生産量の約四割を占めております。我が国企業は平時から調達先の多角化や在庫の確保に取り組んでおりますが、ロシア産鉱物の流通が滞った場合、バッテリー関連鉱物の獲得競争が一層激化し、事態が悪化することが見込まれております。
次に、資源エネルギーの持続可能性について、電力の安定供給の観点から御説明をいたします。
資料の二十四ページを御覧ください。
火力発電は、太陽光や風力といった変動再エネの出力変動を吸収し需給バランスを調整する機能を有しており、電力の安定供給に大きく貢献しております。
図は、二〇一八年十月に九州電力において再エネの発電制御を一時的に求める再エネの出力制限を行った際の電力需給のイメージ図となっております。四月初旬において、九州電力に引き続き、四国電力、東北電力、中国電力においても再エネの出力制御が行われました。
資料の二十五ページを御覧ください。
脱炭素の世界的な潮流の中、二〇三〇年に向けて、非化石電源の導入状況も踏まえながら、安定供給確保を大前提に、火力発電の比率をできる限り引き下げていくことが基本となっております。火力は、震災以降の電力の安定供給や電力レジリエンスを支えてきた重要な供給力であり、当面は再エネの変動性を補う調整力、供給力として、過度な退出の抑制など安定供給を大前提に進めてまいります。
また、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、水素、アンモニアやCCUSの活用に、CCUSなどの活用により、火力の脱炭素化の取組を加速度的に促進してまいります。
資料の二十六ページを御覧ください。
国内原子力発電所の将来設備容量の見通しを示しております。廃炉決定済みのものを除く全三十六基の原子力発電所が六十年運転すると仮定しても、自然体では、二〇四〇年代以降、設備容量は大幅に減少する見通しとなっております。
再生可能エネルギーについては二十七ページから二十九ページを御覧ください。
FIT制度の導入もあり、再エネ比率はここ数年で大幅に拡大しております。国土面積当たりの太陽光導入容量も、我が国は他国と比較し高くなっております。二〇三〇年度の再生可能エネルギー導入量は、足下の導入状況や認定状況を踏まえつつ、各省の施策強化による最大限の新規案件形成を見込むことにより、三千百三十億キロワットアワーの実現を目指しております。その上で、もう一段の施策強化などに取り組むこととし、その施策強化などの効果が実現した場合の野心的なものとして、合計三千三百六十から三千五百三十億キロワットアワー程度、電源構成では三六から三八%の再エネ導入を目指します。
資料三十ページから三十一ページにかけて、二〇二二年度の夏季、冬季の電力需給の見通しを示しております。
現時点では、七月の東北、東京、中部エリアにおいて、予備率三%は辛うじて超えているものの、三・一%と非常に厳しい見通しであり、二〇二三年一月、二月の冬季において東京エリアは特に厳しく、一月がマイナス一・七%、二月がマイナス一・五%という危機的な状況になっております。
まずは、夏季に向けて追加の供給力対策や燃料対策を講じつつ需要対策の準備を進めるとともに、深刻な供給力不足が見込まれる冬季を見据えて、前倒しで追加の供給力対策などを講じていくこととさせていただきたいと考えております。
資料三十二ページを御覧ください。
足下、月平均の電力市場価格は高値で推移しております。その中で、市場価格対策として、監視の強化や情報提供に加え、中小向けの資金繰り支援を実施しております。
資料三十三ページを御覧ください。
小売電気事業者数は増加が続くものの、今後も燃料価格の高騰が続けば、事業撤退、休廃止する新電力は増加する可能性がある状況で、状況にあると認識をしております。
続いて、資源エネルギーの持続可能性について、イノベーションの観点から御説明をいたします。
まず、アンモニアについて三十五ページから三十六ページを御覧ください。
アンモニアは、CO2を排出せずに天然ガスや再生可能エネルギーなどから製造することが可能であり、燃焼してもCO2を排出しないため、気候変動対策の有効な燃料の一つとして位置付けられております。
資料三十七ページを御覧ください。
水素は、直接的に電力分野の脱炭素化に貢献するだけでなく、余剰電力を水素に変換し、貯蔵、利用することもできるエネルギーとして注目されております。
続いて、カーボンリサイクルについて資料の三十八ページを御覧ください。
CO2を分離回収し、メタネーションにより燃料へ再利用するなど、大気中へのCO2排出を抑制します。
合成メタン、合成燃料については三十九ページ、四十ページを御覧ください。
水素と回収したCO2から合成される合成メタンは、再エネ、水素利用の一形態であり、燃焼時に排出されるCO2は回収したCO2であるため、低炭素、カーボンニュートラルに貢献いたします。
資料の四十一ページを御覧ください。
鉱物資源リサイクルについては、資源の安定供給を確保する観点から、製造等の工程くずや使用済製品からのレアメタルリサイクルは有効な手段となっております。レアメタルのリサイクルは再資源化コストが高いことなどから経済性の確保が困難であるため、リサイクル技術開発や経済効率性を支える社会システムの構築が必要となっております。
資料四十二ページは、蓄電池に係る補正予算、当初予算についてでございます。
次世代蓄電池の開発や蓄電池の国内生産基盤の確保、系統用電池の導入支援といった各フェーズにおける取組を進めてまいります。
資料四十三ページは、小型モジュール炉や高速炉といった革新炉の各事業者による開発コンセプトを示しております。
資料の四十四ページ、具体例として、テラパワー社と協力覚書を締結し、高速炉を進めていくという動きが出ております。
以上が、資源エネルギーの持続可能性についての御説明でございます。
次に、新型コロナウイルス感染症の影響について御説明をいたします。
資料の四十六ページを御覧ください。
日本のエネルギー需要は、二〇二〇年度に前年比六%減少を記録しております。これは、単年度ではリーマン・ショックを超える下落幅となっております。先進国は二〇二一年に回復するがコロナ前の水準には戻らない一方で、新興国は中国、インドが二〇二一年に大きく需要を伸ばし、コロナ前を上回る水準となっております。電源発電量については、コロナによる需要減で石炭、ガス火力などが減少し、再エネは設備容量増加に伴って増加をしております。
資料の四十七ページを御覧ください。
ガソリンなどの価格についても、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、二〇二一年四月頃に大きく下落をしております。ウクライナ情勢に伴い足下の原油価格、原油価格は高騰しておりますが、四十八ページにあるとおり、国民生活や経済発動への影響に機動的に対応すべく、当面の間の緊急避難的な措置として、燃料油の卸売価格の抑制のための手当てを行う激変緩和事業を実施しております。
資料の四十九ページ、五十ページにあるとおり、ガソリン、灯油、軽油について価格上昇が抑制されております。
以上が、新型コロナウイルス感染症の影響についての御説明でございます。
最後に、ウクライナ侵略の我が国エネルギー環境、我が国エネルギー環境・政策に与える影響について御説明をいたします。
資料の五十二ページ、五十三ページは、岸田内閣総理大臣記者会見録の中でエネルギー関係部分を抜粋しております。ロシアからの石炭の輸入を禁止し、早急に代替策を見付けながら、段階的に輸入を削減することで、石油を含めたエネルギー分野でのロシアへの依存低減に向けた取組を進める、また、夏や冬の電力需給逼迫を回避するために、再エネや原子力などエネルギー安全保障及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図るとの発言がございました。
冒頭のロシアのウクライナ侵略の影響を踏まえた資源エネルギーをめぐる国際動向、新型コロナウイルス感染症の拡大も含め、エネルギーをめぐる国際情勢は混迷を深め、不確実性がますます高まっております。エネルギーは国民生活や産業活動を支える基盤であり、安定供給こそが最優先でございます。脱炭素に向けたトランジションを進めるに当たっても、リアリズムに基づいて取り組んでいくことが重要であると考えております。
以上が、経済産業省からの御説明でございます。よろしくお願いいたします。