山添拓の発言 (資源エネルギーに関する調査会)

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○山添拓君 本年の調査テーマである資源エネルギーの持続可能性に関して意見を述べます。
 昨年十一月の国連気候変動枠組条約第二十六回締約国会議、COP26で採択されたグラスゴー気候合意は、世界の気温上昇を産業革命前と比べて一・五度に抑える努力を追求すると明記し、二酸化炭素、CO2を大量に排出する石炭火力発電については段階的削減としています。
 今月発表された国連気候変動に関する政府間パネル、IPCC第三作業部会の報告書は、地球の気温は既に一・一度上昇しており、一・五度目標の達成には二〇二五年までに温室効果ガスを増加から減少に転じさせることが必要だと強調し、化石燃料依存からの脱却が不可欠としています。
 浅岡美恵参考人は、一・五度目標が確認されたことで、世界がこの先排出できる温室効果ガスはどれだけか、残余のカーボンバジェット、炭素予算が定まると指摘しました。
 パリ協定が温室効果ガスの排出五割減を掲げた二〇三〇年に向け、文字どおり待ったなしです。
 ところが、日本政府の二〇三〇年に一三年比四六%削減という目標は先進国に求められる水準に遠く及びません。
 岸田首相は、COP26を受けても排出削減目標の上積みを表明せず、石炭火力の国内での削減、廃止にも言及しませんでした。それどころか、昨年発表した第六次エネルギー基本計画は、二〇三〇年度も発電量の一九%を石炭火力に依存することとし、石炭火力発電所を九か所も新増設する計画となっていました。水素やアンモニアの活用をうたいますが、石炭火力の延命策にほかならず、実用化のめどもなく、二〇三〇年に間に合いません。さらに、海外輸出の公的支援まで行うのは、途上国を含めた世界的な脱炭素化の足を引っ張ることになります。
 我が党は、昨年、気候危機を打開する日本共産党の二〇三〇戦略を発表しました。CO2を二〇三〇年度までに最大六割削減する、エネルギー消費を四割減らす省エネと再生可能エネルギーで電力の五割を賄うことで実現するというものです。
 一九九〇年代以降、欧米に比べて日本の省エネは立ち遅れてきました。ガス火力発電の高効率化、製鉄や製造業における電力利用の効率化など、大規模な省エネは可能です。しかも、省エネの推進は企業にも家計にも節約効果で負担減をもたらします。
 政府の試算でも、再エネの潜在量は国内の電力需要の五倍あるとされます。現在二二%の再エネ比率を、二〇三〇年五〇%、二〇五〇年一〇〇%とすることも十分可能です。導入が進むほど価格は下がり、新設の発電コストは太陽光発電が最も安く、次いで風力です。社会システムの大改革が必要です。
 電力、産業、運輸・交通、都市・住宅、自治体、五分野で実行プログラムを示しました。電力、鉄鋼、セメント、石油精製、化学工業、製紙業がCO2排出の六割を占めます。この六業界、約二百の事業所にCO2削減目標と計画実施状況の公表など政府との協定を締結することを義務化し、脱炭素を実効的に進めます。
 こうして脱炭素、省エネ、再エネを推進することは、生活水準の悪化や我慢を強いるものではなく、経済の悪化や停滞をもたらすものでもありません。研究グループの試算では、年間二百五十四万人の雇用が新たに創出され、GDPを二〇三〇年まで累計二百五兆円押し上げるとされます。地産地消のエネルギーで地域も地球も持続可能な未来へ道を開くものです。
 岸田首相は、ロシア産石炭の輸入禁止による電力需給の逼迫に対応するためとして、原子力を含め最大限活用すると述べました。
 原発の安全性は保証されておらず、福島第一原発事故の被害は今なお続いています。一部の政党から、審査中の原発であっても審査と再稼働を並行できるよう求める動きまでありますが、言語道断です。エネルギーを海外に依存する体質こそが問題であり、再エネの抜本的拡大でエネルギー自給率を高めるべきです。
 飯田哲也参考人は、原子力などをベースロード電源とするのは古い独占的な電力市場の考え方であり、太陽光と風力を中心とする自然変動型電源を柔軟に受け取る、AIを使った天気予測や需要側管理、デマンドレスポンスなど、様々な手法で再エネ電力を吸収する柔軟性パラダイムへシフトする必要を述べました。
 原料費ゼロの再エネ電力を出力抑制で排除し、原子力への依存を続ける在り方は改めるべきです。気候危機打開の取組を本気で進め、地球の、資源エネルギーを含む地球の持続可能性を保つために、目先の利益を第一にする新自由主義は転換が必要です。
 石炭火力利益共同体、原発利益共同体の抵抗を排除し、格差と貧困を正すことと一体に進めるため、政治の姿勢を改めることが不可欠であることを強調し、意見とします。

発言情報

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発言者: 山添拓

speaker_id: 1521

日付: 2022-04-20

院: 参議院

会議名: 資源エネルギーに関する調査会