古川禎久の発言 (法務委員会)

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○国務大臣(古川禎久君) まず、刑法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 新たな被害者を生まない安全、安心な社会を実現するためには、罪を犯した者の改善更生及び再犯防止を図ることが重要です。これまで国、地方公共団体、民間協力者が一体となって様々な取組を進めてきたこともあり、再犯者の人員は減少傾向にありますが、依然として刑法犯の検挙人員のうち五割近くを再犯者が占めています。
 こうした状況を踏まえますと、罪を犯した者について、その特性に応じたきめ細やかな指導、支援を行うことができるようにするなど、その改善更生及び再犯防止に向けた処遇の充実を更に推進することが必要であると考えられます。
 また、近時、インターネット上の誹謗中傷が社会問題化していることを契機として、誹謗中傷に対する非難が高まるとともに、これを抑止すべきとの国民の意識も高まっていることに鑑みますと、公然と人を侮辱する侮辱罪について、厳正に対処すべき犯罪であるという法的評価を示し、これを抑止することが必要であると考えられます。
 そこで、この法律案は、罪を犯した者の施設内・社会内処遇をより一層充実させるため、刑法、刑事訴訟法、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律、更生保護法その他の法律を改正し、所要の法整備を行うとともに、刑法を改正して侮辱罪の法定刑を引き上げようとするものであります。
 この法律案の要点を申し上げます。
 第一は、懲役及び禁錮を廃止し、これらに代わるものとして、拘禁刑を創設し、拘禁刑は、刑事施設に拘置し、拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができることとするとともに、再度の刑の全部の執行猶予の言渡しをすることができる対象者の範囲を拡大し、あわせて、猶予の期間内に更に犯した罪について公訴の提起がされている場合には、当該罪についての有罪判決の確定が猶予の期間の経過後となったときにおいても、猶予された当初の刑を執行することができることとするものであります。
 第二は、資質及び環境の調査の結果に基づき受刑者ごとに定めるものとされている処遇要領について、入所後できる限り速やかに、矯正処遇の目標並びに作業、指導ごとの内容及び方法をできる限り具体的に記載して定めることとするほか、再び保護観察付全部執行猶予を言い渡された者については、少年鑑別所による鑑別を行うなどして再犯の要因を的確に把握し保護観察を実施することとするものであります。
 第三は、刑事施設の長や保護観察所の長は、被害者等から申出があったときは、その心情等を聴取することとし、これを矯正処遇や保護観察に生かすこととするほか、被害者等から申出があったときに保護観察対象者に対して被害者等の心情等を伝達する現行法上の措置に加えて、受刑者に対しても被害者等の心情等を伝達することとするものであります。
 第四は、侮辱罪の法定刑について、現行の拘留又は科料から、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に引き上げるものであります。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、刑法等の一部を改正する法律案は、衆議院において一部修正されており、その内容は、政府は、第一条の規定の施行後三年を経過したときは、同条の規定による改正後の刑法第二百三十一条の規定の施行の状況について、同条の規定がインターネット上の誹謗中傷に適切に対処することができているかどうか、表現の自由その他の自由に対する不当な制約になっていないかどうか等の観点から外部有識者を交えて検証を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることであります。
 続いて、刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、刑法等の一部を改正する法律の施行に伴い、爆発物取締罰則等の関係法律の懲役及び禁錮を拘禁刑に改めるなど所要の整理等を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。
 以上が、これら法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いいたします。

発言情報

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発言者: 古川禎久

speaker_id: 19897

日付: 2022-05-24

院: 参議院

会議名: 法務委員会