山田健太の発言 (法務委員会)
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○参考人(山田健太君) 今の御質問、複数の論点があろうかと思うんですけれども、まず一番最初に言われたその正当業務ということですけれども、刑法三十五条でありますが、確かに、これによっていわゆる外形的な法の構成要件を満たしていても罰しないということがあるかもしれません。かもしれませんけれども、この侮辱という言葉が曖昧であるのと同様に、この正当業務の判断というのは非常に幅が広いんですね。幅広いです。
例えば、一番この侮辱罪が適用される可能性が今低いと思われている報道機関、真っ当なと言っていいかどうか分かりませんが、報道機関ですら、例えば、今年に、今年というか、まあそうですね、今年に入ってからですね、去年からですね、去年末以降、いわゆる立入り取材が二件にわたって逮捕されたり、あるいは書類送検されたりという事例が起きてきているわけですね。
本当にまさにその取材がこれまでは正当業務行為であるというふうに考えられていて、刑法三十五条の適用の中で、多少の外形的な、まあ不法侵入という言い方をすると非常に何か重たく感じますけれども、立入りが認められてきている範囲があったにもかかわらず、それがある日突然捕まってしまうということが起きるということなんですね。
ということは、今後においても、この正当業務という判断というのは非常に幅があって、実際上想定していないような形で認められない場合が出てくるんだということについて十分に配慮しておく必要があると。それを考えて、最後の、その免責要件と同じなんですけれども、そもそもその免責要件を設けたのは理由があるわけでして、今日お示ししたこの図もそうですけれども、そもそも曖昧なもので萎縮効果が生まれやすいのがこの表現行為であって、この萎縮効果が生まれやすくて限界線まで十分な自由の行使ができない場合を考慮して、なおかつ、より少しはみ出た表現もしてもいいですよというような意味合いをつくっているわけですけれども、そもそも侮辱罪の場合には、形としてそういうものは余り想定していないわけですね。
だから、もし想定をするんであれば、法定刑も高めて、あるいは侮辱の適用対象についてももう少し厳密化もし、その中で公人に対する批判を強めるために免責要件をつくるという考え方もあるかもしれませんけれども、そもそも侮辱のこの対象というのはそういうものを想定していないわけですので、この免責要件をつくれば済むとか、つくることによってこの侮辱罪の、何といいましょうか、今の法改正の問題性が低減するという問題ではないというふうに考えています。
以上です。