礒崎哲史の発言 (本会議)
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○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
初めに、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、闘病中の方々の一刻も早い回復をお祈り申し上げます。あわせて、コロナ対策に御尽力いただいている全ての皆様に心より敬意を表します。
また、ロシアの軍事侵攻にさらされているウクライナ国民に連帯の意を表します。子供たちや市民への無差別攻撃、原発への攻撃を伴う武力によってウクライナの主権と領土を侵すロシアの暴挙を許すわけにはいきません。日本政府として、各国との連携や国連への働きかけでなく、ロシア経済分野協力担当大臣を外すなど、我が国独自の対応も進め、毅然とした対応を貫くことを強く求めます。
さらに、先週の東北を中心に発生した一瞬十一年前を想起させるような地震によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
その上で、会派を代表し、ただいま議題となりました令和四年度総予算三案に賛成の立場から討論を行います。
二月二十二日、衆議院本会議での採決時に我が党の玉木代表が申し上げたとおり、本予算案は私たち国民民主党が目指す姿に比べれば、百点満点と言えるものではありませんでした。そこで、国民民主党は衆議院において、賃上げ税制の拡充や教育国債の発行による教育予算の倍増、トリガー条項の凍結解除などを柱とする組替え動議を提出しました。
この組替え動議は賛同されなかったものの、しかし、我々は大局的に見て、以下の理由から政府予算案に賛成することを党として決定しました。
第一に、長引くコロナ禍による暮らしや経済への重大な影響への対策として、予算の早期成立が求められていること。
第二に、賃上げや人づくりを重視する姿勢は、国民民主党がさきの衆院選から掲げ続けている給料が上がる経済の実現、人づくりこそ国づくりの方向性に沿ったものであること。
そして、その際に第三の理由として掲げたトリガー条項の凍結解除によるガソリン代値下げを検討するとしていたことについても、その後の協議や参議院での審議などを経て、実務者協議が始まることとなりました。早急なトリガー条項の凍結解除に加えて、重油や灯油、これまで対象になってこなかった航空燃料なども含めて、燃料の価格抑制策を原油価格が一定程度下がるまで実施し続けることを改めて要望します。
コロナだけでも社会経済に計り知れない影響が及んでいる中、ロシアのウクライナへの侵攻による情勢の緊迫化、混迷が原油価格を始めとした物価上昇などをもたらしていることが加わって、国民生活が更に圧迫されています。そうした非常事態とも言える状況が続き、先行きが見通せない状況にあるからこそ、今回の当初予算案への野党による賛成が異例の出来事と評されても、我々国民民主党は、国民生活と経済にとってベストな答えを見出すべく、政府・与党と交渉し、一定の結果を出すことができたと考えています。
与野党だからといって常に対立点を探るのではなく、徹底した議論の上に、国民にとってベストと言える結論を得ることが改革中道の政治姿勢であり、コロナ禍の中、今も苦労が続く国民の生活を思い、考え抜いた判断です。国民民主党は、引き続き対決より解決、政策先導型の政治スタイルで機動的、建設的に政策提案をしていきたいと思います。
その意味で、衆議院でも指摘したとおり、政府予算案には不十分と考える点があることから、ここ参議院でも改めて我々の政策提案をさせていただきます。
特に、私たちが重視している人づくりこそ国づくり、いわゆる人への投資については、岸田総理は所信表明演説で少なくとも倍増させると述べながら、当初予算案の文教及び科学振興費は増えていません。総理が言及されているように、資本主義における付加価値の源泉は、創意工夫や新しいアイデアを生み出す人的資本にあるというのはそのとおりです。これまでの規模をベースに毎年微増か横ばいの予算配分を続けていては、付加価値を生み出す前に経済がシュリンクしてしまいます。人への投資による新しい資本主義を本気で目指すのであれば、政策の大転換が必要であり、そのためには教育、科学技術予算を抜本的に引き上げなくてはなりません。
私たち国民民主党は、教育国債の発行により、教育、科学技術予算を現行の五兆円から十兆円へ文字どおり倍増させ、少なくとも十年間継続することを訴えていますので、政府の政策に取り込んでいただきたいと改めて要望します。
経済財政政策に関しては、国民民主党は、既に参議院に提出した給料が上がる経済実現法案と題した税制改正法案の中で、赤字企業にも賃上げインセンティブを提供できるよう、法人事業税、固定資産税、消費税を軽減措置の対象税目にしています。政府の税制改正法案の法人税減税による賃上げ促進では、法人税を払うことができる黒字企業しか恩恵を受けることができないからです。さらに、政府案では、中小企業の控除要件を全雇用者の給与総額を一・五%以上増加させた場合とし、大企業の継続雇用者と比べ、その対象を違えています。これでは、雇用者が増えて給与総額は増えても、従業員一人一人の給料が上がることには直結しません。
これらの課題が、これまでの賃上げ税制の結果が思わしくないことの主な理由となっていると思われることから、軽減措置の対象税目と控除要件について、国民民主党案を是非のんでいただきたいと思います。
加えて、デジタル化、脱炭素化を新たな資本主義の市場のメーンストリームにしていくために、投資額以上の控除を可能にするハイパー償却税制の導入や一〇%から五%への消費税減税、低所得者、中堅所得者の所得を上げるための給付付き税額控除の導入、課税根拠が失われている自動車重量税の当分の間税率分を廃止することなどにより、供給、需要の両面から経済を活性化させ、ひいては給料が上がるための環境を整えていく、これらの政策を実施することを求めます。
財源については、教育、科学技術予算に対しては教育国債を、思い切った財政政策には日銀保有国債の一部永久国債化などで捻出すること、捻出するなどして確保し、対応すべきものと考えます。
ここまで、給料が低迷する経済を給料が上がる経済に転換させ、安心の国民生活を実現させるために、積極財政による政策をできるだけ早く実施することの重要性を中心に述べてきました。
しかし、事態の変化のスピードはますます速くなってきており、今提案した政策の中身も、変化に伴ってリバイスが必要になってきます。また、これまでの財政、金融といった従来型の政策に加え、広く世界を見渡すと、経済安全保障、国際標準化といった新たな政策の重要性が、我々が考えている以上に増してきていると認識します。
このようなことから、現在、国民民主党では、例えば、家計負担、事業者負担の軽減及び景気対策、資源エネルギー安定供給の確保及び公共交通対策、国民生活と地方の支援、ウクライナ難民支援、ロシア経済協力関係予算の減額、島嶼防衛の強化といったような切り口で緊急総合対策の検討を行っているところです。早急に取りまとめたいと思っております。
最後になりますが、国民民主党は、これからも永田町の前例にとらわれず、解決より、対決より解決の姿勢で政策本位の行動を続けてまいりますことを申し上げ、討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)