小沢雅仁の発言 (本会議)
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○小沢雅仁君 立憲民主党の小沢雅仁です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、いずれも反対の立場で討論を行います。
冒頭、ロシアの軍事侵攻は、ウクライナの主権を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の明確な違反であり、国連憲章に反するものとして私たちは厳しく糾弾するものです。核兵器の使用の示唆や原子力発電所への攻撃は、被爆国であり、三・一一を経験した一人として断じて看過できません。ロシアの暴挙を激しい憤りを持って非難するとともに、攻撃を即時中止し、部隊を撤収するよう強く求めます。
また、十六日夜遅く、福島県沖地震が発生しました。亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。被災者に寄り添い、一日も早い復旧と生活再建に向け、政府の一層の尽力を求めるとともに、立憲民主党としても全力で取り組んでまいります。
それでは、地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、反対する理由を申し上げます。
第一の理由は、本来目指すべき分権社会に向けた税源移譲がなされていないことです。
分権自治を進める立場から、税源移譲を始めとする税の分権化が求められていますが、小粒な改正ばかりで極めて不十分と言わざるを得ません。
第二の理由は、固定資産税の商業地の税額の上昇幅を半分に抑える措置が残されたことです。
昨年度は、二一年度限りの臨時異例の措置として、住宅地や農地等を含めた土地に係る税額が据え置かれました。今回、住宅用地や農地等については既定の負担調整措置による負担を求める一方、商業地だけ減額を残すというのは公平を欠きます。そもそも、固定資産税は市町村の基幹税であるにもかかわらず、税収減になる自治体への補填も不十分です。国の一存で決定することのないよう配慮をすべきです。
第三の理由は、岸田首相鳴り物入りの賃上げ促進税制の効果が不明確なことです。
今回の措置のベースとなる法人事業税付加価値割の課税標準から一定額を控除できる仕組みは、二〇一五年度に導入されたものの、効果が出ているとは言い難いとの指摘があります。そもそも、企業の七割近くが赤字法人で法人税を納めていない中、黒字企業あるいは大企業だけが減税の恩恵を受けることは、企業間の賃金格差を拡大させることになりかねません。
第四の理由は、燃料の高騰が国民生活や事業活動に大きな影響を及ぼしているにもかかわらず、燃油高騰対策が講じられていないことです。
元売への補助金対応は、効果が低いばかりか、既に上限に達しています。一刻も早くトリガー条項を発動可能にするべきですが、本改正案には盛り込まれていません。また、トリガー条項の発動が一年間続いた場合、地方で五千億円程度の減収が見込まれますが、地方の減収分を国費で補填するなど、地方財政の安定にも十分配慮するとともに、トリガー条項の効果の及ばない灯油や業界で燃料として使う重油の高騰対策も強化するよう求めます。
第五の理由は、地域医療構想に基づき再編を行った医療機関に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の創設によって、公立病院の統廃合を誘導する懸念があることです。
感染症医療においては非常に重要な役割を担っている公立病院を始めとする公的病院の再編統合を前提とせず、地域医療の確保のための自治体の主体的な取組を十分に尊重するべきです。
第六の理由は、森林環境譲与税の問題です。
二〇一九年度と二〇年度に市区町村に配分された資金の五四%が使われず、基金に積み立てられていたことが明らかになりました。自治体への配分基準で人口割が三割を占め、森林の少ない都市部が優遇されていることが要因ではないでしょうか。森林面積や林業関連の指標に重点化した配分にするとともに、専門的な人材確保等にも使えるよう使途を見直すなど、課題の解決が必要です。
今回の改正案には以上のような問題点があることから、反対するものです。
次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
二〇二二年度の地方交付税総額や地方が自由に使える一般財源の確保、臨時財政対策債の大幅抑制、交付税特別会計借入金の償還額増加など、財政事情が厳しい中、一定評価できるものです。しかし、まだまだこれから申し上げるような課題が残されており、反対するものです。
まず、地方交付税法第六条の三第二項に基づく地方交付税率の引上げなど、地方交付税の財源不足への抜本的対策を行うべきです。
財源不足額は九〇年代以来の縮小となったとはいえ、前年度から繰り越された約一・三兆円に依存しており、これを差し引けば、依然として四兆円近くの財源不足額が存在しています。
次に、赤字地方債である臨時財政対策債について、三年連続で新規分の発行が行われず、初めて一兆円台まで縮小しており、残高も二・一兆円減少していることは評価できます。
しかし、二十年以上も臨時の状態が続き、地方からも廃止の意見が強く寄せられており、やはり赤字地方債である臨時財政対策債の一層の縮減、廃止を目指すべきです。後年度の地方交付税で償還するはずだった既往の臨財債の償還を新たな赤字地方債の発行で賄うことによる財政の圧迫、住民生活への影響を危惧いたします。
また、今回の地方財政計画では、職員数の増加にかかわらず、給与関係経費は縮小して、減少しています。保健師、児童福祉司、一般職員を含む計画人員が純増傾向にあり、人材の強化が図られる兆しが見られることは評価しますが、今後の業務量の増加、良質な地域公共サービスの提供を考えれば、総人件費抑制政策を転換し、給与関係費、人員の確保を図るとともに、会計年度任用職員を始めとする臨時・非常勤職員の均等待遇を前進させるべきです。
あわせて、新型コロナウイルス対策、保健医療や社会保障の充実、人口減少社会における社会インフラの維持管理、公共交通政策など、多くの財政負担が生じる可能性があります。地域社会のデジタル化の推進、まち・ひと・しごと創生事業、地域社会再生事業費について、今後、将来にわたる安定財源として経常経費化する必要があると考えます。
さらに、税収及び交付税総額の見通しへの懸念があります。
政府は、実質GDPを二・六%と見込んでおり、二二年度は三・二%の見通しで税収を見積もっています。しかし、内閣府が二月十五日に発表した二〇二一年の国内総生産速報値は、三年ぶりのプラス成長となっていますが、実質で前年比一・七%増にすぎません。
異常な円安、悪い物価上昇、ロシア情勢など、今後の経済は不透明であり、税収減や交付税の減額による混乱が生じることのないよう、強く求めます。
最後に、一九九三年に国会の衆参両院で地方分権の推進に関する決議を採択してから、来年で三十年の節目を迎えます。地方分権推進委員会は、その最終報告で、税財源の地方分権は、国、地方を通ずる行財政全体の構造改革にとっても重要な要素であり、むしろ不可欠の手段と強調しております。持続可能な安心して暮らせる地域を目指し、協働と共生の社会をつくる上で、税源移譲を中心とする地方税財政制度の改革はまだ道半ばです。分権自治の観点で日本社会の構造転換を図ろうという大きな視野での取組を強く求め、反対討論といたします。(拍手)