柳ヶ瀬裕文の発言 (本会議)

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○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に関し、賛成の立場から討論いたします。
 ロシアによるウクライナへの侵攻は歴史的蛮行であり、強く非難するとともに、ロシアのプーチン大統領に対して即時の侵略停止及び軍隊の完全撤退を強く求めます。政府におかれては、明日のゼレンスキー大統領の演説の内容を踏まえて、より厳しい制裁を検討するよう求めておきます。
 日本維新の会は、地方の自立を実現するため、地方分権改革、地方への税財源と権限の移譲を主張しています。毎年の地方交付税法改正案の審議に当たり、日本維新の会は、これまで累次にわたって臨時財政対策債の問題点を指摘してまいりました。
 臨時財政対策債は、本来、地方交付税として財源確保されるべき分を地方が一時的に肩代わりし、その返済分を後年国が措置する仕組みになっていますが、地方に十分な税財源の移譲がなされていないため、債務残高が増加し続けています。本来は、地方の行財政に係る制度の改正又は法定率の変更によって、若しくは通貨発行権及び国債発行権を行使することによって国の責任で対処すべきものであり、臨時財政対策債は廃止すべきであります。
 臨時財政対策債は、文字どおり平成十三年度から平成十五年度までの三年間の臨時措置として導入されたものですが、平成十六年度以降も細かく延長を繰り返し、現在に至っています。結果として、臨財債の債務残高は、令和三年度末で約五十五兆三千億円に上っています。しかしながら、令和四年度においては、臨財債発行額を昨年度に比較して約三兆七千億円圧縮し、年度末残高見込みが約五十三兆二千億円と約二兆一千億円の減となること、令和三年度当初対策では行われなかった交付税特別会計借入金の償還を五千億円行うなど、地方の負担と硬直性を下げるものとなっており、我が党がこれまで主張してきた内容に沿うものとして、一定の評価ができる内容となっています。
 一方で、今回の改正の目玉項目であるいわゆる賃上げ税制の効果については、限定的かつ不明確なものと言わざるを得ません。
 総務委員会の質疑では、今回の地方税法改正で措置した賃上げ税制によってどの程度賃上げに寄与するのかという私の問いに対し、税制の導入による賃上げの効果を定量的に示すことは難しいという政府答弁がありました。賃上げ税制の導入による効果を分析することが困難であるとしたら、事後的な評価もできません。結局、いたずらに税制を複雑にしただけに終わる可能性もあります。
 今回の賃上げ税制による効果が全くないとまでは言いませんが、あくまでも従業員給与は労働市場において決定されるものであり、その原則に働きかけることが重要であると考えます。すなわち、十分なセーフティーネットを整備するとともに、雇用の流動化を図ることが最も効果的であると改めて指摘しておきます。
 最後に、地方税の議論の根幹となる地方分権改革について述べます。
 現在までの地方分権改革全体を見渡してみると、その進捗は極めてゆっくりとしたもので、抜本的な改革がなされたとは到底言うことができません。
 平成五年六月にこの参議院本会議場で議決された地方分権の推進に関する決議では、次のように指摘されています。
  今日、さまざまな問題を発生させている東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図るとともに、国民が等しくゆとりと豊かさを実感できる社会を実現していくために、地方公共団体の果たすべき役割に国民の強い期待が寄せられており、中央集権的行政のあり方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっている。
  このような国民の期待に応え、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務である。
  したがって、地方分権を積極的に推進するための法制定をはじめ、抜本的な施策を総力をあげて断行していくべきである。
 この地方分権の推進に関する決議から来年で三十年を迎えようというのに、国と地方の役割の見直し、国から地方への権限、財源の移譲、地方税源の充実強化は今なお喫緊の課題として残り続けています。
 税源から見ても、国と地方の歳出比率がおおむね四対六であるのに対し、税源割合は六対四となっており、不公正な状況にあるのが現実です。平成二十一年の地方分権改革推進委員会第四次勧告においては五対五を目指すことが適当とされましたが、それさえいまだ実現されていません。
 バブル経済が終わり、低成長、少子高齢化、人口減少の時代へと差しかかる中で地方分権の推進に関する決議が議決されたこと、その後、低成長のまま三十年を経過したことは、いずれも偶然ではないと考えています。
 それまでうまくいっていた中央集権的な政治、行政による国家運営の綻びと限界が明らかになり、地方がそれぞれ自立して地域固有の課題を機動的に解決できるよう、根本的な国家の枠組みのつくり替えが求められたにもかかわらず、びほう策と対症療法でしか対応してこなかった結果、国の勢いはますます陰り、道州制を始めとする地方分権改革の機運も縮小してしまいました。
 改めて、政府に対し、税源、財源、権限の地方への移譲、道州制導入による地方の自立の必要性を強く指摘して、討論といたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 柳ヶ瀬裕文

speaker_id: 19165

日付: 2022-03-22

院: 参議院

会議名: 本会議