宇都隆史の発言 (本会議)
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○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。
自由民主党・国民の声を代表して、経済安全保障推進法案に対して質問いたします。
ロシアによるウクライナ侵略では、ブチャなどでのジェノサイドのほか、民間人に危害を加える攻撃など、多くのウクライナ人が犠牲となっています。戦没者に、多くのウクライナ人が犠牲となっているこの戦没者に心から哀悼の誠をささげるとともに、祖国の存亡を懸けて命懸けで戦うウクライナ政府とウクライナ国民に対し、最大の敬意と連帯を表します。
政府に対し、引き続き国際社会と連携し、ロシアへの厳しい経済制裁の継続と、ウクライナへの可能な限りの支援に向けて、更なる対応を強く求めてまいります。
安倍政権は、二〇二〇年四月、国家安全保障上の課題について、経済的側面からも俯瞰的、戦略的な政策の企画立案、総合調整を行うことができるよう、国家安全保障局内に経済班を設置しました。さらに、岸田政権では、二〇二一年十一月、内閣官房に経済安全保障法制準備室を新設し、重要物資や原材料のサプライチェーンの強靱化、基幹インフラ機能の安全性、信頼性の確保、官民で重要技術を育成、支援する枠組み、特許非公開化による機微な発明の流出防止という早急に取り組むべき四つの分野に法的手当てを講じるため、本法案を今国会に提出いたしました。このことは、日本の経済安全保障を強化していく上で大きな意義のある一歩だと評価いたします。
一方、この法案はあくまで第一歩であり、ほかにも充実すべき経済安全保障分野はまだまだあります。政府を挙げて、本法案成立をステップに、更なる経済安全保障の強化に邁進していただくことをお願い申し上げます。
その上で、まずは経済安全保障を統括し、運用する組織体制の整理が必要だと考えます。
そこで質問です。NSS経済班、内閣官房経済安全保障法制準備室、経済産業省の一体どこが経済安全保障の司令塔となるのでしょうか。三者のそれぞれの位置付け、役割分担、求める機能について、政府としてどのように整理していくお考えなのか、小林担当大臣に伺います。
また、経済安全保障の重要性が増していることに鑑みれば、国家安全保障会議の四大臣会合には経済安全保障担当大臣が常時参加すべきであり、国家安全保障会議設置法の改正により五大臣会合とすべきだと考えますが、いかがでしょうか。併せて岸田総理に伺います。
ロシアによるウクライナ侵略により、エネルギーや鉱物資源、食料や木材等、国民生活及び経済産業活動に直結する重要物資の輸入ルートが大国のエゴの下にいとも簡単に覆されることにより、欧米諸国の求めた地球規模でのグローバリズムは終えんを迎えました。我が国の強みでもある半導体関連産業や蓄電池技術も海外からのレアアースやレアメタルに依存しており、それらの供給は世界的にも逼迫をしています。我が国事業者による生産基盤の整備や供給源の多様化、備蓄や生産技術開発、代替物資開発への支援はもちろんですが、民間の努力任せで対応し切れる時代ではありません。
そこで、政府において、国際的なマクロ経済の動向や他国の産業技術戦略等の情報収集を積極的に行い、エネルギーや希少資源、鉱物資源等の輸入経路の分散化や国際社会におけるルール形成の主導など、経済安全保障に係る我が国の戦略、指針を示すことが必要だと考えますが、今後の在り方について小林大臣に伺います。
経済安全保障に係る産業の最たるものの一つとして防衛産業が挙げられますが、近年、国内企業の防衛産業分野からの撤退が相次いでいます。国内の防衛産業が衰退してしまうと、自衛隊が使用する装備の機動的な導入や補修、整備に深刻な影響を与えます。防衛装備品を受注している民間企業には、他の産業より高いレベルでのサプライチェーン確保や機密漏えい防止の取組が求められることから、容易に他国に依存できるものでもありません。
一方で、本法案には国内防衛産業の保護強化という着眼点は含まれておらず、それについては防衛省が別途法案を提出すべく検討を重ねているという説明がございました。
現在、自民党においては、いわゆる防衛戦略三文書の改訂作業のため連日深い議論を重ねられておりますが、これらの改定を踏まえた上で、可及的速やかに国内防衛産業の保護強化のための法案を提出すべきと考えますが、総理のお考えを伺います。
産業競争力の向上や経済安全保障の強化の観点から、欧米諸国ではセキュリティークリアランスと呼ばれる情報を取り扱う者の適性評価の認証制度が整備をされています。これら諸外国との間にて機微な情報の共有が必要とされる国際共同研究や公的事業の受注などに当たっては、セキュリティークリアランスは必要不可欠な認証制度となっており、衆議院における審議においても議論が行われ、一部野党も賛成した形で附帯決議が盛り込まれたと承知しています。
我が国の情報保全のレベルがこれらの同盟諸国から見て信頼に足る実効性あるものと評価されるよう、セキュリティークリアランス制度の早期構築に着手すべきと考えますが、小林大臣に政府の見解を伺います。
過去、大学の技術系学部に所属する中国人留学生が航空機搭載用の赤外線カメラなどを輸出し、外為法違反で有罪となる事件がありました。我が国の理工系学部には多くの留学生が学び、研究しており、軍事利用が可能な人工知能、AIや量子コンピューターといった最先端技術は、安全保障上他国への流出を防止するための措置が必要です。
このような状況を踏まえ、研究、技術情報の管理や留学生、研究者などの受入れ前の審査強化など、人による安全保障上の技術流出についてはどのように対処すべきか、これまでの政府の取組と今後の課題について、小林大臣に伺います。
今般のウクライナ戦争でもそうですが、地上波やSNSにおいて臆測を基にした誤情報やプロパガンダを含むフェイクニュースが飛び交い、それらが対立や争いをより一層複雑にしています。悪意を持った外からの情報活動に対し、それらの情報をいかにして精査し国民生活の安全を守っていくかは、我が国としても喫緊の課題です。
また、令和二年に国内で摘発された企業機密の侵害事件は過去最多の二十二件に上っており、警察庁も通信など重要インフラや半導体製造などの国内関連企業に対しては注意喚起を行っています。
しかしながら、我が国のインテリジェンス体制は諸外国と比較して非常に脆弱であり、体制強化や法改正については長年の課題となっています。
総理は、新時代リアリズム外交を実行するに当たり、我が国のインテリジェンス体制について今後どのように改善すべきとお考えでしょうか。見解を伺います。
最後に、混迷を深める国際社会において、今こそ十分な備えをしなければ、私たちの子や孫の生存や繁栄を守り抜くことはできません。政府におかれては、国家百年の計を打ち立てる気概と覚悟を持って、戦略三文書の改訂含め政権の運営に当たっていただけるよう衷心よりお願いを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕