中室牧子の発言 (予算委員会公聴会)

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○公述人(中室牧子君) ありがとうございます。
 ちょっと二つの論点に分けてお話をしたいと思いますが、小中学校で進んでおりますGIGAスクール構想、一人一台端末構想でございますけれども、これに関しては引き続き推進していくものというふうに理解をしております。
 ただ、海外の先行研究を見ますと、海外でも、一人一台端末政策というのは諸外国でかなり行われていますけれども、ただ単にパソコンを配るだけで子供たちの学力や認知能力が高まることはないというのはコンセンサスになっています。ですので、やはりこれをどう使うのかということが極めて重要で、海外の研究を見ますと、個別最適化、子供たちの能力や特性、興味、関心に合わせた個別化ができると、一人一台端末というのは非常に功を奏するということが分かっています。
 ですので、こういった方向で一人一台端末政策を生かすことができるようにしていくということが一つ重要ではなかろうかと思っております。
 二つ目に、大学におけるオンライン授業ということでございます。
 これは、良い面、悪い面あるということは、私も大学で教えていて大変よく理解できるところでございます。
 良い面としては、やはり今まで八百人とかの大規模の教室でやっていたことがオンラインになりますと、例えば、出席率が高まったり、もっとたくさんの人たちを受け入れることができるようになったり、あるいはその大学のキャンパス外からの参加もできるようになったり、様々ないいことがありますので、こうした技術革新というのは最大限利用していかなければならないだろうというふうに思っております。
 ただ一方で、やはり目が届きにくくなるということで、教育の質が下がるのではないかという御懸念はあるのかなというふうに思っております。
 アメリカでは、実は二〇〇六年に規制緩和が行われて、今の日本と同じように、大学の遠隔授業の単位上限というものを取っ払うという規制改革が行われています。この結果、様々な研究が行われて、オンライン授業と対面授業の間で、少なくとも座学形式の講義においては差がないということを示す研究が多数になっています。
 ですので、座学で、例えば先ほども申し上げましたように六百人とか七百人とかというような大講義に関して言えば、その空間や時間の制約を取っ払えるという意味においてオンライン授業は活用していくべきだろうというふうに考えておりますけれども、例えば、ゼミなどの少人数、あるいは実験や実習を伴うような授業というのはオンラインには限界がありますから、こういったものに関しては引き続き対面で行っていくというように、その組合せを、どういう組合せがベストなのかということを考えていく時期に差しかかっているであろうというふうに思います。
 我々としても、大規模の講義に関してはオンラインでやれる、その代わり、小規模のゼミや講義形式のものに関しては対面でやれるというふうに、リソースをある程度分散することができるようになれば、同じ時間やエネルギーでより多くのことができるということになりますので、そうしたそのリソースの再分配といいますか、より効率的な再分配というものが大学の方でも起こっていくのではないかというふうに考えております。

発言情報

speech_id: 120815262X00120220308_022

発言者: 中室牧子

speaker_id: 34648

日付: 2022-03-08

院: 参議院

会議名: 予算委員会公聴会