2022-03-23
参議院
羽田次郎
政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会
羽田次郎の発言 (政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会)
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○羽田次郎君 中国との競合、そこのことについては今お答えはいただけなかったと思いますが、いずれにしましても、今後も中国とは開発支援で競合することが多いと思いますが、これからは、ODAを通じた平和構築や民主化支援そのものを目的とするだけでなく、それが確実に開発途上国の国民一人一人の生活を豊かにすることにつなげられる戦略を持つことが必要だと考えます。これは、ウクライナでの戦争が終結した後の復興支援、そして平和構築に日本が関わっていく上で戦略になると考えます。
日本がJICAを通して支援した具体的な事業として、先ほど大臣も幾つか挙げられましたが、カンボジアにおける選挙制度改革支援、その中でも、選挙人登録の電子化とその成果について検証し、より良い形でのODAによる平和構築の在り方について議論したいと思います。
今月二十日、ASEAN議長国カンボジアでフン・セン首相と会談された岸田総理も、カンボジアの選挙支援活動中に銃撃を受け落命された中田厚仁氏や文民警察官の職務中に落命された高田晴行氏の墓前で手を合わせていらっしゃいました。こうした御努力をされた先人に敬意を表すると同時に、改めて故人の御冥福をお祈りいたします。
カンボジアでの選挙制度改革支援は、日本が主要な役割を果たした平和構築の貴重な成功例だと一定の評価がされています。カンボジアの選挙は、選挙人登録のプロセスに不正が入り込む余地が大きいことが選挙のたびに問題になっていました。二〇一八年の総選挙に際しては、このプロセスを電子化するという、日本として一国の統治機構の在り方に大きな影響を与える選挙制度改革の本丸に踏み込んだことは英断であったとの高い評価も耳にしております。それまでは、壊れない投票箱の寄贈、投票用紙の印刷、電気がない地域でも夜の開票作業を可能にするランタンの提供など、必要ではあったと思われますが、選挙制度改革支援としては限られた貢献だったと言わざるを得ません。
電子化について、具体的には、選挙管理委員会のメーンサーバーの技術的支援を日本が担当いたしました。軍と基礎自治体であるコミューンにおける端末コンピューターへの選挙人登録はEUが支援をしていました。また、カンボジア内務省は、オーストラリア、ユニセフ、そしてノルウェーの民間会社のサポートを受けて国民IDカードを電子化するなど国民情報のIT化を進め、独立した組織である選挙管理委員会が選挙人登録カードを作りました。そして、有権者の指紋認証システムを導入した際、日本はEUとともに、カメラ、スキャナー、PC、サーバーなど、指紋照合のための機材提供と使い方の技術訓練も実施いたしました。
その結果、二〇一三年の総選挙における選挙人登録者数約九百六十八万人が、二〇一八年の選挙では約八百三十八万人にまで減りました。減った百三十万人の多くが二重登録だったのではないかと見られております。実際にカンボジアの選挙制度改革支援に携わった方にお話をお聞きしましたが、日本の選挙以上に電子化されたシステム構築が実現していたとの評価でした。
そこで、外務大臣にお伺いいたします。このようなシステム構築に踏み込んだ日本政府としての戦略について、その意図をお聞かせいただけたらと思います。