2022-03-25
参議院
玉城絵美
政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会
玉城絵美の発言 (政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会)
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○参考人(玉城絵美君) ありがとうございます。
それでは、私から、沖縄県の観光産業、人材育成、ICT活用による経済効率化、移住と定住について、今回の特別委員会に際しまして御説明させていただきます。
横長の資料を手元に置いていただければと思います。
一ページめくりまして、表紙をめくりまして一ページ目、現在の沖縄県の観光産業の課題について御覧いただければと思います。
観光は沖縄経済を牽引する産業として雇用の創出にも大きく貢献してきました。入域観光客数も平成三十年には初の年間一千万人を突破しております。
左下の図を御覧ください。県外の受入れの図なんですけれども、観光収益は全体の一八・五%、現在では更にパーセンテージは上がっております。沖縄の産業における観光産業の割合の大きさを御覧いただけるかと思います。
次のページを御覧ください。二ページ目です。
しかしながら、その後の世界的な新型コロナウイルスの感染症拡大により、入域観光客数は過去最大の落ち込みを見せております。個人消費や雇用情勢も、沖縄県、大きく変化しております。現在に至るまで、沖縄県の社会経済全般に大きな影響を及ぼしております。
下の図を御覧ください。この図は沖縄県の入域観光客数及び観光収入の推移を示しております。今までも、平成十四年前後、あっ、平成十三年の九・一一テロ事件、それから平成二十一年の景気低迷、新型インフルエンザの流行であったりだとか平成二十三年の東日本大震災など、様々な外的要因、外的変化によって観光産業というのは揺さぶられております。特に二〇二〇年からの新型コロナウイルスの流行、こちらに関しては、伸び率、今まで徐々に徐々に上がっていた入域観光客数というのが一気に下がりまして、三分の一以下というふうになっております。沖縄経済を牽引する観光産業は、このように外的な変化に大変脆弱な面がございます。
次のページを御覧ください。
今回、この外的な変化に対応できる体験型観光を始めとする新たな観光の形も広がりつつあります。今回の改正法の部分で、沖縄県特定免税店制度について新たにオンライン購入に対応できるようになっていたりだとか、あとはデジタル化、デジタル社会の形成に関する条文が追加されております。
例えば、これから十年において観光産業というのがどのように変化するのか、今現在行われている実証実験について下の図で、三ページ下の図でちょっと説明させてください。
例えばですけれども、遠隔地で観光を体験する、沖縄県にある観光資源をたとえ沖縄にいなくても体験できるような実証実験が今進んでおります。左の図はユーザー側、観光客側です。真ん中の図は沖縄県内に置かれたロボットです。この際は、名護市や嘉手納町の比謝川というマングローブにカヤックを置いて実証実験しております。観光客、県外にいる若しくは海外にいる観光客がパドルを動かすと遠隔地に置かれたカヤックロボットが動いて、それでカヤックロボットがさらに、感じた水の重さであったりとか揺れであったりとか景色であったりとか、そういったものを県外にいる観光客に体験してもらうと。こちらの技術、ボディーシェアリングと呼ばれる技術ですけれども、今まで通信技術が発達してこなかったせいもあり導入が進められておりませんでしたが、5Gの沖縄県の導入により、今現在、体験がより臨場感を持って、没入感を持って実施できるようになりました。
このように、観光産業にIT技術を導入することによって、たとえ外的変化によって沖縄県に入れなくても観光資源を活用できるというような形態をつくれると考えております。こちら、もう既に実証実験が、二〇二〇年に実証実験完了しておりまして、徐々に導入が進んでくるかと思います。
そのほかにも、三ページの右下の図、これはロボットなんですけれども、観光農園での摘み取り作業に関する遠隔農業体験のシステムです。こちら、更に簡便に、スマートフォンを使って観光資源を遠隔地でも体験できるというような実証実験が行われています。
このように、多数、観光の形が変わりつつある、5Gの導入であったり新しい技術の導入であったり、様々な環境変化が起こってくる中でも対応できるDX、ICT活用というのが進んでおります。こちらの法案がこのような外的変化に対応できる体験型観光、沖縄県の産業構成に強く推奨される事項となることを願っております。
次のページ、御覧ください。四ページ目です。
次は、人材育成、ICT活用による経済効率化、移住と定住についてです。
現在、沖縄は平均年収が全国的に見ても特に低く、産業発展に必須であるDX化、ICT活用のための、そもそも人材、IT人材の育成が急務でございます。一方で、離島、北部、離島と北部地域の人口減少や担い手不足の問題もあり、移住と定住の対策も求められています。
左下を御覧ください。左下の図は、各都道府県の平均年収です。一位はもちろん首都の東京でございますが、沖縄県は最下位となっております。そこの金額差にも御注目いただければと思います。また、沖縄県のこの年収の低さからなかなか子供たちが高校や大学に進学しづらい、結果として経済発展に必要であるIT人材が育たないといった、そういった問題がございます。
沖縄県だけではなく、右の図を御覧いただけると分かりますとおり、日本国内全般でもIT人材というのは需要と供給のバランスが取れていない状態になっています。そんな中、特に年収が低く進学率も低い沖縄県でIT人材が不足するのは当たり前のことかと思います。
次のページ、御覧ください。五ページ目です。
そこで、IT人材の育成を図るとともに、AIプログラミングなどソフトウエア業や情報セキュリティー業など、今後の成長可能性が見込める業種の重点的強化を図ることも重要であると。
今回なんですけれども、先ほどお話ししたとおり、新たなIT技術によって経済の効率化を図ると。先ほど御覧いただいた、観光産業もITを導入することで外的変化に強くなると。そういったところでシステムをつくったとしても、そのIT技術を更に新しくアップデートしていく、管理運用していく人材が必要となります。また、人材育成だけではなくて、移住と定住の問題、この両方がございます。これらを支援していくことで、沖縄県だけではなくて、ほかの日本国内の地域に対してもロールモデルを示せるのではないかと思います。
今回、これから十年にわたって、じゃ、それでは、大学であったりだとか、あと大学の周りのコミュニティー、そして沖縄県の人材育成、そのほかにもどうやってアプローチしていくのかということで、取組の事例を一つ紹介させてください。
こちらは琉球大学の取組で、観光型リカレント教育というものです。中段から下の部分に書かれている図、全てがそのとおりになります。北部のリゾートホテルに長期滞在していただき、ワーケーションに加えて、ITに関するリカレント教育を受けていただくと。
具体的にどのようなリカレント教育を受けているのかというと、AIに関するプログラミング、それから統計学、さらにはメタバースであったりだとかバーチャルリアリティーとか、最新のIT技術から基礎的な統計学、そういったところまで、幅広く業務に関わるところ、一般教養のところ、リゾートホテルに滞在しながら学んでいただくというもの、プロジェクトを推進しております。
こちらは、リカレント教育であるとともに、ワーケーション、スタディケーションというものがふんだんに含まれております。それによって、北部の地域の良さであったり、今後は離島の良さであったり、県外の方ですと、魅力に気付いていただいて、すばらしい人材が移住と定住していただけるのではないかと考えております。
ワーケーションに関しては、ワークとバケーションの組合せで、働きながら観光を楽しむ、お休みを楽しむ、余暇を楽しむという意味です。スタディケーションとは、先ほどと同様のモデルで、スタディーとバケーション、学習と余暇を楽しむと、両方を両立させたシステムというふうになります。また、リカレント教育に関しましては、職業上必要な知識と技術を習得するためにフルタイムの就学とフルタイムの就職を繰り返すことです。
今回のリカレント、観光型リカレント教育では、県外の研修生、あるいは県内の研修生に参加していただくことで、大学、研究機関を中心としてICT活用ができるIT人材を育てる、かつ沖縄県に定住してもらう、県内の方であればIT人材を育て、県外の方であれば移住、定住も御検討していただけるというような取組も進めております。
このように、積極的な、研究機関、大学、例えば琉球大学であったりだとか、県内のほかの研究機関、OISTであったりだとか、その周辺によって経済効率化を図れるような人材を育成するコミュニティーを形成していくというのが今後重要になるかと思われます。
そのほかにも、大学発スタートアップというのも、沖縄県では徐々にですが、増え始めております。今後、大学発スタートアップ、それから新規事業の増大によって、今、現時点の年収最下位であったりとか都道府県で見ても進学率が大変低い状況というのを改善していきながら、それで加速的にIT人材により経済効率化を図っていければ、そして、その魅力について、県外の方々、北部、離島に移住と定住していただければというふうに考えております。
また、これらのコミュニティーづくり、人材づくりによって、今後、日本国内の地方におけるIT人材育成、大学周辺、研究機関周辺のコミュニティーづくりのロールモデルになれるのではないかというふうに考えております。
私からの説明は以上となります。ありがとうございました。